ディベートの基礎知識-4つの特徴-

投稿日:2015年1月29日 更新日:


意見対立を前提にしたテーマを用意し、賛成側(肯定側)と反対側(否定側)のチームに分かれて、自分の意見とは関係のないところで議論を行う。ディベートは、決まったルールのによって行われ、勝敗は第三者にゆだねられる。討論・議論をゲームにしたもの!

はじめまして。このサイトを運営している木村と申します。

自己紹介ウェブとディベートにハマった30代

平日はタダのサラリーマンです。月1~2ぐらいの頻度で、【即興ディベートワークショップ】という社会人向けのディベート講座を運営しております。

即興ディベートワークショップの詳細はこちらから

ディベートといっても、実際に議論や討論をするわけではなく、あくまでゲームとして行い、聴く・考える・まとめる・表現するの4つの力を楽しく伸ばせる講座を運営しております。

ひとりでも多くの人にディベートを経験してもらいたいと思っていますが、ディベートがどんなものか解らなければ参加をするのは怖いと思うので、この記事を通して洗いざらいディベートがどんなものかを暴露していきます。

このような疑問にお答えします

  1. ディベートについて一通り理解したい
  2. 実際のディベートがどんなものかを知りたい
  3. 即興ディベートが役に立つか?その判断材料が欲しい

いちおうこれでもディベート歴・12年です。選手としての実戦経験、試合の審判、大会の運営、大学や会社の研修用の資料作成と一通りの仕事を経験してきました。

それなりディベートは得意ですよ!ってこと。

2018年は英語ディベートにもチャレンジする予定です。

そんなわけで英語記事も書いています。

What is debate?-4 features!

ちょっとネタでディベートの解説を英語だけで行ってみます。 文体のノリがヒップホップなのは、夜にメロウなR&Bを聴いているからだと思います。 Def:Preparing a topic on t ...

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それでは本題に!

これからディベートについてすべてをグダグダと20000超えで解説することになりますが、文章だけだと読んでいて疲れると思います。(私は文章がヘタクソです)

なので、イラストやキャラクターを使ってマンガ風にして、解りやすくしてみました。

あなたの疑問を先回りして質問してくれる頼もしいナビゲーターたちを紹介します。

 

インプロ部のナビゲーター.fw4人のキャラの設定

  • 論(ひろし)-平日は普通のサラリーマン。休日にディベートをしている。自分でもディベートのイベントを主催しようかと考えている。
  • 真理(まり)-中高時代を海外で過ごした帰国子女。帰国後に日本の大学で経営学を専攻。転職コーディネーターをしている。ディベート未経験。
  • 力也(りきや)-都内でWEBデザイナーとして働いている。営業からサイト制作までひとりでこなす。ブラック企業で働いて3年目。転職を検討中。ディベート未経験。
  • 心(こころ)-大学院を中退して都内で派遣社員として働く。副業で占い師をしている。医師からアスペルガー診断を受けた経験あり。ディベート未経験だけれど、強い。

※ここに登場するキャラクターは全員フィクションです。

この4人の会話を楽しみながら、ディベートについて学んで行きましょう。

では、早速。ディベート講座をはじめたいと思います。宜しくお願いします。
とりあえず、わかりやすくお願いね。
真理
専門用語を専門用語で説明するのはやめてね。
力也
抽象的な表現や横文字を連発してドヤ効かすんじゃねーぞ
が・・・頑張ります。

※論くんは、私と同じくディベート経験者ですが、経験者ゆえに初心者向けの説明の仕方が凄くへたくそです。

そんな論くんがみんなから突っ込まれながら、ディベートについてわかりやすく(?)解説をしていきます。

え・・・僕そんなキャラなの?
安心して。骨はちゃんと拾ってあげるから。

0 はじめに

もくじ

1 ディベートってなんだ?

意見対立を前提にしたテーマを用意し、賛成側(肯定側)と反対側(否定側)のチームに分かれて、議論を行う。ディベートは、決まったルールのによって行われ、勝敗は第三者にゆだねられる。討論・議論をゲームにしたもの!

つまり、ディベートは議論をするゲームなんだよ!
ごめん!いきなりわからない。
力也
そもそもゲームってなんだよ?

いきなり、ディベート=議論・討論をゲームにしたもの!といわれても、なんのこっちゃ?かと思います。

ですが、書店・AMAZON、もしくはディベート団体で販売してるディベート関連の書籍を手に取ると、そのほとんどが、ディベートは、実際に目の前の相手と討論をするのではなく、説得力を競う競技・ゲームとして紹介されています。

力也
そ、そうなのか?
正確にいうと、「競技ディベート」というジャンルのひとつかな。
ねぇ、論くん。悪いけれど、前置きが長すぎ!とりあえず、普通の討論・議論とディベートの違いを教えてくれる?
し・・・失礼しました。

1-1 ディベートと議論・討論の違い

ディベートの本来の意味は、議論・討論をすること、です。

Wikipediaから引用します。

ディベート(debate)とは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することをいう(広義のディベート)。討論(とうろん)や討論会とも呼ばれている。

Wikipedia

公的な主題?異なる立場?どういうこと?(まぁ、想像はつくけれど、あえて質問)
えーと、何らか意味のあるお題を用意して、真っ向から異見をぶつけ合う・・・って意味かな。

わかりやすい例が、裁判や大統領選だと思います。元祖ディベートである大統領選を例に一緒に考えていきましょう。

真理
確かに、アメリカやイギリスの大統領選挙はディベートよね。

例えば、米国で行われている大統領選は、2人の候補者をステージに立たせて、ひとりの候補者がある政策を発表して、もうひとりの候補者が、別の政策を発表します。お互いの政策の中身について討論して、どちらのほうがより望ましいかを国民に選ばせます。

真理
この前、ヒラリー氏とトランプ氏のディベートを見たけれど、物凄い議論だったわよね?やっぱりディベートもあれくらい白熱するの?

いや、トランプとクリントンの場合、ただのけなし合いじゃない?政策の中身についてお話とかしていた?

真理
え・・・そうなの。(やばい、最近ニュース見ていない)

1-2 ディベートは、口ケンカ・言い負かしあいか?

  • ディベートは結局のところ、相手を論破してナンボ!
  • 相手がつかれるまで屁理屈をごねれば勝てる
  • とにかく何でも、たくさん話したほうが勝ち

とお考えの方はおそらく多いと思います。論理力を鍛えるトレーニング・話す練習を積む場と紹介しているところもあるけれど、結局のところどうなの?と思っているのではないでしょうか?

真理
実際のところどうなの?
いや・・・ディベートはくちケンカじゃなくて・・・

いや!一歩間違えれば口ケンカや口論に一直線!ディベートと口ケンカは紙一重です!某討論番組の世界へようこそ♪になります。

主催者は、こう言います。お互いを尊重して建設的な議論をするべきだ!

実際にそれがどんなに難しいことか?

建設的な議論ができる保障なんてどこにもありません。

ディベーターの多くは、ディベートは口ケンカではないと必死に論じていると思いますが、実はこの時点でコングがカーンとなっています。

なので、あえて日本のディベーターを代表して申し上げると、何も考えずにディベートをすると口ケンカや言い負かしあいになるから、強引にそうならないようにルールや勝敗の基準を設定して、事前に教育を競技ディベートと口ケンカの線引きをしているだけです。

 

事前に、建設的な議論になるようなテーマを設定したり、お互いの立場をキチンと分けたり、スピーチの時間や順番を設けたり、試合の勝敗は完全に第三者にゆだねるなど、個人攻撃を禁止したり、議論の方法を事前に教えるなどして、誰もが安心して心地よくゲームに参加できるようにファシリテーションを行っています。

 

ふーん、結構大変なのね。
まぁ、議論をするとやっぱり感情的になるからね。

もちろん、私も人間です。議論や討論をすると熱くなることはよくあります。ただ、ディベートでは、感情的に訴えて相手から同意を得ようとするのではなく、ロジックとスピーチだけで聴いている人たちを説得するスタンスで行っております。

口ケンカや言い負かしあい!巷で行われている討論にならず、ディベートをゲームとして楽しめるように、この記事のタイトルである4つの特徴を徹底したうえでディベートを行っています。

では、以下4つの特徴について紹介します。

 


 

2.ディベートの特徴4つ-「テーマ」、「対戦相手」、「タイムテーブル」、「勝敗」

即興ディベートとは意見対立を前提にしたテーマを用意し、賛成側(肯定側)と反対側(否定側)のチームに分かれて、自分の意見とは関係のないところで議論を行う。ディベートは、決まったルールのによって行われ、勝敗は第三者にゆだねられる。討論・議論をゲームにしたもの!
真理
なるほど!なんとなくゲームってとこは呑み込めたわ。

ディベートの特徴4つ

  • 1.テーマ-共通のテーマを用意する
    意見対立を前提にしたテーマ(お題)を用意する。チームを肯定側(賛成側)と否定側(反対側)のチームに分かれて、議論を組み立てる・発表する。
  • 2.対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける
    肯定側になるか?否定側になるか?は、試合の直前に決まる。自分の意見とは反対の立場になることもある。個人の主義・主張は持ち込まない
  • 3.タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」がキッチリ決まっている
    スピーチは、決まったタイムテーブルにのっとり行われる。時間や順番が決まっている。「主張する人」「質問する人」「反論する人」「まとめる人」など役割も決まっている。お互いが平等に発言できる
  • 4.勝敗の決め方-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める
    説得する相手は、相手選手ではなく第三者(ジャッジ・観客)勝敗の基準は、第三者を説得からひとつでも多くの票をゲットしたか

テーマ、対戦相手、タイムテーブル、勝敗・・・・この4つです。この4つを意識してディベートを行えば、口論や口ケンカのようにならず、キチンとしたルールによって行われ、みんなが楽しんで参加できるエンターテイメントの場へ変わります。

2-1 テーマ-共通のテーマを用意する

テーマの試合では、必ず賛否両論のテーマがあり、そのテーマをもとに議論を行います。このテーマのことを、「お題」「論題」「トピック」と呼ぶ人もいますね。ここではテーマという言葉で統一していきたいと思います。

ディベートのテーマは、必ず賛否両論であり、賛成になっても反対になっても議論できる余地があるテーマが望ましいですね。

実際にどんなテーマでディベートをしてきたか?簡単にこれまで行ってきたテーマを紹介します。

 

2-2-1 即興ディベートワークショップで行ったテーマ

2016年に即興ディベートワークショップをスタートしてから、これまでに行ってきたテーマを紹介します。(随時更新)

  • 日本政府は、教科書をタブレットにするべきである
  • 日本政府は、(従業員の)副業を解禁するべきである
  • 日本政府は、転職を前提とした制度作りを推進するべきである
  • (株)ユニクロは、高価格帯商品を販売するべきである
  • (株)ケンタッキーは、店内でアルコール販売をするべきである
  • ネルフはガンダムを開発するべきである
  • ココイチは、デザートメニューを増やすべきである
  • 日本政府は、同一労働・同一賃金を推進するべきである
  • 日本政府は、男女の多重結婚法案を認めるべきである
  • テレビ倫理委員会は、PG規定を強化するべきである

2017年に入ってから小学校の英会話教育、転職を支援する法案、副業を推進する法案、ギャンブル解禁等、結婚の自由化、子供向けのアニメの規制などが盛り上がっていますね。

真理
へ~、なんか面白いテーマ。ちょっと興味あるかも。
ディベートのテーマで大事なのは2つかな。1つ目が、賛否両論であること。

ディベートとディスカッションの決定的な違いは、このテーマ選びにあるといっても過言ではありません。ディスカッションの場合、「よい教育とは何か?」「ギャンブルを合法化するとどんなことが起きるか?」「平等な働き方を実現するには何が必要か?」といった物凄く抽象的なところから入ります。

真理
うんうん、そのほうが議論しやすいんじゃないの?
でも、なかなか結論が出ないんだよね。コレが。
いや、それどころか議論にすらならない。色々な意見や考えがあるよね!で幕を閉じる感じ

こんな感じです。

ディスカッションの問題点は、色々な意見こそ出ますが、論客が自分の考えを一方的に論じるだけで、中々先に進まないことです。SNSで各自が好き勝手に話しているような感じですかね。論客のスキルも原因かもしれませんが、テーマそのものが凄く抽象的なところからスタートしているからです。

対して、ディベートのテーマは、賛成するか反対のどちらかなので、極めてシンプル!

こんな感じです。

  • ディスカッション:「よい教育とは何か?」「学校教育を改善するには何が必要か?」「日本の教育は今後どうなるか?」
  • ディベート:文部省は、社会経験豊富な非教員免許保持者の採用枠を拡大するべきである
どっちのほうが意見が言いやすいかな?
真理
え?ディスカッションのほうが色々と意見が言えていいけれど・・・
確かに、ディスカッションのほうが色々と意見が言えるけれど、本当に色々と意見を言うだけで終わる気がする。対して、ディベート・・・非教員免許保持者を採用枠を拡大のほうが、より核心に迫った議論ができると思う
そうだね・・・(全部言わないでよ)

先ほどの、非教員免許保持者の雇用枠拡大に関しても、賛成(反対)するなら、それなりの理由や根拠を示さなければならず、否が応でも考えざるを得なくなります。

上記の問いかけに対して、すべて自分で見解を出さなければなりません。ぼんやりと考えていたら負けます。賛成するなら、賛成側の議論を、反対するなら反対側の議論を作らなければなりません。

聴いている人たちを説得させる前提で。

真理
ねー、論くん、これ難しくない?
カンタンではないよ。でも、いざディベートとなるとみんなやっちゃうんだよね♪

それが競技の形式の良いところです。ゲームに参加をするなら、試合に勝つために、上手に伝えるために、必死でアイディアを出して、ロジックを固めて、知っていることを自分の言葉で伝えようとします。この活動自体に大きな意味があります。

 失礼! ディベートができない教育論評論家たち

ディベートの講座を開くと、教育関係者の人たちに会うことが多いです。彼ら・彼女らは、往々にして「詰め込み教育よりも考える教育が必要だ!」「日本の教育を改革するべきだ」と熱いスローガンをぶつけてきます。ところが、いざディベートの試合をすると、いちばん下手なのが、そんな熱いスローガンをぶつけてばかりの教育論者でした。

ちなみに、ディベートが上手なのは、デザイナー、エンジニア、コンサルタント、個人事業主の方。この違いは何かと分析をしたら、結局のところ、ディベートが上手な人は、教育制度やシステムとは関係なく、教育論者たちが論じているような教育を自ら行っています。

力也
まぁ、ウェブデザイナーなんて毎日ディベートをしているようなものだからな。(笑)
そうね。まぁ、力也の場合、いつも上司とお客さんからボコボコにされているだけだと思うけれど。
力也
んだと!コラ!

実際に、私たちが日常でどんなディベートをしているかは、この後にお話をしますね。その前に、テーマにも型があることをお話します。

2-2-2 ディベートのテーマの型(価値論題、推定論題、政策論題)

ディベートのテーマにも型があり、いくつかジャンル分けがされています。

論題名 内容 難易度
価値論題 ある価値観と別の価値観を対比させる
推定論題 特定の事実について「より正しいかどうか」について議論をする
政策論題 ある政策・法案を可決するべきかを議論する

テーマの型について深く知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

ディベートのテーマ(価値論題、推定論題、政策論題)の違いとは?

ディベートのテーマにはどんな種類があるの? という質問にお答えするのが、この記事です。ちょっとマニアックだったら恐縮です。ですが、ディベートが面白いか、つまらないかはやっぱりテーマによって大きく変わる ...

続きを見る

即興ディベートワークショップでは、政策ディベートを行っています。このテーマの特徴は、テーマを実行した世界と実行されなかった世界を比較して、主人公にとってどちらのほうがより望ましいのか?について考えるスタイルのディベートです。

例えば、先ほどの「文部省は、社会経験豊富な非教員免許保持者の採用枠を拡大するべきである」についても同じことが言えます。あなたにとってどちらのほうが好ましいかではなく、テーマの主人公である文部省にとってどちらのほうがより望ましいか?と考えながら、ディベートの試合を進めていきます。

つまり、文部省が何を目指しているかを理解したうえで、えっと社会建研豊富な非教員免許保持者だっけ・・・彼らの採用枠を増やすべきか否かについてディベートをするってこと?
そうだね。その点では、ディベートのテーマは、アイディアや提案を出すだけで終わりではなく、そこから異なる同士を検証していきながら、最後の最後に結論を決めていく作業になるんだ。

例えば、あなたがクライアントから「品質を下げてもいいからコストを落とせ!」と要求をされたとします。ところが、あなたの会社は高い品質を維持してきたからこそ、成長してきたとします。それでもお客さんの要求は無視できない。さて、ここでお客さんの要求に応えるか?それとも自社のあるべき形を選ぶか?

これもディベートにふさわしいテーマになります。

 

注意 王道テーマでディベートは行いません!
「死刑廃止論」、「憲法9条の是非」、「安楽死」、「代理出産」「ペット販売禁止」などがディベート業界では王道テーマとされていますが、「死」というキーワードがたくさん出てくるため、あまり好きじゃありません。大学系のディベートは、とにかく「死」という言葉がたくさん出てきますね。(笑)

 

2-2 対戦相手-選手を肯定側と否定側に分ける

テーマが決まったら、肯定側になるか、否定側になるかを決めます。さて、この肯定側になるか、否定側になるかが物凄く重要なのですが、試合直前までどちらになるかわからない!ということです。

真理
え!そうなの??
うん、試合直前にジャンケンやコイントスをして決めるんだ。

この部分は、ディベートのテーマ以上に重要かもしれませんね。なぜなら、肯定側になるか、否定側になるか、を直前に決めて議論をすることは、ディベートを知るうえで最も重要になってくるからです。

2-2-1 個人の主義主張を切り離す

 

いきなりですが、先ほどの

文部省は、社会経験豊富な非教員免許保持者の採用枠を拡大するべきである

は、賛成でしょうか?反対でしょうか?はじめから賛成(反対)の方もいれば、人の意見を聴いて賛成(反対)を決めた人もいると思います。正直、賛成でも反対でも構いません。

ただ、ディベートをするからには、たとえあなたが個人的に賛成(反対)でも、否定側(肯定側)になれば、あなたの意見ではなく否定側(肯定側)の立場になり、議論をしなければなりません。

自分の主義主張なんてぶっちゃけどうでもいい!

という態度でディベートの試合に臨む必要があります。

真理
自分の主義主張に反する意見を述べるのは辛くない?心が折れないの?
普段だったら折れるけれどね。ディベートなら別に大丈夫だよ。

というのも、ディベートは、「自分の意見に賛成して」「私の考えを受け入れて」と訴える場ではなく、どれだけキチンとロジックを組んだか?どれだけ聞き手に解りやすく伝えたか?など競う場であり、意見が正しいかどうかを競う場ではありません。

力也
確かに!自分の意見とは関係ないのなら、ガンガンと議論ができるかもな。反対されても凹まないし...
そうね。力也が議論に弱いのは、自分の意見にこだわりすぎるからよ。相手が何を考えているかが見えていないから、次の手が読めないのよ。あ、言っちゃった。
力也
・・・(この野郎)

ディベートとディスカッション・その他の議論・討論の違いは、ここにあります。

自分の意見ではなく、肯定側ならテーマを肯定するために論理を組み立てて自分の言葉で伝える。否定側なら逆のことを行う。

強制的に人格と意見を切り離して、議論そのものに徹して、肯定側と否定側の議論を検証してどちらのほうがより望ましいのかを検証していく作業になります。

真理
なるほど!これは大事かも。私も、求職者さんから相談を受けたら、私がいちばんだと思っている提案よりも、相手が何を求めているのかから考えるからね。
それは大事だね。ディベートを学ぶと自然と自分の意見とは真逆の視点で物事を考える癖も身につくんだ。

結果として、それが相手の立場で物事を考えるトレーニングになります。議論が大好きな人は、自分の意見をごり押しして相手を負かすことを好みます。ですが、本当に議論が得意な人は、相手の議論をキチンと聴いて、その考えが正しいに納得したら、自ら負けを認めます。

必ずしも相手を論破するのではなく、相手を勝たせる/潔く負けを認めるのも、議論力を高めるうえで大切なスキルです。

もちろん、ディベートの試合でそれをやっちゃだめだよ。諦めるようなものだから。(諦めたら試合終了)

突き詰めると、肯定側と否定側の両方について考えることで得られるのはこちらですね。

2-2-2 第三者の視点で物事を考えること

ディベートの試合では、肯定側(否定側)と偏った考えをするのではなく、徹底的に第三者(客観的に)の視点で物事を考えることが求められます。

「客観的に物事を考えることは大事」
「広い視点で物事を捉えるべき」
「視点(レイヤー)をあげろ」

と説く人がいますが、「主観的な自分の考え」を切り離すのは、中々簡単ではありません。結局、自分の主観的な考えに戻ってしまいます。だからこそ、いちど、あえて相手(真逆の考えを持つ人)になってみて、その人の思考を徹底的にモデリングします。

すると、自然と両方の立場で物事を考えられるようになり、第三者の視点が手に入ります。

図にするとこんな感じです。

 

例えば、私の場合です。「バレンタイン反対」「バレンタイン爆発しろ!」という主観的な考えを持っているとします。この場合、第三者の立場で物事を考えようと思っても、思い込みの激しさや先入観(ステレオタイプ)が邪魔をして、第三者の視点で物事を考察することができません。

もしもあなたが働いているのであれば、あえてニートの気持ちになってみるのもよいかもしれません。

真理
いや・・・私、ニート嫌いだし。働きたくない!なんてありえないし・・・むしろ、ニートは強制労働に就かすべき!と考えている人よ...
真理ちゃん、けっこう歪んでいるね...

ですが、あえてニートの立場になってください。

ニートはムリして働かなくてもよい!という議論を組み立ててみて下さい。

すると、不思議なくらいニートの視点から物事が考えられるようになり、同時に、その考えの弱点にも気づきます。

真理
あ、できた。確かに、ニートの意見も最もね。
OK!次いでに、真理ちゃんが言っていたニートは働くべき!という議論の弱点も見えるともっと良いかな。
真理
それは今度ね(笑)

このようにディベートを通して、自分の考えや思考の癖、異なる異見、相手の立場だけではなく、メタ認知的に物事を考えることもいとも簡単にできるようになります。

 ポイント  よいディベートを企画するために必要なひとつのこと
今のディベートのダメなところを見つけて、まず否定しています。そのうえで、どうやったらそのダメなところが改善する方法を考えて、即興で実行。これの繰り返しです。私は、ディベートこそ大好きですが、よい部分だけではなく、ダメな部分にも目を向けるように日々心掛けています。ディベートが素晴らしいと信じている人に素晴らしいディベートはできません!(できても、それは自己満足で終わる)

 

2-3 タイムテーブル-スピーチの「時間」「順番」がキッチリ決まっている

スピーチの時間や順番を守ることについては、

  • 1.スピーチに時間制限を設けること
    発言する機会は平等。一人の話し手が延々としゃべり続けることはない

先ほどのお伝えした通りです。そして、もうひとつ!個々のスピーチの役割も決めていきます。

それがこれからお伝えする「立論スピーチ」と「反駁スピーチ」です。

立論スピーチと反駁スピーチの違い

 

  • 立論スピーチ-自分たちの議論を発表するスピーチ。主に議論を組み立てて言葉のみで伝える。立論直後に、相手側から立論の内容について質問をする機会が設けられている。プレゼンテーションと応答
  • 反駁スピーチ-お互いの議論(立論)を戦わせるスピーチ。反論、再反論の攻防戦を通して、どの点で自分たちの議論が優れているかをジャッジにアピールする。討論とクロージング

立論、質疑、第一反駁、第二反駁という計4つのパートがあります。では、それぞれのスピーチの流れについて解説をします。

2-3-1 立論-プレゼンテーション

立論とは、「論」を「立」てるという意味です。簡単にいえばプレゼンテーションです。立論では、肯定側(否定側)共に、自分たちの立場にそったスピーチを行います。

要するに、「メリットがあるからテーマを実行しよう!」「デメリットがあるから、テーマを実行するのをやめよう!」といえばいいのね?
そうだね。これをメリット・デメリット方式って言うんだ。

 

2-3-2 質疑・応答-インタビュー

立論直後に、相手サイドから立論に対して質問をする機会があります。ディベートでは、唯一、選手同士が向き合って話せる場です。


もしも、立論を聞いて、わからないことがあれば、このパートで解消して下さい。

質問側-「立論で述べた○○とは、××という意味でしょうか?」
応答者-「はい、○○は××という意味で大丈夫です。」

質問側-「この議論はAだからBになるということでしょうか?」
応答者-「そこは違います。AとBの間にCがあります。」

質疑は、相手の議論に対しして反論を加えるのではなく、次の反駁に備えて情報を収集する場です。

ジャッジは、質疑・応答のやり取りは聞いてないことにしています。いくら質疑でよい反論を述べても、次の反駁で反論しなければカウントしてくれません。

質疑は、記者会見などで発表者にインタビューをするときに近いかもしれませんね。

さて、質疑が終わったらいよいよ反駁です。反駁スピーチからはお互いの立論を元に、どちらの議論の方がより説得力が高いかについて決着をつけてくパートです。本当の議論はここからです。

2-3-3 反駁-クロージング

反駁スピーチは、相手の議論に対して反論をするパート問より、これまでのお互いの議論について再度議論をしていくようなイメージです。

否定側第一反駁→肯定側第一反駁→否定側第二反駁→肯定側第二反駁と交互に進み、自分たちの議論のほうが相手の議論よりも優れていることをアピールしていきます。

3種類の反駁

  • ①攻撃-相手の議論(立論・反駁)の弱点を指摘すして、論理のつながりを崩していく
  • ②防御-相手から受けた反論に対して説明の足りていない部分を補足説明する
  • ③比較-お互いのメリット・デメリットを比べて、自分たちの方が説得力が高い理由を示す

 

結構忙しいわよね。反駁って。
そうだね。全部の議論に対して反論をしようとせずに、どこで勝ちにいくかを意識して、争点を絞っていく必要なあるかもね。

 

■スピーチ中のルール

他にもこんなルールがあります。もちろん、この場で覚えなくてもOKです。当日は、実例を兼ねて解説をします。

■まとめ-ディベートの選手について

  • ディベートの試合ではタイムテーブルがあり、スピーチの「時間」「順番」「役割」は決まっている
  • 肯定側と否定側がフェアに戦えるように、細かいルールがたくさんある。実践で覚えるのがいちばん早い

さて、テーマ、選手の決め方、タイムテーブルについてお伝えしたところで、最後は「勝敗」の決め方です。

2-4 勝敗-ゲームの勝敗は第三者であるジャッジが決める

最後ですね。ディベートの試合を勝敗は、選手同士で決めません。選手以外の第三者であるジャッジに委ねられます。たとえあなたが相手をコテンパンに論破しても、ジャッジから票をゲットできないと勝てません。

2-4-1 相手を論破しても意味がない

ディベートの試合は、「はい、私の負けです。あなたが正しいです。」と相手に負けを認めさせるものではありません。

将棋じゃないからね。

ここら辺は裁判と同じです。原告と被告間で決着をつけるのではなく、最後の最後は裁判長が判定を下します。この裁判長に最も近い立場の人たちをジャッジと呼びます。

2-4-2 「ジャッジ」と「観客」の違い

ジャッジは、試合の判定について、説明する義務がありますが、観客は判定のみでOKだということです。

■ジャッジの仕事
1)試合の流れ-立論から第二反駁までの流れとスピーチの内容を全部解説。
2)個々の争点-お互いの議論をもとにどこがポイントかを解説
3)試合の判定-肯定側・否定側に投票する。投票理由を述べる

ジャッジはどちらに判定をしても構いませんが、必ず試合の流れや個々の争点を全て説明する責任があります。ひとつの試合では、20から多い時で100を超える論点が登場します。正直に言います。結構大変です。。。

真理
逆に考えると、選手は、ジャッジが判定を下しやすい議論をすれば勝ちやすいってこと。
そうだね。ポイントは2つかな。

  • 「必要な情報」をたくさん提供する
  • 「判定の仕方」を解りやすく教えてくれる

かな。

このように、ジャッジや観客に対して、たくさん情報を与えて、正しい判断の仕方をわかりやすく教えたチームのほうがそうでないチームよりも勝ちます。

ディベートの試合をするときは、「相手を論破する」という考え方は一度捨てて、第三者(ジャッジ・観客)がどれだけ解りやすく試合の判断ができるかを第一に考えてみて下さい。

【番外編】証拠資料の是非

さて、ここまで読んでいただきありがとうございます。今さらなのですが、当ワークショップで教えているのは、「アカデミックディベート」ではなく、「即興ディベート」です。

データや外部の情報に頼らずに、自分の言葉のみで第三者を説得するスタイルのディベートです。

■アカデミックディベートと即興ディベートの違い

リサーチを鍛えるのがアカデミックディベート!

スピーチを鍛えるのが即興ディベート!

です。

詳しくは、記事の後半でも説明しています。

3.ディベートのやり方

即興ディベートのやり方

冒頭で、ディベートは、説得力を競うゲームであるとお伝えしました。

今更だけれど、説得力とはなんだと思う?
まどろっこしいから結論から言って。

3-1 論理・論理的とは?

ディベートで競うのは、スピーチの上手さではありません。ゲームの中で、主張したことに対してどれだけ理由付けがされているかです。

それは解っている。例を見せて!
は・・はい。じゃあ、ダメな議論のサンプルを見せるね。あえて、今回扱っているディベートで(笑)

  1. ディベートは、論理的思考力や意思決定力、そして深い思考力を育むのに最適な学習法だと思うのです(以下、理由をツラツラ)
  2. ディベートを学んで一段上のコミュニケーション能力が身につけよう!
  3. ディベートは日本人の文化に合わない。だから、学ぶ必要はない!

 

力也
ん?わからないぞ。その通りじゃないのか??
え?ツッコミどころ満載だよ。答えをいうね。

【答】

1.その人にとってディベートは最適な学習法なのは理解できたけれど、結局何を訴えたいのかが解らない。

2.なぜディベートを学ぶと、一段上のコミュニケーション能力が身につくのか?その根拠どころか必要な説明が全くされていない

3.なぜ日本人の文化に合わなければ学ぶ必要がないのか?その理由が述べられていない


 

確かに今回のような主張でも解る人には伝わりますが、それはあくまで相手があなたと同じ価値観や考え方を共有している場合です。上記の説明は、ディベート経験者には伝わりますが、ディベートについて全く知らない人にとっては全く伝わりません。

論理・論理的というと堅苦しいかもしれませんが、この言葉の意味を突きつめると、相手の理解を手助けする言葉の架け橋ともいえるでしょう。

力也
なるほど・・・WEBサイトを作るときも、この考えって大事だよな・・・。
やっぱり、読者さんから納得してもらえないと、コンバージョン(制約)にはつながらないからね。

 

 

3-2 マクロな論理&ミクロな論理

ディベートは論理の世界ですが、突き詰めるとこの論理は物凄くシンプルであることに気付きました。

「マクロな論理」と「ミクロな論理」の2つです。その中で覚える言葉は、たったの10語です。

即興ディベートワークショップでは、この2つの論理しか教えてないんですね。それでもディベートはできます。

3-2-1 マクロな論理-メリット・デメリット方式

マクロな論理とは、議論の大枠を組み立てるときに使う論理のことを指します。

例えば、日本政府はプログラミングと英語を必修科目にするべきだ!というテーマでディベートをするとします。

なぜこの法案を実行するかというと、政府や国民にとってメリットがあるからだよね。
力也
確かにな。英語やプログラミングはこれからの時代に必要だと叫ばれているからな。
真理
でも、小学生のころから英語やプロが民具を教え込むって、子供たちにとっては大変じゃない?
導入する側の大人たちにとってはメリットだけれど、子供たちにとってはデメリットよね?

と、このようにディベートの試合では、異なる立場から物事を考察していき、どちらのほうがより望ましいのか?について議論をすることになります。

この方式をメリット・デメリット方式と呼びます。

皆さんは、この記事を読みながら、ディベートを学ぶメリットとデメリットを戦わせていると思います。(そうであってほしい)

続いて、ミクロな論理についてみていきましょう。

 

 

3-2-2 ミクロな論理-トゥールミンロジック

マクロのな論理では、メリット・デメリットのシナリオを組み立てるところで終わりましたが、ミクロな論理では、メリット・デメリットの中身をキチンと検証していきます。

  • 現在、英語とプログラミングの技術は、社会で求められているのにも関わらず、それを教育するシステムが用意されていない。これは問題だ。英語やプログラミングを子供たちに教えることで、この問題は解決できる
    • 本当に、英語とプログラミングは社会で求めれているのか?その根拠は?
    • 教育システムが用意されていないのはその通りだけれど、法案を変えてまで行う必要があるか?
    • 本当に小学生のころから、英語やプログラミングを教えると、大人になったらできるようになるの?
  • まだ未発達な小学生に英語やプログラミングを教えるのは、精神的にも体力的にも負担をかけることになる。子供たちは伸び伸びと育てるべきだ。よって、英語やプログラミング教育を行うべきでない
    • 英語やプログラミング教育が子供たちにとってどれほどの負担をかけるのか?
    • 既に一部の私立の学校では似たようなことが行われているが、本当に負担になっているか?
    • では、現行の教育で「伸び伸び」と育っているのか?その理由は示したか?

と、このように一見理にかなった主張でも、注意深く聞くと必要な説明がされておらず、主張のごり押しでツッコミどころが満載だったりします。ポイントは、どれだけ早く相手の議論の盲点に気づけるかですね。

ポイントミクロな論理でお伝えした論理のモデルをトゥールミンモデルと呼びます。よろしければ参考までに
→「ディベート実践編!トゥールミンモデル(ロジック)-6つの論理

 

 

 

4.ディベートの進め方・流れ

では、ここからはディベートの流れや進め方についてお伝えしていきます。

ディベートがはじめての方にとって参考になるのは、主催者がどのようにディベートを教えていて、どんな感じにディベートをするのか、だと思います。

そこで今回は、私が運営している即興ディベートワークショップの初心者講座を参考にしていただければと思います。

如何でしょうか?

ガツガツ話さず大きな紙に書いているような雰囲気に見えますが、実際のディベートは、とにかく書くことが多いです。

相手が言ったことをたくさん書くから、たくさん理解できて、色々考えます。最後にアイディアをまとめて、自分の言葉でスピーチを行います。

意外と地味かもしれませんが、この瞬間みなさんたくさんのことを考えています。実際にこの後は質問攻めを頂きました(笑)

もちろん、質問どころか反論も大歓迎です。

ディベート&ワークショップの成功の可否は、決して素晴らしいことを教えるのではなく、その場に参加をしている方がどれだけ自由に参加できるか?自分の考えを表現できるか?だと思っていますから。

即興ディベートワークショップのディベート

  • Step1 テーからみんなで決める
  • Step2 リンクマップ・議論を作成する
  • Step3 肯定側・否定側・ジャッジを決める
  • Stpe4 チーム内で作戦会議をする
  • Step5 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める
  • Step6 試合の判定・講評

この流れで進めています。では、それぞれについて説明していきます。

4-1 テーマからみんなで決める

即興ディベートワークショップでは、ディベートのテーマはみんなで決めます。

本来は、主催者がテーマを用意するものですが、企画力UPや即興でアイディアを形にするトレーニングも兼ねて、テーマづくりはその場でみんなで一緒に考えていきます。

2016年即興ディベートワークショップを始めてから、みんなで作ってきたテーマを紹介していきますね。

  • 日本政府は、タブレット授業を推進するべきである
  • 日本は、子供園を増やすべきである
  • 日本政府は、副業禁止を禁止するべきである
  • ネルフは、ガンダムを開発するべきである
  • 日本政府は、労働者が転職することを前提にした制度作りをするべきである
真理
あまり聞かないテーマばかりね。
全部、オリジナルテーマだよ☆

あなたの興味・関心をディベートにしていきます。「こんなテーマでディベートがやりたい!」と思ったら、その場で発案してください。

案外と、採用されます。5分でテーマを作るので、スピード勝負です。武器としての即決思考をお見せください。

4-2 リンクマップ・議論を作成する

テーマができたら、まずはみんなでアイディア出しをします。ビジネス系の勉強会でもよくありますよね。

ですが、アイディアをホワイトボードに書いて終わりではありません。書き出したアイディアをもとにディベートの試合をする!ということを忘れないでください。

そんなディベートの試合のたたき台となるアイディアの出し方がリンクマップです。

真理
リンクマップって何?
マインドマップのようなものかな。論点を洗い出す作業をみんなでする感じ。

リンクマップについては以下をご覧ください。

リンクマップの作り方

  • テーマに関係するキーワードの洗い出し
  • それぞれのメリット・デメリットを列挙
  • 細かい論点を分析して関連付ける

これは2016年の夏に作ったリンクマップです。この時のテーマは、東京都は都知事の年収を都民のアンケートによって決めるべき、でした。

リンクマップが作れるようになると、マインドマップも簡単に作れるようになります。マインドマップがお好きな方は是非とも一緒に覚えてください。

4-3 肯定側・否定側・ジャッジを決める

議論の方向性が見えてきたら、次に選手とジャッジの役割分担です。

  • 選手-肯定側と否定側
  • ジャッジの人数(偶数・奇数)

4-6人でグッとパーをして、チームを決めます。その後に、チームの代表者同士でジャンケンをして勝った方が肯定側。負けたほうが否定側です。

真理
本当にどっちになるかわからないのね。
うん、ここは驚いた。。

4-4 チーム内で議論を作成する

チームに分かれたら、10分~15分くらいで、作戦会議を行います。主に立論作成を行います。

立論作成シートを作成したので、肯定側なら肯定側の立論作成シート・否定側なら否定側の立論作成シートをお渡しします。

 

4-5 試合開始 ※タイムテーブルに従って進める

立論スピーチと反駁スピーチの違い

 

立論が4分、質疑2分、反駁3分が基本ですが、当日の進み具合によっては、立論を3分にして、質疑・反駁2分にするなどして細かい調整を行っています。

スピーチの順番・時間役割は、以下の用紙にそって進めていきます。

フローシート

ディベートの議論を書き留める用紙のことをフローシートと呼びます。

フローシートの書き方:ディベート試合編-フローシートを上手に書くコツ3つ

各スピーチの流れ

  • 肯定側立論(3分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側質疑(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側立論(3分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側質疑(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側第一反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側第一反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 否定側第二反駁(2分)
  • 準備時間(2分)
  • 肯定側第二反駁(2分)

 

①肯定側立論-4分-

肯定側立論は、テーマの推進者として、「現状に問題があるからテーマを実行して改革するべきだ」と主張をします。

肯定側立論は、以下3つの仕事を行います。

  • 1)定義/概要を示す
  • 2)テーマを行動計画に落とし込む
  • 3)上記の行動計画からメリットを導き出す

詳しくは、下図の立論作成シートをご覧ください。

肯定側立論の作り方

肯定側立論の作り方については以下の記事を参照してください。

リアルでも有効!聴き手を扇動する「肯定側立論」の作り方!

②否定側質疑-2分-

肯定側立論が終わったら、否定側からの質疑が始まります。質疑はインタビューです。

相手の議論に反論をするのではなく、肯定側立論を最後まで聴いて、聞き取れなかった部分・理解できなかった部分を確認していきます。

続いて、否定側は質疑が終わったら、自分たちの立論の準備に入ります。

③否定側立論-4分-

肯定側立論と同様にテーマを否定する理由を述べます。肯定側の定義や解釈、プランに問題がなければ、「定義は肯定側に従います」と述べ、テーマを実行してはいけない理由を述べます。

基本的な立場として、テーマを実行すると新たな問題が発生する、ですね。この新たな問題のことを「デメリット」と呼びます。

ワークショップでは、否定側立論作成シートもお配りしています。構成だけ整えたので、アイディアをドンドンとお書き下さい。

否定側立論の戦略

肯定側に比べて、否定側は自由度が高いです。なるべく肯定側と同じ土俵で戦わず、自分たちの土俵に持っていくテクニックが求められます。

否定側が絶対に知っておきたい4つの戦略

さて、これからディベートの試合です。あなたは否定側になりました。 ところで、否定側の仕事って何でしょうか? 「肯定側がメリットを述べるのでデメリットを述べること」と教わるかと思います。その通りです。 ...

続きを見る

④肯定側質疑-2分-

さて、肯定側からの質疑です。否定側質疑と同じです。

反論をせずに、相手の議論の中身や論理のつながりを理解することに徹しましょう。

肯定側立論←否定側質疑/否定側立論←肯定側質疑と進んで、立論スピーチは一通り終わります。

そして、ここから反駁スピーチに入ります。

反駁スピーチでは、肯定側と否定側の順番を入れ替えて、否定側からスタートします。なぜ反駁から順番が入れ替わるのかというと、理由は2つです。

  • 理由1.議論の性質上、先にはスピーチをするよりも、後にスピーチを強いた人が有利になるため、途中で順番を入れ替え調整する
  • 理由2.イギリスの文化で、テーマの推進者は最初にスピーチをして、最後にまとめる役割を担ってくる考えがあったから(と聞いた)
理由2は、どうでもいい気がする。。。
うん。「へ~~~~~~~」程度のネタ。

さて、それでは否定側第一反駁に入りましょう。

⑤否定側第一反駁-3分-

否定側第一反駁は、肯定側立論に対してのみ反論ができます。逆に否定側立論のように、「こんな問題が発生する」といった新しい議論を提出することはできません。

否定側立論と否定側第一反駁は間違えやすいですが、違いをまとめると以下の通りです。

  • 否定側立論-「テーマを実行するべきでない」という理由を述べる
  • 否定側第一反駁-肯定側立論の弱点・成立してない論点を指摘する

例えば、肯定側が「小学校の頃から英語を勉強すると、将来、グローバルな人材になれる(理由、ウンタラカンタラ)」と論じてきたとします。

この場合、否定側ができる反論は以下の通りです。

  • 「その主張に対しての裏付けが弱い!(理由、ウンタラカンタラ)」
  • 「その議論は間違っているその主張の裏付けが弱い!(理由、ウンタラカンタラ)」

一方で、否定側第一反駁では無効になる反論もあります。

  • 「英語を勉強することで、子供たちが日本語を学習する機会が減少するからNG(理由、ウンタラカンタラ)」
  • 「今回の肯定側の主張に対して代替案を示します!」

立論スピーチでは、論点をたくさん出して議論を広げていくのに対して、反駁スピーチは、立論で登場した議論をもとに、お互いの議論を細かく検証することが求められます。

せっかく話したがまとまりかけてきたのに、最後の最後で関係のない話をする人っているよね。
力也とか、力也とか、力也とか・・・
力也
うるせー!!!
お願いだから仲良くして。

⑥肯定側第一反駁-3分-

否定側第一反駁が終わったら、次は肯定側第一反駁です。肯定側第一反駁では、否定側が行ってきた議論に対して全て論じ返さなければなりません。

  1. 否定側立論-否定側第一反駁と同じように否定側立論の根拠や論拠が弱いなどと反論
  2. 否定側第一反駁-否定側第一反駁で反論された論点に再度反論・議論の補強などを行っていく

さて、肯定側第一反駁ですが、これまで否定側が立論(4分)と第一反駁(3分)で行ってきた議論に3分で論じ返さなければならないため、ディベートの中では最も忙しいポジションだと言われています。

と言われている・・・いや、その通り。僕は苦手。

全部の議論に対して反論をするんは時間的にもきついです。

なので、反論する論点としない論点を瞬時に見極めて、取捨選択をする判断力が求められます。

次の第二反駁で反論をすることはできないの?
それをすると、レイトレスポンス(遅い反駁)になるかな。

ディベートの試合では、【沈黙は同意】という原則がありまして、反論をしない=相手の議論を認めた、ということになります。

結構シビアなのね。
競技だからね。そこは仕方ないよ。

肯定側第一反駁が終わったタイミングで、必ずいくつかは反論のし忘れがあるはずです。

次の否定側第二反駁では、否定側は反論のし忘れを積極的に拾っていきながら、肯定側第一反駁で受けた反論に再反論をしながら、自分たちの議論が相手の議論よりも勝っていることをジャッジにアピールします。

⑦否定側第二反駁-3分-

否定側の最後の議論です。これまでの議論をまとめて自分たちの議論の方が相手の議論よりも優れていることをジャッジにアピールして下さい。「この部分で勝っている!」と判断したら迷わずアピールをしましょう。

なお、このパートでは、立論のように新しい議論を提示できません。

また、第一反駁のように肯定側立論に反論はできません。

これまでの議論をチェックして生き残っている部分を参照しながら、議論のもう一度組み立てて、どの点が優れているかをジャッジに伝えて下さい。

⑧肯定側第二反駁-3分-

同じく肯定側の最後のスピーチです。仕事は殆んど否定側第二反駁と同じです。これまでの議論をまとめて、自分たちが優れている部分をジャッジに伝えるだけです。

細かい論点ひとつひとつに決着を付けながら、最後に自分たちが優れている点をアピールして、なぜテーマが肯定されるべきなのかを伝えましょう。ジャッジは、肯定側第二反駁を聴きながら、立論と内容が一貫しているかをチェックしています。

第二反駁の内容が立論と全く違えば、その時点で主張に一貫性がないと見なされ肯定側が勝てる確率はグンと下がります。

理想は、肯定側第二反駁の流れを意識して、そこから立論を組み立てることですね。

以上が、肯定側立論、否定側質疑、否定側立論、肯定側質疑、否定側第一反駁、肯定側第一反駁、否定側第二反駁、肯定側第二反駁の簡単な流れでした。

3-6 ゲームの勝敗決め

肯定側第二反駁が終わったら、試合の判定を行います。

即興ディベートワークショップの初回の講座であれば、私がジャッジを担当しています。

大体、終わるのが17:00直前です。

3-7 みんなで振り返り ※参加者向き

ディベートの試合が終わると、物凄く頭の中がグッタリ&スッキリします。

何かに思いっきり打ち込んで完全燃焼したときと同じ感覚ですね。

最近は、ディベートやそれ以外の雑談をする機会を積極的に増やしています。

 

5.【エトセトラ】日本のディベート事情

10年間ぐらいディベートを続けていて、色々と気付いたことがあったので、ひとつひとつまとめていこうかと思います。

おそらく、これからディベートを始めようかどうかを検討している方にとってはよい判断材料になるかと思います。

5-1 ディベートのジャンル&業界事情

ディベートは、日本語か英語、アカデミック形式か即興形式かです。

5-1-1 日本語か英語か?

実は、日本のディベート業界の中で最も人口が多いのが、大学の英会話サークルESS(EnglishSpeakingSociety)が行っている英語ディベートです。

真理
え、そうなの?なんで日本で英語ディベートのほうがメジャーなの?
英語を勉強したいからディベートをするって人が多いからじゃないの?対して、ディベートだけをやりたいって人は少ないからね。

 

力也
すげー現実的な理由だな。。。(笑)

英語ディベート団体のほうが女子が多く、華があるんだと思います。大学の頃に行っていた日本語ディベートは、90%が男性でしたね。(笑)

5-1-2 アカデミックディベートか即興ディベートか?

パーラメントディベートとは、イギリス式の即興ディベートです。

対して、アカデミックとは、大学生を対象にした学術ディベートのことです。

アカデミックディベートとパーラメント(即興)ディベートは似ているようで、全く違います。

■リサーチ重視-アカデミック(教育)ディベート

  • 事前にテーマが発表される
  • 試合前にたっぷりとリサーチを行う
  • 議論の原稿を完璧に作り上げる

勝敗の基準:どれだけ情報を集めたか?どれだけ準備をしたか?

■スピーチ重視-パーラメント(即興)ディベート

  • その場でテーマが発表されてる
  • 即興で議論を作って、発表する
  • 自分の言葉のみで説得に挑む

→勝敗の基準:その場の決断力、アイディア、伝え方、戦略…etc

参考記事アカデミックディベートと即興ディベートの違い

アカデミックディベートは準備が9割です。

私もアカデミックディベート出身者です。大学の頃は、毎日図書館に通って資料を探してから、パソコンを立ち上げて資料を編集していました。これをプレパとといいます。試合前の準備のことですね

社会人になってからはリサーチが面倒だったので、2009年頃にリサーチを一切せずにできる即興ディベートを取り入れて、8年間ぐらい即興ディベート専門で活動をしております。

力也
情報収集と原稿作成ってどんなことするんだ?大変なのか?
力也くんなら、リサーチに費やす時間があれば、ホームページが4つ作れるかも。
力也
マジか。。。クソ大変だな。

5-1-3 即興ディベートとパーラメントディベートの違い

事前にお題が与えられて試合までに準備をするのではなく
その場でお題が与えられて即興ディベートをする

この点では、パーラメントディベートと即興ディベートは同じです。

ですが、パーラメントディベートの場合、スピーチのウィットさや論理以外のイギリス式のお作法が含まれているんですね。

ジャッジや聴衆をちょっとクスッと笑わせるユーモアさも求められるとか・・・
パーラメントディベートは、英語の勉強を目的に何度か行ったことがありますが、面白くなかったのでやめました。

他にも理由がありますが。。。

◆面白くないと思った理由

  • ジャッジの判定と講評が意味不明だった
  • 日本人同士で英語を話すシュールさに耐えられない
  • ネイティブスピーカーが少ない・・・てか、いない
  • パーラの講師が「僕ディベートしません」宣言をした←クリティカル

まとめると、アカデミックディベートは時間的にキツく、パーラメントディベートは自分には合わなかったので、どうせなら自分が楽しめるディベートをゼロから作ろう!ってことで即興ディベートワークショップを作ることにしました。

5-2 社会人向けのディベート講座

社会人向けのディベート講座はあるんですか?とよく質問されます。

結論からいうと、ディベートを教えています!という団体はたくさんあります。ですが、実際にどんなディベートをしているのかは不明です。

おそらく、ルールやタイムテーブルがなく、その場で議論をするだけの討論会をディベートと称しているかもしれません。(正確にはディベートの定義にも含まれていますが)

具体的な名前は伏せますが、社会人向けのディベートサークルを調べてみたら、だいたい以下の4ジャンルに分類できたのでまとめてみました。

 

ディベートセミナー

保守的:アカデミックディベートをそのまま行っている
革新的:オリジナルのディベートを開発している
外向的:目線がお客さんに向いている(マーケット志向)
内向的:目線がディベートそのものに向いている(コンテンツ志向)

大学・教室エリア-大学団体が主催しているディベート講座。大会参加はほぼ必須
セミナーエリア-社会人を対象にしたディベートセミナー。参加料は法人価格
宗教・思想エリア-主催者が教祖化しているディベート講座。参加者は信者扱い
サークルエリア-4つの中で最もお気軽なディベート講座。ほぼイベント化している

参考記事ディベート勉強会の選び方-教室、セミナー、宗教、サークルの4種類

なお、即興ディベートワークショップは、オリジナルのディベートを開発しながら自力で集客をしているため、サークルエリアです。

サークルエリアといっても、私自身、元教室エリア出身の人間なので、今だからこそお気軽にディベートをしていますが、ディベートは教室エリアにいる人ぐらいはできます。

(一部のサイヤ人とナメック星人を除く)

5-3 初心者・未経験者でもできるの?

よくディベート系のホームページに訪問したり、書籍を手に取ると、ディベートは誰でも学べばできます!と書かれています。

はい、その通りです。初心者でも、未経験者でも、学べば誰でもディベートはできるようになります。

ディベートは、【技術】ですから、そんなの当たり前です。

あなたが本当に考えるべきことは、次の4つかと。

  1. どれくらいの期間で
  2. どれくらい実践をこなして
  3. どれくらいできるようになって
  4. どれだけ役に立つか?

そして、結果としてあなたの目標を達成できるツールになるか?です。

もしも、この4つについて事前にキチンと考えられていないと、相当な時間をディベートに費やすはめになります。

結果、案外と何の効果も得られないままドロップアウトしていくだけだと思います。

社会人にとっての1時間は学生にとっての半日分くらい貴重だと思っています。

もちろん、ディベートそのものが楽しく、ディベートを続けることそのものに意味を見出せているのなら話は別ですが。

「え?なんでそんな不都合なことをいうんですか?」と思う方もいるかもしれませんね。

なぜなら、

即興ディベートワークショップを始めたときにいちばん最初に考えていたことが、
皆さんの時間を奪わずに、最短最速で必要なことだけを教える!
そんなディベートをゼロから作る!
だったからです。

 

ウェブデザイナー、システムエンジニア、コンサルタント、個人事業主、修習生・就活生と比較的多忙ない方からの申し込みが多かったからです。

お金はいくらとっても気にしませんが、時間だけは奪いたくない!ってところからスタートしています。

 

6.ディベートを通じて得られるスキル-2017年版

今さら感がありますが、ディベートを通してどんなスキルが得られるんですか?と疑問に思っている方は多いかと。

おそらく、この6つを強調している方は多いかと。

  1. 論理的思考力・批判的思考力
  2. スピーチ力・表現力
  3. 傾聴力
  4. 情報収集力
  5. 異なる立場で物事を考える力
  6. 意思決定力

如何でしたか?期待しましたか?ちょっとワクワクしましたか?

冗談です。

たぶん、「ホントかよ!?」と疑っているかと思います。

ええ、疑ってください。それでOKです。

誰かが言っていることを鵜呑みにせずに、「ホントかよ?」と疑問に思うのは、ディベートを行ううえで絶対に必要になってくるからです

●●大学の××教授が「ディベートは役に立つといっているから本当なんだー」と鵜呑みにする人は、ディベートには向いていません。

何の役ににも立たないテクニックだけを教わって終わるかと思います。

 

「論理的思考力」「スピーチ力(表現力)」「コミュニケーション能力」が身につくは、教育系の人達がお得意とするキャッチコピーです。

もちろん、間違いではありませんが、自分がどれくらい効果があるのかをシッカリと考えたうえで決断をしたほうが後々後悔はしません。

何が言いたいかというと、あなたがディベートで学べることは、

  • 論理的思考力・批判的思考力
  • スピーチ力・表現力
  • 傾聴力
  • 情報収集力
  • 異なる立場で物事を考える力
  • 意思決定力

ではなく、そういった他人が作った言葉に惑わされるのではなく、一歩引いてそれが本当かどうかを確かめて考えてみること。

そして、自分なりに考えた答を自分の言葉で表現することです。

即興力」も実はこの力です。

これをどれだけ早くできるか?です。

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