ディベートのテーマにはどんな種類があるの?
という質問にお答えするのが、この記事です。ちょっとマニアックだったら恐縮です。ですが、ディベートが面白いか、つまらないかはやっぱりテーマによって大きく変わる!というのが、ディベート歴10年で解ったこと。
インプロ部の即興ディベートワークショップでは、「学校教育」、「労働問題(働き方)」、「転職や副業」などをテーマにしてディベートをします。社会人の皆さんが絶対に興味を持つテーマばかりです。
目次
1.論題とは?
ディベートを行うテーマのことです。ディベートの世界では、このテーマのことを「論題」と呼んでいるんですよね。
ディベートと議論・討論の違いは、事前に明確なテーマが与えられていること、です。
そのテーマについて、賛成するか、反対するか、選択肢がないわけですね。
だからこそ、賛成する側は必至で賛成するための議論を固めて、反対側も逆のことを行います。
反する議論が真っ向からぶつかり合うことで、本質が何なのか?というところが見えてくるようになります。
2.論題は3つに分類される
論題名 | 内容 | 難易度 |
---|---|---|
価値論題 | ある価値観と別の価値観を対比させる | 難 |
推定論題 | 特定の事実について「より正しいかどうか」について議論をする | 中 |
政策論題 | ある政策・法案を可決するべきかを議論する | 簡 |
では、ひとつひとつ解説をしていきます。
2-1 価値論題
価値論題はある価値観と別の価値観を対比させる形でディベートを進めていきます。
価値論題の例
- 企業にとって大事なのはお金か人か?
- 付き合うなら、道明寺司か花沢類か?
- のび太にとって、ドラえもんは必要か不要か?
- ヴァレンタインは、いやがらせか?
- 資本主義は人を幸せにするか?
- 科学の進歩は幸福度を上げるか?
個人の好き・嫌いを一度外に置き、純粋に論理で価値観同士を戦わせます。どちらの立場になっても議論ができることがポイントですね。
3つのテーマの中で最も簡単そうに思えるかもしれませんが、3つの中で最も難しいのがこの価値論題です。
例えば、企業にとって大事なのはお金か人か?でディベートをするときです。
「お金とは何か?」「人とは何か?」の定義からキチンと説明しないといけません。
他にも、「付き合うなら、道明寺司か花沢類か?」「のび太にとって、ドラえもんは必要か不要か?」でディベートをするときも、「付き合うとはどういうことか?」「必要/不要とはどういう意味か?」と、その言葉の意味を問いかけながらロジックを組み立てます。
ロジックよりも、概念構成力や哲学的思考力が求められます。
2-2 推定論題
特定の事実について「より正しいかどうか」について議論をする
推定論題の例
- STAP細胞は存在するか否か?
- 早期英語教育は効果がない?
- 終身雇用は崩壊したのか?
- 男女の脳構造は違う!は本当か?
推定論題は、ある事実が正しい(間違い)かを是非する形でディベートを行っていきます。
- 客観的な情報やデータ、資料、書籍
- 同じ考え・知識を共有している人達
研究者や専門家同士が集まってディベートをするなら、最適なテーマですね。
最近、青山学院で税理士たちが集まって勉強会を開き、その一環でディベートをするというお話を聞きました。
3-3 政策論題
政策論題の例
- 日本政府は、英語を必修科目にするべきである
- 日本政府は、首都を大阪に移転するべきである
- 日本サッカー協会は、春秋制に変更するべきである
- 甲子園連盟は、投手の連投に規制をかけるべきである
- ネルフは、ガンダムを開発するべきである ※EVAネタ
- LINEは、既読機能をなくすべきである
政策論題は、国家や日本政府のトップの立場になって、ある法案を可決するか否かでディベートを行います。
政策論題の特徴
- いちばん簡単にディベートができる
- 背景が違う人たちを巻き込める
- テーマを考案するのが難しい
よって、名前の由来が、政策論題になっています。
3.お勧めは政策論題
価値論題、推定論題、政策論題でお勧めなのは何ですか?と質問されるのですが、やっぱり政策論題ですかね。
必ずしも主人公を政府にするのではなく、企業やNPO法人にしても大丈夫です。
政策論題なんて聞くと、政治や経済の知識が必要になるから難しいのでは?と重いでしょうが、決してそんなことはありません。
現役の中学生や高校生も行っています。中学や高校の頃に社会の授業で学んだことさえ覚えていれば、カンタンにできます。それでも解らいことがあれば、ググればなんとかなります。
過去の即興ディベートワークショップで行ってきたテーマを見てください。