2014年くらいの出来事ですね。このときにはまだ即興ディベートワークショップは開催していません。
社会人ディベートCafe☆をしていた頃のお話です。
私の知人が参加をしてくれました。
意外と面白い方で、その人は、自称「みんなと和気あいあいと楽しい時間を過ごすのが好き」と自分では口にしています。
年齢は40代後半の男性です。定職には就いていません。何やら、若い頃に志望していた職種があって、その資格の勉強に打ち込んでいたのですが、結局その夢はかなわず中年フリーターになった人です。
ちょうどその頃の私も、会社をやめたころであって、就職活動をしていました。年齢こそ一回り以上違いましたが、お互いの境遇が似ていたのか、何だか妙に気が合ったのでしょう。
ただ、その方にはちょっとした変な癖がありました。以下、S氏として、この話を続けます。
1.S氏の特徴
一言で言うと、喋るのが好きなオッサンです。40後半にもなると、男性は大人しく振舞うものだと思っていたのですが、ところどころよくしゃべります。その頃はある人が主催した読書会にお邪魔していました。お互いに本を紹介し合うイベントです。
1-1 喋りたい衝動を抑えきれない・・・?
私も人が喋っているときは黙って聞いていました。その頃は、定職についていなかったためか、あまり自己肯定感が高くなく思いっきり喋りたいテンションではなかったからです。
S氏もそんな様子でした。ところが・・・やっぱり喋りたいのか、凄くソワソワしながら、喋るタイミングを伺っていました。そして、やっぱり喋りたい衝動を抑えきれず、ついつい口がぽろぽろと動く・・・そんな感じで不自然な人でした。
1-2 一言一言に言い切り感がない
そんなS氏です。不思議なことに、いざ喋りだすと言い切り感がありません。本についての感想をいうときにも前置きが多い。
- 一概には言えないけれど、
- 意見なんて人それぞれだけれど、、、
- 私の異見が正しいとも言えないけれど、、、
と、不自然なくらい何かを言おうとすると変な前置きが多いのです。前置きが終わったら、自分の話を出します。そんなS氏は、周りからはちょっと変わっている人、と思われていました。というのも、彼が話しだすと、周りがちょっと身構えるからです。
でたぞーS氏ワールド、と言わんばかりの雰囲気。
2.S氏が社会人ディベートCafe☆に参加
そんなS氏と仲良くなり、Facebookで社会人ディベートCafe☆の活動風景の写真を見たのか、S氏からの参加表明がありました。そのときから、FACEBOOKでは、集客をしていません。
集客はホームページのみです。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
それでも参加者が増えてくれるのだからラッキーという感じです。
2-1 ディベートの試合は惨敗
相手選手の議論に反論ができず固まってしまい、S氏のチームは負けになりました。どうやらS氏が全然しゃべれず、そのゲームを落としたみたいです。
考えられる理由が2つありました。
2-1-1 理由①モノをあまりにも知らなすぎ
日常会話と議論は、似ているようで違いますからね。ここら辺の違いを見極められなかったのでしょう。
どこら辺が違うのかというと、ディベートは話をする場ではなく、意見を述べる場です。意見を述べたら、その意見を立証するために、様々な情報を説明しなければなりません。
S氏の場合、読書会を主宰しているくらいだらか、色々と本を読んで知識は豊富だと思っていたのですが、案外とそうでもありませんでした。
2-1-2 理由②会話のキャッチボールができない
S氏は、言い切り感はないものの自分の思想や考えを述べることは大好きです。中途半端ながらも意思表示はします。ところが、相手の異見を相手の話を聴いているようなそぶりを見せるのですが、情報として頭の中に入っていません。
というより、相手の話を情報や知識として理解する気がない感じです。情報や知識を得るのではなく、相手とコミュニケーションをとるような雰囲気をとるパフォーマンスをしているだけでした。
- 相手の話を自分が聞きたいように聴く
- 言葉の意味も勝手に解釈をする
- 意見や認識が割れると話を濁す
過去の自分にも似ているところがあったので、凄く納得。なお、これは本人の性格によるところもありますが、ディベートを学べば十分に直せる部分です。(私がそうしてきた)
詳しくは、三角ロジックを参照してください。
3.FACEBOOKで超問題発言
言い方は悪いですが、ある意見を言ったら、今度は別の意見も言いたくなり、相手の異見は聞いているようで聴いていないのです。
その人は一度社会人ディベートCafe☆のセミナーに参加をしてくれて、その数日後にfacebookにこのようなコメントを残しました。
「私は、調和を前提にしたコミュニケーションを望んでいるので、ディベートは合いません」
そのとき、こう思いました。
「ディベートは、口げんかのツールであり、調和を善とする日本人には合わないと思うよ」と口にするとします。
ところが、この一言をは、ディベートを愛する人に対してある種の異見を投げているのです。
「アンタ!メチャクチャ異見をいっとるやん!」って。(笑)
すると、ここでディベーターは、いやいやディベートはあなたが思っているようなものではなくて・・・と見苦しいディベート論に走るわけですが、そんなのは誰も聴いていないわけです。私自身、ディベートの解釈をめぐって議論をする気はほとんどないので。
私は私で、ディベートを独自に定義・解釈をしています。
100人いれば100通りのディベートがあっていいわけですから。そんなので論争するだけ時間の無駄です。
むしろ、「うん、ディベートは口げんかだよ。でも、僕のディベートは口げんかよりも調和を目指しているよ」と答えた方が建設的ですからね。
話がそれました。申し訳ございません。