タイプ4について徹底解説
エニアグラムにおけるタイプ4は、「個性的な人」と呼ばれています。
タイプ4は、9つのタイプの中で最も独自性を求めて、「他の誰でもない自分らしさ」を表現したいと願っています。その自分らしさが人生のテーマになっています。
別の本では、「芸術家タイプ」とも呼ばれていますね。この記事を書いている時点で、私はクリエイティブ業界に身を置いていますが、「この人、タイプ4かな?」と思える人がたくさんいます。自分の内面を何らかの形で表現したい!そんな欲求を持っているんですね。
この記事では、タイプ4の「個性的な人」について徹底解説をしていきます。まずは、タイプ4の性格構造を見て、それからサブタイプであるウィングを2つや生得本能(自己保存、セクシャル、ソーシャル)についても解説していきますね。
もくじ
タイプ4「個性的な人」の全体像
チェックリスト
- 年齢を重ねるごとに自分らしさが薄れていき不安になる
- みんなと一緒・・に違和感を感じる。態度や外見には出さないけれど、私は相当変わっているのだと思う
- 美しく、感慨深いものに惹かれる。他人には理解されない独自の美意識やセンスを持っている
- 独自のストーリーやドラマが自分の中にある。たぶん、現実世界には生きていない・・・
- 何かを表現するのが好き。絵画、音楽、演劇、ダンスなど表現の世界に身を置きたいと思っていた時期がある(現在もそれらの仕事を志望している)
タイプ4のテーマは、自分らしさと普通からの逃避です。「自分は人とは違うんだ!」という強い意識を持っていて、人と変わった自分を過度に愛します。そして、現実が「普通」、「平凡」、「代り映えがない」と感じたら、その現実に染まっていく自分を恐れて、過度な現実逃避に走ります。
中には、私は本当にこの世界の住人なの?と自問自答しているタイプ4もいるくらいです。
そんな現実に抵抗するかのように自分の独自性を内面で作り上げ、それを自分らしく表現しよとするため、この記事では「独自性を求めて表現する人」と呼んでいます。
独自性を求めて表現をする人
タイプ4は、「自分らしく生きればば上手くいく」という暗黙のルールを持っています。タイプ4にとって「自分らしさ」とは、自分の全て。周囲とは仲良くしながらも、本心や本音を表現せずに、内側でため込んでいます。感情の動きに対して敏感なのかおませんね。そして、その感情の動きもタイプ4独自性があります。
本当につかみにくいです。。。
タイプ4の性格のメカニズム
潜在意識:上手く生きたれたり、幸せになってはよくない
- 根源的恐れ:自我や存在意義を持っていないことを恐れる
- 根源的欲求:自分自身でありたい(自己放縦に走る)
- 傾向・行動:表現力がある、ドラマチック、自分の世界へ入り浸る、気まぐれ
タイプ4は、子供の頃から自分に対してのアイデンティティを求めて育ってきました。親に対しても「自分は本当にこの親から生まれてきたのかな?」と思ってしまっているようです。究極的には、自分自身が欠落しているような感覚を持っています。そんな反動から、自分らしさを求めるようになります。
3つのセンターから考察
エニアグラムの性格を構成するときの3つのグループとは?
本能、感情、思考の3つで構成されています。もちろん、だれにも本能・感情・思考はありますが、どのグループをどのように使うかは個人差があり、その個人差によって性格が決められるとエニアグラムでは考えられています。
では、タイプ4についてみていきましょう。
- ガッツセンター:最も遠い。身体感覚を使いこなすのが苦手
- ハートセンター:感情の動きや自分のイメージを内面で処理する。感情だけが激しく動いている。時間感覚は「過去」
- ヘッドセンター:隣の思考センターを使って、内面の感情を動かす。時間感覚は「未来」
タイプ4は、ハートセンターの下に身を置きながら、隣のヘッドセンターを使っています。時間感覚を、過去から現在までの自分に置きながら、未来を想像しているイメージです。一方で、ガッツセンターには接触していないため、今ここ!に生きていません。そのため、地に足が立ってなく、感情が振り子のように右から左に動いているような雰囲気があります。
後者は、アーティストの道を選ぶことが多いですね。もはや、自己を表現する形でしか自分の生き方を見いだせていないタイプ4も大勢います。
ホーナイとハーモニー
ホーナイ:遊離
タイプ4にとって、他人は他人、自分は自分です。グループやコミュニティーに対しては、あまり貢献的ではありません。例外として、そのグループにいることで自分の内面が満たされていれば別ですが・・・。本質的には受け身になりがち。
元々、他者に対して共感力があることから人の気持ちを汲み取るのが得意ですが、相手の言葉に飲み込まれて、自分のアイデンティーを失いことを恐れているため、いきなり態度が豹変することもしばしば。
ハーモニー:反射
問題に対しては非常に反射的です。悩みを相談されると、つい自分が同じ体験を共有しているかのように心が動いてしまいます。心が非常に繊細なため、相手の言葉に影響されやすかったりします。
タイプ4:お仕事と恋愛
お仕事・適職
- 自分の感受性や美意識を表現できるお仕事・自分らしさを感じられる職業に精を出す
- 創造的表現を体現できるお仕事(クリエーター、アーティスト、デザイナーなど)
- 人の気持ちに敏感で、相手の個性を尊重するが、義務やルールで縛り付ける人とは一緒に仕事をしたくない
- 気分や感情にムラがあるため、時々トラブルを起こすこともある。そのほとんどが感情に起因する
- 表面的な関係よりも、人とは率直にかかわりたい。ビジネスライクな関係は好まない
タイプ4にとって、仕事は自己表現の手段。ルーチンワークやマニュアルに従って手を動かす作業は好みません。心を動かしていないと、無味乾燥な時間は退屈というよりも苦痛を感じます。逆に、多少苦しい仕事でも、その中に「自分らしさ」のようなものが感じられれば、まるで生き返ったかのように精を出して働き詰めにもなります。
その活動が何かはわかりません。音楽、芸術、ダンスなどアートなどの何らかの方法で自分を表現する道を選ぶタイプ4は多いですね。
人間関係&恋愛・パートナー
ロマンチックな恋愛や心を動かされる体験を恋愛に求めます。甘く切ない恋から心が激しく動かされるような恋などストーリー性の高い恋愛を求めます。恋人やパートナーに求めることは、徹底とした「理解者」であることですかね。
成長の方向/ストレス時
成長時:タイプ1になる
タイプ4は、成長するとタイプ1になります。普段のタイプ4は、「自分はどうありたいのか?」「自分って何者だろう?」と自分探しをしている状態なのですが、成長をすると社会や他人の基準に合わせても自分を失うことはないと心が思えるのです。自分らしさを強く感じられている状態なんですね。
例えば、自己表現が好きなアーティストがデザイナーとして働いたとします。お仕事である以上、会社から求められた商品を作らなければなりません。タイプ4は作品作りは好きですが、商品作りは好きになれません。そこには自分の意思が反映されないからです。しかし、成長時のタイプ4は、会社やお客様から支持されて働いていても、自分は自分だと自分に自信をもてるんですね。
ストレス時:タイプ2になる
ストレスがたまるとタイプ4は、他者に依存しがちです。その態度は、まさにタイプ2。自分に対して完全に自信を無くしている状態で、その状態から抜け出すために、他者の関心を求めるようになります。そのため、普段はおとなしく自分の殻にこもる傾向があるタイプ4ですが、ストレスを抱えると人に積極的に会います。外向的になる?というより、自分を見てもらいたいのです。自分の独自性を気づく機会を与えてもらいたいのです。
この状態は、タイプ4にとってストレスからも知れません。
タイプ2にとって最も健全な状態
タイプ2にとって最も健全な状態は、自らの力で自分の欲求や感情を満たせるようになっているときです。「人から必要とされて、愛されれば上手くいく」は、裏を返せば自身の存在価値を見出していないことになります。
相手の関心を得るために、何かをしてあげても、それは共依存に近い状態。人から必要とされたい欲求で動いているだけなんです。目の前の人から必要とされようとするのではなく、ありのままの自分こそがみんなから必要とされると思えている状態がタイプ2にとって最も幸福感を感じられるわけです。
そのために、意識を自分の内面に向けるようにタイプ4のようになるのはよいでしょう。
ウィング-サブタイプ
ウィングとは、エニアグラムにおけるサブタイプです。タイプ3のウィングを持つと、より自分らしさを相対的に求めるようになります。逆にタイプ5のウィングを持つと、のんきな芸術家になります。
タイプ3のウィング-貴族
タイプ4がタイプ3のウィングを持つと、個性に加えて、競争心や達成欲が強くなります。その結果、人よりも自分を高い位置に置こうとします。その姿は、生まれながらして、自分が高い位置にいることを示す貴族です。
と聞くと、なんだか高びーなイメージを持つかもしれませんね。でも、その通り。高ビーというよりも、はじめから自分を高い位置に置いている感じです。そのため、凄く優美で洗練された雰囲気をまとっています。
タイプ5のウィング-ボヘミアン
逆に、タイプ5のウィングは、タイプ5の考える属性が追加されて超自由人です。貴族とは異なり、自分の好きなことにひたすら打ちこんでいる感じです。年齢に関係なく、アートや音楽に興味を持ちずっと続けられるのもこのタイプ。
一歩間違えればヒッピーのような生活を送るかもしれませんが、本人はマイペースかつ幸せそうです。そんなリラックス感がボヘミアンのいいところ。一方で、人から何かを求められたらすぐさま対応できない弱さもあります。
これは自由人ゆえの弱さでもありますね。
生得本能
自己保存:不屈の自分主義&ドM
自己保存型のタイプ4は、過度に求める絶対自分主義者です。自分らしさを維持するために、ハードワークや不幸を自ら追い込もうとします。
- 平日も休日も休まず働く
- 自ら汚れ役を引き受ける
- 積極的に貧乏くじを引く
など、マイナス面を引き受けてあえて特別な自分を作り出そうとします。そして、「これが自分の運命なんだ」と受け入れることで、自分らしさを維持しようとします。典型的なドM気質。確かに不幸に見えてしまうのかもしれませんが、意外と本人は幸せそうだったり、別の意味で満たされているのでなんだかんだで幸せそうだったりします。
セクシャル:競争
セクシャルのタイプ4は、自分の個性を前面にアピールして、他者が自分から関心を得ることで自身の独自性を満たそうとします。競争と評される理由は、「ね!私って凄く変わっているの?こんなにだよ。わかるでしょ」と自分の個性をアピールして、自身がオンリーワン&ナンバーワンになろうとする傾向があります。
行かないでね。
どんな時もあたしの思想を見抜いてよ。
あなたの長い睫毛も其の華奢で大きな手も
全部大好きなの。
どこにだってあなた程の人なんていないよ。
あなたしか見ていないの。
今すぐにここでキスして椎名林檎-ここでキスをして
と、外見はおとなしくても、自分の世界の中では感情が激しく動いています。タイプ4独自の癖とその癖が激しく出てしまいます。かなり個性的な人かもしれません。
ソーシャル:恥の代弁者(Shame)
ソーシャルタイプ4は、自分の内面や考え、そして欠点を他者に打ち明けることで、「自分」との独自性を明確にしていきます。周りから「変わった人」と思われて、自身の個性を認識してもらい、その個性で人を引き付けることで社会的な欲求を満たそうとします。
エニアグラムワークの中で、自分のことを「タイプ4」とアピールする方はいますが、ソーシャル4の可能性が高いですね。過去のコンプレックスを楽しそうに話すのは、おそらくソーシャル属性が強いからでしょう。
タイプ4である自分を承認してほしい!という心理が働いています。
<まとめ>
- 自己保存-個性を態度や行動でそれとなく示す
- セクシャル-露骨なくらい個性を表現する
- ソーシャル-個性を言葉で伝える
などですね。
タイプ4が成長するために
自分を表現する手段や技術を身につける、そして「場」を作る。これに限りますね。お仕事柄タイプ4の方と関わる機会が多いですが、幸福度の高いタイプ4ほど自己を表現する方法を知っています。そして、自分を上手に生かしています。
タイプ4の成長のセオリーは、「自分らしさに対する強いこだわりを手放すこと」だとエニアグラム本では教わりますが、安易に手放すよりかは、自己表現する方法を身につけて、自分らしく自己表現ができれば、自然と変なこだわりは手放せます。
文章、デザイン、音楽、芸術、ダンス、スポーツとなんでもいいかもしれません。まずは、手や身体を動かすことが大事ですね。自分の殻にこもり、部屋に引きこもっているのが心身的にも不健康。
「日本社会ではタイプ4が生きにくいい」と決めつけるエニアグラムの講師がいますが、タイプ4が生きやすくなる場所や機械はたくさんありますよ。そういった場所を見つけたり、自分で作りだすのもよいかもしれません。