ディベートの欠点-意外とリアル議論では使えないを読んでいただけたでしょうか
「ディベートを学んでも議論に強くなれるどころか、あなたはリアル議論で弱くなるだけ」と不都合なことを述べました。
そんなことを言うと、皆さんはこう思うはず。
- 「ちょっと待って下さい。あなただって、ディベートの講師でしょ!」
- 「だったら、なぜ自分にとって不都合なことを言うの?」
- 「そんなことを言ったら、誰もディベートに興味なんて持たないでしょ」
確かに、仰る通り。それでもあえて自分にとって不都合なことを口にします。
理由は3点です。
1 胡散臭い奴と思われたくない
いきなりですが、どこかのディベーターが、あなたに向かってこんなことを言ってきました。
- 「ディベートを学ぶと頭良くなるよ。」
- 「人前で話すのが上手になるよ」
- 「ディベートを学ぶと思考が深くなる」
・・・おそらく、嘘つけ!と思うはず。
少なくとも、「へ~、そうなんだ。ディベートを学ぶとなんだからいいことだらけですねー」とは思わないはず。
美味しい話をすればするほど、疑うものです。
いや、疑って下さい。
2 質の高い参加者が集まる
先ほどの理由はややネガティブでした。さて、次は、不都合な情報を含めて、全部暴露するポジティブな理由についてですです。
結果、情報は全部暴露した方が質の高い参加者が集まるからです。
実体験を踏まえてお話をしましょう
2-1 Mさんは比較検討していた
2016年の5月にはじめて即興ディベートワークショップを開いたときのお話です。はじめて参加をしてくれたのは、私と同じ年齢の女性の方でした。誰もが知っている有名なカメラメーカーの技術&教育担当の方です。
Mさんと呼んでおきます。
Mさんはホームページ経由からの申込みをしてくれました。何度かメールのやり取りをしてでの参加を決めてくれました。
Mさんは、他のディベート部への参加を検討した末に、即興ディベートワークショップを選んでくれました。なぜ即興ディベートワークショップを選んだのか?その理由を聞いてみました。
2-2 Mさんが即興ディベートワークショップを選んだ理由?
- 理由1-「ディベートの解説が他のサイトよりも具体的だったから」
- 理由2-「準備をせずにディベートができる、というところに興味を持った」
- 理由3-「ディベートと検索をしたら1ページ目に表示されていたから」
理由1と3は一緒ですからね。即興ディベートワークショップをはじめる前からGoogle対策はバッチリできていました。Google対策と言っても、ライバルサイトより圧倒的に内容が濃い情報を発信する、というだけなのですが。
理由2の「準備をせずにディベートができる」という答えについては、事前にどこかでディベートは準備をするものという情報を仕入れていたのでしょう。参加する前にしっかりと調べた証拠でしょう。
「しっかりとライバルチェックをする」「一方的な主張を受け入れず自分で考える」・・・この2つができている時点でMさんはかなり優秀な方でした。
実際にマンツーマンでいきなり教えてその日のうちに練習試合をしましたからね。本当に未経験者なの?と今でも驚いています。
3.ディベートのトレーニングもできる
さて、最後です。もしかしたら、この理由がいちばん大きいのかもしれません。
良い情報と悪い情報を2つ出すことで、読者さんは、知らず知らずひとりでディベートをしているからです。
3-1 両方の側面から物事を見る
ディベートの試合では、物事を必ず肯定と否定の両方からみなければなりません。
例えば、私が、「ディベートは素晴らしい」と主張したら、あなたは即座に、「いやディベートにも悪いところはあるだろう」「ディベートが素晴らしいという発言。本当ですか?」と疑問に持たないといけません。
これは先ほどお伝えした疑う力と一緒です。
つまり、ディベートを学ぶメリットとデメリットを両方伝えて、その上で参加をするかしないかを問いかけているわけです。その時点であなたは肯定側、否定側、ジャッジの3者の視点で物事を考えているはずです。
そして、その上での決断ならその決断は、あなたの中では間違っていないのです。
3-2 一方的な情報を鵜呑みにしてはいけない
繰り返しになりしつこいようで申し訳ございません。ひとつ参考にして頂きたい事例があるので、出します。
過去に運営していた社会人ディベートCafe☆です。社会人ディベートCafe☆では、ディベートを通じて「聴く力」「考える力」「伝える力」の3つを学ぼう、がキャッチコピーでした。
ただ、残念なことに、「へー、ディベートを学ぶと、聴く力、考える力、伝える力の3つが学べるんだー。このスキルが欲しい。よし申し込もう」と判断したら、アウトです。なんとくなく自己啓発セミナーに参加をする人と一緒です。
「『聴く力』『考える力』『伝える力』って具体的に何だ」と疑うくらいがちょうどよいです。