こんにちは、木村です。
よくこんな質問を受けるので、お応えします。
Q.質問:テーマ選びについて
ディスカッションとディベートの両方をいっきにやりたいんですけれど、この場合、テーマはどう考えればよいですか?
な、、、なるほど。
ファシリテーターを目指している方からよく頂く質問ですね。
学校の授業や会社の研修でディベート、もしくはディベートのようなディスカッションをやりたい、という相談をよく受けます。
大変うれしいことですね。
まず、ディベートとディスカッションのテーマの違いについては以下2つの記事を参考にしてください。
ディベートの基礎知識-4つの特徴-
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ディベートとディスカッションの違い
ぶっちゃけディベートとディスカッションって何が違うの?という質問にお答えしていきます。 ディベートとディスカッションの違いって何ですかね? ディスカッションもディベートも似たようなものでしょ? 対立的 ...
ディスカッションの場合、「よい教育とは何か?」「ギャンブルを合法化するとどんなことが起きるか?」「平等な働き方を実現するには何が必要か?」といった物凄く抽象的なところから入ります。
こんな感じです。
↓
よく学生なんかにグループディスカッションの指導をしていると、「色々な意見が出てきたね」が結論になることがあります。
この答えは最悪だよ!と教えています。
なぜなら、色々な意見が出たのは、実は何も決まっていないのと同じだからです。
振出しに戻ったね!と言っているようなものです。
ただ、色々な答えが出てしまう原因は、学生さんたちが能力不足か?と言ったらそうではありません。
テーマそのものに問題があります。
これこそが、このディスカッション的なテーマとディベート的なテーマです。
ディスカッション的なテーマとディベート的なテーマ
- ディスカッション的なテーマ:「よい教育とは何か?」「学校教育を改善するには何が必要か?」「日本の教育は今後どうなるか?」
- ディベート的なテーマ:文部省は、社会経験豊富な非教員免許保持者の採用枠を拡大するべきである
一見、ディスカッション的なテーマはたくさんのことが話せるかもしれませんが、たくさんのことを論じれるため、意見が拡散して、結局まとまらずに、「いろんな意見が出たよね」というお粗末な答えが出ます。
その問題を解消するのがディベート的なテーマです。
漠然としたテーマとは、先ほどお伝えしたようなディスカッション的なテーマです。
ディスカッション的なテーマ
- 「よい教育とは何か?」
- 「学校教育を改善するには何が必要か?」
- 「日本の教育は今後どうなるか?」
どんなことについて議論をするべきなのかを、学生たちに考えさせないといけません。もちろん、それが学生が自ら考える力を養うためにあえて抽象的なテーマにしているんだ!と主張する先生たちもおりますが、そこで質問。
あなたは、このテーマでディスカッションができますか?
話があっちこっちにそれましたが、いちばん言いたいことは、そのテーマでディスカッションないしはディベートをするとして、あなたができないテーマは絶対に選ぶべきではない、ということです。
即興ディベートワークショップでは、参加者様が自らテーマを作ることがありますが、最後にGOサインを出すのは私です。
その時の基準は、自分が肯定側になっても、否定側になっても、議論ができると判断したテーマに限りです。
ファシリテーションのポイントはいつもひとつです。
自分ができないテーマを人に振らない!
それだけです。