こんにちは。即興ディベート講師&ウェブクリエーターの木村です。
抽象度がメチャクチャ低いことで有名。あえて、低く設定しています。(笑)
さて、いきなりですが、あなたは「抽象度」という言葉をご存知でしょうか?
何かとこの言葉が便利で、ディベート講座を開くと必ずひとりかふたりから、この抽象度の質問を受けるので、この記事で全部説明しますね。裏の裏まで・・・(笑)
この記事を読み終えた後に、あなたの抽象度はちょっとあがっているはず。
スポンサーリンク
もくじ
もくじ
抽象度とは?
抽象度とは、論理学や哲学の用語で、「情報量の度合い」を表す言葉です。簡単に言うと、より高い視点で物事をとらえることができ、なおかつ低い視点の物事についてもキチンと抑えられている状態です。
苫米地英人さんの造語
この抽象度という言葉を広めたのは、認知科学者の苫米地英人博士です。一説では、苫米地氏の造語だとも言われていますね。私も、抽象度という言葉は苫米地氏の本で知りました。苫米地氏といえば、現在は脳科学者や認知科学者として知られていますが、元々は上智大学のディベート部に所属していた人です。
何やら、苫米地氏の「ディベートで超論理思考を手に入れる」では、ディベートの第一反駁を行うと、抽象度の高い思考が身につくとか・・・?なんかわからんでもないですが、別に普段からやっていることなので、実感もないですね。
抽象度が高い状態とは?
地元八王子をネタにしてしまい恐縮ですが、図にするとこんな感じです。
駅名-鉄道-都道府県-国というカテゴリーで情報を整理してみました。
例えば、あなたが自分が住んでいる町を盛り上げたいと思って、町おこしについて何か施策を考えているとします。八王子でも、立川でも、国分寺でも、新宿でも、中野でも構いません。(他の町にお住まいだったら、近所の駅を列挙してみて下さい)
自分の街しか見れていない状態は、物凄く抽象度が低い状態だといえます。対して、自分の街だけを見て何かを判断するよりも、JR中央線周辺のの駅が盛り上がるように何か施策を考えられる人のほうが抽象度が高いといえます。
極論をいうなら、八王子を盛り上げる場合、八王子周辺の立川や高尾など多摩全体に働きかけるほうが、結果として八王子の利益にもなります。(私の場合、中央区になっているからちょっと遠いわけですが・・・)
それよりも、東京と全体が盛り上がるように・・・国全体をよくする方向で物事を捉えられる人のほうが、抽象度が高いといえます。
更に、日本というカテゴリーではなく、アジア、ユーラシアから世界というカテゴリーで物事を考えられる人はもっと抽象度が高いといえます。
このレベルになると、国連に所属しないと無理ですね。(笑)
と、このように視点が高ければ高いほど抽象度があがるのですが、今の自分のキャパをわきまえず、思考の抽象度だけをあげようとすると、ただの抽象的な人になってしまうので注意が必要です。
抽象度と抽象的の違い-むしろ対義語
抽象的と抽象度が高いとは似ているようで全く違います。抽象的とは、物事の表面だけを捉えている状態です。対して、抽象度が高いとは、具体的なパーツを含んで、全体を捉えている状態ですね。
抽象的なコミュニケーション
ホームページを作ると、1.事業がみんなに知ってもらえて、2.見込み客様からお問合せを頂けて、3.売上がアップしますよ。
いかがでしょうか?一見間違っていないのですが、ツッコミどころ満載です。
お客様から
表面上はその通りだと思うのですが、実際に構想通りになりますかね?
と突っ込まれたら、それ相応の実績や提案ができなければアウトです。
もちろん、このような売り文句で注文を取れることがありますが、お互いが不幸になるので、個人的にはお勧めしません。てか、頭の中がお花畑になっています。世界中でWebコンテンツがシロアリの如く増えていることも知らずに・・・。
抽象度が高いコミュニケーション
抽象度の高い思考ができると、ホームページに関連する表面的な話よりもお客様の目的と具体的な業務内容を加味して、現実的なアプローチができるようになります。
- まず、お客様が思わずGoogleに入力しそうなキーワードはないですか?実際にお客様がどんなことに悩んで、検索エンジンに入れるキーワードについて調べていきましょう。(問題解決の視点)
- そして、お客様の問題を明確にするようなコンテンツをこちらで作りましょう。30記事くらいを書いてみて、そこから導線を張ります。いきなり検索エンジンで上位に表示するわけではないので、月のPV10000と閲覧時間5分を目指しましょう。
- キーワードからお客様のニーズを読めたところで、今お手持ちの商品やサービスをお客様のニーズに合わせて紹介していきましょう。
- 期間はだいたい半年間ぐらいです。デザインは後から考えても大丈夫です。まずは骨組みを作っていきましょう。
1.SEO・マーケティング、2.Web制作、3.販促プロセス、4.業務プロセスや進捗の視点
単にホームページを作るといっても、その中には様々な事柄が含まれています。お客様よりも高い視点で物事を捉えて、よりお客様と同じレベルで物事を伝えられるようになります。
抽象度が高い=抽象的にインプットができて具体的なアウトプットができる状態
いちばん、右上のタイプですね。お客様に、抽象度が高い人がたくさんいるのか、一時期はかなり助けられましたね。但し、真逆のエリアにいる部下の教育や育成をお願いされたときは本当に参りましたが・・・。
ちなみに、私はいま思考の抽象性をあげることよりも、行動の具体性を高めることを意識しています。目指すは右下。左上に行ってしまうと、ただの抽象的な人になってしまいますからね。
もしも、ウェブデザイナーであれば理想は、お客様の要望やニーズを理解して、さらにその上にある目的まで抑えて、お客様から依頼を受けたことをテキスト作成やコードに反映させられる人ですね。
もしも、あなたが「いや、それ簡単じゃん!いつもやっているから」と思ったら、抽象度はかなり高いのだと思います。
繰り返しになって恐縮ですが、思考だけを抽象化させても仕方ないわけです。それは抽象度が高いと思っているだけで、実態は空にフアフア浮いている天空の城ラピュタ。
バルス!の魔法で一気に崩壊します。
苫米地さんのちょっとずるいところは、思考の抽象度「だけ」をあげるように読者を施している点ですかね。思考の抽象度だけをあげても具体的な行動に落しこめなければ、どうしていいかわからずに出口が見えなくなってしまいます。
その結果、苫米地さんのセミナーに行ったり、コーチングを受けてしまうのです。そこにディベートのテクニックをてんこ盛りするのはやめてほしい・・・ちょっとした願いです。
抽象度をあげる方法-具体的なことをたくさんこなす
抽象度をあげる方法はただひとつ。具体的な行動/アウトプットをたくさん行うことです。苫米地さんは、書籍を量産することで思考の抽象度をあげていますよね。私は、ブログ執筆やウェブ制作を通して、具体的なアウトプットを日々繰り返しています。
他にも、こんなのがお勧めです。
- 動詞表現を意識的に使う(形容詞表現は避ける)
- コードをたくさん打つ、デザインに挑戦する
- 長文の文章をたくさん書いてみる
まとめると、頭を動かしながら、同時に口や手足を動かすことですかね。思考の抽象度だけをあげようとすると、抽象的に物事を考えているだけで、本当に何もできない人になってしまいます。
余談&まとめ:ぶっちゃけ抽象度なんて上げる必要はない
今、目の前のことを一生懸命やっていれば、抽象度なんてそのうちあがるので、変に背伸びをしないことが大事ですかね。
どっかの自己啓発セミナーで感化された人よりも、目先のことを一生懸命やっている人のほうが素敵ですよ。