エヴァンゲリオンネタ!なぜシンジはレイ・アスカではなく、カヲルを選んだか?

2017年2月16日

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2020年からエニアグラム専門のプロカウンセラーとなったので、この記事を加筆しました。

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久々のエヴァネタ。この記事でははじめて書きますけれどね。(笑)
知人にエヴァ大好きなディベーターがいて、こんなお話をしていました。

「エヴァのヒロインは誰か?」

カヲル君だろ!

 

即興ディベートワークショップ2019

はじめに

0.ヒロインの定義

そもそも何をもってヒロインといえるか?

主人公が選んだ相手、です。よって、カヲルくん。

え・・・少年漫画で男の子が主人公なら、女の子がヒロインになるのは当然でしょ?」と突っ込んだら、こんな反駁(反論に対する反論)を受けることに。

  • ヒーローとヒロインの関係が必ずしも男女なら、同性愛の物語は成り立たない。よって、必ずしもレイやアスカがヒロインである必要はない
  • 次に、カヲルくんが女性でないことを証明していない。確かに姿かたちは男だが、使徒である。形を変えることもできるのはないか?
  • カヲルくんの性別がわからない以上、ヒロインの定義が必ずしも女子でなくてよい。
  • ヒロインは主人公が選んだ相手と定義するのが、今回の場合は妥当である

妙に納得。。。ヒロインの定義が必ず女性でなければいけない、が立証できない限り、相手の側の主張を受け入れざるを得ないわけです。

個人的には、そういう考えもありかと思って、今回は納得。

結論:ヒロインの定義:主人公が選んだ相手

 

即興ディベートワークショップ2019

1.【そもそも論】シンジはカヲルくんを選んだのか?

では、本題の「シンジはカヲルを選んだのか?」について一緒に考えていきましょう。

エヴァファンならご存知の通り、シンジくんは、カヲルくんのことが大好きです。

映画の「まごころを君に」では、最後にアスカを選んでもいたのですが、それは人類補完計画後に生存者がシンジとアスカだけになったから。

カヲルくんが最後まで生きていれば、ラストシーンの展開は全く違ったものになっていたでしょう。

では、改めて本題に入りましょう。

根拠1.シンジくんは、女性恐怖症

かつてはハーレム状態で、リア充を極めた碇シンジくんでしたが、物語が後半に進むにつれて、女性の悩みが絶えない日々になりました。

  • レイが人造人間だと知る
  • アスカは放心状態で抜け殻状態
  • ミサトさんから欲求不満の対象にされる
  • リツ子さんとお父さんができていた
  • 挙句の果て、リツ子さんは、シンジの目の前で綾波レイのクローンを破壊する

エヴァ23話の「涙」を見る限り、シンジくんのメンタルはズタズタだったでしょう。

そんなシンジくんは、26話の「最後のシ者」では、湖の前で夕陽を見ながら、「ミサトさんも、綾波も、アスカも怖いんだ。僕はどうしたらいい?」と感傷に浸っていました。

そりゃ怖いよな!と素直に思います。

逆に正気を保っていたキミのメンタルは鋼だよ!

根拠2 はい、カヲルくん登場

一緒に湖を見ながら、優雅にカノンを歌っていたカヲル君でした。

歌はいいね。心を潤してくれる。
リリンの生み出した究極の文化の営みだよ。

何を言いたいのかがサッパリ解りません!

でも、そんなカオルくんの自信満々なキャラに圧倒されて、二人は仲良くなる。

「カヲルでいいよ。」とにこやかに言われて、
「僕も、シンジでいいよ」と顔を真っ赤に・・・

シンジくんの中で孤独は一瞬でなくなりました。

このテクニックは恋愛でも使えそうですね。
ディベートよりも何倍も使えます。(笑)

話は飛びまくって、映画「air・まごころを君に」です。

根拠3 そこにいたんだね。カヲルくんが決定打

「まごころを君に」の冒頭のシーンです。

第25話では勢いアスカを助けるためにエヴァ初号機にのり、量産型と戦うのですが、あっさりと磔の刑に・・・一方で、綾波レイは、リリスと同化して進撃の巨人化。

シンジくんはどうしたらいいかわかりません。この時点では、レイが巨大化して目の前に現れるんだからもう発狂。

ところが、そんな巨大化レイの姿がカヲルくんに変わった瞬間に・・・

「そこにいたんだね、カヲルくん」

と涙目で安らかな笑顔に。

え・・・なんで?

もはや、幽霊です。

でも、シンジくんはカヲルくんに出会えて安心をするのです。

それだけ、シンジくんにとってカヲルくんはかけがえのない存在なのです。

  • レイ→発狂
  • カヲルくん→安心

 

 

2.シンジくんにとってカヲルくんの存在は?

ここからが大事ですね。

なぜシンジくんが、こうもカヲルくんに惹かれたのか?

いったいカヲルくんがシンジに何をしたのか?

シンジくんがカヲルくんと対面したのはたったの5回なのです。

  1. 湖で出会う
  2. ネルフでトレーニングをする
  3. 一緒にお風呂に入る
  4. カヲルくんの部屋に泊めてもらう
  5. 裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったんだ!父さんと一緒で裏切ったんだ!

 

シンジくんにとって、カヲルくんはカウンセラー的な存在だったと結論付けました。

2-1 否定され続けたシンジくん

元々、シンジは、エヴァに乗りたくありませんでした。

ところが、ミサトも、レイも、アスカも、そんなシンジの気持ちはわかってくれません。

エヴァのパイロット=碇シンジとして接します。

そうしないと、人類が消滅しますからね。

若手社員が、上司からの人たちから、「キミは若いんだ。この国の将来を背負ってしっかり働けよ!」と毎日言われるようなものです。

少しでも「働きたくない」とぼやくと、「若いのに何を言っているんだ!若いのがそんなんだと日本の将来がダメになるだろ!」とおじさんたちからいつもプレッシャーをかけられている若手のような存在です。

正直、やってらんない気分だと思います。

ここら辺のネタは、常見先生の「エヴァンゲリオン化する社会」が参考になるかと思います。

一方で、レイやアスカはエヴァのパイロットであることに疑念はありません。

  • レイ:エヴァに乗るために自分は存在している
  • アスカ:エヴァのパイロット=自分の価値

ところが、シンジの中では、「エヴァのパイロット=自分の存在価値」という公式は成立してなく、それは他人から強いられた役割であり、エヴァのパイロットではないシンジは誰からも受け入れてもらえないのです。

表面上は人にやさしく接していながらも、自分の殻に閉じこもっていました。

例えば、女性が男性に「私ってどんな人に見える」と質問をしたら、こんな答えが返ってきたときと同じです。

「美人で服のセンスがいい子。」

・・・・外見かよ!

と、表面や社会的ラベルだけを張られて、内面は全力で無視されている状態です。

2-2 カヲルくんは、「ありのまま」を受け入れてくれた

ガラスのように繊細なんだね。君の心は。好意に値するよ。

この一言がやっぱり大きかった。

(弱いところも含めて)ありのままのキミが好きだよ!

というメッセージだったのかもしれません。

それを「好意に値する」と独自の解釈をしました。

相手のことをありのまま受け入れる

カウンセリングの世界では、ありのままの相手を受け入れる態度-受容的態度/共感的態度-といいます。

カヲルくんは、シンジくんに対して、この「受容的態度」「共感的態度」を徹底的にしていました。

2-3 決定打!なぜかカヲルくんに自分の内面を打ち明けるシンジ

https://www.youtube.com/watch?v=7qbHRgUKFuw

カヲル:
君は何を話したいんだい?
僕に聞いてほしいことがあるんだろう?

シンジ
色々あったんだ。ここで。来る前は先生の所にいたんだ。
穏やかで何もない日々だった。ただ、そこにいるだけだ。
でもそれでもよかったんだ。僕には何もすることがなかったから。

カヲル
人間が嫌いなのかい?

シンジ
別にどうでもよかったんだと思う。
ただ、父さんは嫌いだった。

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

カヲル
僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

・・・

このシーンの感想。

カヲルくんの人たらっしぷりがすごい・・・

君は何を話したいんだい?
僕に聞いてほしいことがあるんだろう?

と、シンジの考えを先読みする質問。

人から誘われる・・・てことはやっぱり何らかの理由があるからです。

特に年齢を重ねてくると、これは顕著ですね。

さて、シンジくんの答え

色々あったんだ。ここで。来る前は先生の所にいたんだ。
穏やかで何もない日々だった。ただ、そこにいるだけだ。
でもそれでもよかったんだ。僕には何もすることがなかったから。

何気ない答えですね。

シンジの返答を受けても、普通に聴いていれば、「ふーん、そうなんだ。(無関心)」「で、何なの?何が言いたいの?(結論を求める)」と思うはずです。

ですが、名カウンセラーカヲルくん。

こんな質問をします。

カヲル
人間が嫌いなのかい?

別にシンジは、「人間が嫌い」とは一言も言っていないんです。

当時10代半ばの私は、「え・・・なんでその質問が出てくるの?」と頭の中が???でした。

でも、こんな質問に即答するシンジくんです。

シンジ
別にどうでもよかったんだと思う。
ただ、父さんは嫌いだった

このやり取りのロジックが全然見えていませんでした。

カヲルくんは思考の抽象度が高く、相手の思考をひとつ上のレベルで捉えて、そこから相手に伝わるようにかみ砕いた質問ができるのでしょう。

ひとつ上のレベル

人間が嫌いなの?

この質問にYESと答えられる人はいないと思います。

どういう意味だよ?と逆に突っ込みたくなります。

ですが、この状態のシンジくんは、カヲルくんを受け入れているから、素直にこの質問に答えます。

別にどうでもよかったんだと思う。

思う→つまり、本当かどうかはよくわからないけれど、おそらく「無関心だった」と曖昧な返事です。

この質問に対しては、誰がされても、そう答えるでしょう。

ですが、そのあとに本音がぽろっと出てしまいます。

ただ、父さんは嫌いだった

ここは断定的です。

そして、シンジくん自身も、

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

と我に返ってしまうんです。

どうしてこんなことを話すか?

  • 話しているうちに、本当の気持ちに触れることができた
  • その明確になった話を聴いてもらいたかった

だけかと思います。

カウンセリングではよくあるシーンです。

自分の話をしている状態は心が物凄くオープンになっています。

同時に、その状態をもっと明確にしていきたい気持ちになります。

カタルシス効果ですね。

その証拠にシンジくんは、

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

と自問自答するのです。

カヲル君と話していて、カタルシスに触れたからでしょう。

はい、トドメの一言

 

カヲル
僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

 

ここまでくると、もうわかりません。

カウンセラーの必殺技!「承認」です。

私はあなたのことを受け入れてますよ!
というサインを示すことです。

カウンセラーは安易にクライアントを褒めたりしますが、
疑り深い性格のシンジくんのようなタイプにはこれは逆効果。

ダイレクトな本音のほうが響くわけです。

こう考えると、

僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

はシンジ君にとって、ビッグフレーズだったのかもしれません。

カヲル君は、傾聴、質問、承認が完璧にできていました。

 

即興ディベートワークショップ2019

3.最後に残酷なカヲルくん

ところが、カヲルくん・・・最後の最後でやらかしました。

実は「使途」でした。

シンジはショックだった

その事実を知ったとき、シンジ君は、その事実を受け入れられませんでした。

嘘だ嘘だ!カヲル君が使途なんて、そんなの嘘だ

と現実を受け入れられませんでした。

はじめは理解のある「聴き手」として接してきたカヲルくんでしたが、実は1時間10万円のコーチングを売り込みにきた営業マンでした。

自分のすべてを受け入れてくれたと思った人が、お金目的だったと悟った瞬間でしょう。

自分は利用されたと感じた

シンジくんはカヲルくんに対して、

「裏切ったな。僕の気持を裏切ったんだ。父さんと同じように裏切ったんだ」

と非難しました。

「カヲルくんもみんなと同じだ。父さんやミサトさんのように、
僕がエヴァのパイロットだから優しくしていただけなんだ!」

と思っていたことでしょう。

【まとめ】シンジがカヲルに惹かれた理由

受容的態度は強力

シンジくんがカヲルくんを選んだ理由は、カヲルくんの受容的態度でした。

カヲルくんは、シンジくんに共感をしていたわけではありませんが、「僕は君のすべてを受け入れる」といわんばかりのあり得ないくらいの受容的な態度を示していました。

自分の要求はいっさいなく、あくまでシンジくんの全てを受け止めるかのように接していました。

ミサト、レイ、アスカができなかったこと

ミサトさんは、どこかで仕事としてシンジくんを監視していました。もちろん、シンジに対しては親のように接している部分もありましたが、自身の父の復習や恋人の仇などの目的を達成することに意識が向いていました。

アスカは自分の価値観や考えをシンジにぶつけているだけでした。シンジはアスカを受け入れていましたが、逆の展開はほぼありません。「まごころをキミに」最後のシーンでシンジの本当の弱さを知ったときにアスカはシンジを受け止めるわけですが、時は遅し。そして、気持ち悪い・・・

レイは、シンジに心を寄せていたものの、やっぱりゲンドウの利益を優先していました。それ以前に、クローンだと知って、シンジはレイを恐れるようになりました。

誰一人シンジに対して、受容的な態度をもって接することができる人はいませんでした。

唯一できたのがカヲルくんでした。

ここまでくると、受容的態度が正解なのか?と思うかもしれませんが、一概にこれは言い入れません。

なぜなら、逆効果になるからです。

受容的態度や共感的な接し方のワナ

受容的態度は、カウンセラーがクライアントと接するうえで強力なコミュニケーションツールになりえます。

一方で、「この人は私のことをなんでも受け入れてくれる」と思ってもらえたら、ずっとそのキャラクターであり続けなければならないのです。

クライアントの悩みを受容できない!という現実を目の前にして、カウンセラーとして働くことをあきらめる人をたくさん見てきました。

プロのカウンセラーとして活動をするなら、この相手の話を「聴く」プロとしてクライアントの前では接し続けなければならないということです。

 

まとめ

この記事は、エヴァンゲリオンやシンジくんとカヲルくんのBLを目的ではなく、カウンセラーとしての心構えや人の話を「聴く」ことの重要性について書きました。

 

 

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フリーランスのウェブデザイナー。元ディベート好き。30代でニートになる。2015年に本サイト:インプロ部がヒットして、副業ディベート講師として活動。 ホームページをゼロから収益化した実績が認めれ、35歳からウェブデザイナーになる。ウェブ制作会社・デジタルマーケティング会社を渡り歩き、複数社で経験を積み、現在はフリーランスのウェブデザイナーとして活動中。セミナーやオンライン相談の実践者として、現在は個人事業主の方向けにディベートやWordPress制作×集客を教えている。事業者の専門性をカタチにしたいと考えて、屋号は木村専門研究所に変更

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