厚労省の統計不正とディベートへの影響3点

投稿日:2019年1月31日 更新日:


厚生労働省の統計不正問題で第三者委員会がまとめた調査結果について、その原案を厚生労働省が作成していたことがわかりました。専門家は「これでは第三者の調査とは言えない」と指摘しています。

NHK NEWS WEB 2019年1月29

ちょっと笑えないニュースですね。笑うしかないですが。

2019年から働き方をテーマにしたディベートをアカデミック形式で行う予定でしたが、いったん中止することにしました。

理由はご察しの通りです。

アカデミックディベートでは信頼がおける組織・機関が発表したデータを引用して自分たちの議論を組み立てます。つまり、証拠資料とは、インフラのようなもの。私がディベートを始めたのは2015年でした。

データの出展元が厚生労働省である場合、他のどのデータよりも説得力があるとされていました。やや権威主義に傾倒するのはアレかもしれませんが、お役人気質の方が多いディベート界隈では厚生労働省はまさに憲法に近い位置づけです。

ニーチェじゃないけれど、神は死んだ!です。

さて、ディベート業界・ディベート界隈にはどんな影響があるのか?これについて一緒に考えていきましょう。

目次

1.厚生労働省のデータを引用できない

繰り返しになりますが、アカデミックディベートの試合では、何かを主張したら、必ず権威ある第三者機関が発行したデータを引用することで自分たちの主張が間違っていないことを立証してきます。

 

<主張>
日本では未払い残業が横行しています。厚生労働省の発表によると、2017年は1870社。前年度の4割を上回ったという発表がありました。資料を引用します。

日本経済新聞 2018年8月

引用開始「厚生労働省は10日、賃金を支払わないまま残業させたとして、2017年度に全国の労働基準監督署が労働基準法違反で是正指導した企業は1870社だったと発表した。前年度を約4割上回り、過去最多となった。割増賃金の支払額も同3.5倍の約446億円と過去最大になった。

参照元:日本経済新聞

引用終了

と、このように何かを主張したら信頼できる第三者の証言や公的な組織が発表する正しいデータを引用して、自分たちの主張が客観的かつ公正なものだと裏付けて議論展開を行っていきます。

逆にいうなら、引用した資料が客観的かつ公正なものではないと判断した場合は、その資料は無効と判断され、上記の主張は根拠のない主張としてカウントされてしまいます。さらに言うと、その事実を知っていながら、あえてその資料を引用すると、ジャッジによっては、それはディベートの精神から反すると判断するジャッジもいます。

カンタンにいうと、無条件で反則負けになるんですね。

今回のケースなら、厚生労働省の資料を引用どころか、「厚生労働省」というキーワードが出てきたら、その資料を無効にするかもしれません。また、今回のニュースで、この問題が世に知れたため、厚生労働省系のキーワードが出てきたら、「なんでその資料を使ったの?」とツッコミを受けるかもしれません。

ここばかりは、露骨にディベートあるべき論を重視するジャッジか空気を読むジャッジかで判断が分かれるところでしょう。

2.団体によって引用ポリシーを決める必要あり

上記の問題を解決する方法として、各ディベート団体で厚生労働省のデータをどのように解釈をするか?一定のガイドラインが必要になってくると思います。

以下、データをエビデンスと呼びます。

  1. 厚生労働省のキーワードがあるエビデンスはすべて無効とみなす
  2. 有効なエビデンスと無効なエビデンスを精査する
  3. いい意味で「見て見ぬふり」をする

1番が最もディベートの道理に適っています。本来なら理想は1を採用すると、現実的に労働系のテーマでディベートはできなくなりますね。ここら辺は様子見かと思います。

そこでお勧めなのが2番です。事前に有効なエビデンスと無効なエビデンスを振り分けすること。もちろん、これは誰がやるの?というお話になると思いますが、運営団体が行うのが望ましいでしょう。ディベーターの考えに委ねると、あるジャッジはOKなのに別のジャッジはNG判定をしたとなり、ディベートの試合がアンフェアになります。

もしも運営側で対応してくれず選手自らの裁量にゆだねられた場合は、以下の方法を採択するしかありません。

  • 事前にジャッジに厚生労働省エビデンスを使うことに対するフィロソフィーを確認する

もしもジャッジが厚生労働省系のエビデンスを評価しないと判断したなら、厚生労働省のエビデンスを一切使わず立論を作ることになるでしょう。内容によって評価するといわれたら、厚生労働省系のエビデンスひとつひとつが間違っていないと論証したほうが良いですね。

いずれにせよ、この問題については、各ディベート団体がポリシーを設けなければ、現場のディベートが苦労することが予想されますね。

いちばん波風を立てない方法は、3の「見て見ぬふりをする」ですね。「まぁ、今回は仕方ないよね!」といって厚生労働省系の資料は正しいものと仮定してディベートを行うのも一つの手かもしれません。

もちろん、本来のディベートのあるべき姿とは乖離しますが、ここら辺は大人の事情ってやつです。もちろん、これが教育の在り方として正しいのかはまた別の問題ですけれどね。

3.労働系のディベートができない

個人的にこれがいちばんダメージがあります。冒頭でも述べた通り、2019年から「働き方」をテーマにアカデミック系のディベートを開催する予定でしたが、厚生労働省の資料が使い物にならない以上、働き方系のディベートができなくなりました。

使える証拠資料がほぼない!

なので、当面は証拠資料を全く使わない即興ディベートで活動していくことにします。

ただ、働き方系は行います。

今回のニュースの気づき

データは嘘をつく!ですね。

アカデミックディベートをしていたころは、データは正しい!みたいな前提を刷り込まれていたと感じますね。あまり考えずに、とにかく自分たちの主張を裏付けてくれそうなデータを片っ端から集めて引用していました。

データそのものを疑うことはほとんどしていませんでした。データをひとつひとつ精査していたら、時間がいくらあっても足りませんからね。そんなデータ頼りなディベート生活に疑問を覚えて、即興ディベートを始めたのですが、今回の件で改めて確信できましたね。

アカデミックも即興も関係ないな・・・

そして、神は死んだ!

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この記事を書いた人:木村なおき



ワードプレス専門のウェブデザイナー
ヘタクソな文章&アイディア勝負でアクセスを稼ぐの即興ブロガー。
1日10000文字に挑戦中。
■2015~2016年:即興ディベート講師&ブロガー
元・タダのディベート好き&ブロガー。2015年からブロガーとして活動。日本でいちばんアクセスが集まるであろうディベート専門のブログを作る。その後、即興ディベートワークショップ開催して顔出しせず集客に成功。副業講師

■2017~2018年:エニアグラマー&メディア運営
ディベートを使って何かできないかな?と考えて、性格類型やコーチングにハマる。エニアグラム専門のメディアを立ち上げる。翌年、エニアグラム専門のコーチとして独立。(開業届を出さるをえない金額を頂く)

■2018~2019年:個人様向けのホームページ屋さん
ブログっぽいサイトに限界を感じて、本格的にホームページ制作を学ぶ。専門家・専門職、個人事業主、女性起業家向けのホームページ屋さんに転身。現在は、講座運営とホームページ制作をお仕事にしている。将来が不安なので、隠れて転職活動をしている

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