「コミュニケーション能力を向上させよう!」
え?具体的に何をすればいいんですか?
いつから流行ったのか?この意味不明な横文字・・・。
もしもあなたがコミュニケーション能力についてお悩みなら、原因は「コミュニケーション能力」という言葉の意味を正確に定義していないからだと思います。
そもそも、コミュニケーション能力なんて言葉はそもそも存在しないわけですから。
どっかの誰かさんが作った意味不明な言葉なんですよ!
はじめに
1.コミュニケーション能力ってなんだよ?
日本には、コミュニケーション向上講座というものがわんさかあります。お金が凄く動きますからね。もちろん、即興ディベートワークショップや東京エニアグラムワークショップもそのひとつなのかもしれません。
今後は「話し方講座」や「聴き方講座」を作る予定です。
ですが、コミュニケーション講座なんてダサい名前の講座にするつもりはありません。なぜなら、その言葉自体何の意味もないただの横文字だからです。
2.「コミュニケーション能力とは?」とネットで調べまくった
「ぶっちゃけコミュニケーションって何?」と自問自答しながら、ネットサーフィンをして、調べまくりました。
しかし、しっくりする言葉が全く出てこない。NLPのテクニックばっかりだし...
2-1 実は元・コミュニケーションの先生
そんな私も、一昔前にコミュニケーションの講師をしておりました。2015年5月頃です。NPO法人若者サポートステーションでニートの就労支援をしていたときです。通称サポステ。
講師として、ニートたちにコミュニケーションについて教えていました。本心は、コミュニケーション・・・何それ?美味しいの?でした。
その結果がコレ。
↓
サポステ(ニート就労施設)をクビになり、ニートになったお話
gregroose / Pixabay どうも、木村です。 2015年にサポステをクビになりニートになった人です。 2015年6月に中旬にいきなり本部に呼び出されて、行ったら、目の前にあったのは「解雇 ...
2-2 WIKIPEDIAに相談をしたが・・・
そもそも、コミュニケーションってどういう意味?が最初の疑問。とりあえず、調べまくりました。
- 言語による意志疎通能力(#言語学用語の「Communicative competence」を参照)。「コミュニケーション能力」という言葉は、元々は言語学の分野で用いられた学術的な用語であった。
- 感情を互いに理解しあい、意味を互いに理解しあう能力。感情面に気を配って、意味をわかちあい、信頼関係を築いてゆく能力。[1]
- 非言語的な要素(相手の表情、眼の動き、沈黙、場の空気など)に十分に注意を払うことで、相手の気持ちを推察する能力(非言語コミュニケーション)
- 上記の非言語的な要素により知った相手の気持ちを尊重して、相手に不快感を与えないタイミングや表現で、自分の感情や意思を相手に伝える能力
- 意思疎通、協調性、自己表現能力(厚生労働省による就職基礎能力の定義[2])
- 社会技能(ソーシャルスキル)。暗黙知。
- 上手にコミュニケーションを行うための体系づけられた知識、技術(コミュニケーションスキル)
- 合意(コンセンサス)形成能力
- 「論理的コミュニケーション能力」(自己の考えを論理的に明確に、相手に表現する能力)
- 会話のキャッチボールを上手く行える能力
- 企業が求人広告等で応募者に要求している「コミュニケーション能力」は、ビジネスシーンにおいて発揮が期待される精選された「折衝能力」「交渉能力」「説得能力」を指しており、必ずしも対人コミュニケーション一般を円滑におこなうスキルをもって満足するものではない
全部で11通りありました。
Wikipediaさんも悩んでいる様子ですね。
個人的にはコミュニケーション能力はこのように定義しています。
2-3 専門家の人に聞きまわった
- コミュニケーションに関連した本や文献をたくさん読んでみた。
- カウンセラー、コンサルタント、営業、教師、作家の人に質問した
- 即興ディベートワークショップの参加者に聴いてみた
- みんなでコミュニケーション能力とは何かについて議論をした
結果、適当に濁す人もいれば、自分の経験をひたすら語る人まで様々です。
意外と盛り上がりました。
しかし、自信をもってコミュニケーションの意味について説明できる人はひとりもいない・・・という残念な結果に。
結局、コミュニケーションの意味ってこれなんですけれどね。
↓
「コミュニケーション」の意味、定義! コミュニティの概念を知れば見えてくる
コミュニケーションって何? コミュニケーションとは? コミュニケーション能力とは何か コミュニケーションを和訳したら? コミュニケーション能力を日本語にすると? コミニュケーションの本当の意味?話すこ ...
3.共通項目が6つできた!
色々教わったので、お得意のディベートでバラバラな情報をまとめてみました。
6つの項目からコミュニケーション能力がどんなものかをまとめました。
是非とも、今何が足りなくてどんなスキルを身につけたのかを考えながら、この先を読んでみて下さい。
1-3 基本スキル-伝える力、聴く力、言葉のキャッチボール
まずは、基本スキルの「伝える力」「聴く力」「言葉のキャッチボール」の3つですね。
- 会話のキャッチボール-2人で話をして、「伝える」「聴く」がバランスよくできている状態
- 伝える力-自分の意志や考えを言葉で表現して相手に理解してもらう力
- 聴く力-相手の話を聴いて、本当に何が言いたいのかを理解する力
第一位は、言葉のキャッチボールができているか、でしたね。
当たり前ですけれど、この当たり前がものすごく難しいです。
言葉のキャッチボールが難しい原因については、こちらの記事でまとめています。
言葉のキャッチボールとドッチボールの違い
言葉のキャッチボールとドッチボールの違いです。 ディベート講師11年目を迎えようとしています。即興ディベートワークショップを始めてからは、2年目ですけれどね。 最近、コミュニケーションのトレーニングを ...
コミュニケーションと聞くと、会話をするスキルに注目をするかと思います。
これをバーバルコミュニケーションと呼んでいます。
言語レベルのコミュニケーションよりも、非言語レベルのコミュニケーションだったりします。
4-5.非言語のコミュニケーション-信頼関係を築く力・察する力
- 信頼関係を築く力-相手から信頼されることを第一に考えられる態度・もしくは人間性
- 相手の様子を察する力-いわゆる空気を読む力、相手がどんな気持ちなのかを想像する力
コミュニケーションにはバーバル(言語)とノンバーバル(非言語)の2つの要素があります。必ずしも言葉で人と話すだけがコミュニケーションじゃないんですね。メラビアンの法則なんかがそのひとつですかね。
メラビアンの法則を学んでも話すのが下手になるだけ
プレゼンテーションやスピーチの講座に参加をすると、よく耳にするのが、このメラビアンの法則です。 おそらく、この記事に訪問をしてきた時点で、メラビアンの法則は聞いたことがあると思います。 この記事でお伝 ...
一方で、口達者でペラペラと話してばかりの人は、なんだか軽い雰囲気で敬遠されがちです。
バーバルコミュニケーションが上手でも、ノンバーバルなコミュニケーションが下手で損をするタイプです。
6-7 ビジネスマナー・協調性(チームワーク)
- ビジネスマナー-そのコミュニティーで求められる振る舞いや言葉使い
- 協調性(チームワーク)-自分の利益よりもチームの利益を第一に考える態度
「ビジネスマナーって大切ですか?」という質問については、以下の記事が参考になるかと思います。
例えば、基本的なあいさつや連絡ができなくて、お客様が立腹するようなケース。ビジネスの場では、たとえ営業センスやITスキルが優れていても、言葉遣いや立ち振る舞いがぞんざいであるというだけで、お客様からの信頼や信用を失うことが少なくない。コミュニケーションを取ることにも支障が出てきて、本来の業務がうまく遂行できなくなってしまうこともある。また、ビジネスマナーの欠如は、対顧客への悪影響のみならず、職場の生産性、効率性にもダメージを与える。
このようにビジネスマナーというのは、対外的企業活動をする上でも、社内の組織運営を円滑に進める上でも、極めて問題となってくる。何より、ビジネスの常識を知らないということは、こうした仕事先や職場でのトラブルが続出する大きな原因となっていることを、まずは知ってほしい。
ビジネスマナーは大事です。その理由は、お客さんや上司がビジネスマナーが大事だと考えているからです。それだけです。
続いて、チームワーク(協調性)です。自分の利益よりもチームの利益を優先する人は日本では好まれます。理由は、先ほどのビジネスマナーと同じです。みんなが自分の利益を殺して、チームの利益を優先しているんだから、お前もしろ!という論理です。
一方で、自分の利益を犠牲にしてチームの利益に貢献できるのは、日本人の既得権-ジャパニーズプレミアム-になっています。ちょっと面白本を発見したので、記事にしました。
ジャパニーズプレミアム-日本人にしかできない仕事
ちょっと面白い本を最近読んだので紹介します。 10年後に食える仕事か食えない仕事かを判断するためのマトリックス。 無国籍ジャングル-世界で活躍する外資のトレーダーやスーパーエンジニア。日本人のメリット ...
では、次に入りましょう。
8-10.自己アピールする力-自己主張力・知識・論理力
- 自己表現力-相手に対して物事をハッキリと伝えて、意思を表明する力
- 知識-沢山ことを深く知っている状態。どんな質問にも答えられる
- 論理力-知識・情報を自分と意見の筋道を作れる状態
先ほどのチームワークや協調性が、組織から排除されない守りのスキルだとします。自己表現力、知識、論理力の3つは組織で戦っていくための攻めスキルになりますね。
やっぱり自分の意見を言える人は強い!ただ、意見を述べたら、「なんで?」「本当か?説明してみろ」と言われるので、知識武装や論理武装をすることが求められます。
13 パワーゲームを制する力-折衝、交渉、説得
- 折衝能力-利害関係が一致しない相手と問題を解決するために、かけひきをすること。
- 交渉能力-特定の問題について相手と話し合うこと。利害対立を調整すること
- 説得能力-相手に納得させること。自分の要求を通すこと
ただ、どんなに口がうまくても、自己主張ができても、最後はパワーゲームであることもセットで覚えておきましょう。理屈だけで自分の意見を通せるのはディベートぐらいなものです。
やっぱり自分の要求が通せる人は、このパワーゲームが上手であること。そして、もうひとつ!自分が何をしたいのかが解っているから、本当にぶれないし、あきらめない。
従うところは従う、戦う時は戦う、逃げるならサッと逃げる、この3つを要領よくこなす器用さは大事ですね。
14-15 自己理解とセルフトーク
これまでのコミュニケーションは相手がいることを前提に説いてきましたが、意外と見落としがちなのが自分とのコミュニケーションです。
2つご紹介。
- 自己理解-自分の性格や考え方を客観的にわかっている状態
- セルフトーク-自分の内面に向きあう力・自分自身と会話をする力
自己主張が強くて短気な性格の持ち主が、カウンセラーが得意とする「傾聴」や「共感的態度」を身につけようと思っても、凄く時間がかかります。また、苦しいだけです。
それなら、アサーティブコミュニケーション(キチンと主張するスタイルの話し方)やアンガーマネージメントを学んだ方が効果が期待できるかもしれません。
ちなみに、私はこの一環でエニアグラムを教えております。
エニアグラムとは?9つの性格×ウィング18×生得本能27を紹介
2018年にはじめたエニアグラム活動・エニアグラムワークショップ。もともと、即興ディベートワークショップの後に「遊び」で行っているワークショップでした。2019年はディベートよりもエニア ...
16-17 その他
一昔前のコミュニケーション講座で教わったことです。色々なコミュニケーションの本を読みましたが、最も参考になったのはこの2つでした。そして、私にとって、コミュニケーション能力について悩む機会を奪った一言
- 仮説と検証-トライアンドエラー
- リーダーシップ-リーダーになればコミュニケーションは凄く楽
トライアンドエラー…って結局それかよ!と思われるかもしれませんが、はい。コミュニケーションは、仮説と検証の繰り返しだと気づきました。これはコミュニケーション講座の先生が最後に言うこと。
セミナーで実践してくださいね!
という講師の本音は、
理論は教えたので実践してください。あとは、ご自分で修正してください。以上!
という意味です。
そりゃないだろ!と思うかもしれませんが、世の中そんなもんです。
最後にリーダーシップです。組織の管理職や経営的なポジションになれってことではありません。人から何かを受け取る側のフォロワーでいるより、何かを発信して人を動かすポジションについた方がコミュニケーションは楽になりますよ、という意味です。
勿論、リーダーになると責任やらなんやらで別の苦労が発生しますが、そこはメリットとデメリットを比較して、合理的な判断をして下さい。
4.コミュニケーション能力UPよりも大切なこと
さて、いがだたってでしょうか?
この本を読みながら一生懸命書きました。
はい、この本です。
「おい!適当だな!」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
高田純次さんは、悩んでいる読者のことを考えて、この本を真剣に執筆したと思いますよ。
つまり、それです。
目に見える情報に踊らされず、目に見えないことも想像して、キチンと自分の頭で考えることが、コミュニケーション能力を向上させることよりも大切なこと。
コミュニケーション能力なんて言葉がいちばん適当なんです。
Wake Up!