競争戦略の世界|マイケルポーターが提唱する業界内に潜む5つの脅威と3つの基本戦略
経営戦略論を学んだことがある方ならだれもが一度は耳にするマイケルポーター。世界を制したポジショニングチャンピョン!ですね。マイケルジョーダンじゃありません。マイケルポーターです。 どうも! マイケルポ ...
の記事の続きです?
マイケルポーターのポジショニングは、第二次産業がイケイケの1900年代。2000年代以降、インターネットが普及してからポジショニングや3つの戦略はもう役に立たないのではないか?という議論があります。
1.ポーターのモデルは産業化社会のモデル
マイケルポーターが研究対象にしていたのは、トヨタ、ソニー、コカコーラ等の製造業が中心でした。
GAFAなどは研究しているのでしょうか?
1-1.第二次産業の特徴
川上から川下から人を介して情報が流れていく世界です。経営資源といわれる「ヒト」、「モノ」、「カネ」の流れもわかりやすかったです。
詳しくはバリューチェーンのモデルを参照してください。
企業の機能を主活動と支援活動に分けたものです。簡単に流れを説明すると、まずは「購買・物流」から始まり、「製造」に取り掛かります。完成した商品を市場に投下するのが、「出荷・物流」になり、そこから「販売・マーケティング」に入ります。「サービス」というのは、お店などで商品を顧客に提供するプロセスです。
これら5つの機能のことを「主活動」と呼んでいて、それ以外の「出荷物流」「技術開発」「人事・労務活動」「全般管理(インフラストラクチャー)」を支援活動と呼ぶ。支援活動は直接お金を生み出す機能ではありませんが、企業運営していくうえで欠かせない機能であるのはお解りいただけると思います。
繰り返しになりますが、上記のバリューチェーンは第二次産業モデルを想定して作られたものである、ということです。
なので、インターネットが発達して、販売者と購入者が直接やり取りをできるようになってからは対応できない、という指摘です。なぜなら、インターネットを使って、企業が消費者と直接やり取りをすれば、購買物流とサービスまでの一連の流れがサクッとできてしまうからです。
1-2.時代の変化に対してポーターはどのように答えたか?
「知らんがな!」と答えたいところですが、それを言わないポーター先生。
すると、このようなひとことが・・・
2001年のHBR誌では、「業態が変われど戦略の本質は変わらない」-中略-ビジネスや市場間での競争の本質は変わらないどころか、ますます重要性を帯びるのではないか、ということを発表している。
Diamond Harvard Business Review June 2009年より引用
カッコいい!けれど、根拠がねぇ。
開き直りましたね。
でも、言わんとしていることはわかります。
これから業界構造はぐちゃぐちゃになり、ジュライのポジショニングは使い物にならんけれど、だからこそ基本の基本に立ち返って、自分たちの業界のポジションとは何ぞや?と常に自問自答しとけーよ!
と仰いたいのでしょう。私の想像です。
2.ファイブフォースはどのように変わったのか?
- 競合他社の脅威
- 新規参入の脅威
- 顧客との交渉力
- 売り手との交渉力
- 代替品の脅威
順番に解説をしていきましょう。
1.競合他社の脅威
「商品・サービスの独自性を維持するのが困難になり、業界内の同質化が高まり、価格競争になってしまった。」と書かれてます。
2000年代に入り、起業は自社サイトをもち、Webコンテンツのサービスを展開して、さらにWebプラットフォームを持つようになりました。
Webコンテンツをひとつ持つことはお店を持つことと一緒なんですね。おまけに固定費を何倍も安く抑えることができる。
競合他社は増えていくのは当然。
2.新規参入の脅威
WEBの世界は仮想マーケットです。店を構えなくても、商品の販売ができます。それぞ後押しするのがAMAZONです。製造業の場合は、商品開発能力で競争力を維持できますが、流通業者は悲鳴をあげています。
インターネットの利点は、参入障壁が低いところです。その気になれば自社サイトは無料でできます。10万円以上、かからないでしょう。
3.顧客との交渉力
主導権が最終消費者(エンドユーザー)にシフトしているじだいです。先ほどの、タワレコの例のように、お客様はその気になれば音楽やゲームなどをスマートフォンひとつで買えます。
ヨドバシカメラからゲームコーナーが消えていましたね。
4.取引先との交渉力
調べ中です。
5.代替品の脅威
先ほどのタワレコですね。もちろん、インターネットを使ってキャンペーンやイベントの告知をして、来店してもらう戦略も可能です。
まとめ|変化したのは競争のルールである
最も変わってきたのは、
- 新手のプレーヤーがいつ進出してきて、全く違うビジネスモデルで業界を乗っ取ってくるかもしれない。(新規参入+競合の脅威)
- かつては自社の川下だった企業が顧客と直接やり取りをする競合となる脅威とエンドユーザーと直接取引ができるチャンスがある(取引先の脅威+顧客の脅威)
だけです。
寧ろ、競争環境が複雑になればなるほど、いちど基本に立ち返ってみる必要があるのではないか?とポーターは問いかけました。
- 「どこの企業と競争をしているか?どのようにして優位性をつけるか?(競合の脅威)」
- 「顧客は誰か?自社の商品にお金を払うのは誰か?自社の商品を利用しているのは誰か?(顧客との交渉)」
- 「取引先は本当に自社(とその先の顧客)に付加価値を与えているか?(取引先との交渉)」
- 「数年後、どのような企業が市場に参入をしてくるか?変化はどこにあるのか?(新規参入の脅威)」
- 「自社の製品はITに飲み込まれないか?代わりの機能を満たすものはないだろうか?(代替品の脅威)」
これからどうなってゆくんでしょうね?