虚雨行来(きょういく)とは造語です。
虚(きょ)
雨(う)
行(い)
来(く)
文字通り「嘘」の「雨」で「行」き「来」している状況です。
立派なことたくさん言葉にしても、自分の言葉に責任が取れず、嘘で嘘を塗り固めて、それが雨のようになり、その状態を行き来している感じですね。
教育ビジネスに例えるなら、知行が一致せずに、きれいな言葉だけ塗り固めている状態がです。
まさに、当時の私が所属していたディベート界隈はそんな状態でした。(今はどうかわかりません)
前提:今後は教育事業は増えると予想
誤解を恐れずに言うなら、あらゆる事業が「教育」を付加価値にして自社をブランディングする世界になります。
例えば、個人商店のお米屋さんは、国内や世界のお米の違いやひとつひとつの素晴らしさを伝えていくはずです。
特に今のように個人が容易に情報発信できる時代になればなるほど、人に何かを的確に伝えることができる教育力は求められます。
ディベートを教える立場として、お客様のホームページを作る立場として、教育に価値が置かれることは大変うれしいことです。
反面、先ほどの「虚雨行来」のリスクに関しても厳しくウォッチしています。
虚雨行来(きょういく)になりやすい事業
外側に伝えている事と内側で行っている事に矛盾あれば、徐々に「虚雨行来」事業の泥沼にはまります。
事業が虚雨行来になっている例
- テレアポで案件を獲得しようとするSEO会社
- 正社員を雇用しない正社員専門の就労支援業
- ブログで稼いでいないインフルエンサーの卵(twitterに多い)
- 自分の目標を設定できないコンサルタント・コーチ
- 大半の社員が賃貸に住んでいる持ち家販売会社
- 研修内容を実践していない研修講師
- イライラしてばかりのヒーラー
- ディベートをやらないディベート講師
などですね。もちろん、他にも似たような事業がありますが・・・。
相手から、「なぜ、あなたはあなたが教えていることを実践しないんですか?」と突っ込まれて、それを胡麻化したときに虚雨行来の沼に片足ようこそです。
虚雨行来になる3つのステップ
- 本人(そこに所属している人たち)が言動の矛盾に気づきながらも
- その矛盾のつじつま合わせに時間を割き
- 結果、聞こえのよい言葉やコピーだけを考案している
それは「教育」から「虚雨行来」事業になる可能性が高いです。
たとえ、本人が気づかなくても、周囲の人たちは悟りますし、またお金を払う人からすると敏感になっています。
顧客や仲間が去っていくこともあれば、組織の士気は必ず下がります。
外部の講師から組織内の研修を依頼しても、ガンを絆創膏だけで治すようなものです。
虚雨行来(きょういく)になる可能性は誰にでもある
もちろん、他者に対して自社をアピール・マーケティングをすれば、必然と「良いところ」だけを見せようとするため、虚雨行来になる面は避けられません
社会人ディベートCafe☆時代時代を運営していたときに、私は「虚雨行来者」になっていました。
- ディベートの技術を使って企画を通す力を教えていた
→社会人ディベートCafe☆内部で私の企画が通ったことはほぼない。 - 相手の話を「聴く」ことの重要性を説いていた
→リーダーの意見をほぼ聴いていなかった(自分の意見を押し通すことで頭がいっぱいだった) - 論理的思考力とかコミュニケーション能力とかほざいていた
→論理的思考力って何?って質問されたら「論理的に思考する力」と答えた
→コミュニケーション能力って何?「聴く・考える・伝える力だよ」と答えた
自分でいうのもアレですが、そうとうクズだったかも。
(当時はコンプレックスでした)
それでも、自分をデキる人に見せようと超背伸びして、見栄を張っていましたね。
話を戻すと、一時的にお客様や他の関係者たちによいところを見せようとして、発信と実態と異なることは仕方ないと思っています。
虚雨行来が絶対に許せないという気はありません。
「虚雨行来」にならないための対策
その1「謙虚さ」と「ひたむきさ」を大事にする
虚雨行来の対義語は、「謙虚さ」と「ひたむきさ」の2つだと考えています。
- 謙虚さ:今の自分の至らないところを素直に受け入れる態度
- ひたむきさ:それでも自分の理想に近づこうと努力する姿勢
いま、この瞬間に言動が不一致なのは仕方ない!自分の至らなさを受け止めて、ありたい自分や事業に近づく意思があれば、虚雨行来の渦にはハマりません。
仮にハマっても抜け出すことができますね。
逆に、見栄や虚栄心、競争心や妬みに囚われると、虚雨行来になり、その果ては「虚雨行苦」になります。
最後にいちばん苦しくなるのは本人です。
因みに、これを教えてくれたのが、エニアグラムでした。
また、ディベート講師になると決めて、このサイトを立ち上げ、ブロガーとして活動していたときに、私は以下のことをいつも考えていました。
その2「いまの自分」を「自分の言葉」で伝える
- その時、その瞬間の時間の考えを、自分の言葉で実直に伝える!
- 自分が無意識に使っている言葉の意味を自分に問い続ける
- ブログ記事を書くときは常にセルフディベートをしながら書く
- 上記の1~3ができたら、記事の趣旨を担保しながらSEO対策をする
この4つを常に心がけてきました。(途中で心が折れて挫折した数は100回を超えています)
このブログを立ち上げた2015年は、ディベートの講師を目指していましたが、「自分を頭がいい人」と思わせようとはしませんでした。(同業者の文章が似たり寄ったりで気持ち悪かったのもあります)
例えば、以下の言葉については自分なりにその言葉の自問自答する日々でした。
論理的思考力、ロジカルシンキング、コミュニケーション能力、マーケティング、インプロ、即興、フレームワーク、支援、サポート
例えば、ディベーターが大好きな「論理的思考力」という言葉ですが、即興ディベートワークショップの案内文の中で、「論理的思考力」という言葉はひことこも使っていません。
→https://impro-club.com/about-debate
試しに、Ctrl+Fで「論理的」とひっかけて下さい。
たぶん、「論理的思考力」という言葉は見つからないはず・・・
- お客様の紹介を参照するため、ひとことだけ「論理的」を使っていますが、この点はご容赦ください。
- 「論理的」は使っていなくても、「論理」は使っています。
- 他の記事では「論理的思考力」をたくさん使っています。これはキーワード上の理由があります
ディベーターの大好物である「論理的思考力」を使わない理由は、
- お客様に言葉の意味の誤解を与えない
→論理的思考力は解釈の余地がたくさんある - その言葉を使わずとも「論理的思考力」の意味を説明できる
などですね。詳しくは、こちらの記事で説明しています。
「論理的」「ロジカル」という言葉が嫌いなディベート講師ですが何か?
これ、先日の即興ディベートワークショップにヘルプで参加をしてくれたO氏から「木村ラップは『論理的』って言葉をあまり好まないので・・・」とみんなの前で言われました。 オイ!おっさん! ありがとうございま ...
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これも自分が教えていることを自分が愚直に実践しているだけです。