「相手の立場に立って考えろ!」という人は自己矛盾している?

2018年6月7日


geralt / Pixabay

突然ですが、「相手の立場に立って考えろ」と言われたことはありませんか?

仕事でも、プライベートでも構いません。

とにかく、「相手の立場にたって考えろよ!」といわれたことなら何でもOKです。私はよく人から「もうちょっと人の立場になって考えろ」といわれています。一方で、人には「相手の立場に立って考えろ!」とは言わないようにしています。

なぜなら、この発言そのものが矛盾しているのと、相手の立場に立てば別の言い方があるからです。

今回はそんなお話です。

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目次

相手の立場ってなんだ?

不用意な発言をして相手を不快にさせてしまった。そこで、誰かがあなたに「相手の立場にたって考えたほうがいいよ」と言われたとします。

「そっかー、私の発言は人への配慮が足りなかった・・・。今度からもっと相手の立場に立って話をしよう」

とはならないわけです。

大抵の場合は、

「相手は何を考えているんだろう?」
「相手は何を求めているんだろう?」
「どんなことをしてほしいんだろう?」

と自問自答を繰り返すだけ。

答えの見つからない迷路に入り込むんですね。

もちろん、相手の立場にたって発言をすることは大事ですよ。しかし、もしも誰かがあなたに「相手の立場にたって考えろ」と言ったら「具体的に何を言ってあげればよかったのか!」をキチンと提案するべきなんですね。

ただ、単に「相手の立場に立って考えろよ!」とか「相手に配慮しろよ」「相手の気持ちを考えろよ」は、逆に相手を困らせるだけです。

この一言で「全てを否定された」と感じる人がいる

残酷な13文字

相手の立場に立って考えろよ!は、以下の意味を含んでいます。

  1. あなたは相手の立場に立って考えることができない人
  2. 私は相手の立場に立って考えることができる人
  3. 理由はあえて言わない。そんなのは自分で考えろ!
  4. あなたはNG/私はOK

もちろん、誰だって間違えるし、時々、不適切な発言の一つや二つはします。その場合は、何が不適切なのかを指摘すれば済むことです。しかし、それを「相手の立場で考えろ」とまで言ってしまうと、論理が飛躍してしまうんです。

「負」のラベルを張る

先日、即興ディベートワークショップに参加して下さったMさん。

上司か先輩か忘れましたけれど、「もっとお客さんの立場に立って考えたらいいよ」と注意をされたみたいです。自分のことを責めてしまい、逆側の立場から物事を考えるスキルを学びたくて即興ディベートワークショップに参加をしてくださいました。

Mさん曰く、

「自分の考えや発言は独りよがりで、何かを考えたり、誰かと話していると、相手の立場が解らなくなる時がある。そして、そんなことを昔から色々な人に注意されてきた」

とのことでした。

確かにディベートをすると、逆の立場から物事を考える訓練はできます。しかし、Mさんの場合、元々相手の立場で物事を考えることはできるのです。いや、Mさんに限らず、誰もが異なる立場になって物事を考えることはできます。

しかし、Mさんは、「相手の立場で考えろ」と言われたことで、その言葉に取りつかれてしまい、自分が相手の立場で物事を考えられない人間だと思い込んでしまったのです。

だから、Mさんにはこう伝えました。

  1. 相手の立場で考えて行動をして上手くいったとき
  2. 相手の立場で考えられず、失敗をしたとき
  3. 相手の立場で考えたつもりが、結果的に失敗したとき

この事例を20個くらい用意してみてください。

するとどうでしょう。意外と、1と3のほうが多かったりします。

にも関わらず、「2」の失敗だけに囚われてしまい、1と3の成功例を忘れてしまうのは非常に勿体ない。

自分にマイナスのラベルを張ると、本当にその通りになりますからね。

つい「相手の立場にたって考えろ!」が出てしまう3つの理由

理由1-発言者が「相手の立場に立つ」ができていない

発言者が、「相手の立場に立てよ」という言葉をつい口にしてしまうのです。その結果、その言葉を受け取った人を思いっきり傷つけてしまいます。

本当に相手の立場にたって考えられる人は、「相手の立場に立って考えろよ」なんて言葉を使わず、別の言葉で言い換えるように努めます。逆に、この言い換え方法や表現方法を知らないと、「相手の立場で考えろよ」と言ってしまい、これまでに説明してきたように相手を全否定することを解っているからです。

理由2-人に何かを説明するのが苦手

人に何かを説明するのが苦手だから、「相手の立場で考えてください」と一言でまとめしまう・・・

以前、喫茶店でひとり読書をしているときに、上司と部下らしき人が隣に座っていて、こんなやり取りをしていました。

【上司】まぁ、細かく言うと色々とあるんだけれど、私は人に何かを上手に説明するのが得意じゃないの。だから、とりあえず、相手の立場に立って考えるようにしてよ。そうすればあなたの問題は解決するから。

【部下】は・・・はい。

部下の人の立場になれば困りますよね。「自分が人に何かを説明するのが下手だから」を理由にして、自分で考えることを部下に要求する始末です。相手の立場に立ってないのはどっちですか?と思い突っ込みたくなりました。

この場合の説明は、説明が下手でもいいから誠意をもって当時の出来事や自分の考えを伝える事かと、私は考えています。

「自分は説明が下手だから」を理由に説明を放棄するのは、自分を守るための文句であり、相手に意識が向いていないのです。勿論、人に何かを説明するのにストレスを感じるときは誰にもあります。しかし、相手のためを思うなら、「自分が苦手だから」を理由にしても仕方ないし、苦手だからこそそれを克服するように努めるほうがお互いのためになります。

理由3-具体的に指摘をして反論されるのが怖い

下手に注意をして、逆に反論されたり、嫌われることを恐れているからやんわりと言っているのかもしれません。だから、やんわりと、「もっと相手の立場で考えたほうがいいよ」と口にするほうが無難です。

言いたいことはあるけれど、やんわりということで、自分の考えや意図を伝えようとする
・・・「察してくれよ」文化の典型的なタイプ。

具体的に指摘をすればするほど、逆にツッコミは受けますね。これは私もよくやります。正直悩んでいます。

1~10まで説明をすると、必ず1~10までひとつひとつを立証していかなければなりません。ひとつでも間違えれば、必ずツッコミを受けます。相手が完璧主義者であればなおさらです。

だから、抽象的な言葉で済まさればいいことはわかっていますが、抽象的な言い回しだと相手からどうにでも捉えられてしまいます。

しかし、相手の立場に立てばこそ、やっぱり具体的に伝えるほうが納得感が高いと思うので、できるだけ細かく説明をするようにしています。もちろん、時間がない場合は、サクッと済ませますけれど。

 

相手の立場で考えるからこそ、「相手の立場で考えろよ!」は使わない

Engin_Akyurt / Pixabay

 

  • 相手の立場で考える」なんて発想を捨てる
  • 相手の立場で考えろ!」なんて人に要求しない

ここ3年間ぐらい仕事をしながら、このサイトを作りながら、メールのやり取りをしながら、顔もわからない人とコミュニケーションをしながら、学んだことです。

お互いコミュニケーションをする以上、必ず認識のズレが発生するわけです。この場合、「どこに認識のずれがあったのだろうか?」と検証をするほうが納得のいく解決案が見つかります。「相手の立場で考える」でひとくくりにしたら、それこそ思考停止モードに入ります。

だからこそ、「相手の立場で考える」という発想を捨てて、周りの人に対しても「相手の立場で考えてよ」とは要求しないようにしています。相手の立場で考えれば考えるほど、「相手の立場」という言葉を手放すことができるんですね。

最後に

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

相手の立場で考えることは大切なのですが、この言葉を使っている限り、頭の中で?は生まれるけれど、お互いの成長は望めないと思ったので、「相手の立場で物事を考えろ」を極力使わないようにしている今日この頃です。

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