「反論」と「反駁」の違いについて説明できる?

投稿日:2016年7月16日 更新日:


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googleかyahoo!で「反駁」という言葉で検索をした方へ・・・。

反駁とは、完全にディベート専門用語ですよね?社会人になって一度も使ったことがありません。もしも、会社で「反駁」という言葉を使ったら、間違いなくその人はディベーターですね。しかも、コアなディベーターかと。

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普通だったら、「反論」という言葉を使うはず。

 

さて、それでは本題に入りますね。

ディベーターも説明できない反論と反駁の違いについて紹介します。

はじめに

1.反駁の意味-辞書より-

まず、辞書の意味ですね。Google!先生に相談してみました。すると、「反駁」という言葉でググったらコトバンクのページが表示されたのでクリック。

このように説明されていました。

1-1 反駁の意味

[名](スル)他人の主張や批判に対して論じ返すこと。反論。「例をあげて―する」
コトバンクより

何だか、反論と意味が一緒ですよね。続いて、コトバンクさんで「反論」という言葉について調べてみました。

1-2 反論の意味

相手の論や批判に反対の意見を述べること。また、その議論。「反論の余地がない」「論評に反論する」

ことバンクより

さて、この2つの意味を見比べてどうでしょうか? 「同じじゃん!何が違うの!?」と思ったかもしれませんね。

いえいえ、似ているようで全く違います。

2.「論じ返す」がキーワード

もう一度整理しましょう。

  • 反論-相手の意見や論に対して意見を述べる、こと
  • 反駁-他人の主張や批判に対して論じ返すこと

相手から主張や批判を受けたときに、その主張や批判に対して「論じ返す」、という意味になります。

反駁の条件は2つです。

  1. 【批判】や【反論】を受けて、はじめて発動できる
  2. 【論じ】と書いてある以上、【論理的】でなければならない

なので、例えば「あなたの意見は間違っている。」というだけでは、反論にはなるけれど、反駁とは言えません。

2-1 反駁の例-主張-反論-反駁を図にしてみた

【主張】【反論】【反駁】の位置づけを理解するために、こんな図を作ってみました。念のために言っておきますが、反駁を理解するためのエクササイズです。あまり入りこまないように一歩引いた状態で、この先を進んで下さい。

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「世の中お金が全てだ」なんてカイジっぽいですが、凄く解りやすいので・・・。全部、直接相手の議論に対して論じ返していることがお解りいただけると思います。

2-1-1 主張-世の中お金が全てだ!

この主張が好きか嫌いかは別として、「なぜお金が全てなのか?」この理由に注目をして下さい。「お金があると何でも買える」だからです。

主張に対しての根拠が微妙じゃない?主張の根拠が別の主張になっているような。。。
うん、トートロジー(反復論理)になっているかも。。。

2-1-2 反論-お金で買えないものがある

はい、その通り。その1では、「お金があれば何でも買える」という根拠があるから、「お金が全てだ」、という主張が成立しています。

お金があれば何でも買える!という根拠を崩せばよいわけね。
そうだね。手っ取り早いのが、お金で買えないものを列挙すること

つまり、「命」「愛」「仲間」「満足感」「幸せ」はお金で買えないと論じてみました。

本来であれば、この5つがなぜお金で買えないのか?立証する必要があるよね?
そ…そうだね。(キリがないんだよなーこの手の話題は)

ここまでの流れは、【主張】に対しての【反論】でした。さて、次から【反駁】にはいります。

2-1-3 反駁3-4つのうち一部はお金で買える

「命」「愛」「仲間」「満足感」「幸せ」は、必ずしもお金で買えるわけではありませんが、それまでの労力・時間を費やすことになります。この「時間」「労力」はお金で買えるから、相対的にお金があったほうがよい、という考え方ですね。

2-1-4 反駁4-イコール全てがお金で買えるわけではない

あえて、「時間・労力」が買えるという根拠には反駁をせずに、「時間」「労力」の2つが買えるだけで、お金があれば何でも買えるわけではない、と反駁をしています。

この反駁はひとつ前の反駁にもなりますが、同時に最初の主張の反論にもなります。最初の主張と次の反駁で言っていることが違うじゃん?という反駁(ツッコミ)ですかね。

さて、辞書的な意味での、「反論」「反駁」の位置づけについての解説はこれまでにしましょう。

2-2 相手の論に対して直接行う

ひとつ前の主張・反論・反駁に対して直接論じ返すことです。どういうことかというと、「お金がいちばん大事だ(以下根拠)」と相手が論じてきたら、その議論に対して【直接】論じ返さなければなりません。

お金も大事だけれど、愛や友情も大事だよね!といった関係のない話は反駁にはなりません。(もちろん、愛や友情の方がお金より大事だから、イコールお金の方がいちばん大事なわけではない!と述べられるのなら別ですが)

2-2 【論】であること

これも大事です。意見を述べるのではなく、【論】であることです。例えば、「私は、必ずしもお金がいちばんだとは思わない。」と叫んでも、それは論とは認められないため、反駁にはなりません。

「ああ、そうなの。」と言われて、ゲームオーバーです。

2-3 反論は【論】じゃないのか?

うーん、よく解りません。ことバンクの定義によると、

相手の論や批判に反対の意見を述べること。また、その議論。「反論の余地がない」「論評に反論する」

ことバンクより

と書いてありますね。反対の意見を述べればよいだけなので、「そんなの間違っているよー」とひとこと叫べば反論にもなりますからね。

実際に、この記事に対して「それは一概には言えないでしょ!」とあなたがコメントしても、少なくとも私は、「反論されたのかな」とは思いますが、「反駁された」とは思いません。

「そんなの間違っているよー」を裏付ける理由を示さない限り、どの部分がなんで間違っているかわからないからです。

まとめ

  1. 相手の反論に対して直接論じ返すこと
  2. 間接的に関係のない意見を述べても意味がない
  3. あくまで【論じる】こと。理由や根拠が必要
  4. 反論は必ずしても【論】である必要はない

 

3.ディベート視点で考える-反論と反駁の違い

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さて、先ほどは一般的な例として反論と反駁の違いについて解説をしてきました。今度は、ディベートというゲームの中で反論と反駁の違いについて考えていきましょう。

「立論」「反論」「反駁」という3つの言葉がどう違うのかを考えると解りやすいかもしれません。

2-1 立論、反論、反駁の関係

反駁のイメージ

  1. 立論-ディベートの試合で肯定側/否定側が提示する最初の議論
  2. 反論-立論の中身について攻撃をすること・反証をすること
  3. 反駁-相手から受けた反論について再度反論をすること

ディベートのセミナーにいくと講師の方からこのように教わるかと思います。でも、これだと立論に対しての行う反論が第一反駁というのはおかしいですよね?立論に対して反論しているんだから、第一反駁ではありませんからね。

2-2 反駁=「反論に対しての反論」は正しいか?

ねぇ、質問。ディベートの試合では、反論に対して反駁をするのではなく、立論に対して直接反論していない?立論←反論←反駁の順番じゃないよね?
いい質問だね。答えは簡単。立論そのものが反論と同じ性質を持っているんだ。要するに、立論が反論だから、その反論に対して反駁をしているイメージかな。
ごめん、よく解らない。順を追って説明して。

図を用意しました。「立論」「反論」「反駁」の関係はこのようになります。反駁の正体例えば、肯定側立論ですね。肯定側立論の構成は、現状に問題があるから、その問題を改善するために自分たちの提案(プラン)を採用しろ!と主張しています。

  • 主張-労働法を改定するべきである
    現状-現行の労働法には何らかの問題・欠陥ががある
  • 主張-小学校の授業に英会話を取り入れるべき
    現状-今の教育プログラムでは絶対に英語の習得はできない
  • 主張-これからの個人は独立・起業するべきだ
    現状-会社に勤めて給料をもらっているだけだと、将来が不安だ

つまり、ディベートのスピーチパートは全て反論と言えるでしょう。時々、肯定側はイコール正義の味方のようなイメージを持っている人がいますが、逆です。現状をぶち壊そうとするテロリストかもしれません(笑)

マンガや物語で肯定側と否定側を表現してみました。

  • ウルトラマン
    • 肯定側-地球に攻めてきたバルタン星人
    • 否定側-地球防衛軍とウルトラマンとその兄弟
  • ワンピース
    • 肯定側-麦わら海賊団-政府が守っている秩序を壊そうとする
    • 否定側-世界政府-海の平和を守るために、麦わら海賊団と戦う
  • 花より男子
    • 肯定側-道明寺司-牧野つくしの平和な学園生活を邪魔している)
    • 否定側-牧野つくし-道明寺の猛プッシュに対して回避する)
  • エヴァンゲリオン
    • 肯定側-ネルフ-14歳の少年をエヴァに乗せて使徒と戦わせる
    • 否定側-碇シンジ-エヴァに乗りたくないと現状維持を主張する

このように「肯定側」とは現状を批判して変化を要求して、否定側は現状維持を貫きます。ディベートは、そんな2人の戦いです。

あー、なるほどー。●●は××をするべきである、ってことは、現時点で××をしていない現状を批判しているわけね。
そう、自分たちの提案を受け入れてもらうためにね。
でも、本人たちは、そのつもりはないわけでしょ。
そうだよ。でも、何か意見を述べる行為が、誰かの考えを批判することになるってこと

現状を変えるべき!という肯定側立論に対して、「現状を変えるべき」は間違いである、と主張するのが否定側立論になります。ですから、否定側立論は現状を肯定しているのです。

これが否定側の立場が現状維持である理由です。意外と保守的ですよ。否定側は。

反駁とは相手の反論に対してのみの反論であることはご理解いただけたかと。そして、肯定側立論はテーマが実行されいていない現状に対しての反論であり、否定側立論は、現状維持を主張する立場であること。

3.反駁の記事紹介

ウンチクが終わったところで、反駁のテクニックについて紹介していきます。ここだけでは説明できない内容ばかりなので、以下の記事を参照してください。

ディベートの進め方-立論質疑反駁

立論」「質疑」「反駁」3スピーチのやり方を理解しよう!

立論、質疑、反駁の3つのスピーチのやり方について一通り解説をしています。立論から質疑、そして反駁と一連の流れについて学びたい方にお勧めです。

ディベート実践編-議論に負けない反論・反駁の方法3つ

ディベート実践編です。具体的にどのように反論をすればジャッジに伝わるのか?

その方法についてお伝えしています。

肯定側×否定側の第一反駁から第二反駁の方法と流れ

否定側第一反駁から肯定側第二反駁までの一連の流れについて解説をしています。内容が抽象的すぎてごめんなさい。

4.なぜ「反駁」という言葉にこだわるか?

 

  • 「反論じゃなくて反駁ですか?」
  • 「反論と反駁って何が違うんですか?」
  • 「別に一緒でいいじゃないですか?」

と思っている方へ---。

確かに、立論が終わったら、相手の議論に反論をするのだから、反論という言葉に統一しても間違ってはいません。反駁だろうと反論だろうとやっていることは一緒ですからね。

ただ、これは選手にとってです。

もしもあなたがジャッジ・講師・主催者といった教える側を目指しているのなら、是非とも覚えておいて下さい。

過去にあるディベート講座に参加したとこにお話をしましょう。

 

過去にあるディベート団体に参加をしたときに、その団体では「反駁スピーチ」のことを反論と呼んでいました。反駁という言葉は使いませんでした。

ところが、試合中に忘れたくても忘れられない事件が起こりました。

あるディベート経験者の方が、「立論の○○の論点に反駁をします。」と言って、立論に対して反論をしました。同じように私も、「では、先ほどの反駁に対して反駁をします」と言いました。

観客は驚きました。参加者の一人が「え・・・反駁って何ですか?」って顔をしていたので、講師の方が、「反論のことをディベートでは反駁って言うんだ。」と説明を加えました。

ここまではOKです。

ところが、その参加者の中で疑問が払拭できなかったのか、納得している様子はありません。そんな沈黙に耐えられなかったのか、講師の方は、「理由はよく解らないんだけれどね・・・。はは」と場を和ますような笑顔でその場をしごきました。

そしたら、最初に反駁という言葉を使ったディベート経験者の方からこんな言葉が。

「反論と反駁は全く違います。」とドヤ顔で言い放ちました。

「え・・・あなたディベートの講師をしているのにそんなことも知らないの?」って顔つきでした。

空気は一瞬で凍りました。

で、私もついその悪い空気に便乗して、「はい、反論と反駁は似ているようで全く違いますよ。そもそも、ディベートの公式戦では反論なんて言葉は使わないのはご存知ですか?」とツッコミを入れてしまいました。

若かったころの思い出です。

 

 

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