なぜ牧野つくしは道明寺ではなく花沢類を選んだのか?
ディベート仲間やエニアグラマーさん達とよくこのテーマで盛り上がります。
恋愛の話よりも性格類型学やスピリチュアルネタですね。マンガなんかがいちばんわかりやすいですからね。
最近、こちらの記事で書いています。
エニアグラムで3人の性格を見てみる | エニアグラムワークショップ |
作者は漫画のキャラクターを作るときに物凄く考えています。それこそ、性格から価値観、行動パターンなど・・・優れた漫画はキャラクターがしっかりしています。
そして、この記事では、花より男子のメインキャラクターである牧野つくし、道明寺司、花沢類の性格の違いについて見ていきます。
はじめに
1.道明寺司と花沢類の違いとは
2人の性格を表にしてみました。
道明寺司 | 花沢類 | |
---|---|---|
キャラ設定 | 自己主張が強い | マイペース |
エネルギー | 外向的 | 内向的 |
アプローチ | 直球派-オラオラ系 「牧野しかありえねーんだよ!」が名セリフ | 変化球派-マイペース系 相手の反応を楽しんでいるところがある |
似ているミュージシャン | Gackt | Hyde-Larc~en~Ciel |
道明寺のキャラは凄くわかりやすいですね。対して、花沢類は何を考えているかわからないところがあります。「いったい何を考えているんだろう?この人...」とつい気になってしまいます。
そんな、花沢類にスポットを当てていきましょう。
2.花沢類とは?
こんなキャラです。
「クリスマスだし 遠慮しないで甘えなよ。」by花沢類 花より男子2 pic.twitter.com/2eP4JNLn8J
— アネモネ (@anemone501) 2016年12月24日
超王子様キャラ。独自の世界観をもっている。マイペースだけれど、感情を寄せた相手にアプローチする。
そんな花沢類を演じた小栗旬さんは凄いと思いました。実際の小栗旬さんは道明寺に近い性格のようですが。
2-1 つくしのことが好き?
花沢類の中でつくしは放っておけない妹のような存在でした。
「静」という片想いの女性がいたからです。
花沢類からみたつくしと静の違い
牧野つくしと藤堂しずかの違いを表にしてみました。
牧野つくし | 藤堂静 | |
---|---|---|
キャラ設定 | 一般家庭の女の子 | 藤堂商事の令嬢 |
性格 | 現実主義-トラブルに巻き込まれなくないと思いながら日々をたんたんと生きている。 | 理想主義-世界の貧しい人たちを救いたいと願いながら、国際弁護士を目指して海外に行く |
花沢類にとって | 妹的な存在 | 憧れの存在 |
花沢類にとって、静はお姉さん的存在。静にとっての花沢類は弟扱いです。
幻影を追っていました。同時に、学校での生活はどこかで退屈さを覚えたのか、屋上近くの階段でひとりのんびりボーっとしている日々。
「誰か、こんな自分の心を動かしてくれる人はいないのかなー」と期待をしていたのかもしれません。
ここまでくると、男性版のシンデレラですね。花沢類だから許されるのでしょう。
そこに登場したのが牧野つくし
牧野つくしは、F4が仕切る校内の政治に我慢しながらも、ストレスをため込んだ日々でした。
そんなストレスを発散するために、屋上の階段付近で「ありえないつーの!」叫ぶ日々。
そこに興味を持ったのが花沢類でした。
2-2 つくしのことが好きになる!?
キッカケは2つです。
- 道明寺司という曲者がいたから
- つくしにコミットしたから
牧野つくしのことが気になりながらも、どこかで距離をとっていました。いいお友達という立ち位置で。逆に、道明寺は、牧野つくしにガンガンとアプローチしていました。
つくしとはいつもケンカに対立するわけですが、花沢類は、その二人の仲調停者としてのポジションに尽きます。
感情を素直にむき出せる2人がうらやましかったのでしょう。
また、そんな2人を眺めながら、自分の感情が動かされていることに気づいていませんでした。
「牧野に何をした」はこっちのセリフだよ
- 道明寺司と音信不通になる。全く連絡が取れなくなる。気付けば道明寺は仕事人間。
- 別の女性とお見合い話もあった。
- 牧野つくしは、不安になりながらも道明寺司を信じて待つ
- ニューヨークに行く決意をする
- 飛行機代をねん出しようとアルバイトに励む
- 疲労で入院
- そばにいたのが花沢類だった。(このタイミングで自分の気持ちに気づく)
- つくしにキスをする。本人に告げる。(なぜか斜にかまえている)
- 帰国した道明寺。「お前牧野に何をしたと?」と詰められる
- 「キスしたよ」とアッサリと切り返す。
- 殴り掛かった司のパンチをガードしてカウンターパンチをお見舞いする。
- 牧野に何をした!はこっちのセリフだよ!の名言誕生
調停者→援助者→挑戦者となるわけです。
そして、これまでのほほんとしていた態度はいっぺんしました。
それに気づいた道明寺。
類に負けを認めて土下座をして、これまでの行動を顧みました。
- 道明寺が花沢類に土下座をする。
- 自分のこれまでの行動を顧みる。
- つくしのことは諦めたくないと懇願する
- 花沢類はアッサリと身を引く。
- それからは、元の調停者の役に徹するようになる
結局、花より男子ファイナルまで調停者のキャラクターを貫き通しました。
3.つくしが道明寺を選んだ理由
2つくらい用意しました。
理由1.作者の意図
道明寺とつくしを結び付けたほうが、
ストーリーとして盛り上がるから
はい!答えはこれです。
牧野つくしが、花沢類ではなく、道明寺を選んだ方がストーリーとしてハラハラ感とまとまり感があるから。
これに尽きます。
■ハラハラ感とまとまり感とは?
花より男子は長編です。
そして、長編を維持していくためには、トラブルをたくさん作って、いろいろと問題にぶち当たりながら、最後はまるく収めなくてはなりません。
ストーリーの王道構成である、【序】【破】【急】の3つにわけてみます。
【序】主人公の抱えている問題を示す
【破】主人公は、問題を解決するにあたって様々なトラブル・葛藤に直面する
【急】何らかの展開が起きて、トラブルや葛藤が解決される
花より男子は、この【序】【破】【急】の繰り返しです。
そして、この【序】【破】【急】を作りやすいのは、花沢類より道明寺だからです。
例えば、道明寺は、なんだかんだでトラブルを作って、つくしを困らせます。(本人に悪意があるわけではない)
これが【序】です。
そして、つくしは、そんな道明寺が起こすトラブルに反応することで、【破】が生まれやすくなります。
最後に、何らかの急展開がおこり、物語は【急】に入ります。
道明寺のほうが花沢類と比べて、この展開を作りやすいわけです。
もしも神尾さんが花沢類にこの展開を作らせようとすると、おそらく花沢類が花沢類でなくなってしまいます。
2.神尾さんも迷った
花より男子37巻のキャラクターGrowingUPで興味深い一文があったので紹介します。
そのまま引用
実はNY編で本当に類とくっつけようと思ったりもしたんですよ。でも、やっぱり道明寺が強すぎて、類は勝てませんでしたね。現実離れた類のような人や、道明寺のように個性の塊的な人も、もう描けないかもしれません。
花より男子37巻
牧野つくしが道明寺を追いかけてNYに行ったときでしたね。つくしは、道明寺から追い返されるわけですが、その時にいたのが花沢類でした。
どっかで泣いている気がして
心配で
NY編では類はつくしに気持ちを伝えるわけですが、つくしと類の結末は神尾先生にもわからなかったと同書で述べていました。
神尾先生の中で花沢類は現実離れしたキャラで、道明寺は個性のカタマリ・・・どっちも現実離れしているし、個性のカタマリのような気がしますが、、、。
神尾先生の中で、道明寺とつくしをくっつけるほうが描きやすかったため、牧野つくしは花沢類ではなく道明寺を選んだと考えられますね。
最後のオチが下らなすぎたら申し訳ございません。
P.S. おまけ
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サイグラム診断-牧野つくし、道明寺司、花沢類編