ディベートの基礎知識-4つの特徴-

2015年1月29日


ディベートは?

ディベートとは何か?目的と効果、やり方のコツ、ディスカッションとの違いについて解説をしていきます。

はじめまして。即興ディベートの講師をしている木村と申します。競技式の即興ディベート講座を運営しているものです。

即興ディベートワークショップ2019

この記事では、ディベートがどんなものかについてお伝えしていきます。

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0 目次

 

1 ディベートとは何か?

まずは、ウィキペディアの定義を参照しますね。

ディベート(debate)とは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することをいう(広義のディベート)。討論(会)とも呼ばれている。ディベートは、厳密にはディスカッション(discussion)や単なる議論とは異なるものであるが、一般にはこれらの区別なく「ディベート」ないし「討論」と呼ばれることが多い(最広義のディベート)。この語法は既に定着している部分もあるが、誤った使い方であるとの見方も根強い。

出典:Wikipedia

この後に詳しく解説をしますが、ディベートには明確な定義がありません。共通の認識として、ある公的な主題について賛成側と反対側に分かれて行う討論をディベートと呼んでます。

ディスカッションとディベートの違い

ディスカッションは、自由に議論ができるのに対して、ディベートでは、主題、立場が明確です。あるテーマに対して肯定・否定の立場をとり、お互いの議論を戦わせていく形で進めていきます。あくまで意見対立が前提にして討論をしていきます。

但し、ディベートの中でディスカッションは行いますし、ディスカッションの質をあげるためにはディベートの技術は必要になってきます。実際に即興ディベートワークショップでもディベートの試合よりもみんなでディスカッションをしている時間のほうが長いです。

ディスカッションとディベートの違いについてもっと知りたい方は以下の記事を読んでみてください。

 

競技ディベートとは?

競技ディベートとは、通常のディベートに対していくつかの制限(テーマ、チーム、時間制限、勝敗の決め方)を設けて、説得力を競う討論ゲームです。

ディベート:討論・議論をゲームにしたもの!

(1)意見対立を前提にしたテーマを用意して
(2)賛成側(肯定側)と反対側(否定側)をランダムにチームに分けて、
(3)タイムテーブルに則り交互にスピーチを行っていき、
(4)第三者を説得する形で行っていく

中学、高校、大学、社会人向けの研修で行われているディベートは、その多くが、この競技ディベートです。

ディベートの特徴4つです。

2.ディベートの特徴4つ

ディベートの特徴-4つ

  • 1.テーマ-共通のテーマがある
  • 2.対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける
  • 3.タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」が決まっている
  • 4.勝敗の決め方-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める

この4つの原則を理解しておけば、いざディベートの講座を開いても失敗するリスクを下げることができます。

2-1 テーマ-意見対立を前提にしたテーマを用意する

2016年7月の即興ディベートワークショップ活動風景

ディベートには必ず意見対立を前提にしたテーマがあります。そのテーマに従って、チームに分かれて肯定・否定をしていき、お互いの議論を戦わせます。

これまでに行ってきたテーマについて紹介をしていきます。

2017年に行ったテーマ

■2017年の実績

  • 日本政府は、教科書をタブレットにするべきである
  • 日本政府は、転職を前提とした制度作りを推進するべきである
  • (株)ユニクロは、高価格帯商品を販売するべきである
  • (株)ケンタッキーは、店内でアルコール販売をするべきである
  • ネルフはガンダムを開発するべきである
  • ココイチは、デザートメニューを増やすべきである
  • 日本政府は、男女の多重結婚法案を認めるべきである
  • テレビ倫理委員会は、PG規定を強化するべきである
2018年に行ったテーマ

■2018の実績

  • 日本政府は、同一労働・同一賃金を推進するべきである
  • 日本政府は、男性の育児休暇を義務化するべきである
  • 日本政府は、離婚の自由化を認めるべきである
  • テレビ倫理委員会は、PG規定を強化するべきである
  • ドラえもんは、21世紀に帰るべきである
  • 日本政府は、ニート・引きこもり対策をやめるべきである
  • 文部科学省は、留年性を設けるべきである
  • 日本政府は、私立大学を半分に減らすべきである
  • 日本政府は、スウェーデン式雇用制度を採用するべきである
2019年に行ったテーマ

■2019年の実績

  • 日本政府は、キャッシュレス決済を促進するべきである
  • 日本政府は、高プロ人材を増やすための政策を実施するべきである
  • 厚生労働省は、リモートワークを推進するべきである
  • 日本政府は、中高での英会話教育を義務化するべきである
  • 日本政府は、定年制をなくすべきである(60代以降からも働けるようにする政策を作る)
  • 日本政府は、終身雇用・年功序列の精度を仕組みを排除するべきである
  • 野原みさえは、働くべきである
  • スターバックスは、店内に喫煙エリアを設けるべきである

ディベートのテーマの作り方についてはこちらのページを参考にしてください。

ディベート-テーマ(論題)一覧-10年の軌跡

続きを見る

ディベートのテーマを作るときに決めること3つ

続きを見る

「テーマ(論題)」と「プラン」の違い・作り方

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2-2 対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける

2018年7月のディベートワークショップ。チームに分かれて作戦会議

ディベートの試合では、肯定側になるか、否定側になるかは、試合直前までどちらになるかわかりません。事前にジャンケンやコイントスなどをして立場を決めます。なので、場合によってはあなたの主義主張とは真逆の立場で試合に挑むことだってあるんです。

ディベートの試合は、「主張」はたくさんするけれど、自己主張はしないんだ!
つまり、誰の立場になっても議論ができる状態が望ましいってことよね?

個人の主義主張と論理は徹底的に切り離すんですね。だからこそ、客観的な立場で議論に挑むことができます。

【例1】子供たちにプログラミングを勉強させるべきである
例1 あなたが、子供たちにプログラミングを勉強させるべきである!
この考えには賛成であり、学習指導要領にプログラミングの科目を増やすことが望ましいとも考えている。しかし、反対側になれば、その主張とは真逆の議論を作る必要がある。プログラミングを勉強させるべきではない、学習指導要領からプログラミングの科目を減らすべきと論じなければならない。
【例2】あなたはたばこがキライだ。喫煙ができる喫茶店には入りたくない
例2 あなたはたばこがキライだ。喫煙ができる喫茶店には入りたくない
しかし、某コーヒーショップに喫煙襟を設けるべきである!というテーマになったら、以下に喫煙エリアがあるコーヒーショップのほうがそうでないコーヒーショップよりも望ましいかについて論じなければならない。また、自分の意見に賛同してくれる人たちに反論をする場合もある

ディベートの試合で競っているのは、意見の正しさや納得性ではありません。論理の道筋です。

2-3 タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」がキッチリ決まっている

2018年1月のディベート練習会

ディベートの試合は、タイムテーブルに従って進められていきます。

確かに!たくさんしゃべる人が勝つことになるわよね。
そうだね。だから、逆にいうと、時間内に話す内容をまとめて、言い切らないといけないんだ。

タイムテーブルは、団体によって異なりますが、インプロ部では以下のタームテーブルを採用しております。

立論スピーチと反駁スピーチの違い

 

  • 立論スピーチ-自分たちの議論を発表するスピーチ。主に議論を組み立てて言葉のみで伝える。立論直後に、相手側から立論の内容について質問をする機会が設けられている。プレゼンテーションと質疑応答
  • 反駁スピーチ-お互いの議論(立論)を戦わせるスピーチ。反論、再反論の攻防戦を通して、どの点で自分たちの議論が優れているかをジャッジにアピールする。討論とクロージング

ディベートの試合は、肯定側と否定側が交互に言葉のキャッチボールをしていくイメージですね。たくさん話せれば勝てるわけではなく、時間内にポイントを絞って自分たちの主張を的確に伝えていくことが求められます。

2-4 勝敗-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める

最後ですね。先ほども触れましたが、ディベートの試合では、議論の勝敗を下すのは選手以外のジャッジや観客であり、選手(ディベーター)の目的は、第三者から意思決定を勝ち取るところにあります。たとえあなたが相手を論破した気になっても、ジャッジや観客から「票」を勝ち取れなければ試合には勝てません。

だからこそ、選手たちは、誰に向かって議論をしているのか?を常に意識してロジックと組み立てて、自分たちの主張を言葉で表現する必要があります。

2-4-1 第三者を説得する

論より証拠!まずは、即興ディベートワークショップの試合風景をご覧ください。

顔にぼかしを入れてわかりにくいですが、みなさん直接相手のほうを見て議論をせずに、こちらが見ていることがわかりますね。その理由は、対戦相手である相手選手を言い負かすのではなく、試合を勝敗を決めるジャッジや観客に向かってスピーチをしているからです。

相手をコテンパンにやっつけても、ジャッジや観客から票を貰えなければ試合には勝てないのです。

それ以前に対戦相手を見て話すのも、見られるのもイヤだ。。。
うん・・・そこは最大限配慮している

2-4-2 第三者(ジャッジ・観客)の役割とお仕事

さて、立場を変えて、今度はジャッジ・観客になってみましょう。ジャッジ・観客の仕事は、選手(ディベーター)に対して、試合の勝敗を伝えること。つまり、あなたがジャッジだとしたらどちらの議論により説得されたかを伝えます。判定は直感でも構いません。しかし、必ずその判定に至った理由を選手だけではなくみんなの前で伝えなければならないのです。

よって、好きか嫌いかでも判定できませんし、自分の主義主張を元に判定もできません。(物理的にはできますが、それをすると議論を聞いていなかったとみなされます)

なぜ肯定側(否定側)に投票をしたのか?その判定に至るまでの理由を選手たちに納得してもらえるように説明しなければならないのです。判定こそ自由ですが、必ず説明責任を負うことになります。

以上がディベートのルールです。団体のよっては、ローカルルールがありだいぶ異なるかもしれませんが、上記の4つを抑えておけば、だいたいどのディベート団体でも通用します。

 

3 ディベートは効果あるのか?

3-1 聴く→考える→まとめる→伝えるのサイクルを回せる

この【聴く】【考える】【まとめる】【伝える】の技術をここに学んで、実践を通して自分のものにできることがいちばん大きかったです。例えば、世の中には、このような講座はたくさんあります。

  1. カウンセラーから学ぶ傾聴の技術
  2. ロジカルシンキング習得講座
  3. 3分で自分の考えをまとめるプレゼン講座
  4. 相手を引き付ける話し方講座

インターネットでコミュニケーションやロジカルシンキング系の講座を検索すると、必ず上記のような講座を目にすると思います。ディベートの試合では、この4つの力が実戦形式で全て試されるのです。そのうえで、何が足りないかを把握して、自分の弱点を強化するトレーニングとしては最適です。

どれかひとつがゼロになってしまうと、コミュニケーションは上手く回らないんだよね。
力也
なるほど・・・俺はプレゼンは得意だけれど、人の話を聴くのは苦手だな
私は、人の話を聴いたり考えたりするのは得意だけれど、まとめたり、人と話すのはちょっと・・・かな

例えば、私の場合は、人前でサクサク話すことは得意でしたが、人の話にじっくりと耳を傾けることは苦手でした。正直いうと、今でも人の話を聴くのはそんなに得意ではありません。カウンセラーさんの聴き方を観察しても、それは明らかです。

それでも、ディベートで体得した「聴く」を実践すると、人の話をぶっ通しで3時間は聴き続けることができます。最大で14時間でしたね。相手の話に耳を傾けながら、相手が何を言ったか!ではなく、何を言っていないか?まで耳を傾けて、相手が本当に言いたかったことを引き出すことができます。これは傾聴の中に「論理」を組み合わせた技術です。

他にも、ひとつの事柄についても様々な視点から何十時間も考えることができるようになりましたし、考えてきたことは全て文章、デザイン、ホームページなど媒体に落とし込むようにしています。そして、必ず相手の言葉を自分の言葉に置き換えて伝えることもできます。

「コミュニケーション能力が向上する」とか「ロジカルシンキング・論理的思考力が磨かれる」とかいまだによくわかりませんが、

  1. 相手の話に耳を傾けながら
  2. 同時並行で複数のことを考えて
  3. その内容を自分の中で整理整頓をして
  4. 自分の言葉で相手に届くように伝える

ことならできます。

3-2 実践力6つのスキル ※但し、「即興」ディベートに限る

2016年から即興ディベートワークショップをはじめて、自分でも効果を実感して、また参加者様から好評を頂いたスキルを6つ紹介します。

複眼思考は、2-2でお伝えした弁証法の技術ですね。物事をひとつの視点から見ることなく多面的に捉える力。

戦略策定は、ディベートの試合では、スピーチの時間が限られているため、事前にどのような議論を作り試合運びを有利に進めるかを徹底的に考えます。仕事の会議や個人でコンサルを請け負うときも、時間は限られているため、事前に落としどころをいくつか作っておきます。これができると、まるで将棋を指す感覚でお客様とコミュニケーションができます。(失敗して凹むこともありますが)

意志決定力に関しては、ディベートの試合では必ず「決断」が求められることが大きいですね。2010年ごろに滝本哲史氏の「武器としての決断思考」という本が販売されて、ベストセラーになったことはご存知かと思います。

著書の決断思考は、「何をする/しない」を合理的に決定する方法で、その意志決定力を育むためにディベートが有効な手段というものでした。この考えにはほぼ納得ですが、実はもうひとつの決断思考が即興ディベートの中にはあります。それは、相手の主張を聴いて瞬時に考えをまとめて、自分の順番が回ってきたら、即興で議論の構成を決めたり、ジャッジ・観客の理解度に合わせて言葉をチョイスするなどの即興性の高い決断です。言い換えるなら、運動神経であり、反射神経です。

決断思考の効果が発揮するときは、講師のお仕事やワークショップのインストラクターをしているときですね。どんな質問に対しても、その場で反射的に答えます。(事前準備型の講座は一切やっていません)

もちろん、常にうまくいくわけではなく、失敗することも多々あります。

その時は、PDCAを回すようにしています。ディベートの試合には、必ずP:戦略策定、D:戦略実行、C:効果の検証、A:改善案を検討をするステップがあるため、自然とPDCAについて意識をするようになります。PDCAは頭でわかっているけれど、実践に落とし込むのが苦手だと思ったら、是非ともディベートにチャレンジをしてみてください。1時間でPDCAの要領を覚えることができます。

対比思考やメタ認知についてはまた今度書きます。

ディベートの教育効果や学べることについてもっと知りたい方はこちらの記事を参照してください。

ディベートは役に立つの?目的と教育効果4+6点
文部科学省さん!思考力・判断力・表現力はディベートでカンタンに伸ばせます

繰り返しになりますが、この4+6のスキルは即興ディベートによって身につきます。

【おまけ】2つのディベート:アカデミックディベートと即興ディベート

まず最初に知っておいていただきたいことが、ディベートにはリサーチ重視のアカデミックディベートとスピーチ重視の即興の2つがあるということです。

図にするとこんな感じです。

  • 「リサーチ」重視型(米国型)-アカデミックディベート
    学術論争をモデルにしたディベート。事前にテーマが告知されて、選手は2~3カ月の期間、証拠資料(エビデンス)集めや立論・反論カードを作成して、試合の準備を行う。たくさんリサーチをした人がゲームの勝者になる
  • 「スピーチ」重視型(英国型)-即興(パーラ)ディベート
    その場でテーマを決めて、選手を肯定側・否定側に分けて、チームごとで数分間で作戦会議を行い、いきなり試合をする。スピーチの上手さ、アドリブ力、話の組み立て方が勝負の決め手になる。即興力が勝負

アカデミックディベートはじっくりとリサーチ/即興ディベートはがっつりスピーチと覚えてください。

アカデミックと即興では、テーマ発表から試合まで、求められることや試合の決着の付け方がだいぶ違ってきます。

学術(アカデミック)即興(パーラメント)
テーマ発表から試合まで2~3か月前にテーマが告知されて、そのテーマに関するリサーチを行い、試合までに肯定側と否定側の議論の原稿を作り上げて議論に挑むその場でテーマが発表されて、選手(肯定側/否定側)/ジャッジの役割を決める。選手は15~20分程度で作戦会議を行い、即興形式で議論に挑む
求められること・情報(証拠資料)の収集力や現行の作成能力
・高速で原稿を読み上げる力(1分間500~600文字を目安)
・試合までにどれだけ準備をしたかが問われる
・アドリブ力/スピーチのうまさ/議論の組み立て方
・自分の言葉で伝える力/相手の言葉の定義や概念を探る力
・その場でどれだけ即興で対応できるかが問われる
優劣のポイント・証拠資料の量&量と運用力・即興力や議論運びの上手さ
活かせるシーン学生が論文を書くときに力を発揮する日常会話や難しい話をするときに力を発揮する

両者に優劣はありません。あなたが、何を学びどんなスキルを身につけたいかです。

当ワークショップでは、即興ディベート中心でしたが、お客様の要望もあり2019年からアカデミックほどガッツリは行いませんが、デジタル・ITや働き方改革をテーマにしたリサーチ有のディベートもはじめました。

ディベートの流れと例

まずは、テーマを用意して、そのテーマを肯定(否定)するために、メリット(デメリット)を作っていきます。

今回は、日本は消費税を引き上げるべき!で考えていきましょう

ではいきます。

立論-議論のたたき台を作る

立論では、自分たちのテーマを肯定(否定)する理由を述べていきます。最も手っ取り早いのは、その政策(法案)が実施されるための、メリット(デメリット)をストーリーにすることですね。

肯定側立論

消費税を引き上げるべきです。なぜなら、今の日本の財政を見るか限り、支出に収入が追い付いていません。先日のニュースだと日本の借金は1000兆を超えてしまい、その額は今も膨れ上がっています。このまま財源が尽きれば、日本はギリシャのように国家破綻をしてしまいます。実際に、ギリシャでは政府が国民に対して満足に行政サービスを行えないどころが、各支援国の指示に従っているため、生活面でかなりの制限が課せられていると言われています。日本も借金を返せなければ、同じような状況になるでしょう。だからこそ、消費税を引き上げて、政府の借金を返済して、将来がの子供たちが行政から満足のいくサービスを受けられるような状態にしなければなりません。

と、このように、肯定側は消費税を引き上げるべき正当(?)な理由を論じていきます。

否定側立論

消費税を引き上げることに反対します。なぜなら、私たちの生活が苦しくなるからです。例えば、消費税を2%引き上げただけでも、これまで10,000円に対して消費税を800円支払っていたものが11,000円になります。確かに微々たる差かもしれませんが、これを月20万円支出しているケースに置き換えてください。+4000円の課税を強いられるわけですね。そして、私たちは、この4000円分を補填するために、どこかの消費を抑制します。その消費はぜいたく品かもしれませんが、そのぜいたく品によって助かっているお店や産業があるんですね。コンビニ、アルコール、レジャーでもなんでも構いません。そういった産業にお金が回らなければ、そこで経営が悪化する企業が増えます。

この時点で否定側は、肯定側の立論に対して直接反論せずに、まずは同じようにこのテーマを反対する理由を述べていきます。

立論が終わったら、次に行うべきは、その立論に対しての質疑・応答です。ディベートの試合では、選手は物凄い速さでスピーチをするので、聴き洩らしたことやもう一度確認をしておきたいことを質問します。この時点で反論はしません。次の反論に備えて、情報集めをします。

質疑・応答

質疑は、立論直後に相手サイドから行われます。最初のスピーチが肯定側なので、肯定側立論の直後に否定側が質問をしていきます。

否定側→肯定側に対する質疑

  • 【質疑】日本の借金が膨れ上がっているのはわかりましたが、国家破綻するレベルなのでしょうか?確か、ギリシャが破綻したときの借金の額って・・・30~40兆円でしたよね?
    • 【応答】はい。確かに・・・(あれ・・・焦る)・・・日本それ以上にヤバいってことです。1000兆ですよ
  • 【質疑】わかりました。次の質問ですね。消費税を引き上げれば、借金は返済できると立論上で説明していましたか?
    • 【応答】はい。しました(ヤバイ・・・確かに言ったが、具定例を示していない)

と、こんな感じに相手の議論の核心を突きながら、相手が立論で論じたことと論じてないことを明確にしてい聴きます。

では、逆の肯定側から否定側に対しての質疑も見ていきましょう。

  • 【質疑】仮に私たちの月の支出が200000円だとすると、その負担は4000円+なんですよね。それが負担ということでしょうか?
    • 【応答】はい。立論でも述べたように、ちょっとしたぜいたく品をあきらめるぐらいの効果はあるんですね。
  • 【質疑】なるほど。確かに4000円分の消費に対するしわ寄せはありそうですが、それは産業やお店がつぶれるレベルなのでしょうか?かつて消費税が5%から8%に増えたときに、どこか大打撃を受けましたか?
    • 【応答】どこかあるんじゃないですかね?(知らんがな!)

と、同じようにお互いの立論の核心を突きながら、相手側の議論の根拠や理由が主張を支えているかを検証していきます。

立論と質疑が終わったら次は反駁です。

反駁

反駁では、お互いの立論を元に再度議論をするイメージですね。

通常、反駁は2パートあり、最初の反駁でお互いの立論に対して、攻撃と守りを応報を繰り広げながら、自分たちの議論のほうが相手の議論よりも説得力があることをジャッジにアピールしていきます。

3種類の反駁

  • ①攻撃-相手の議論(立論・反駁)の弱点を指摘すして、論理のつながりを崩していく
  • ②防御-相手から受けた反論に対して説明の足りていない部分を補足説明する
  • ③比較-お互いのメリット・デメリットを比べて、自分たちの方が説得力が高い理由を示す
否定側第一反駁

肯定側の立論に2点反駁します。

1点目:借金が膨れ上がっているのは認めますが、ギリシャを引き合いに国家破綻を論じることは不適切です。そもそも借金の額や借入先が違います。日本の場合は、国内に借金をしているため、状況が違います。2点目:消費税を10%にしても、焼け石に水です。日本の年間予算が100兆ぐらいですから、満額になっても最大2兆の効果しかありません。1100円を返せるわけがないのです。むしろ、消費税upに伴う消費抑制を危険視するべきです。

肯定側第一反駁

まず否定側立論に反論します。確かにしわ寄せを受ける産業はあるのかもしれませんが、否定側は立論上で、そのお店や産業を具体的に示していません。消費税が5%~8%にアップしたときを思い出してください。一時的にはみんな驚きましたがスグに慣れました。市場経済とはそういうものです。次に否定側の反論に反論します。最大で2兆円の効果しかないとおっしゃっていましたが、アニメ産業の規模は2兆円です。つまり、それだけの効果がある額です。

ねぇ、ちょっと議論が強引すぎない?
即興で作っているんだからしゃーないっしょ!

とこんな感じでお互いの議論に対応していきます。そして、最後にお互いの議論に対して決着をつけていきます。

続きに関してはまだ今度書きます。

しばらくお待ちください。

4.即興ディベートワークショップの活動内容

即興ディベートワークショップとは?

私が運営しているディベート講座です。

個人の実践的な能力開発、専門家の活躍の場を広げる、異業種交流戦、日々のストレス解消、仕事がなくなった時の防衛策、同業種・異業種の人ともつながる、ホームページ制作のお客様獲得、ウェブマーケティングの練習などを目的に運営しております。

即興ディベート活動風景

では、次に即興ディベートワークショップをモデルに実際にどんな形でディベートが行われているのかをお伝えしていきます。

即興ディベートワークショップのディベート

  1. テーマ決め/アイディア出し
  2. リンクマップ・議論を作成する
  3. 肯定側・否定側・ジャッジを決める
  4. チーム内で作戦会議をする
  5. 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める
  6. 試合の判定・講評

ディベート団体と比べて独特な文化があるのかもしれませんが、様々な業界・職種の方が参加をしてくださり、その中で皆様から求められていることを拾い集めて社会人の方から必要とされるようなディベートを作ってきました。

これまで参加して下さった方

税理士/社労士/行政書士/システム設計者/Webデザイナー/エンジニア/映像クリエーター/プログラマー/イラストレーター/Webディレクター/機械設計者/小規模事業者/個人事業主/コンサルタント/飲食店経営/プロ・コーチ/経営コンサルタント/ショップ経営 カウンセラー/ITコンサルタント/スクール経営/講師/人材コンサルタント/NPO・協会運営 教育者/中小企業診断士/フリーター/ニート/大学生/高校生

真理
なんか色々だね。もうちょっと絞ったら
いや、ちょっとした異業種交流会になるから、職種と業種は絞る必要はないかな

業種/職種に絞らず社会人の方がお持ちのニーズは以下の通りでした。

  1. 自分の意見や考えを自信をもって伝えられるようになりたい
  2. 会社で会議をしていて、話の論点がわからなる。キチンと論理で考えたい
  3. 聴き手から「なるほど!」という言葉を引き出したい、突っ込まれたくない
  4. スキル・経験・資格を武器に変えたい。学んだことをそのままで終わらせたくない
  5. ディベートに興味がある。チャレンジをしたい
  6. 会社の研修や学校の授業にディベートを取り入れたい

などですね。最近は、ディベートそのものに対してもニーズが増えてきたので、ディベート講座を開けるように資料提供などもしております。ありがたいことです。(ほんと・・・)

即興ディベートワークショップで意識していることは、単にディベートの試合を経験して終わりではなく、ひとつ視点をあげて、みんなでテーマを作ったり、試合の判定が終わってから、試合の内容を通じてその日に学べたことを共有するなど体験価値の最大化を常に意識しています。

4-1 テーマ決め/アイディア出し

まずはディベートのテーマ決めます。テーマは、原則みんなで決めて、そのテーマでディベートをしていますね。

  • 日本政府は、タブレット授業を推進するべきである
  • 日本は、子供園を増やすべきである
  • 日本政府は、副業禁止を禁止するべきである
  • ネルフは、ガンダムを開発するべきである
  • 日本政府は、労働者が転職することを前提にした制度作りをするべきである

折角の休日イベントなのでお堅いテーマよりも、ちょっとクスッと笑えるような面白いテーマでディベートをしていますね。

テーマが決まったらアイディア出し。簡単にマインドマップのようなものを作って、論点の洗い出しや、メリット・デメリットを列挙しています。

リンクマップの作り方

 

これは2016年の夏に作ったリンクマップです。この時のテーマは、東京都は都知事の年収を都民のアンケートによって決めるべき、でした。

リンクマップが作れるようになると、マインドマップも簡単に作れるようになります。マインドマップがお好きな方は是非とも一緒に覚えてください。

4-2 役割を決める

議論の方向性が見えてきたら、次に選手とジャッジの役割分担です。

  • 選手-肯定側と否定側
  • ジャッジの人数(偶数・奇数)

4-6人でグッとパーをして、チームを決めます。その後に、チームの代表者同士でジャンケンをして勝った方が肯定側。負けたほうが否定側です。

真理
本当にどっちになるかわからないのね。
うん、ここは驚いた。。

4-3 チーム内で議論を作成する

チームに分かれたら、10分~15分くらいで、作戦会議を行います。主に立論作成を行います。

立論作成シートを作成したので、肯定側なら肯定側の立論作成シート・否定側なら否定側の立論作成シートをお渡しします。

4-4 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める

各スピーチの流れについては以下の表をご覧ください。

各スピーチの流れ

肯定側立論肯定側立論は、テーマの推進者として、「現状に問題があるからテーマを実行して改革するべきだ」と主張するトップバッター。原則、肯定側の主張を受け入れるか否かでディベートの試合が進められる
否定側質疑肯定側立論直後の否定側からの肯定側立論に対しての質問。ここでは反論はしない。あくまで情報収集。
否定側立論肯定側のテーマ推進反対者として、「テーマを実行したら新たな弊害が発生する」と主張する。基本的な立場は「現状維持」。上級者になると代替案(カウンタープラン)を論じたりする。
肯定側質疑同じく否定側の立論に対して質問をする。反論はしない
否定側第一反駁肯定側の立論に対してのみ反論をする。新しい主張はしない。
肯定側第一反駁否定側第一反駁と否定側立論の両方に反論をする。結構忙しい・・・
否定側第二反駁否定側の最後のスピーチ。これまでの議論を通じて自分たちの議論のほうが相手よりも説得力があることを伝える。
肯定側第二反駁最後のスピーチ。否定側の主張を踏まえて、自分たちの主張を実行するべき理由を論じる。
真理
たくさんスピーチパートがあるのね。途中で迷子になりそう。
そうならないようにディベートの試合では、議論の流れを細かく記録してくんだ。

スピーチの順番・時間役割は、以下の用紙にそって進めていきます。

フローシート

ディベートの議論を書き留める用紙のことをフローシートと呼びます。

フローシートの書き方:ディベート試合編-フローシートを上手に書くコツ3つ

4-6 決着と振り返り

肯定側第二反駁が終わったら、試合の判定を行います。即興ディベートワークショップの初回の講座であれば、私がジャッジを担当しています。複数回参加をしてくださった方には選手だけではなくジャッジなどもお願いをしております。ジャッジを経験すると、ディベートの見方が物凄く変わります。

これは、今まで就職活動などで面接を受けてばかりしていた人が、面接官になると同じですね。

ディベートの試合が終わってからは、みんなで振り返りや雑談などをしていますね。クタクタになるまで考えた後のクールダウンは楽しいものです。なお、このタイミングで楽しくなったら、おそらくあなたはディベートに向いています。

5.2019年の目標

ディベートの敷居を低くして気軽に誰でもディベートに興味を持ってもらえるようにしたいですね。

ただ単にディベートのノウハウを教えて、試合に勝つだけのマニュアル的なディベートを仕込むだけではなく、ディベートをはじめてくださる方にキチンと価値を提供できる講座を開発していきたいですね。

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