マイケルポーター5つの競争要因-代替品の脅威2つ

2015年12月13日

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代替品とは、ある製品・サービスと同じ機能を持つ製品・サービスのことです。タワーレコードは、CD販売市場ではトッププレーヤーでしたが、i.tunesやGooglePlayMusicの脅威にかないませんでした。

競合他社や新規参入の脅威では、同じ業界(市場)の中で競争をすることが前提でしたね。

一方で、代替品の脅威はどこに潜んでいるかわかりません。aiが発達した世界ではどんな仕事が奪われていくんでしょうか?これも代替品の脅威となります。

あくまで同じ業界・市場の中で競争をすることを前提に解説してきましたが、代替品は、これらとは別の競争要因が働くことになります。

つまり、商品・サービスの性質は違えど、機能やお客さんに与える価値という点で捉えると、今までは競争相手になりえなかった相手もいつの間にか競争相手になりうる、ということです。何よりも怖いのは、そこに気づいていない状態です。

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はじめに

1.代替品の脅威-具体例

 

1-1 ベネフィットは何か?

マーケティングの世界で言われているベネフィットに近いですね。マーケティングの世界では、お客さんは穴を掘りたいからドリルを買うという考えがあります。

  • 目的-穴を掘る
  • 手段-ドリルを使う
  • 結果-ドリルが売れる

では、仮にです。もしもスマートフォンで穴が掘れるようになったらどうなるでしょうか?

  • 目的-穴を掘る
  • 手段-スマートフォンを使う
  • 結果-ドリルは買わない

よって、ドリルは売れないわけです。

1-2 代替品の例

  • デジカメ→携帯電話やスマートフォン
  • CD→デジタルコンテンツ
  • 書店→オンライン書店
  • ラーメン屋→カップラーメン
  • 映画・テレビ・レンタルビデオ→youtube
  • パソコンスクール→ツール

 

お客さんは、商品が欲しいのではなく、その商品を購入して、利用することによって得られることを求めている!と考えるのなら、原則、全ての商品・サービスが代替品になりうる可能性を持っているわけです。

もしもあなたがある音楽を聴きたいとしますよね?ひと昔前であれば、1000円払ってCDを購入していたかもしれません。ところが今はどうでしょうか?

i.tunesやGoogleストア、無料ダウンロードなど、CDを購入する以外にも選択肢はあるわけです。スマートフォン一つ持っていれば、いつでもどこでも好きな音楽が聴けますからね。

マイケルポーターもここら辺は数字に表れない部分なのか、説明がアッサリしていましたね。

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2.代替品をチェックするポイント-2つ

  • 既存製品より高機能、かつ低価格の製品か
  • その製品を生産している企業は大手か

それぞれをみていきましょう。

1.既存製品より高機能、かつ低価格の製品か

いくらデジタルカメラの技術が発達したとしても、写真だけをとってお友達と共有したいだけなら、デジタルカメラよりも携帯電話・スマートフォンを選びます。

デジタルカメラを使ってやりたいことは、携帯電話・スマートフォンでも代替可能だということです。

ここは議論をするところかもしれませんが、携帯電話・スマートフォンを契約すれば、無料で付いてきますからね。よほど、カメラやデジタルカメラにこだわりがなければ、携帯電話・スマーフォンだけで十分だということが解ります。

デジタルカメラとスマートフォンを持っていない状態で、どちらを買おうか迷ったら、私もスマートフォンを購入します。

多機能な商品が発売されれば、それだけで業界内で代替品の脅威は増してくるかもしれません。

2.その製品を生産している企業は大手か

ちょっとこっちが解りにくいかもしれませんね。すみません。

ポーター曰く、儲かっている企業は、いつ何を仕掛けてくるか解らない!ということを言いたかったのでしょう。

抽象に比べて大手ほど資金力に余裕があるため、ある時、ある瞬間、ある製品を販売することで市場のシェアをごっそりと奪い取ることをできたりします。

身近な例だと、Appleのi.watchですね。

i.watchがどこまでヒットするかは、この記事を書いている時点では予測できませんけれど、腕時計を製造・販売している業者にとっては脅威にもなりますよね。

もちろん、appleとしても、ここら辺の狙いはありますね。

腕時計を買おうかどうか迷っている人に対して、i.phoneと腕時計が一気に手に入るようなものですからね。Appleの信者なら絶対に買うでしょう。

もしかしたら、次はメガネやアクセサリーなど身体につけるものなら、何でもi.watchのように売り出すかもしれませんね。

インターネットが発達してからは、全ての製品・サービスが代替品の脅威に脅かされている状態になっているのかもしれません。

 

まとめ

代替品をみるときのポイントは2つです。

1.既存製品より高機能、かつ低価格の製品か
2.その製品を生産している企業は大手か

の2つです。

もちろん、私たちが費やす、時間、労力、お金は限られているので、この3つで考えると全ての商品・サービスが代替品になりうると思うのですが、ポーターはそこら辺は考えてくれませんでしたね。

 

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運営者情報

フリーランスのウェブデザイナー。元ディベート好き。30代でニートになる。2015年に本サイト:インプロ部がヒットして、副業ディベート講師として活動。 ホームページをゼロから収益化した実績が認めれ、35歳からウェブデザイナーになる。ウェブ制作会社・デジタルマーケティング会社を渡り歩き、複数社で経験を積み、現在はフリーランスのウェブデザイナーとして活動中。セミナーやオンライン相談の実践者として、現在は個人事業主の方向けにディベートやWordPress制作×集客を教えている。事業者の専門性をカタチにしたいと考えて、屋号は木村専門研究所に変更

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