テイラーの生産性の最大化とメイヨーの人間的経営!あなたはどっちに投票する?

投稿日:2015年5月4日 更新日:


フレデリックテイラー対エルトンメイヨー

経営学の記事です。7月と1月になぜかアクセスがバズる記事です。大学の経営学の授業でいちばん最初に知ることになる2人。テスト対策がてらに覚えてね。

フレデリックテイラーとエルトンメイヨーの終わりなきディベートです。今後の働き方を知るうえでも、この2人を知っておいて損はありません。

  • 生産性と効率を追求したフレデリックテイラー
  • 人間らしい働き方を訴えたエルトンメイヨー

経営学の全てはこの2人から始まりました。ピーター・ドラッカーはこの2人のいいところだけを拾っているだけです。あのおっさんはそこら辺が上手。

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さて、この記事では、フレデリックテイラーとエルトンメイヨーの2人の経営観についてお伝えしていきます。おそらく、この記事を読んでいる方は既に経営学の教科書を手に取ったことがあるでは?

なので、教科書的な内容にはせず、面白おかしくちょっとおちょくって2人の世界観をコミカルに描いていきます。

この記事を通して、面白いレポートを作って、大学の教授をクスッと笑わせてみて下さい☆

はじめに

もくじ

1.フレデリック・テイラーとは?

フレデリックテイラー

ラップ調でテイラーを表現してみました(笑)

テイラーは、科学的管理法の父と言われ、生産現場に近代化をもたらした人物と紹介されています。元祖コンサルタント、エンジニア、経営学の父と様々な伝説を創っています。てか、レジェンドです。

1-1 テイラーとはどんな人物か?

科学的管理法を19世紀の工場に導入をして、工場の生産性をガンガン伸ばしたことで有名です。

プロフィールはざっとこんな感じ。

テイラーの略歴

  • ハーバード大学法学部に合格をしたものの、目に病気を抱え退学
  • 19歳で地元のポンプ工場に見習いとして働く
  • 22歳でミドベール・スチールの機械工として働く
  • やがて生産性の向上に努め、35歳で独立し、多くの工場を立て直す
  • 55歳で科学的管理法の原理を出版

色々と若いころに苦労をしていたみたいです。ついでに、たたき上げ。

1-2 元祖コンサルタントしてのテイラー

テイラーの得意技は仕事をシステマチックにすること。カッコよく言うと、「見える化」です。

手作業・目分量は許さず、数字の鬼です。物凄くデビューしたての勝間和代さんタイプかも。

そんなテイラーの得意技は、「科学的管理法」です。

2.科学的管理法」とは?

科学的管理法テイラー考案

  • タスク管理-一定の時間内にどれだけモノが作れるかを正確に測定記録にする
  • 作業研究-業務マニュアルや手順書を作成して誰でも特定の作業ができるようにする
  • 指図票制度-チェックシートや指標を作って作業を属人化から標準化させる
  • 段階的賃金制度-仕事・作業の中身(機能)に応じて適切な賃金を図る
  • 職能別組織-組織を「考える人」と「動く人」の機能に分ける

詳しくは後述しますが、今の時代にある経営管理の基盤を作った人ですよ。テイラーの科学的管理法があったから、私たちは会社から管理されるようになりました。上司があなたの仕事を管理してくれるのも、テイラーのおかげなのです。

 

ローマは1日にしてならず。科学的管理法もスグにできたわけではありません。長い長い道のりの末、やっとできました。

2-1 科学的管理法ができるまでの道のり

まず、テイラーは若い時に超苦労しました。ハーバード大学の法学部に入学をしたのですが、目の病気になり、勉強について行けず、退学。早稲田大学は、卒業三流、留年2流、退学1理由と言われていますが、ハーバードは卒業してなんぼです。

とりあえず、路頭に迷ったテイラーは、ポンプ工場で現場の作業者として働くことになりました。ぐれなかっただけ偉いですね。

でも、22歳の若さで転職をしました。ミッドベールスチール工場で機械工として現場の作業に従事します。本当に苦労人です。

2-1-1 現場作業員のテイラーが目にしたものは?

組織的怠業の蔓延(まんえん)です。当時の工場では管理者が威張っていて、作業者は適当に仕事をする始末です。

  • 管理者-「仕事は気合と根性じゃ!死ぬ気で働け!俺達はいつもお前らを見はっているぞ」
  • 作業者-「へい、親方!(どうせ口だけだろ!今日もテキトーに働こう!どんなに頑張っても賃金が上がらないし・・・」

マジメに働いていたテイラーですが、周りからは「お前!空気読めよー」「まじめに働いたって給料なんて変わらねーし!」と冷たい視線を受けとることに。マジメに仕事をすると嫌われるみたいですね。

2-1-2 そんなテイラーにもチャンスが

でも見てくれる人は見てくれます。ある日、工場の社長はテイラーに組織改革を依頼します。

  • 社長-「キミは優秀だ!でだ・・・今の現場、何とかしてくれない」
  • テイラー-「はい!お任せ下さい(おい、無茶振り&丸投げだろ!」

結果はどうであれ、テイラーは人生を変える切符を手にしました。どんな職場でも腐らずにいれば、見てくれる人は見てくれるんですね。

2-1-3 管理の必要性に気付く

テイラーの取り組み

  • 作業現場にストップウォッチを持ち込み、工員たちの後ろに突っ立って一人ひとりの作業スピードを測っている一日
  • 工員達から「メンドクせえのがいやがるな」とイヤな目で見られる
  • 「突っ立てないで、手伝え!」と罵倒の嵐。勿論、「そんなの関係ねー」でお構いなく続ける

テイラーが最も拘ったのは、2つです。「仕事標準化すること」「生産性をあげること」その手段として、現場で以下に属人労働を組織手に管理するかがテイラーのミッションでした。

2-1-4 テイラーの提案-ショベルの最適化

「8種類のショベルを用意しろ!」がテイラーの結論でした。今までは作業員が自分の手に合ったショベルを選んで、作業をしているだけでした。ところが、これだと作業が属人化してしまい、標準化しない。

例えば固い土を掘るのと柔らかい砂のような土を掘るのでは使うショベルは全く違ってきます。このように、作業の内容に合わせて、みんなが同じショベルを使うことで、作業は標準化されるというのがテイラーの科学的管理法の始まりでした。

2-1-5 組織管理・人事制度にも提言をする

作業の標準化が実現されることで、「見える化」が実現されます。今でいうなら、業務フローが書けるようになれる状態です。

ここら辺からテイラー節が炸裂します。テイラーは、現場の生産性向上のみならず、工場の管理体系も構築するべきだと訴えて、数々の改革を経営者に持ちかけます。

2-2 コンサルタントして独立

たたき上げの実力者であるテイラーは見事独立。1911年にコンサルタントとして活躍して、ついに科学的管理法の原理を書き上げます。

科学的管理法の原理

2-2-1 科学的管理法の原理で説かれていること

  1. 配置する人材の選別を厳密に実施(タスク管理)
  2. 訓練、熟練、業務の標準化・マニュアル化(作業研究)
  3. マニュアルに従わない従業員は容赦なく解雇(指図票精度)
  4. 管理者の仕事は、仕事と生産性の管理と作業員の評価(段階的賃金制度)
  5. 管理者と作業者の仕事と職務を明確に線引きを徹底(職能別組織)

今では当たり前のような経営コンサルタントですが、100年前は自分のスキルをマニュアル化して、それを他人に教えてお金を頂くビジネスモデルはなく、テイラーはコンサルタントの分野の第一人者になるのです。

テイラーの影響力は全米に広まりコンサルタント界のビックスターにまで名をとどかせました。

2-2-2 テイラーはMr.win-win

  • 「生産性向上による恩恵を労使で享受」
  • 「労使の相互不信の対立から相互信頼・協調への転換」

テイラーにとって、科学的管理法は、ツールであってゴールではありません。テイラーの目的はお金ではありません。テイラーが本当に実現したかったことは、仕事を効率化して、労働者たちの負担を減らして、管理者と現場作業者の双方がハッピーになることです。

例えば、今までは3日かかって終わる仕事を1日で終えることができたら、どうでしょうか?仕事は減るし、2日働くだけで6日分の生産ができるから、経営者も労働者もハッピーになります。

そんな、社会が実現するといいなー、ワクワクしながら、テイラーは身を粉にして人々に科学的管理法を伝えていました。

気付けば科学的管理法は世に広まり、テイラーは何人もの弟子たちを育て上げました。本をたくさん出版して、コンサルタント界のレジェンドになりました。

2-3 ところが、人に夢とかいて儚(はかな)い

  • 仕事が効率化され、工場の生産性が向上する
  • たくさんの商品が世の中に送り出されるようになる
  • 毎日、製品はたくさん売れ、工場も儲かるようになる
  • ところが、従業員に利益は還元されなかった

生産性は三倍になったのですが、美味しいところは全部経営者が持っていっちゃいました。

  • 経営者-「いやー、儲かったー。ありがとうテイラー先生。本当に感謝しています。」
  • テイラー-「いやいや、お礼なんて結構です。利益は従業員に還元して下さいね♪」
  • 経営者-「え・・・従業員に還元しろだって?どこの会社もそんなことしとらんぜよ!」
  • テイラー-「えっ・・・・・・・」

まさに想定外。経営者たちは、儲けを従業員に還元しないどころか、ますます効率化と利益の追求を求めて、従業員たちをこき使うようになりました。

2-3-1 科学的管理法の欠点

労働生産性を高めることはできますが、会社が儲かっても経営者が従業員に利益を還元しなければ人々の生活は豊かになりません。それどころか逆に、業務が標準化が、経営者たちは従業員を管理しやすくなるのです。

例えるなら、フランチャイズのコンビニや飲食店に近いかもしれません。売上からコスト、財務的なところまで全部管理をしている状態です。ところが、現場から本社は管理できません。ここら辺から、情報格差が生まれます。

「うちは時給900円だから。イヤなら辞めてもいいよ。他に人を探すから。」と横暴な経営者たち。自分たち側にお金が入ってくるように科学的管理法を悪用するだけの結果になりました。

2-3-2 当然批判はテイラーに

  • 「計画・管理と現場を分離させて労使対立を激化された」
  • 「人間性が欠如した科学というものの労働強化だ」

科学的管理法は、使い方を誤れば悪にもなります。
こんな感じで。

  • タスク管理→過剰なノルマを達成を付きつける
  • 作業管理→生産性をひたすら要求するだけの状態
  • 指図票制度→人の入れ替えがカンタンになる
  • 段階的賃金制度→公平な仕事量の基準を上げる
  • 職能別組織→経営者側だけにお金が流れ込む構造

ブラック企業の経営者ほどこのように知恵を働かせて、科学的管理法を自分たちが儲かるように設計するでしょう。良くも悪くも科学的管理法は使い方次第です。

  • 「きっと、いつか人々は私の夢見た世界は実現する」
  • 「管理者と労働者がお互いに解り合えず世界になるはず」

と夢見て、テイラーは59歳で亡くなりました。

2.ヘンリーフォードの登場

テイラーがこの世を去ってもテイラーの意思は生きています。テイラーの科学的管理法を本当に社会の役に立てようと立ち上がった男がいました。

20世紀初頭にアメリカでは車界のドン!
ヘンリーフォード!

 

フォードさんの無茶ブリ計画

かの有名なフォードモデルですね。大量生産大量販売の歴史はこのフォードから始まりました。

自動車はお金持ちの高級品

アメリカのド田舎では、高校生が自分の自動車で学校に行きますが、昔はそんな時代ではありません。自動車は、一般人が価格を見たら鼻血を吹きだすくらいの価格でした。

イメージとしてはこんな感じです。

  • 一般人→歩く、馬に乗る
  • 裕福な人→馬車に乗る
  • 超多金持ち→車に乗れる

消費者金融はあるかもしれないけれど自動車ローンは存在しない時代でしたからね。当然一般の人たちには手が届くような価格ではありません。

フォードは宣言をした

まるで蛇口をひねれば水が出るように、
車をひとりでも多くの人に提供したい

松下電器の創業者・松下幸之助もビックリ。1900年代初頭から水道哲学はあったのです。しかし、そんなことを言いながらも、フォードは結構悩んだようです。そして、決心しました。

いつやるの?
今でしょ!

林先生もビックリ。2014年の流行語は、1920年代からあったのです。そんな強い決心の元、フォードは早速テイラーの科学的管理法を取り入れ、改良に改良を重ねて、車の大量生産に取り組みました。

歩かせる時間すら勿体ない!

さて、フォードの工場の実態です。

「足を動かすな!手を動かせ!」

歩く時間すら無駄!と言い切るほどの徹底ぶりです。そこで生まれたのがベルトコンベアです。工場におけるオートフォーメーション化を推進しました

工員たちは、猛スピードで手を動かし、部品を組み立てます。休んでいるヒマはありません。ひたすら同じ作業を繰り返します。

完成したのがT型フォードでした。
T型フォード初代
出典:www.samurai-chopshop.com

  • 1908年に発売。1927年までモデルチェンジのないまま、1,500万7,033台
  • 驚きの安さ(平均年収の1/8)から、アメリカをはじめとする世界各国に広く普及
  • 大衆車として十分な実用性を備えた完成度の高い自動車

フォードのインパクトは絶大なものでした。標準化された商品を大量生産する・・・伝家の宝刀ベルトコンベアは、車の普及とともにバズりました。

フォードは世界を変えた

フォードの世界

爆発的にヒットしたT型フォード

自動車を見て拳を握りあげるのではなく、ハンドルを握っていみませんか?を切り口に自動車をバンバン売りました。

今の時代に置き換えるなら、「一家に一台自家用ジェット」並みのインパクトだったのかもしれません。

大量生産して全く売れなかったら在庫が爆発しますからね・・・死ぬ気で売ったことは容易に想像ができます。

そんな甲斐もあって、T型フォードは、i.phone並みにヒットして、19年間モデルチェンジをすることなく、ロングテール商品になりました。

T型フォードの功績は、自動車を大量生産・大量消費を実現させて、破格の安さで自動車を世間に提供できたことです。

当然、フォードモーターも儲かりました。

フォードは、従業員達に利益を還元した

フォードは、儲けたお金を一人占めしませんでした。豪遊もしませんでした。利益を従業員たちにしっかりと還元しました。

エライ!

やがて、社会は豊かになり、「フォードで働けば車が買える!」と夢見た人々は、フォードの工場で働くようになります。フォードで働いて、たくさんお給料をもらって、そのお給料で自分たちもフォードの車を購入する。

結果、フォード車のイメージアップにもつながる。

フォードは、車だけではなく新たな雇用も創出できます。

フォードが本当に作ったもの

フォードモーターが作ったのは、大衆車だけではありません。

  • 誰もが車に乗れるライフスタイル
  • 多様な雇用の創出と幸せな働き方
  • オートフォーメーションした経営

スティーブジョブズは、i.Phoneを世に送り出して世界を変えたように、フォードモーターは大衆車を世に送り出し、人々のライフスタイルを豊かにしました。

めでたしめでたし

・・・・ところが、ここで問題が勃発

豊かな大衆は単純労働に耐えられない

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「もう嫌だ・・・こんな仕事したくない・・・やめたい・・・助けて」。。。。フォードの工場からは、悲鳴が聞こえるようになりました。

そして、多くの人達がフォード工場を去るようになりました。

フォードは今までのやり方を変えたわけではありませんが、世界一幸せに働けるはずの工場が世界一悲鳴の多い工場に一転しました。

なぜでしょうか?

答は時代の変化なのです。

効率化の弊害

給料40万払う。1日にネジを1万本巻け。1時間に1000本巻け!」という世界になりました。

勝間和代さんが提唱する効率化の弊害です。効率化経営は不思議なもので、みんなで効率化を目指しているときは凄く楽しいのですが、効率化そのものがエスカレートしすぎて、システム化したときが本当の課題。そのシステムの上で働く人たちは、上から与えられた作業を機械のようにこなすだけです。人間ではなく、ロボットのような働き方を強いられてしまうのです。

そして、いくら賃金や待遇がよくても、豊かになった人たちはフォードの工場でひたすら同じ作業を繰り返したいとは思いません。

私も、かつて無職になり、アルバイトでひたすらデータを入力するだけの仕事をしていました。パソコン工場では、パソコンを崩してマザーボードを組み込むだけの仕事をしていたこともありました。1日50台のノルマを課されました。

頭を使わずに、スピードだけを求められ、淡々と仕事をするのは退屈というより苦痛そのものでした。

モダンタイムスから学ぶ

アメリカの風刺画として有名なチャップリンのモダンタイムスです。

さて、どうでしょうか?コメディーとして見るとクスッと笑えてきますが、スピードだけを求められて休む暇もなく、考える余地もなく、淡々と目の前の仕事が毎日続くとなるとゾッとしますね。

詳しくは後述しますが、効率化そのものが悪いわけではありません。社会が豊かになり、人々の生活が文化的になればなるほど、お金や待遇などが働く動機付けにはなりにくくなります。

そんな時代の変化に目を付けたのが、この次に紹介するエルトンメイヨーです。

4.ドクターメイヨー!登場

エルトンメイヨーとは?
EltonMayo1950

  • ジョージ・エルトン・メイヨー教授(1880―1949年)生まれの産業心理学者
  • ウェスタンエレクトリック社のホーソン工場においてホーソン実験を実施
  • 仕事の満足度は、労働環境ではなく組織の人間関係と訴えた人

wikipediaより引用

時代が豊かになるにつれて、これまでに信仰されていたテイラー主義とフォーディズムはフルボッコされるようになりました。そんなキッカケを作ったのが、エルトン・メイヨー先生。勝利・友情・努力をモットーです。松岡修三ですかね。

オーストラリアの大地に育まれ、スクスクと育ったメイヨー先生。テイラー主義に対して、「我々はロボットじゃない!血が通った、感情を持った人間なんだ」とアンチを唱えます。

離職率が高いアメリカ社会

当時の問題は、現場の製造部門の離職率だけが異常に高かったことです。もちろん、ブラック企業ではありません。お金も休みもちゃんと与えています。

  • 「高い給料払っているのになんで?」
  • 「休みも休日もちゃんと与えているでしょ?」

経営者たちからしたら、「最近の若い者は仕事がきついとスグにやめてしまう。働く気がないのか?たるんでいる!」という思っていたのでしょうね。

アンタが現場に立ってやってみなよ、が正直なところかと思います。(笑)

アルバイトが次々と辞めていくチェーン店と同じですね。もしくは、トヨタやホンダの期間工労働。正社員ではないとはいえ、月給が30万近く貰えて、寮まで用意してくれます。待遇だけ見れば、凄く優遇されていますが、それでも人が集まりません。仕事がきついから。

当時のアメリカには人材派遣ビジネスは存在しませんでしたから、突然人が辞められると致命的です。工場が稼働しても人がいなければ仕事になりませんからね。

事業継続は夢のまた夢です。

そんな光景を目のあたりにして、問題の根源はテイラー主義だと判断し、そんなテイラーに影響されているフォーディズムを何とか食い止めようと思っていたメイヨー。

純粋なメイヨーのアンチテーゼ

人間関係は仕事でも大事

労働者は人である。人には感情がある。労働者には感情がある、と考えていたメイヨーさん!

この問題を解決するのはカンタンです。メイヨーサンからしたら、「なんで皆、こんな単純な解らないのかな~」と思っていたでしょう。

そして、メイヨーは悩める経営者たちに、人間経営を説きました。

  • 「もっと労働者の気持ちや感情を大事にしようよ。」
  • 「効率や生産性よりも人間関係の方が大事だよ。」

ところが、経営者たちはメイヨーの助言を真摯に受け止めてくれませんでした。

  • 「組織は、人間関係で回っているだと!何を言ってやがる!」
  • 「労働者は感情で働いているだと?アホか!意味が解らん。」
  • 「現場で働いたことがないカウンセラーが何を言ってやがる」

テイラー主義を信仰している経営者たちにとって、メイヨーの主張は、まさに豚の耳に念仏でした。

経営者たちは、数字に表れない人の感情に目を向けません。それよりも、数字に表れる工数・時間・お金のほうに目が行きがちです。まぁ、数字で考えるのが好きな人は、数字以外で表現することを嫌いますからね。仕方ないといえばしかない。

門前払いされたメイヨーは、とうとう本気になりました。人間経営が正しいということを立証しようとするのです。そう、伝家の宝刀ホーソン実験。

伝家の宝刀!ホーソン実験

メイヨー先生のホーソン実験

ホーソン実験です。ホーソン工場で行われたからホーソン実験!横浜の工場で行われていれば、ヨコハマ実験になっていたかもしれません。

  • 証明実験
  • 組み立てリレー
  • 面接実験
  • バンク配線作業実験

詳しくは、ホーソン実験で判明した4つのこと「脱経済人」から「社会人」が新生の記事で紹介しています。

メイヨー軍団は、ホーソン実験を通して人間関係は、お金や物理的な条件に勝ると立証することで、テイラー主義を批判しました。

  • 人は経済人であり合理的であり、損得勘定で物事を判断する
  • 人は経済人ではなく社会人であり、もっと感情的な生き物である

と、ここら辺から2人のディベートが始まったのです。

メイヨーの結論|非公式な組織の勧め

テイラー主義は、効率と生産性、そして人はお金やモノを得るために働くという考えでしたが、メイヨーはそんなものは大した影響は与えない。大事なのは人間関係だ!ということをホーソン実験で証明しました。

  • 経済的対価よりも社会的欲求を重視する
  • 人は合理的でなく感情によって左右される
  • 組織は公式ではなく、より非公式になるべきだ
  • 満足度は、客観的な環境よりも、職場での人間関係で決まる

非公式な組織とは、ルールにがんじがらめにな組織ではなく、より人間関係、仲良しグループや派閥などであるある意味人間臭い組織です。

会社のために定められた仕組みやルールの中では人は動きません。厳格な上司やお役所的な命令に従いたくありません。

変わったのは時代だった

それまでのテイラー主義はどうだったかというと、仕事は、

  • お金を稼ぐための手段である
  • 企業は利益の最大化をめざす
  • 効率化と追い求める

超合理主義の時代でした。会社を牛耳る一部の人がいて、残りの人たちは馬馬車のように、1分1秒無駄にすることなく、馬馬車のように働くことを強いられたきたのです。

待遇がよいといわれている大企業のような組織に限って、テイラー主義がアホみたいに浸透していて、一部の特権階級みたいな人たちが威張り散らして、その他大勢は「働け!働け!」と尻を叩かれるのです。「うわー、地獄だなー」と思うかも知れませんが、その通りです。

もちろん、何も考えずに命令に従って動くのは、人によっては楽で幸せなのかも知れません。

テイラーの考え方は、典型的な欧米思想です。対して、メイヨーが儒教文化的だったのかもしれませんね。

メイヨー先生にも批判が

さて、散々批判されたテイラー主義者も黙ってはいませんでした。テイラー主義者はメイヨーに対しても批判を加えます。

 

テイラー主義者からの反駁

  • 反駁1-人間系系の目的は、結果として企業の能率性や生産性を求めることでしょ?
  • 反駁2-能率性や生産性を高めるために、人の感情をコントロールしているだけはないか?
  • 反駁3-人間経営が科学的管理法よりも優れているといっているが、科学的管理法の土台の上にあるものではないか?

 

結果として、働く人たちハッピーにしたメイヨーですが、その先にある目的は経営者たちの利益追求です。その手段として、労働者を人間として扱うことが表に出ていますが、利益追求ができなければ、人間経営は不要だということです。

そして、その基盤は、既にテイラーが築き上げた能率化のシステムの上で成り立つものであり、単に人間関係を訴えたければ、企業でなくサークルでもよいわけです。

経営をする以上、生産性の最大化や能率は大前提であり、その土台となるのがテイラーシステムです。メイヨーの人間関係は、テイラーシステムの足りない部分を補うものとして位置づけられました。メイヨーも、この反駁には反駁できず、素直に認めました。

 

 

5.2人の議論は北風と太陽

テイラーのアプローチは北風です。徹底的に管理をして、従業員を働かせる。対して、メイヨーのアプローチは、太陽です。少し遠回りをしてアプローチを変えて、従業員に主体的に働いてもらう。

おとぎ話だと、太陽の方に分があるのかもしれませんが、北風も太陽も旅人の服を脱がすという点では同じですよね。

確かに、北風と太陽では、北風は旅人の服を脱がせず、太陽は脱がすことができましたが、あくまで物語のお話です。

何が言いたいかというと、旅人が吹くさえ脱げば、アプローチは北風でも太陽でもどちらでもよいわけです。

 

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