ディベートの基礎知識-4つの特徴-

投稿日:2015年1月29日 更新日:

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ディベートって何?という質問に対してすべてお答えしているまとめ記事です。ディベートでわからないことはすべてこの記事で解決できます。

こんな質問に答えています

  1. ディベートって何?興味があるけれどよくわからない
  2. 実際のディベートってどんなものなの?小出しにしないで洗いざらい教えて
  3. ディベートをしようかどうか迷っている。その判断材料が欲しい
  4. 即興ディベートって何?普通のディベートと何が違うの?
  5. ディベートのやり方や身につく能力

 

はじめまして。こちらのサイトを運営している木村と申します。お仕事は、ホームページ制作と講師業ですかね。その中でいちばん得意なのがディベートですかね。

月1回ぐらいの頻度で即興ディベートワークショップという講座を運営しております。

即興ディベートワークショップの詳細はこちらから

この記事では、そんなディベートについて20000文字ぐらいで徹底解説をしていきます。

文章だけだと疲れる思うので、イラストをたくさん使ったり、マンガ風にしてみました。

インプロ部のナビゲーター.fw4人のキャラの設定

  • 論(ひろし)-平日は普通のサラリーマン。休日にディベートをしている。自分でもディベートのイベントを主催しようかと考えている。
  • 真理(まり)-中高時代を海外で過ごした帰国子女。帰国後に日本の大学で経営学を専攻。転職コーディネーターをしている。ディベート未経験。
  • 力也(りきや)-都内でWEBデザイナーとして働いている。営業からサイト制作までひとりでこなす。ブラック企業で働いて3年目。転職を検討中。ディベート未経験。
  • 心(こころ)-大学院を中退して都内で派遣社員として働く。副業で占い師をしている。医師からアスペルガー診断を受けた経験あり。ディベート未経験だけれど、強い。

では、目次です。

 

0 はじめに

もくじ

1 ディベートの意味・定義

まずは、ディベートとは何か?みんなで輪になって議論をすることなのか?言いたいことを言うだけなのか?口けんかなのか?Wikipediaではこのように定義されていますね。

ディベート(debate)とは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することをいう(広義のディベート)。討論(会)とも呼ばれている。

出典:Wikipedia

ディベートは「討論」であり、ディスカッションの形態のひとつです。ディスカッションに様々な制限を設けて対立形式の議論にしています。

以下のように考えるとわかりやすいですね。

 

 

ディベートと議論の違い

クリックで拡大

ディスカッション>討論・議論

広義・狭義のディベート

競技ディベート

今回のディベートは、上図の真ん中の競技ディベートを指しています。競技ディベートとは、その名の通り、ディスカッション・議論・討論・論争、ないしはその他のディベートに何らかのルールや勝敗の決め方を設けて完全にゲームにしたものです。

現在は、この競技ディベート=ディベートになっている場合が多いですね。

そして、この記事でのディベートは、いわゆるこの協議ディベートなのです。

1-1 競技ディベート

即興ディベートとは意見対立を前提にしたテーマを用意し、賛成側(肯定側)と反対側(否定側)のチームに分かれて、自分の意見とは関係のないところで議論を行う。ディベートは、決まったルールのによって行われ、勝敗は第三者にゆだねられる。討論・議論をゲームにしたもの!

普通の討論(ディスカッション)にたくさんの制約を設けてルールや勝敗の基準を明確にした対立形式の議論です。ストリートファイトのようなディベートとは区別されています。なぜなら、ディベートを行う目的が、スキルアップに役に立つという考えのもとに設計されているからです。

1-2 ディベートを通して得られるスキル

ディベートを行う理由は、相手の意見を聴いて、批判的に物事を考えて、考えた内容を上手にまとめて、自分の言葉で伝えるトレーニングですね。

ディベートでは、この4つのスキルをゲームや競技という形で実践を通して身につけていくことができます。例えば、あなたが会社やサークルで誰かとお話をしているとします。相手と話がかみ合わないことはよくあると思います。その原因というのは、この4つのスキルのうち、どれかがゼロになっている場合です。

ディベートをしているときも同じなんです。4つのうちどれかひとつがうまく回っていなければ、まるでどこかの歯車が止まったかのように、相手と上手にお話ができません。

例えば、私はお客さんのホームページを作る仕事をしています。お客さんはWebやシステムのことを全く知りません。私も、お客さんの業種や職種については全くわかりません。お互い解っていることよりも、わからないことのほうが多いのです。

ところが、この聴いて×考えて×まとめて×伝えるの4つが上手く回れば、その「解らない」のギャップを埋めていけるので、言葉のキャッチボールがスムーズに進みます。これが上手くできると人とコミュニケーションをすることが楽しくなるんですね。

また、色々な知識や技術を学んでいくことができます。

1-3 ディベートをしたら口ケンカや言い負かしあいならないか?

  • ディベートは、屁理屈をごねて相手を言い負かすものだろ!
  • 建設的な議論といっているが、相手を論破することは変わりないのでは?
  • ディベートをすると自分の意見をごり押しするだけの人になるのでは?
  • 和を重んじる日本人の文化にディベートは合わないだろ?
  • 実際にディベートをやったらチーム内で口論になりましたが何か?

ディベートの書籍を開くと、ディベートはキチンとしたルールや第三者の勝敗によって決着をつけるから、いわゆる言い負かしあいや論破にはならないと説明がされていますね。

これはその通りだと思います。詳しくはこの後に解説をしますが、ディベートの試合をしているときは、相手の議論と人格は完全に切り離しています。誰がいうか?ではなく、何をどのように伝えたか?で議論をしています。お互いにこのような前提を共有しているため、議論や討論に感情は持ち込みません。

もちろん、はじめての方にいきなり議論と人格を切り離してください!という気はありません。それは難しいからです。

そのため、即興ディベートワークショップでは、いきなり選手から入らず、まずはジャッジという立場でディベートに入ってほしいのです。ジャッジとしてディベートの流れやそもそも議論はどういう仕組みなのかを気づいてからディベートに入ると抵抗感なく取り組めます。

では、次の章ではディベートがどんなものか?についてお伝えしていきます。

2.ディベートの特徴4つ-「テーマ」、「対戦相手」、「タイムテーブル」、「勝敗」

即興ディベートとは意見対立を前提にしたテーマを用意し、賛成側(肯定側)と反対側(否定側)のチームに分かれて、自分の意見とは関係のないところで議論を行う。ディベートは、決まったルールのによって行われ、勝敗は第三者にゆだねられる。討論・議論をゲームにしたもの!
真理
これは一般的に中学や高校、大学などで行われているディベートよね?
そうだね。ただ、その「一般的なディベート」も種類が増えたからね。A団体とB団体では全く違うディベートをしていることもあるんだ。

ディベートの特徴4つ

  • 1.テーマ-共通のテーマがある
    意見対立を前提にしたテーマ(お題)を用意する。チームを肯定側(賛成側)と否定側(反対側)のチームに分かれて、議論を組み立てる・発表する。
  • 2.対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける
    肯定側になるか?否定側になるか?は、試合の直前に決まる。自分の意見とは反対の立場になることもある。個人の主義・主張は持ち込まない
  • 3.タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」が決まっている
    スピーチは、決まったタイムテーブルにのっとり行われる。時間や順番が決まっている。「主張する人」「質問する人」「反論する人」「まとめる人」など役割も決まっている。お互いが平等に発言できる
  • 4.勝敗の決め方-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める
    説得する相手は、相手選手ではなく第三者(ジャッジ・観客)勝敗の基準は、第三者を説得からひとつでも多くの票をゲットしたか

即興ディベートワークショップでは、【テーマ】、【対戦相手】、【タイムテーブル】、【勝敗の決め方】をキチンと決めて、ゲームとしてディベートを行っております。

ひとつひとつについてご説明してきますね。

2-1 テーマ-意見対立を前提にしたテーマを用意する

2016年7月の即興ディベートワークショップ活動風景

2016年7月の即興ディベートワークショップ活動風景

ディベートの試合では、必ず意見対立を前提にしたテーマを用意します。このテーマを用意したうえで、肯定側するチームと否定するチームを分けてお互いの議論をたたかわせていきます。ポイントは意見対立が前提になっていること。

ディスカッションのように、「●●に対してどう思うか?」といったお題ではなく、賛成か反対で意見が割れるものになっています。ここに例外はありません。

2-2-1 即興ディベートワークショップで行ったテーマ

2017年に即興ディベートワークショップで行ったテーマをまとめてみました。

<2017年のテーマ>

  • 日本政府は、教科書をタブレットにするべきである
  • 日本政府は、(従業員の)副業を解禁するべきである
  • 日本政府は、転職を前提とした制度作りを推進するべきである
  • (株)ユニクロは、高価格帯商品を販売するべきである
  • (株)ケンタッキーは、店内でアルコール販売をするべきである
  • ネルフはガンダムを開発するべきである
  • ココイチは、デザートメニューを増やすべきである
  • 日本政府は、同一労働・同一賃金を推進するべきである
  • 日本政府は、男女の多重結婚法案を認めるべきである
  • テレビ倫理委員会は、PG規定を強化するべきである

※2018年に行ったテーマは近々更新します。

ディベートのテーマは、

  1. 論争可能である(賛否両論の議論が作れる)
  2. タイムリーであること(楽しんで取り組めること)
  3. 必ず主人公の立場で物事が考えられること(意思決定モデル)

等の基準でテーマを作っております。

ある組織のトップになったと仮定して、ある特定の【行動】の是非について議論をしていきます。このスタイルは、国会や議会をモデルにした【政策ディベート】と呼ばれています。即興ディベートワークショップでは、このスタイルのディベートを採用して、様々な業種・職種の人がひとつのテーマで議論をしています。

ディベートに特化したテーマのことを「論題」といもいいます。

2-2-2 テーマのジャンル(価値論題、推定論題、政策論題)

ディベートのテーマは大きく分けて3つあります。

各テーマの違いについては表を作ったのでご覧ください。

論題名 内容 難易度
価値論題 ある価値観と別の価値観を対比させる
→猫と犬、どちらのほうが良いか?
推定論題 特定の事実について「より正しいかどうか」について議論をする
→AIは人の仕事を奪うか?
政策論題 ある政策・法案を可決するべきかを議論する
→日本政府は、法案Aを行うべきか?

価値論題

ディベートの中では、いちばんシンプルであり、最も難しいテーマだともいわれています。

真理
え?そうなの。簡単そうに見えるけれど・・・

なら、「犬」と「猫」が何かを私にわかるように10秒以内に説明してみて・・・

真理
え?猫は猫、犬は犬でしょ。そんなのわかるわよね?

全然説明になっていない・・・野良猫?それとも飼い猫?

真理
いや、だから猫は猫で、犬は犬。そこに飼い猫や野良犬のくくりはないわ?

聴いている人はどうだかね?

と、このように、同じ言葉を使っているのにも関わらず、その言葉の意味や解釈、捉え方によって議論がかみ合わなくなります。価値論題を攻略するコツは、相手の言葉の意味や定義を探っていきながら、慎重に言葉を選んでいかなくてはなりません。また、相手の言葉の中身についても理化していかなければなりません。

共通土台がない中で、価値論題をすると、言葉の誤解や認識のずれが多発しすぎて、最後の最後に議論がまとまらなくなります。

真理
なるほど。必ずしもシンプルイズベストじゃないのね。
そうだね。学校の授業や会社の研修でこのようなディベートを行っている人も多いようだけれど、やっぱりこの壁にぶつかるんだよね。

・・・参加者の方から聴きました。相手に1を伝えて10解ってもらうのではなく、100を伝えても1もわかってもらえないぐらいの認識で取り組むぐらいでないと、価値論題は攻略できません。

推定論題

特定の事実について議論をするスタイルのディベートです。

例えば、AIは人の仕事を奪うか?といったテーマで事実を元にしたテーマで議論をします。言うまでもなく、このテーマは、AIや労働環境についてどれだけ知っているか?どれだけ詳しいか?が問われます。事前にリサーチをする必要はあります。そのため、AIや労働環境についてあらゆることを調べてからディベートに臨む必要があります。

真理
AIは仕事を奪うか?の議論は理系と文系の合体技よね?
そう。巷で行われているAIが仕事を奪うかも、エコノミストとエンジニアではだいぶ切り口が違うからね。

価値論題は難しい、政策論題は難しい中でいちばんお勧めなのが、政策論題です。

政策論題

真理
政策論題って価値論題と推定論題をセットにしたものでしょ。余計難しいような気がするけれど・・・
確かにね。でも、いちばんやりやすいんだ。

政策論題が最もやりやすい理由は、3つの論題の中でいちばんバランスが取れているからです。もちろん、価値論題や推定論題的な要素もあるのですが、勝敗の決着のつけ方がシンプルだからでしょう。

その勝敗のつけ方は、主人公の立場ならどちらに投票をするべきか?だけだからでしょう。もちろん、政策論題でも、哲学的な思考や専門知識はあることに越したことはありませんが、それでも中学生や高校生でも公式戦でできるレベルにブラシュアップされています。いくつか制限や縛りを設けることで、ディベートのフォーマットに落とし込みやすいからかもしれません。

2-2 対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける

2018年7月のディベートワークショップ。チームに分かれて作戦会議

2018年7月のディベートワークショップ。チームに分かれて作戦会議

テーマが決まったら、肯定側になるか、否定側になるかを決めます。

さて、この肯定側になるか、否定側になるかが物凄く重要なのですが、試合直前までどちらになるかわからない!ということです。

真理
え!そうなの??
うん、試合直前にジャンケンやコイントスをして決めるんだ。

2-2-1 個人の主義主張を切り離す

日本政府は、正規雇用者の服用を推進するべきである!というテーマがあるとします。

さて、あなたはこのテーマに、賛成でしょうか?反対でしょうか?

私は、賛成です。

しかし、

自分の主義主張なんてぶっちゃけどうでもいい!

ディベートの試合では、個人の意見は徹底的に切り離されます。

たとえあなたが個人的に賛成(反対)でも、否定側(肯定側)になれば、あなたの意見ではなく否定側(肯定側)の立場になり、議論を挑むことになります。

真理
自分の主義主張に反する意見を述べるのは辛くない?心が折れないの?
普段だったら折れるけれどね。ディベートなら別に大丈夫だよ。

ディベートは、「自分の意見に賛成して」「私の考えを受け入れて」と訴える場ではないとお考え下さい。

 

ディベートで競うのは2つ!

  • 1.どれだけキチンと掘り下げて考えられたか?
  • 2.どれだけ聞き手に解りやすくプレゼンができたか?

 

個人の考えのすばらしさではありません。

力也
確かに!自分の意見とは関係ないのなら、ガンガンと議論ができるかもな。反対されても凹まないし...
そうね。力也が議論に弱いのは、自分の意見にこだわりすぎるからよ。相手が何を考えているかが見えていないから、次の手が読めないのよ。あ、言っちゃった。
力也
・・・(この野郎)

ディスカッション・議論・討論が好きな人は、どうしても自分の意見を相手に押し付けたいと思いがちですが、ディベートは真逆です。時には、自分の意見に対して否定をすることも平気で行います。

私は、副業推進については個人的に賛成していますが、反対側の議論も作ることができます。同時に、その反対側の議論も崩すことができます。

2-2-2 真逆の立場からも考える

自分の意見を反対の立場から検証することができるのは、ディベートならではの魅力だと思っています。

真理
なるほど!これは大事かも。私も、求職者さんから相談を受けたら、私がいちばんだと思っている提案よりも、相手が何を求めているのかから考えるからね。
それは大事だね。ディベートを学ぶと自然と自分の意見とは真逆の視点で物事を考える癖も身につくんだ。

議論好きの人は、自分の意見にこだわる傾向がありますが、自滅している人がチラホラいます。

原因は、自分が組み立てた論理の盲点が見えていないから、結果として相手からどういう反論を受けるか?その想像がつかないこと。

だから、反論されたら焦るわけです。

一方で、本当に議論が得意な人は、相手の反論も事前に予測をして、その反論に対しての反論まで考えます。将棋と同じです。3-4手先は余裕で考えています。

2-2-3 第三者の視点で物事を考えること

ディベートの試合では、肯定側(否定側)と偏った考えをするのではなく、徹底的に第三者(客観的に)の視点で物事を考えることが求められます。

「客観的に物事を考えることは大事」
「広い視点で物事を捉えるべき」
「視点(レイヤー)をあげろ」

と説く人がいますが、「主観的な自分の考え」を切り離すのは、中々簡単ではありません。結局、自分の主観的な考えに戻ってしまいます。だからこそ、いちど、あえて相手(真逆の考えを持つ人)になってみて、その人の思考を徹底的にモデリングします。

すると、自然と両方の立場で物事を考えられるようになり、第三者の視点が手に入ります。

図にするとこんな感じです。

 

例えば、私の場合です。「バレンタイン反対」「バレンタイン爆発しろ!」という主観的な考えを持っているとします。この場合、第三者の立場で物事を考えようと思っても、思い込みの激しさや先入観(ステレオタイプ)が邪魔をして、第三者の視点で物事を考察することができません。

だからこそ、バレンタインは素晴らしい!という考えをあえて取り入れてみるのです。

もしもあなたが働いているのであれば、あえてニートの気持ちになってみるのもよいかもしれません。

真理
いや・・・私、ニート嫌いだし。働きたくない!なんてありえないし・・・むしろ、ニートは強制労働よ。
真理ちゃん、けっこう歪んでいるね...

ですが、あえてニートの立場になってください。

ニートはムリして働かなくてもよい!という議論を組み立ててみて下さい。

すると、不思議なくらいニートの視点から物事が考えられるようになり、同時に、その考えの弱点にも気づきます。

真理
あ、できた。確かに、ニートの意見も最もね。
OK!次いでに、真理ちゃんが言っていたニートは働くべき!という議論の弱点も見えるともっと良いかな。
真理
それは今度ね(笑)

このようにディベートを通して、自分の考えや思考の癖、異なる異見、相手の立場だけではなく、メタ認知的に物事を考えることもいとも簡単にできるようになります。

 

2-3 タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」がキッチリ決まっている

2018年1月のディベート練習会

2018年1月のディベート練習会

ディベートの試合は、やみくもに議論を進めていくわけではなく、肯定側と否定側が交互に言葉のキャッチボールをするように進めていきます。前半のスピーチで、テーマを肯定(否定)する理由を出して、後半からはお互いの議論の攻防戦を行っていきます。

ディベートでは、これを「立論スピーチ」と「反駁スピーチ」呼んでいます。

立論スピーチと反駁スピーチの違い

 

  • 立論スピーチ-自分たちの議論を発表するスピーチ。主に議論を組み立てて言葉のみで伝える。立論直後に、相手側から立論の内容について質問をする機会が設けられている。プレゼンテーションと応答
  • 反駁スピーチ-お互いの議論(立論)を戦わせるスピーチ。反論、再反論の攻防戦を通して、どの点で自分たちの議論が優れているかをジャッジにアピールする。討論とクロージング

立論、質疑、第一反駁、第二反駁という計4つのパートがあります。

では、それぞれのスピーチの流れについて解説をします。

2-3-1 立論-プレゼンテーション

立論とは、「論」を「立」てるという意味です。簡単にいえばプレゼンテーションです。立論では、肯定側(否定側)共に、自分たちの立場にそったスピーチを行います。

要するに、「メリットがあるからテーマを実行しよう!」「デメリットがあるから、テーマを実行するのをやめよう!」といえばいいのね?
そうだね。これをメリット・デメリット方式って言うんだ。

 

2-3-2 質疑・応答-インタビュー

立論直後に、相手サイドから立論に対して質問をする機会があります。ディベートでは、唯一、選手同士が向き合って話せる場です。


もしも、立論を聞いて、わからないことがあれば、このパートで解消して下さい。

質問側-「立論で述べた○○とは、××という意味でしょうか?」
応答者-「はい、○○は××という意味で大丈夫です。」

質問側-「この議論はAだからBになるということでしょうか?」
応答者-「そこは違います。AとBの間にCがあります。」

質疑は、相手の議論に対しして反論を加えるのではなく、次の反駁に備えて情報を収集する場です。

ジャッジは、質疑・応答のやり取りは聞いてないことにしています。いくら質疑でよい反論を述べても、次の反駁で反論しなければカウントしてくれません。

質疑は、記者会見などで発表者にインタビューをするときに近いかもしれませんね。

さて、質疑が終わったらいよいよ反駁です。反駁スピーチからはお互いの立論を元に、どちらの議論の方がより説得力が高いかについて決着をつけてくパートです。本当の議論はここからです。

2-3-3 反駁-クロージング

反駁スピーチは、相手の議論に対して反論をするパート問より、これまでのお互いの議論について再度議論をしていくようなイメージです。

否定側第一反駁→肯定側第一反駁→否定側第二反駁→肯定側第二反駁と交互に進み、自分たちの議論のほうが相手の議論よりも優れていることをアピールしていきます。

3種類の反駁

  • ①攻撃-相手の議論(立論・反駁)の弱点を指摘すして、論理のつながりを崩していく
  • ②防御-相手から受けた反論に対して説明の足りていない部分を補足説明する
  • ③比較-お互いのメリット・デメリットを比べて、自分たちの方が説得力が高い理由を示す

 

結構忙しいわよね。反駁って。
そうだね。全部の議論に対して反論をしようとせずに、どこで勝ちにいくかを意識して、争点を絞っていく必要なあるかもね。

 

■スピーチ中のルール

他にもこんなルールがあります。もちろん、この場で覚えなくてもOKです。当日は、実例を兼ねて解説をします。

へー、色々とあるのね?ところでこれ全部覚えるの?
う・・うん

え?こんなに覚えるの?とビックリするかもしれませんが、ご安心ください。この時点では無理をして頭で覚えることはありません。即興ディベートワークショップでは、実際にディベートを見ながらどのタイミングでどのルールが適応されているのか?なぜこのルールが必要なのか?などを、その場で質問に答えながら教えています。

真理
1~3は、誰かとコミュニケーションをするときのマナーだと思うわ。
4~6は、建設的に話し合いをする際に必要かもね。
7~9がちょっとマニアックかな。。。

ディベートのルールやお決まりはたくさんありますが、大事なのは選手が気持ちよく、フェアに戦えること。一つの問題に対して掘り下げて検証できるようにすることにあります。質の高い議論を生み出すために必要なルールやガイドラインだと思っていただければ、納得していただけると思います。

 

■まとめ-ディベートの選手について

  • ディベートの試合ではタイムテーブルがあり、スピーチの「時間」「順番」「役割」は決まっている
  • 肯定側と否定側がフェアに戦えるように、細かいルールがたくさんある。実践で覚えるのがいちばん早い

さて、テーマ、選手の決め方、タイムテーブルについてお伝えしたところで、最後は「勝敗」の決め方です。

2-4 勝敗-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める

最後ですね。ディベートの試合には必ず勝敗があります。そして、その勝敗は、選手同士で決めるのではなく、第三者であるジャッジが下します。

たとえあなたが相手をコテンパンに論破しても、ジャッジから勝ちの「票」をもらえなければ、負けたことになります。会社に例えるなら、自社の商品が他社よりも優れているかは、うちわで決めるのではなく、お客さんに決めてもらうのと同じ考えだと思ってください。

ジャッジを説得するとは?

2-4-1 ジャッジを説得するとは?

ジャッジにあるのは、いずれかに投票をする自由と投票した理由を説明する責任です。ジャッジは、なぜ自分が肯定側(否定側)に投票をしたのか?を選手に説明して納得してもらう必要があります。

もしも、ジャッジが「なんとなく肯定側のスピーチが心に響いたから肯定側に投票した!」となっても選手は納得してくれません。だからこそ、自身の好みや考えは外に置き、徹底的に選手のスピーチだけを聴いて、その内容を元に判定を下します。

だからこそ、選手は、ディベートの試合を通じて、ジャッジに判断材料(情報)判断基準(考え方)を提供していきます。ディベートの試合における正しい間違いは、限られた時間の中でこの2つをいかに上手に伝えていくかにもかかっています。

2-4-2 ディベートスキル=ジャッジスキル

ディベートと聴くと、どうしても相手を論破する方向に意識が傾いてしまいます。はじめての方であればそれは仕方がないことだと思います。これは日常の議論がそのようになっているからです。

だからこそ、せめてディベートの場では論理で物事を考えることに徹すれるように、はじめはジャッジのトレーンングをしてから、その次にディベートの試合に入る流れを作りました。

自分の考えを外に置いて客観的に考える練習や論争に決着をつける方法は、はじめのジャッジのトレーニングでつめます。ディベートには、正解も間違いもないため、まずは議論を聴いて、自分で考えて、判断したことを伝える練習から入ってください。

3.ディベートのやり方

即興ディベートのやり方

ディベートがどんなものかご理解いただけたところで、次は実践編です。ディベートをするときに、どのように物事を考えればよいのか?これについてお伝えしていきます。

3-1 論理・論理的であること

ディベートでは、徹底的に論理で物事を考えることが要求されます。これを、「論理的」「論理的思考力」と呼んでいます。そもそも論理とは何か?論理的とはどういう状態か?

3-1-1 論理的とは話の道筋があること

例えば、「ディベートを学ぶと論理的思考力が身につきます!」と言い切るディベーターの方は私の周りにはたくさんいます。これを聴いてどう思うでしょうか?

真理
え?そうなんじゃない…と思うけれど。
私は逆。なんで?そこ説明してよ。
力也
俺は、『ディベート』も『論理的思考力』の意味も解らんぞ
3人とも正解だね。

この問題の答えは、「ディベートを学ぶと論理的思考力が身につきます!」というフレーズが論理的でも何でもないんです。3人の反応は以下の通りです。

  • 真理:その通りだと思っているだけ(確信はない)
  • 心:道筋がない状態(確信はあってもあえて言わない)
  • 力也:道筋以前にスタートもゴールもない

もちろん、3人が論理的でないわけではありません。ディベートを学ぶと論理的思考力が身につきます!という一文が論理的でもなければ、何の論証もされていないだけです。だからこそ、相手の理解を施すための道筋が「論理」であり、論理的思考とは、その道筋を生み出す考え方のことです。

真理
道を作るか・・・なんかわかりやすいわね。
力也
でも、ディベートの場合は、2人が真逆から道を作るわけだろ?どっちが正しんだ?
どっちが正しいもないよ。ディベートでは、「絶対的な正しさ」よりも「相対的な説得力」を扱うからね。

論理=理解を施すため道筋だとお伝えしましたが、その道筋が必ず正しいわけではない…そもそも正しい道筋なんてものは存在しない!というのがディベートの大前提になります。

3-2 ディベートの論理は、【相対的】な【説得力】

例えば、今の会社でこれ以上長く働けないと思ったら、転職をするか、起業をするかを考えるわけです。どちらが正しいかなんて正解はありません。しかし、どちらの道を選べばより良い人生を歩めるのか?という理由は必ずあるはずです。もしくは、今の会社に残ったほうが本当はよいという選択肢も思い浮かぶかもしれません。

力也
要するに、人生の選択に答えはないわけだろ?
そうだよ。だからこそ、未来までの道筋をいくつか作って、どの道筋が相対的に理に適っているものを選ぶんだ。
力也
直観で選べばいいと思うが・・・俺はそのタイプだけれど・・・
そうだね。直観は否定しないよ。けれど、もしもこれが会社の仕事だったらどうする?

・・・・例えば、お客さんから2週間の仕事を3日で終わらせてくれ。
但し、報酬は2倍払う、といわれた場合・・・

力也
もちろん、上司や仲間に相談する(キッパリ)自分で判断できないからな。

では、その相談された上司が権限の持ち主であれば、どのように判断を下すでしょうか?もちろん、上司は、どちらに決めても自由です。但し、その決断をしたからには、その理由を別の上司に説明をして、その決断が妥当であることを理解してもらわなければいけません。

力也
そっか。誰かが決断を下して、その理由を説明しなければならないってことか?ご愁傷さまだな・・・
違うって・・・

今回のケースだと、仕事を引き受けるメリットとデメリットが想像できます。お金をとるか?従業員の利益をとるか?です。この判断は会社によって異なります。だからこそ、真逆の選択肢のうち今どちらを選ぶべきなのかを判断して、その判断した内容をみんなにわかってもらうように説明をしなければなりません。

要するにあれよ。なんで2019年から消費税を10%にするか?ってことよ。

これも自民党(安倍さん)の決断ですが、消費税を引き上げるリスクを考慮してのことでしょう。(個人的には賛成です。)

3-3 マクロな論理&ミクロな論理

ディベートは論理の世界ですが、突き詰めるとこの論理は物凄くシンプルであることに気付きました。

「マクロな論理」と「ミクロな論理」の2つです。その中で覚える言葉は、たったの10語です。

即興ディベートワークショップでは、この2つの論理しか教えてないんですね。それでもディベートはできます。

3-2-1 マクロな論理-メリット・デメリット方式

マクロな論理とは、議論の大枠を組み立てるときに使う論理のことを指します。

例えば、日本政府はプログラミングと英語を必修科目にするべきだ!というテーマでディベートをするとします。

なぜこの法案を実行するかというと、政府や国民にとってメリットがあるからだよね。
力也
確かにな。英語やプログラミングはこれからの時代に必要だと叫ばれているからな。
真理
でも、小学生のころから英語やプロが民具を教え込むって、子供たちにとっては大変じゃない?
導入する側の大人たちにとってはメリットだけれど、子供たちにとってはデメリットよね?

と、このようにディベートの試合では、異なる立場から物事を考察していき、どちらのほうがより望ましいのか?について議論をすることになります。

この方式をメリット・デメリット方式と呼びます。

皆さんは、この記事を読みながら、ディベートを学ぶメリットとデメリットを戦わせていると思います。(そうであってほしい)

続いて、ミクロな論理についてみていきましょう。

 

 

3-2-2 ミクロな論理-トゥールミンロジック

マクロのな論理では、メリット・デメリットのシナリオを組み立てるところで終わりましたが、ミクロな論理では、メリット・デメリットの中身をキチンと検証していきます。

  • 現在、英語とプログラミングの技術は、社会で求められているのにも関わらず、それを教育するシステムが用意されていない。これは問題だ。英語やプログラミングを子供たちに教えることで、この問題は解決できる
    • 本当に、英語とプログラミングは社会で求めれているのか?その根拠は?
    • 教育システムが用意されていないのはその通りだけれど、法案を変えてまで行う必要があるか?
    • 本当に小学生のころから、英語やプログラミングを教えると、大人になったらできるようになるの?
  • まだ未発達な小学生に英語やプログラミングを教えるのは、精神的にも体力的にも負担をかけることになる。子供たちは伸び伸びと育てるべきだ。よって、英語やプログラミング教育を行うべきでない
    • 英語やプログラミング教育が子供たちにとってどれほどの負担をかけるのか?
    • 既に一部の私立の学校では似たようなことが行われているが、本当に負担になっているか?
    • では、現行の教育で「伸び伸び」と育っているのか?その理由は示したか?

と、このように一見理にかなった主張でも、注意深く聞くと必要な説明がされておらず、主張のごり押しでツッコミどころが満載だったりします。ポイントは、どれだけ早く相手の議論の盲点に気づけるかですね。

ポイントミクロな論理でお伝えした論理のモデルをトゥールミンモデルと呼びます。よろしければ参考までに
→「ディベート実践編!トゥールミンモデル(ロジック)-6つの論理

 

 

 

4.ディベートの進め方・流れ

では、ここからはディベートの流れや進め方についてお伝えしていきます。

ディベートがはじめての方にとって参考になるのは、主催者がどのようにディベートを教えていて、どんな感じにディベートをするのか、だと思います。

そこで今回は、私が運営している即興ディベートワークショップの初心者講座を参考にしていただければと思います。

如何でしょうか?

ガツガツ話さず大きな紙に書いているような雰囲気に見えますが、実際のディベートは、とにかく書くことが多いです。

相手が言ったことをたくさん書くから、たくさん理解できて、色々考えます。最後にアイディアをまとめて、自分の言葉でスピーチを行います。

意外と地味かもしれませんが、この瞬間みなさんたくさんのことを考えています。実際にこの後は質問攻めを頂きました(笑)

もちろん、質問どころか反論も大歓迎です。

ディベート&ワークショップの成功の可否は、決して素晴らしいことを教えるのではなく、その場に参加をしている方がどれだけ自由に参加できるか?自分の考えを表現できるか?だと思っていますから。

即興ディベートワークショップのディベート

  • Step1 テーからみんなで決める
  • Step2 リンクマップ・議論を作成する
  • Step3 肯定側・否定側・ジャッジを決める
  • Stpe4 チーム内で作戦会議をする
  • Step5 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める
  • Step6 試合の判定・講評

この流れで進めています。では、それぞれについて説明していきます。

4-1 テーマからみんなで決める

即興ディベートワークショップでは、ディベートのテーマはみんなで決めます。

本来は、主催者がテーマを用意するものですが、企画力UPや即興でアイディアを形にするトレーニングも兼ねて、テーマづくりはその場でみんなで一緒に考えていきます。

2016年即興ディベートワークショップを始めてから、みんなで作ってきたテーマを紹介していきますね。

  • 日本政府は、タブレット授業を推進するべきである
  • 日本は、子供園を増やすべきである
  • 日本政府は、副業禁止を禁止するべきである
  • ネルフは、ガンダムを開発するべきである
  • 日本政府は、労働者が転職することを前提にした制度作りをするべきである
真理
あまり聞かないテーマばかりね。
全部、オリジナルテーマだよ☆

あなたの興味・関心をディベートにしていきます。「こんなテーマでディベートがやりたい!」と思ったら、その場で発案してください。

案外と、採用されます。5分でテーマを作るので、スピード勝負です。武器としての即決思考をお見せください。

4-2 リンクマップ・議論を作成する

テーマができたら、まずはみんなでアイディア出しをします。ビジネス系の勉強会でもよくありますよね。

ですが、アイディアをホワイトボードに書いて終わりではありません。書き出したアイディアをもとにディベートの試合をする!ということを忘れないでください。

そんなディベートの試合のたたき台となるアイディアの出し方がリンクマップです。

真理
リンクマップって何?
マインドマップのようなものかな。論点を洗い出す作業をみんなでする感じ。

リンクマップについては以下をご覧ください。

リンクマップの作り方

  • テーマに関係するキーワードの洗い出し
  • それぞれのメリット・デメリットを列挙
  • 細かい論点を分析して関連付ける

これは2016年の夏に作ったリンクマップです。この時のテーマは、東京都は都知事の年収を都民のアンケートによって決めるべき、でした。

リンクマップが作れるようになると、マインドマップも簡単に作れるようになります。マインドマップがお好きな方は是非とも一緒に覚えてください。

4-3 肯定側・否定側・ジャッジを決める

議論の方向性が見えてきたら、次に選手とジャッジの役割分担です。

  • 選手-肯定側と否定側
  • ジャッジの人数(偶数・奇数)

4-6人でグッとパーをして、チームを決めます。その後に、チームの代表者同士でジャンケンをして勝った方が肯定側。負けたほうが否定側です。

真理
本当にどっちになるかわからないのね。
うん、ここは驚いた。。

4-4 チーム内で議論を作成する

チームに分かれたら、10分~15分くらいで、作戦会議を行います。主に立論作成を行います。

立論作成シートを作成したので、肯定側なら肯定側の立論作成シート・否定側なら否定側の立論作成シートをお渡しします。

 

4-5 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める

立論スピーチと反駁スピーチの違い

 

立論が4分、質疑2分、反駁3分が基本ですが、当日の進み具合によっては、立論を3分にして、質疑・反駁2分にするなどして細かい調整を行っています。

スピーチの順番・時間役割は、以下の用紙にそって進めていきます。

フローシート

ディベートの議論を書き留める用紙のことをフローシートと呼びます。

フローシートの書き方:ディベート試合編-フローシートを上手に書くコツ3つ

各スピーチの流れ

  • 肯定側立論(3分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側質疑(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側立論(3分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側質疑(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側第一反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側第一反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側第二反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側第二反駁(2分)

 

①肯定側立論-4分-

肯定側立論は、テーマの推進者として、「現状に問題があるからテーマを実行して改革するべきだ」と主張をします。

肯定側立論は、以下3つの仕事を行います。

  • 1)定義/概要を示す
  • 2)テーマを行動計画に落とし込む
  • 3)上記の行動計画からメリットを導き出す

詳しくは、下図の立論作成シートをご覧ください。

肯定側立論の作り方

肯定側立論の作り方については以下の記事を参照してください。

リアルでも有効!聴き手を扇動する「肯定側立論」の作り方!

②否定側質疑-2分-

肯定側立論が終わったら、否定側からの質疑が始まります。質疑はインタビューです。

相手の議論に反論をするのではなく、肯定側立論を最後まで聴いて、聞き取れなかった部分・理解できなかった部分を確認していきます。

続いて、否定側は質疑が終わったら、自分たちの立論の準備に入ります。

③否定側立論-4分-

肯定側立論と同様にテーマを否定する理由を述べます。肯定側の定義や解釈、プランに問題がなければ、「定義は肯定側に従います」と述べ、テーマを実行してはいけない理由を述べます。

基本的な立場として、テーマを実行すると新たな問題が発生する、ですね。この新たな問題のことを「デメリット」と呼びます。

ワークショップでは、否定側立論作成シートもお配りしています。構成だけ整えたので、アイディアをドンドンとお書き下さい。

否定側立論の戦略

肯定側に比べて、否定側は自由度が高いです。なるべく肯定側と同じ土俵で戦わず、自分たちの土俵に持っていくテクニックが求められます。

否定側が絶対に知っておきたい4つの戦略

では、早速これからディベートの試合です。 あなたは否定側になりました。 ところで、否定側の仕事って何でしょうか? 「肯定側がメリットを述べるので、デメリットを述べること」と教わるかと思います。 その通 ...

続きを見る

④肯定側質疑-2分-

さて、肯定側からの質疑です。否定側質疑と同じです。

反論をせずに、相手の議論の中身や論理のつながりを理解することに徹しましょう。

肯定側立論←否定側質疑/否定側立論←肯定側質疑と進んで、立論スピーチは一通り終わります。

そして、ここから反駁スピーチに入ります。

反駁スピーチでは、肯定側と否定側の順番を入れ替えて、否定側からスタートします。なぜ反駁から順番が入れ替わるのかというと、理由は2つです。

  • 理由1.議論の性質上、先にはスピーチをするよりも、後にスピーチを強いた人が有利になるため、途中で順番を入れ替え調整する
  • 理由2.イギリスの文化で、テーマの推進者は最初にスピーチをして、最後にまとめる役割を担ってくる考えがあったから(と聞いた)
理由2は、どうでもいい気がする。。。
うん。「へ~~~~~~~」程度のネタ。

さて、それでは否定側第一反駁に入りましょう。

⑤否定側第一反駁-3分-

否定側第一反駁は、肯定側立論に対してのみ反論ができます。逆に否定側立論のように、「こんな問題が発生する」といった新しい議論を提出することはできません。

否定側立論と否定側第一反駁は間違えやすいですが、違いをまとめると以下の通りです。

  • 否定側立論-「テーマを実行するべきでない」という理由を述べる
  • 否定側第一反駁-肯定側立論の弱点・成立してない論点を指摘する

例えば、肯定側が「小学校の頃から英語を勉強すると、将来、グローバルな人材になれる(理由、ウンタラカンタラ)」と論じてきたとします。

この場合、否定側ができる反論は以下の通りです。

  • 「その主張に対しての裏付けが弱い!(理由、ウンタラカンタラ)」
  • 「その議論は間違っているその主張の裏付けが弱い!(理由、ウンタラカンタラ)」

一方で、否定側第一反駁では無効になる反論もあります。

  • 「英語を勉強することで、子供たちが日本語を学習する機会が減少するからNG(理由、ウンタラカンタラ)」
  • 「今回の肯定側の主張に対して代替案を示します!」

立論スピーチでは、論点をたくさん出して議論を広げていくのに対して、反駁スピーチは、立論で登場した議論をもとに、お互いの議論を細かく検証することが求められます。

せっかく話したがまとまりかけてきたのに、最後の最後で関係のない話をする人っているよね。
力也とか、力也とか、力也とか・・・
力也
うるせー!!!
お願いだから仲良くして。

⑥肯定側第一反駁-3分-

否定側第一反駁が終わったら、次は肯定側第一反駁です。肯定側第一反駁では、否定側が行ってきた議論に対して全て論じ返さなければなりません。

  1. 否定側立論-否定側第一反駁と同じように否定側立論の根拠や論拠が弱いなどと反論
  2. 否定側第一反駁-否定側第一反駁で反論された論点に再度反論・議論の補強などを行っていく

さて、肯定側第一反駁ですが、これまで否定側が立論(4分)と第一反駁(3分)で行ってきた議論に3分で論じ返さなければならないため、ディベートの中では最も忙しいポジションだと言われています。

と言われている・・・いや、その通り。僕は苦手。

全部の議論に対して反論をするんは時間的にもきついです。

なので、反論する論点としない論点を瞬時に見極めて、取捨選択をする判断力が求められます。

次の第二反駁で反論をすることはできないの?
それをすると、レイトレスポンス(遅い反駁)になるかな。

ディベートの試合では、【沈黙は同意】という原則がありまして、反論をしない=相手の議論を認めた、ということになります。

結構シビアなのね。
競技だからね。そこは仕方ないよ。

肯定側第一反駁が終わったタイミングで、必ずいくつかは反論のし忘れがあるはずです。

次の否定側第二反駁では、否定側は反論のし忘れを積極的に拾っていきながら、肯定側第一反駁で受けた反論に再反論をしながら、自分たちの議論が相手の議論よりも勝っていることをジャッジにアピールします。

⑦否定側第二反駁-3分-

否定側の最後の議論です。これまでの議論をまとめて自分たちの議論の方が相手の議論よりも優れていることをジャッジにアピールして下さい。「この部分で勝っている!」と判断したら迷わずアピールをしましょう。

なお、このパートでは、立論のように新しい議論を提示できません。

また、第一反駁のように肯定側立論に反論はできません。

これまでの議論をチェックして生き残っている部分を参照しながら、議論のもう一度組み立てて、どの点が優れているかをジャッジに伝えて下さい。

⑧肯定側第二反駁-3分-

同じく肯定側の最後のスピーチです。仕事は殆んど否定側第二反駁と同じです。これまでの議論をまとめて、自分たちが優れている部分をジャッジに伝えるだけです。

細かい論点ひとつひとつに決着を付けながら、最後に自分たちが優れている点をアピールして、なぜテーマが肯定されるべきなのかを伝えましょう。ジャッジは、肯定側第二反駁を聴きながら、立論と内容が一貫しているかをチェックしています。

第二反駁の内容が立論と全く違えば、その時点で主張に一貫性がないと見なされ肯定側が勝てる確率はグンと下がります。

理想は、肯定側第二反駁の流れを意識して、そこから立論を組み立てることですね。

以上が、肯定側立論、否定側質疑、否定側立論、肯定側質疑、否定側第一反駁、肯定側第一反駁、否定側第二反駁、肯定側第二反駁の簡単な流れでした。

3-6 ゲームの勝敗決め

肯定側第二反駁が終わったら、試合の判定を行います。

即興ディベートワークショップの初回の講座であれば、私がジャッジを担当しています。

大体、終わるのが17:00直前です。

3-7 みんなで振り返り ※参加者向き

ディベートの試合が終わると、物凄く頭の中がグッタリ&スッキリします。

何かに思いっきり打ち込んで完全燃焼したときと同じ感覚ですね。

最近は、ディベートやそれ以外の雑談をする機会を積極的に増やしています。

 

5.【エトセトラ】日本のディベート事情

10年間ぐらいディベートを続けていて、色々と気付いたことがあったので、ひとつひとつまとめていこうかと思います。

おそらく、これからディベートを始めようかどうかを検討している方にとってはよい判断材料になるかと思います。

5-1 ディベートのジャンル&業界事情

ディベートは、日本語か英語、アカデミック形式か即興形式かです。日本語ディベートは、アメリカの大学で開発された教育ディベートをそのまま使っています。これはNDTスタイルのディベートでして、海外の大学院のカルキュラムにも使われています。

5-1-1 日本語か英語か?

実は、日本のディベート業界の中で最も人口が多いのが、大学の英会話サークルESS(EnglishSpeakingSociety)が行っている英語ディベートです。

真理
え、そうなの?なんで日本で英語ディベートのほうがメジャーなの?
英語を勉強したいからディベートをするって人が多いからじゃないの?対して、ディベートだけをやりたいって人は少ないからね。

 

力也
すげー現実的な理由だな。。。(笑)

英語ディベート団体のほうが女子が多く、華があるんだと思います。大学の頃に行っていた日本語ディベートは、90%が男性でしたね。(笑)

5-1-2 アカデミックディベートか即興ディベートか?

パーラメントディベートとは、イギリス式の即興ディベートです。

対して、アカデミックとは、大学生を対象にした学術ディベートのことです。

アカデミックディベートとパーラメント(即興)ディベートは似ているようで、全く違います。

■リサーチ重視-アカデミック(教育)ディベート

  • 事前にテーマが発表される
  • 試合前にたっぷりとリサーチを行う
  • 議論の原稿を完璧に作り上げる

勝敗の基準:どれだけ情報を集めたか?どれだけ準備をしたか?

■スピーチ重視-パーラメント(即興)ディベート

  • その場でテーマが発表されてる
  • 即興で議論を作って、発表する
  • 自分の言葉のみで説得に挑む

→勝敗の基準:その場の決断力、アイディア、伝え方、戦略…etc

参考記事アカデミックディベートと即興ディベートの違い

アカデミックディベートは準備が9割です。

私もアカデミックディベート出身者です。大学の頃は、毎日図書館に通って資料を探してから、パソコンを立ち上げて資料を編集していました。これをプレパとといいます。試合前の準備のことですね

社会人になってからはリサーチが面倒だったので、2009年頃にリサーチを一切せずにできる即興ディベートを取り入れて、8年間ぐらい即興ディベート専門で活動をしております。

力也
情報収集と原稿作成ってどんなことするんだ?大変なのか?
力也くんなら、リサーチに費やす時間があれば、ホームページが4つ作れるかも。
力也
マジか。。。クソ大変だな。

5-1-3 即興ディベートとパーラメントディベートの違い

事前にお題が与えられて試合までに準備をするのではなく
その場でお題が与えられて即興ディベートをする

この点では、パーラメントディベートと即興ディベートは同じです。

ですが、パーラメントディベートの場合、スピーチのウィットさや論理以外のイギリス式のお作法が含まれているんですね。

ジャッジや聴衆をちょっとクスッと笑わせるユーモアさも求められるとか・・・
パーラメントディベートは、英語の勉強を目的に何度か行ったことがありますが、面白くなかったのでやめました。

他にも理由がありますが。。。

◆面白くないと思った理由

  • ジャッジの判定と講評が意味不明だった
  • 日本人同士で英語を話すシュールさに耐えられない
  • ネイティブスピーカーが少ない・・・てか、いない
  • パーラの講師が「僕ディベートしません」宣言をした←クリティカル

まとめると、アカデミックディベートは時間的にキツく、パーラメントディベートは自分には合わなかったので、どうせなら自分が楽しめるディベートをゼロから作ろう!ってことで即興ディベートワークショップを作ることにしました。

5-2 社会人向けのディベート講座

社会人向けのディベート講座はあるんですか?とよく質問されます。

結論からいうと、ディベートを教えています!という団体はたくさんあります。ですが、実際にどんなディベートをしているのかは不明です。

おそらく、ルールやタイムテーブルがなく、その場で議論をするだけの討論会をディベートと称しているかもしれません。(正確にはディベートの定義にも含まれていますが)

具体的な名前は伏せますが、社会人向けのディベートサークルを調べてみたら、だいたい以下の4ジャンルに分類できたのでまとめてみました。

 

ディベートセミナー

保守的:アカデミックディベートをそのまま行っている
革新的:オリジナルのディベートを開発している
外向的:目線がお客さんに向いている(マーケット志向)
内向的:目線がディベートそのものに向いている(コンテンツ志向)

大学・教室エリア-大学団体が主催しているディベート講座。大会参加はほぼ必須
セミナーエリア-社会人を対象にしたディベートセミナー。参加料は法人価格
宗教・思想エリア-主催者が教祖化しているディベート講座。参加者は信者扱い
サークルエリア-4つの中で最もお気軽なディベート講座。ほぼイベント化している

参考記事ディベート勉強会の選び方-教室、セミナー、宗教、サークルの4種類

なお、即興ディベートワークショップは、オリジナルのディベートを開発しながら自力で集客をしているため、サークルエリアです。

サークルエリアといっても、私自身、元教室エリア出身の人間なので、今だからこそお気軽にディベートをしていますが、ディベートは教室エリアにいる人ぐらいはできます。

(一部のサイヤ人とナメック星人を除く)

5-3 初心者・未経験者でもできるの?

よくディベート系のホームページに訪問したり、書籍を手に取ると、ディベートは誰でも学べばできます!と書かれています。

はい、その通りです。初心者でも、未経験者でも、学べば誰でもディベートはできるようになります。

ディベートは、【技術】ですから、そんなの当たり前です。

あなたが本当に考えるべきことは、次の4つかと。

  1. どれくらいの期間で
  2. どれくらい実践をこなして
  3. どれくらいできるようになって
  4. どれだけ役に立つか?

そして、結果としてあなたの目標を達成できるツールになるか?です。

もしも、この4つについて事前にキチンと考えられていないと、相当な時間をディベートに費やすはめになります。

結果、案外と何の効果も得られないままドロップアウトしていくだけだと思います。

社会人にとっての1時間は学生にとっての半日分くらい貴重だと思っています。

もちろん、ディベートそのものが楽しく、ディベートを続けることそのものに意味を見出せているのなら話は別ですが。

「え?なんでそんな不都合なことをいうんですか?」と思う方もいるかもしれませんね。

なぜなら、

即興ディベートワークショップを始めたときにいちばん最初に考えていたことが、
皆さんの時間を奪わずに、最短最速で必要なことだけを教える!
そんなディベートをゼロから作る!
だったからです。

 

ウェブデザイナー、システムエンジニア、コンサルタント、個人事業主、修習生・就活生と比較的多忙ない方からの申し込みが多かったからです。

お金はいくらとっても気にしませんが、時間だけは奪いたくない!ってところからスタートしています。

 

6 まとめ.改めてディベートとは?

一応ディベートの講座ですが、ディベートの試合だけをすると殺伐とした雰囲気になるので、グループワークやジャッジのトレーニングを積極的に取り入れています。

即興ディベート活動風景

  1. ディベートのトレーニングを繰り返し行うのではなく、みんなで意見を出し合って議論そのものを作っていく
  2. グループワークやアクティブラーニングを取り入れてディスカッション感覚でディベートを進める
  3. いきなりディベートの選手から入るのではなく、試合の勝敗をつけるジャッジの立場からスタート

いきなりディベートの試合から入らないのがポイントですかね。まずは、ジャッジのトレーニングから入って、ディベートがどんなものかを一通りわかってもらってからのでディベートの試合になります。選手から入ると戦闘モードになりがちですが、ジャッジから入ると試合の判定モードになれるんですね。

すると、議論は議論、相手は相手と割り切って試合に挑むことができます。

即興ディベートワークショップ

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