Webディレクションは、高い成果を上げるためのWebサイトを構築し、クライアントに貢献することを目的に、その指揮官としてそのプロジェクトに携わるお仕事です。Webディレクターには、Webサイトの企画・編集・デザイン・制作など専門知識からチーム内外で立ち回り、プロジェクトを円滑に進めていくことが主な仕事です。
例えば、クライアントからサイトをリニューアルしたいと依頼を受けました。そんな依頼に対して希望に応じてリニューアルを始めるとします。しかし、その後に、「やっぱり前のほうがよかったなぁ」と言われたらどうでしょう。他にも、「何だかイメージ通りじゃない」と納得を得られないとどうなるでしょうか?よくウェブサイト制作の現場に立ちあうと、このような状況に出くわします。そして、これが続けば、Web制作プロジェクトはデスマーチの一途をたどるでしょう。
目次
ウェブディレクターの役割
お客様とウェブ制作者は上手にコミュニケーションが取れない?
- お客様が欲しいのは、Webサイトではなく、その先の結果!
- でも、ウェブ制作者の目的はウェブサイトを作ること
Webサイトを制作して、ユーザーから何らかの反応を得ること。それが、お問合せかもしれませんし、サービスへのお申込みかもしれません。それ以外にも、自社が提供するサービスをウェブで表現してほしいだけです。
一方で、Web制作者の目的は、納期までに、1日でも早くクォリティーの高いWebサイトを作ることかもしれません。もっと、ぜいたくをいうなら「会議よりも制作に集中させてくれ~」です。
お互いに進めべき道は一緒なのに、普段から見ている景色が全く違うため、コミュニケーションが円滑になされないことが多々あります
クライアントとウェブデザイナーの認識のずれ
- お客様自身が自分で本当に求めていることが何かを気づいていない。
- ウェブサイトが完成してから本当に欲しかったものに気づくこともある
- 一方で、Webデザイナーは、自分の制作作業に集中したい
-Webサイト・Webページ・バナー・イラストの制作などなど - 理想は、目と手だけを動かしたい。一緒に、足と口を動かすとパンクする
だからこそ、お客様の業務とWeb制作現場の間に入り、双方のコミュニケーションを円滑にする人たちが必要です。Web制作プロジェクトをを滞りになく進めていく役割がいないとウェブプロジェクトは上手く回らないのです。
その役割を担うのがウェブディレクターです。
ウェブディレクターの仕事内容
プロジェクトの関わる関係者(クライアントとウェブ制作現場)の間に入り、お客様の意図を汲み取り、プロジェクト全体を把握しながら、その内容をウェブ制作現場に伝えて、何をやるかを的確に指示を出す指揮官です。
ウェブディレクターの基本スキル
ウェブディレクターには、ウェブの基礎知識・基本スキルに加えて、他にも広範囲にわたる様々な分野のスキルが求められます。ウェブ制作のスキルに加えて、プロジェクトを運営して、クライアントにプレゼンするなど、そのスキルは数えきれないほどです。
一方で、全ての分野において高い能力が求められるわけではなく、クライアントの業種・職種、プロジェクトの内容によって求められるスキルはだいぶ異なります。
ウェブディレクターに求められる12のスキルと知識
ウェブ制作スキル
スキル項目 | 概要 |
---|---|
デザイン | イラストレーター/フォトショップなどデザインソフトの操作 |
システム | HTML/CSS/JS/PHPのフロントエンドからサーバーなどのバックエンドの知見 |
ライティング | ウェブライティングのスキル。ウェブに特化した文章を書く力、SEOに強いと理想 |
データ解析 | ウェブサイトのデーターを収集し、改善するためのレポートを作成 |
ビジネススキル
スキル項目 | 概要 |
---|---|
マーケティング | クライアントのサービス・商品の価値をユーザーに伝えるスキル |
企画力 | アイディアを形に落とし込み、提案するスキル |
交渉・折衝 | クライアントと現場で利害が対立したときに調整をするスキル |
指示・指示 | 全体を見渡して、プロジェクトに関わる人たちにやるべきことを伝えるスキル |
コミュニケーションスキル
スキル項目 | 概要 |
---|---|
ヒアリング | クライアントの要望や意図を聴くスキル |
ロジック | ヒアリングした内容を合理的に検証するスキル |
エディション | プレジェクトを最適な形でまとめるスキル |
プレゼンテーション | 自分たちのアウトプットを伝えるスキル |
ウェブディレクターが求められるスキルは以上になります。
ディレクション・ディレクターの本質
ディレクションの語源
もしも、あなたが、「ウェブディレクターって何だろう?」と思ったら、ディレクションの意味について考えてみるとよいかもしれません。ディレクションの語源は、「方向」です。ウェブプロジェクトでは、ひとつのウェブサイトを制作するために様々な専門家が関わることになります。
例:建設のサイトを作ることになった
- 政治家、議員、大手建設会社の担当、建設事務所の建築家
- ウェブデザイナー、フォトグラファー、ライター、コーダー、エンジニア
など全く違う方向を向いている人たちがひとつのプロジェクトに入ってきます。そういった多種多様な視点をひとつにまとめて、プロジェクトをひとつの方向に指揮する役割を担います。
海外にはウェブディレクターが存在しない?
意外かもしれませんが、アメリカではウェブディレクターは存在しません。詳しくは、Web×教育×採用のジャンルでリーディングカンパニーともいえるKROWL様の記事を参考にしてください。
記事の要約
- プロジェクトの管理はクライアント・担当者が行う
- ウェブ制作の進捗管理はデザイナーが自分でやる
- 利害が衝突すればディベートをすればOK
- 日本では責任の所在が曖昧だから間に入る人とが必要
アメリカのWeb制作会社でWebディレクターがいない理由は、アメリカ系の外資系企業に翻訳・通訳がいないと同じ理由かもしれませんね。スタッフ全員が英語劇て当たり前と言わんばかりに、スタッフ全員がディレクションができて当たり前な文化があるのでしょう。
なので、もしもあなたがウェブディレクターとして働きたい場合は、アメリカではなく、フランス、イギリス、スペイン、中国、メキシコ、ロシアあたりを選ぶとよいでしょう。きっと何かのお仕事にありつけます。保証はしませんが、、、、。
令和時代は「ディレクション」だ
最後に、ウェブディレクターの方へ――――
最後まで読んで頂きありがとうございました。2018年はデザイナーと方と組んでお客様のウェブ制作案件をこなしていました。ディレクターの「デ」の字もわからずに2019年から即興でウェブディレクターになって、「何でも屋」として立ち回っています。
で、気づいたこと・・・2つ
この職業・・・拡張性が高い!
ウェブディレクターは、ウェブ制作業界では「何でも屋」的なポジションかも知れませんが、仕事の幅が広いのが魅力ですね。
私が目指していたのは、「Webプランナー」「Webコンサル」ですが、このお仕事は複業でやっています。平日はディレクターとして仕事をしながら、Web制作プロジェクトを網羅的に身につけて、WebプランニングやWebコンサルを楽しんでいます。
ディレクター=戦略を【実行】する人
世の中には素晴らしいビジネス理論やアイディアにあふれていて、高いスキルを持った人たちがたくさんいます。
一方で、こんな悩みもよく聞きます
- その素晴らしい理論・アイディアを実行できない
- 高いスキルがあっても活かせずに眠らしている
この問題の本質は、アイディアやリソースをディレクションできる人がいないことですかね。経営の世界だと戦略を考案する人と実行する人を分けたほうがいいと言われていますが、その考案した内容をかみ砕いて実行サイドに伝えられる人も必要ってことですかね。