こんにちは、木村です。
2018年3月25日に2回目の即興ディベート練習会を開催しました。
忙しい中、参加をしてくださり誠にありがとうございます。
花粉症で辛くスピーチが苦しそうな方もおりましたね。(私です)
目次
活動内容
テーマはその場で決めたら、あとは以下の順番で議論を作り、みんなでスピーチをしていきます。
どんな人が参加したか?
いい意味で偏りましたね。
<参加者のお仕事>
- 1.公務員
- 2.地方に転職をして経理の仕事をしている
- 3.就業しながらキャリアコンサルタントを目指している
- 4.フリーター(マッサージ師)の方
「これからの働き方」と共通のキーワードができたので、日本政府(立法機関)、もしくはどこかの行政機関の立場で、働き方に関する新制度導入についての是非を問いかけるテーマで決定。
今回のテーマ(論題)
おなじみのベーシックインカムや解雇規制緩和が候補にあがりましたが、前例のないテーマでディベートをする方が面白いよね!というノリになり、以下のテーマでディベートをすることに。
- <テーマ>
日本政府は、フレックシキュリティー法案を推進するべきである - <プラン>
1.中小企業向けの助成金を廃止する
2.その予算を職業訓練校や失業保険に割り当てる
3.2025年4月に関税制度化を目指す(それまでは準備期間&段階的に施行)
4.その他必要な措置があれば随時行う
上記4点のプランを実行するべきか、否かでディベートをしておりました。
フレックシキュリティーとは?
フレックス(柔軟性)とセキュリティー(保障)を合わせた言葉です。
コトバンクさんの説明が参考になります。
フレキシキュリティとは、柔軟性を意味するフレキシビリティ(Flexibility)と安全性を意味するセキュリティ(Security)を組み合わせた合成語で、雇用の柔軟性を担保しながら、同時に手厚い失業保障によって労働者の生活の安定を図る政策のこと。デンマークやオランダで失業率の改善と経済成長に効果を上げたとされることから、雇用政策のブレイクスルーとして注目されています。
オランダ・デンマークのように職業訓練校やその他の保障を充実させる代わりに、中小企業向けの助成金を廃止するプランにしました。
<デンマーク&オランダ型>
・政府が企業に助成金を積極的に配っておらず、代わりに職業訓練校を充実させている
・失業率が高くても職業訓練や就業支援の体制が万全だから失業が長期化するリスクが少ない
<日本型>
・政府が企業に助成金を払う形で、企業が採用・教育を行ってくれます。経営は安定と人材育成ができる一石二鳥モデル
・採用や育成の決定権は企業にゆだねられる。資本の論理×日本の雇用慣行により中高年に機会が回らない
今回のテーマは、デンマーク&オランダよりの社会システムに近づけるか、否かでディベートをしておりました。
まぁ、それにしても助成金を全面廃止!は乱暴ですよね。
こっからすごくデメリットが出てしまいました・・・。
練習会の風景
先ほどのトップの写真です。
ひとりの選手がスピーチをして、ほかの人は選手のスピーチ内容をメモする練習をしていました。
フローシートを書く練習ですね。
ディベートでは、尋常じゃないほどの論点が登場するため、頭では覚えるのは不可能です。ですから、議論の内容は全部記録をします。
これがけっこう難しい。。。
ただ、今回は練習会ということで、試合の内容はすべてホワイトボードに書いてみました。
あとは、みんなで反論の中身を考えたり、反論の構成に落とし込んだり、タイマーONして反論をしてみる、という感じですかね。
参加者様から頂いた言葉
ワークショップ(練習会)中にいくつかお言葉を頂いたので、そのまま引用します。
ぜひご参考にしてくだされ
1.肯定側⇔否定側の切り替えが難しかった
通常、ディベートの試合なら肯定側なら肯定側を通しで行う。
否定側も同じようにするけれど、今回は肯定側と否定側の両方について考えないといけないから大変だった
確かに・・・これは慣れていないと大変かもしれませんね。
ですが、肯定側だから肯定側だけを考える(否定側もしかり)よりも、常に両方の立場から俯瞰して考えている状態を作っておくことがコツです。
自分の立場だけを考えていると、相手の議論に合わせて咄嗟(とっさ)の反論ができませんからね。
このスキルは、選手よりもジャッジで養えますね。
ジャッジのトレーニングも今後は行っていこうと思います。(最近、一人ジャッジがきつくなったので)
2.自分の言葉で説明するのが大変だった
エビデンス(証拠資料)が使えない分、自分の言葉で説明しなければならず大変だった。
アカデミックディベート経験者からはこのようなコメントを頂きます。アカデミックディベートについては以下の記事が参考になります。
アカデミックディベートと即興ディベートの違い
さて、アカデミックディベートと即興ディベートの違いについて書いています。 元々、私は、アカデミックディベート出身者です。学生時代は、日本ディベート連盟・全日本ディベート教会に所属していました。そのとき ...
アカデミック経験者からすると、即興ディベートは、あらゆることを自分の言葉のみで伝えるため、逆に難しいみたいです。
この点は日常会話をイメージすると意外と簡単にできます。
日常会話にエビデンス(断片的な引用文)を使う人はいませんからね。
(アカデミックディベーターだけかと・・・・)
3.聴くことが大事
やっぱり相手の話を正確に聴きとることが大事なんだなと思いました。コツとかあるんですか?
相手の話を聴くときのコツですが、相手の言葉を相手以上に理解している状態を作ることですかね。
よく教えていることですが、相手が何を言ったかではなく、何を言っていないか、を集中して聴くことに尽きます。
プラスアルファで、相手が何を本当に言いたいか?も聴けるように最強です。コーチングやカウンセリングで教わる「傾聴」の技術に近いです。
即興ディベートは、選手の言葉が全てなので、断片的に相手の言葉を聴くのではなく、話している内容のみならずとその背景にある言葉を聴く態度が要求されます。
もちろん、これはトレーニングになりますよ。
4.おほめのお言葉
いきなりスピーチができるからすごいと思いました。
ありがとうございます!!
現役のディベート選手なら、咄嗟(とっさ)に反駁スピーチをするくらいはできますよ。
逆に、ディベートを教えてる人はディベートができなかったりします。
完全に「僕は教える専門だよーー♪」になっています。
ディベートができない教授ディベーター達が多くね?
こんにちは。 この記事では、ディベート業界にあるある!ディベートができないディベート講師達についてお話をします。 てか、日本のディベート界隈には、選手としてディベートができないディベート講師の方が本当 ...
一応、人様からお金をもらってディベートを教えているわけですから、即興でスピーチくらいはできないと説得力ありませんからね。
おっと!アクが出てしまいました!申し訳ございません。
2018年から隠れて練習していました。
それが今回の企画になったわけで。。。。
最後に
2016年になってジャッジや講師の仕事がメインになり、選手の感覚を忘れそうでしたが、即興ディベート練習会を通して試合感を取り戻すことができました。
本当にお付き合いくださいましてありがとうございます。
即興ディベートの練習会は、月1のペースで行っていくので、ご都合が合えばぜひご参加ください。
詳細はこちらからです
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