ディベートのルールについてひとつひとつを紹介するコーナーです。この記事では、ディベートは、口けんか/口論にはならないとお伝えしていますが、グダグダなディスカッションにならないように様々なルールが用意されているんですね。
この記事では、そのルールひとつである、「スピーチ中は黙って聴く」について解説をします。
原則、ディベートの試合中はスピーチをしている選手を妨害してはいけないことになっています。
はじめ
1.試合中の『異議あり』は禁止
テレビドラマで裁判番組を見ると、答弁中に不適切な発言があれば、相手側の弁護士が『意義あり』と手を挙げるシーンがシバシバ見られます。本当に不適切な発言かどうかは裁判長が判断をするところですが、この時点で相手の答弁を妨害しているのは明らかです。
ディベートの試合では、スピーチ中に「意義あり!」と手を挙げるのはスピーチの妨害行為になるんですね。
1-1 スピーチの邪魔をしたら妨害行為になる
ディベートでは、事前に決められた持ち時間があり、お互いに交互にスピーチをしていきます。
- 肯定側立論
- 否定側質疑
- 否定側立論
- 肯定側質疑
- 否定側第一反駁
- 肯定側第一反駁
- 否定側第二反駁
- 肯定側第二反駁
選手はその持ち時間であれば、自由にスピーチをすることができます。極論をいうなら、スピーチ中に本題とは関係のない話をしてもよいわけです。(もちろん、負ける可能性が高くなりますが)
それ以前に、相手のスピーチを聴いているときは、フローシートをとること徹して下さい。相手の発言を最後まで全部聴いて、何が言いたいのか、どのような論理を組み立てているのかを理解することが全てです。
1-2 スピーチ中は誰にも邪魔されずにできる
これ逆に考えてみて下さい。あなたがスピーチをしているときは、誰からも邪魔はされずにスピーチ時間中は自由に発言できます。
もしもディベートではなく、相手と口論やディスカッションをしているときは、どうでしょうか?
平気で人が話しているときに横から文句を言うのは当たり前。途中で横やりを入れる人もいます。「話を最後まで聴いてもらえなかったから議論がシッカリできなかった」と悔しい想いをしたことは誰でもあるはず。安心して下さい。
ディベートの試合では、制限時間内なら、最初から最後まで言いたいことを発言できます。だからこそ、全力で言うべきことに集中ができるのです。
2.チームメイトへのアドバイス禁止
やや厳しいルールかもしれませんが、スピーチ中はチームメイトであっても、アドバイスをすることはできません。横から発表者にアドバイスすることは禁止です。これも試合を妨害したと見なされます。そもそも声を出すことも認められません。
2-1 頭が真っ白になっても助言は禁止
作戦タイムで意識合わせが上手くいかず、思い通りに試合が進まないことなんてザラにあります。
「ここはこういえばいいんだよ」
「今は、相手のデメリットを攻撃して」
「さっきの打合せの内容とは違うよ」
と、『口頭』で助言をすることは禁止です。もちろん、指示をするのも禁止です。なぜかというと、ジャッジ・相手選手は、発表者の議論を書くことに集中しているからです。口頭でのアドバイス・指示は、フローシートを書く妨害行為と見なされます。
2-2 よい意味で責任感が身につく
任されたスピーチをしっかりこなすことで責任感が身に付きます。
これはディベートだからこそ、経験ができることかもしれません。そういう意味ではリレーに近いかもしれませんね。
はじめは下手でもいいので、バトンを渡されたら、最後まで次の人にバトンを渡す意識でスピーチには取り組んで下さい。
試合中にチームメイトが混乱して、あなたにアドバイスを求めてくるかもしれませんが、それでもアドバイスをしないで下さい。
その人のためにもなりません。
2-3 どうしてもアドバイスをしたければ
もしもどうしてもアドバイスをしたければ、議論してほしい内容を紙に書いてそっとわたしてあげて下さい。口頭でアドバイスをしなければよいわけですね。
但し、あまりお勧めはしません。なぜなら、時間内は自分一人で最後までやり切る、という経験を奪ってしまうからです。
ただ、紙でアドバイスをしても確実に書いたとおりにスピーチをしてくれるか保証はありません。何よりも、効率が悪いです。
3.ディベートのルール一覧
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ディベートのルールについては以下の記事に全てまとめました。即興ディベートワークショップでは、全て以下のルールに従ってディベートをしています。
- ■お互い気持ちよく試合に取り組むためのルール
- ■シッカリと議論に集中できるためのお決まり事
- ■ゲームとして両選手がフェアに戦うために必要なルール
9つもルールがあって難しく感じるかもしれませんが、頭で理解するよりは実際にやってみると、「なんだ当たり前じゃん」と思えるようなルールばかりなので、あまり身がまえないでくださいね。
お勧めなのは、頭で強引に理解しようとするのではなく、実際にやってみることですかね。