エヴァンゲリオンネタ!なぜシンジはレイ・アスカではなく、カヲルを選んだか?

投稿日:2017年2月16日 更新日:

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久々のエヴァネタ。この記事でははじめて書きますけれどね。(笑)
知人にエヴァ大好きなディベーターがいて、こんなお話をしていました。

「エヴァのヒロインは誰か?」

カヲル君だろ!

 

はじめに

0.ヒロインの定義

そもそも何をもってヒロインといえるか?

主人公が選んだ相手、です。カヲルくんに決定。

え・・・少年漫画で男の子が主人公なら、女の子がヒロインになるのは当然でしょ?」と突っ込んだら、こんな反駁(反論に対する反論)を受けることに。

  • ヒーローとヒロインの関係が必ずしも男女なら、同性愛の物語は成り立たない。よって、必ずしもレイやアスカがヒロインである必要はない
  • 次に、カヲルくんが女性でないことを証明していない。確かに姿かたちは男だが、使徒である。形を変えることもできるのはないか?
  • カヲルくんの性別がわからない以上、ヒロインの定義が必ずしも女子でなくてよい。
  • ヒロインは主人公が選んだ相手と定義するのが、今回の場合は妥当である

妙に納得。。。ヒロインの定義が必ず女性でなければいけない、と立証できない限り、これ以上は何も言えませんでしたね。

反論を考える以前に、「面白い!」と思ったので、喜びの敗北宣言でした。

結論:ヒロインの定義:主人公が選んだ相手

 

1.【そもそも論】シンジはカヲルくんを選んだのか?

そのあとですが、「シンジはカヲルを選んだのか?」という質問が疑問が消えませんでした。確かに、一時期はカヲルくんに心を寄せているシーンはありましたが、映画版の「まごころを君に」では、アスカを選んだ気が。

それでも、もしかしたらカヲルくんが最後まで生きていれば、シンジはカヲルくんを選んでいたとも判断できますね。

そうだと思える根拠は3つ。

根拠1.女性恐怖症になってしまったシンジくん

かつてはハーレム状態の碇シンジ君でしたが、物語が後半に進むにつれて、

  • レイが人造人間だと知る
  • アスカは放心状態で抜け殻状態
  • ミサトさんから欲求不満の対象にされる
  • リツ子さんはデフォルトで怖い

エヴァ23話の「涙」は、レイが爆破して、ミサトさんからは迫られて、リツ子さんは壊れる。挙句の果てレイが人造人間であることを知らされる。それぞれ諸事情はあったのかもしれません。それでも、そんな諸事情をすべてぶつけられるシンジくんがいちばんかわいそうです。

よく心が壊れなかったな!と今でも思うのです。

さて、話は24話…完全に女性恐怖症なのか、人間不信になったシンジくん。

湖の前で夕陽を見ながら、「ミサトさんも、綾波も、アスカも怖いんだ。僕はどうしたらいい?」と湖の前で夕日を見ながら絶望に暮れているシンジくんでした。

そんな絶望のどん底に表れたのがカヲルくんでした。

根拠2 何となくカヲルくんの笑顔で癒された

一緒に湖を見ながら、優雅にカノンを歌っていたカヲル君でした。

歌はいいね。心を潤してくれる。
リリンの生み出した究極の文化の営みだよ。

何を言いたいのかがサッパリ解りませんでした。

挨拶を済ませて、

「カヲルでいいよ。」とにこやかに言われて、
「僕も、シンジでいいよ」と顔を真っ赤にしていました。

この瞬間ですが、シンジくんの中で孤独だった瞬間が消えました。

おそらく、タイミングがよかったのでしょう。

話は飛びまくって、映画「air・まごころを君に」です。

根拠3 そこにいたんだね。カヲルくんが決定打

「まごころを君に」の前半で、物語がシンジの脳内現象にトリップする直前のシーンですね。

リリスの姿がレイになって顔を歪めるシンジ。そして、発狂。

その姿が、カヲルくんに変わったときに、

「そこにいたんだね、カヲルくん」

と涙目で安らかな笑顔になるシンジくん。

リリスがレイだったときは、発狂寸前でしたが、リリスの中にカヲルくんがいたことを知ると、なぜか安心。

私たちは幽霊を見たらビックリするかもしれません。たとえ、それが肉親であってもです。私であればビックリします。

一方で、もしもその幽霊がかつて私が愛していた人だったら。そして、後追い自●を考えているくらい会いたかったら・・・

おそらく、幽霊であっても、目の前に現れてくれたことに喜びを感じてしまうでしょう。

このシーンを見たときに、やっぱりシンジくんにとってかけがえのない存在はカヲル君だったんだと判断できるわけですよ。

 

2.カヲルくんがシンジに何をした?

ここからが大事ですね。

なぜシンジくんが、こうもカヲルくんに惹かれたのか?いったいカヲルくんがシンジに何をしたのか?シンジくんがカヲルくんとコンタクトを取ったのはたったの5回です。

  • 湖で出会う
  • ネルフでトレーニングをする
  • 一緒にお風呂に入る
  • カヲルくんの部屋に泊めてもらう
  • 裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったんだ!父さんと一緒で裏切ったんだ!

のシーンです。

 

シンジくんにとって、カヲルくんはカウンセラー的な存在だったと考えてみました。

2-1 否定され続けたシンジくん

元々、シンジは、エヴァに乗りたくありませんでした。

ところが、ミサトも、レイも、アスカも、そんなシンジの気持ちはわかってくれません。

エヴァのパイロット=碇シンジとして接します。

そうしないと、人類が消滅しますからね。

若手社員が、中間層の人たちから、「キミは若いんだ。この国の将来を背負ってしっかり働けよ!」と毎日言われるようなものです。

少しでも「働きたくない」とぼやくと、「若いのに何を言っているんだ!若いのがそんなんだと日本の将来がダメになるだろ!」とおじさんたちからいつもプレッシャーをかけられている若手のような存在です。

正直、やってらんない気分だと思います。

ここら辺のネタは、常見先生の「エヴァンゲリオン化する社会」が参考になるかと思います。

一方で、レイやアスカはエヴァのパイロットであることに疑問を持っていません。

  • レイ:エヴァに乗ることが当たり前だと思っている
  • アスカ:エヴァのパイロット=自分の価値

ところが、シンジは「エヴァのパイロット=自分の存在価値」ラベルを張られているだけです。

誰も本当の自分なんか見てくれない!と思い、殻に閉じこもっていました。

例えば、女性が男性に「私ってどんな人に見える」と質問をしたら、こんな答えが返ってきたときと同じです。

「美人で服のセンスがいい子。」

・・・・外見かよ!

と、表面や社会的ラベルだけを張られて、内面は全力で無視されている状態です。

2-2 カヲルくんは、全てを受け入れた

ガラスのように繊細なんだね。君の心は。好意に値するよ。

この一言がやっぱり大きかった。

(弱いところも含めて)ありのままのキミが好きだよ!

というメッセージに聞こえたのかもしれません。

それを「好意に値する」と独自の解釈をしました。

相手のことをありのまま受け入れる

カウンセリングの世界では、ありのままの相手を受け入れる態度-受容的態度/共感的態度-といいます。

カヲルくんは、シンジくんに対して、この接し方を徹底的にしていました。

2-3 決定打!なぜかカヲルくんに自分の内面を打ち明けるシンジ

カヲル:
君は何を話したいんだい?
僕に聞いてほしいことがあるんだろう?

シンジ
色々あったんだ。ここで。来る前は先生の所にいたんだ。
穏やかで何もない日々だった。ただ、そこにいるだけだ。
でもそれでもよかったんだ。僕には何もすることがなかったから。

カヲル
人間が嫌いなのかい?

シンジ
別にどうでもよかったんだと思う。
ただ、父さんは嫌いだった。

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

カヲル
僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

・・・

このシーンの感想。

カヲルくんの人たらっしぷりがすごい・・・

君は何を話したいんだい?
僕に聞いてほしいことがあるんだろう?

と、シンジの考えを先読みする質問。

人から誘われる・・・てことはやっぱり何らかの理由があるからです。

特に年齢を重ねてくると、これは顕著ですね。

さて、シンジくんの答え

色々あったんだ。ここで。来る前は先生の所にいたんだ。
穏やかで何もない日々だった。ただ、そこにいるだけだ。
でもそれでもよかったんだ。僕には何もすることがなかったから。

何気ない答えですね。

シンジの返答を受けても、普通に聴いていれば、「ふーん、そうなんだ。(無関心)」「で、何なの?何が言いたいの?(結論を求める)」と思うはずです。

ですが、名カウンセラーカヲルくん。

こんな質問をします。

カヲル
人間が嫌いなのかい?

別にシンジは、「人間が嫌い」とは一言も言っていないんです。

当時10代半ばの私は、「え・・・なんでその質問が出てくるの?」と頭の中が???でした。

でも、こんな質問に即答するシンジくんです。

シンジ
別にどうでもよかったんだと思う。
ただ、父さんは嫌いだった

このやり取りのロジックが全然見えていませんでした。

未だによくわかりませんが、おそらく相手の思考をひとつ上のレベルに持って行って、そこから下に降ろさせる技術なのかなーと思います。

ひとつ上のレベル

人間が嫌いなの?

この質問にYESと答えられる人はいないと思います。

どういう意味だよ?と逆に突っ込みたくなります。

ですが、この状態のシンジくんは、カヲルくんを受け入れているから、素直にこの質問に答えます。

別にどうでもよかったんだと思う。

思う→つまり、本当かどうかはよくわからないけれど、おそらく「無関心だった」と曖昧な返事です。

この質問に対しては、誰がされても、そう答えるでしょう。

ですが、そのあとに本音がぽろっと出てしまいます。

ただ、父さんは嫌いだった

ここは断定的です。

そして、シンジくん自身も、

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

と我に返ってしまうんです。

どうしてこんなことを話すか?

  • 話しているうちに、本当の気持ちに触れることができた
  • その明確になった話を聴いてもらいたかった

だけかと思います。

これはカウンセリングではよくあるシーンです。

自分の話をしている状態は心が物凄くオープンになっています。同時に、その状態をもっと明確にしていきたい気持ちになります。

ちょっとしたカタルシス効果ですね。

その証拠にシンジくんは、

(どうしてカヲル君にこんなことを話すんだ)

と自問自答するのです。

カヲル君と話していて、カタルシスに触れたからでしょう。

 

はい、トドメの一言

 

カヲル
僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

 

ここまでくると、もうわかりません。

おそらく、「承認」という技術でしょう。

承認とは、私はあなたのことを受け入れてますよ!というサインを示すことです。

カウンセラーやコーチは安易にクライアントを褒めたりしますが、疑り深い性格のシンジくんのようなタイプにはこれは逆効果。

ダイレクトな本音のほうが響くわけです。

こう考えると、

僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない

はシンジ君にとって、ビッグフレーズだったのかもしれません。

カヲル君は傾聴、質問、承認が上手なのかもしれません。

カウンセラーに向いていますね。

 

3.最後に残酷なカヲルくん

ところが、カヲルくんは使徒でした。

その事実を知ったとき、シンジ君は、その事実を受け入れられませんでした。

嘘だ嘘だ!カヲル君が使途なんて、そんなの嘘だ

と現実を受け入れられませんでした。

もちろん、誰もこうなると思います。

自分のすべてを受け入れてくれたと思った人が、ただ単に自分を利用するだけの目的で近づいてきたとわかればさぞかしショックでしょう。

そして、シンジくんは、カヲル君に対して、

「裏切ったな。僕の気持を裏切ったんだ。父さんと同じように裏切ったんだ」

と非難しました。

「カヲルくんもみんなと同じだ。父さんやミサトさんのように、
僕がエヴァのパイロットだから優しくしていただけなんだ!」

と思っていたことでしょう。

 

受容的態度は強力

シンジくんがカヲルくんを選んだ理由は、カヲルくんの受容的態度でした。

カヲルくんは、シンジくんに共感をしていたわけではありませんが、「僕は君のすべてを受け入れる」といわんばかりのあり得ないくらいの受容的な態度を示していました。

自分の要求はいっさいなく、あくまでシンジくんの全てを受け止めるかのように接していました。

ミサト、レイ、アスカができなかったこと

ミサトさんは、どこかで仕事としてシンジくんを監視していました。もちろん、シンジに対しては親のように接している部分もありましたが、自身の父の復習や恋人の仇などの目的を達成することに意識が向いていました。

アスカは自分の価値観や考えをシンジにぶつけているだけでした。シンジはアスカを受け入れていましたが、逆の展開はほぼありません。「まごころをキミに」最後のシーンでシンジの本当の弱さを知ったときにアスカはシンジを受け止めるわけですが、時は遅し。そして、気持ち悪い・・・

レイは、シンジに心を寄せていたものの、やっぱりゲンドウの利益を優先していました。それ以前に、クローンだと知って、シンジはレイを恐れるようになりました。

誰一人シンジに対して、受容的な態度をもって接することができる人はいませんでした。

唯一できたのがカヲルくんでした。

ここまでくると、受容的態度が正解なのか?と思うかもしれませんが、一概にこれは言い入れません。

なぜなら、逆効果になるからです。

受容的態度や共感的な接し方のワナ

確かに受容的態度は強力なコミュニケーションツールなのかもしれませんが、一度でも「この人は私のことをなんでも受け入れてくれる」と思われたら、ずっと受容キャラを演じなければなりません。そこに双方のコミュニケーションは成立していないわけですね。

カヲルくんの接し方からもわかるように、カヲルくんはシンジくんといるときは、シンジくんにとっての最高の聞き役であり続けなければならないということです。

これは結構ツライです。

さて、あなたはカヲルくんのようになりきれるでしょうか?

 

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