「早口でもOK!立論スピーチをするときのポイント3つ」や「ワードエコノミー!スピーチ原稿をスリムにする方法」の記事で、ディベートの試合では、とにかく早口で話すことをお勧めしています。
今回は、早口でスピーチをすること前提に気を付けるべきポイントをいくつか紹介していきます。
はじめに-スピーチのコツ
1.スピーチの流れを図にしてみた
面接をテーマにディベートのスピーチの流れを図にしてみました。
通常、ディベートのスピーチは、主張→理由→根拠(事例)の順番で流れていきます。この流れさえ意識すれば、どんなに早口で話しても、聞き取れます。逆に、主張、理由、根拠の順番でスピーチをしないと、聞き手からは解ってもらえません。
では、そんな主張→理由→根拠の順でスピーチをする手順について簡単にお伝えしていきます。
1-1 主張だけしっかりと伝える
主張とは、あなたが一番言いたいことです。主張さえ伝われば、理由や根拠は猛スピードで読み上げても問題ありません。
WEBサイトをスマートフォンで読んでいるときと同じかもしれません。記事の中身や文章の細かい表現は忘れても、タイトルや見出しさえ頭の中に入っていれば、その記事が大体どんな記事だったかは思いだせますよね?
テレビ番組だとテロップになる部分ですね。
とにかく主張だけをしっかりハッキリゆっくりと太い声で伝えて下さい。
1-2 理由や事例は猛スピードで伝える
選手の意見を聞きとれないなんてジャッジ失格だ!なんて風習がアカデミックディベートの世界にはあります。
私もジャッジをしているから、イタイ日度解ります。ジャッジは、選手のスピーチが早すぎて聞きとれなかったとは口が裂けても言えないのです。全部解っているふりをしなければなりません。
極論をいうなら、ジャッジが解らないぐらいのスピードでスピーチをすれば、ジャッジは自分が聞き取れなかったことを隠すために、全部わかったふりをして文句を言わずに、あなたを勝ちにするでしょう。
即興ディベートでも早口の方がよいか?
はい、結論からいうなら、ゆっくり話すよりも早口の方がよいです。
2.「論理的」な構成を意識する
前提として、スピーチの内容が論理的であれば、たとえ早口であっても、聞いていてもスッと理解できるということです。
- 主張が断定的である
- 理由が用意されている
- 根拠が述べられている
ですね。
「Aだ→なぜならB→実際にC」ですかね。まず結論から伝えます。次に、理由を説明します。最後に、事例や事実を伝えます。
あなたが何かを主張したとしますね。必ず人は、「なぜ(why)」、と理由を求めます。主張をしたら理由を伝えましょう。すると、次に人は、「それ、本当(Really)?」「え?ホントなの?」と考え始めます。そうしたら、「それ本当だよ」と事実や事例を伝えましょう。
リズムよく、ポンポンと主張→理由→根拠の順番で伝えるのがポイントですね。このテンポでスピーチができれば、早口でも聞いてもらえます。ジャッジは、早口でも根拠・主張・理由を上手に切り分けるようにトレーニングされています。
逆に、いくらゆっくりと伝えても、この順番でスピーチができないと、人は「何が主張で、何が理由で、何が根拠」なのかをもう一度整理して考えることになり、混乱させてしまいます。
ジャッジにとっての王道構成
立論の構成にも同じことがいえます。ディベーター・ジャッジは、メリット・デメリット3要素で理解をするように訓練されています。
内因性の次は重要性、重要性の次は解決性がくる、勝手に頭を働かせていますからね。
聞き取れなくても、頭に入るのです。
大好きな歌手の曲なら、歌詞を全て暗記していなくても、何となくどんな曲か解りますよね?あれと同じです。
ディベートの専門用語ばかりで恐縮ですが、もしも抵抗を感じているのなら、「問題解決・問題発生の方程式」と考えて下さい。
まとめると、話す順番だけ抑えておけば、早口で話しても、ジャッジは聴きとってくれます。