社会心理学-認知的不協和理論とは?byレオン・フェスティンガー

2016年1月14日

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ハーズバーグマズローの限界点

人は、己の中に矛盾した行動があると認知すると、その状態に対して気持ち悪さを覚えます。

そして、その気持ち悪さを解消するために、自身の態度や行動を都合よく解釈する癖があります。

自分の行動が一貫していると思わせることで心身のバランスを保とうとします。

これを「認知的不協和と呼びます。

人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態です。またはそのときに覚える不快感を表す状態ですね。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されました。

即興ディベートワークショップ2019

0 はじめに

1.レオン・フェスティンガーの実験

シャベルで土を掘る実験

学生達を集めて、グループをAとグループBに分け、ある作業をさせました。それは、ひたすらシャベルで土をすくい上げるだけの単調作業です。

正直、誰がやっても面白いもと感じません。

  • グループA:十分な報酬を支払う
  • グループB:報酬を支払わない

その代わりに、作業そのものの楽しさを伝えるだけでした。

1-1 アンケートの内容と結果

最後に、グループAとBの学生にアンケートを配りました。「この仕事は楽しかったですか?」という質問にYESかNOで答えるだけの簡単なアンケートです。

その結果、グループAの学生よりもグループBの学生の方が「今回の作業は面白かった」と肯定的に応える人の方が多かったのです。

え!Bの人たちは超ポジティブだから?

ではありません。

血液型はネタです。関係ありません。そもそも血液型で分類もしていません。(血液型信仰は海外にはない!)

さて、何が起こったのでしょうか?

1-2 学生たちは都合の良い現実を見た

グループB(報酬が与えられない)の学生は、「実は、この作業は面白かったのかもしれない」「楽しいからこの作業をしているだ」と、作業中に自分達に言い聞かせてしまいました。

つまらない作業をさせられている、しかも無報酬で、という不満を解消しようとしたのです。

ウソでもいいから、「この作業は面白かった」「自分たちは意味のあることをしている」と自身に言い聞かせることで、無報酬で労働をさせられたというフラストレーションを和らげることができるからです。

1-3 ロミオとハムレットの物語

ハムレット:「ちょっとジュリエット・・・ロミオが浮気しているのよ!」
ジュリエット「そんなことない!ありえないわ。ロミオは浮気なんてするような人じゃない!あたしにぞっこんよ。」
ハムレット「何を言っているの?浮気相手はあなたよ!!人の主人に手を出さないでくれる!」
ジュリエット「あなたたちが結婚しているなんてウソよ!絶対に昼ドラの見過ぎなんだから・・・」

・・・世にも奇妙な物語で似たような物語がありましたよね。

戸田恵梨香が主演したあの物語。

即興ディベートワークショップ2019

2.イソップ童話から学ぶ

キツネとブドウ

先ほど紹介したフェスティガーの「認知不調和」理論をおとぎ話にしたのが、イソップ童話の「キツネとすっぱい葡萄」です。

2-1 狐はブドウが食べたくて仕方なかった

ある日、キツネは散歩をしていたら、美味しいブドウが実っている木を見つけました。

それはそれはあまりの美味しさによだれが出るほどでした。喉から手が出るほど食べたかった葡萄です。

そして、キツネは木の上にある葡萄を手に入れようと、豪快にジャンプをしました。トウ!

と・・・届かない!

でも、やっぱり手に入らないと悔しいから何度もジャンプをするのです。そんなキツネを見て、松岡修三が後ろで応援してくれました。

「諦めんなよ!」
「諦めんなよ!」
NeverGiveup

残念ながら、獲れません。松岡修三が、木に登って獲ってあげればよいのに。。。。ところが、後ろで応援しているだけです。

2-2 突然、「あのブドウは酸っぱいんだ」と言い出した

狐は、ブドウを取るための方法は2つしかない!と気付きました。

  • ジャンプ力が今の10倍になるまで修行する
  • 界王様にお願いして地球の重力を1/10にする

葡萄には手が届かないことに気づきました。

ムリなもんはムリ!

最後に「あのブドウは、すっぱいに違いない!まずいんだ!」と捨てセリフを残してその場を去っていったのです。

松岡修三も、「キツネは動物だからな。オレのメッセージが理解できるわけないよな」、と諦めました。

2-3 狐の本音と現実

「狐は人ではないだろ!」というツッコミはさて置き…なぜ現実を塗り替えたか?

狐は、心の底ではブドウが食べたかったのですが、「そのブドウが獲れない自分」「頑張ればとれたのに、努力をしたくない自分」「諦めた自分」の弱さを認めることができなかったからです。これを認めることは凄くつらい。

だから、「あのブドウは酸っぱい」「本当はブドウを食べたくなかったんだ」と自分に言い聞かせて、諦めた自分を否定せずに肯定する道を選びました。

3.認知的不協和は解消するべきか?

もしもこれがビジネスの問題で、一部の人達の認知的不協和が会社に多大な損害を与えているのならば、解消するべき問題かもしれません。もちろん、カンタンではありません。(経路依存性)

個人の問題であれば、様子見は必要でしょう。一度思い込んだら、そう思い込みたいのが人間です。無理をして解消をする必要はないと思います。

ちなみに、コーチングやカウンセリングの世界でも、個人の任地に修正を加えて、その人のをよい方向に導く療法はありますが、やっぱりカンタンではありませんでした。

ディベートであれば、ひとつの事柄に対してよい面と悪い面をちょっと強引に引き出して、あえて戦わせて、最後の最後に結論付けをする手法もあります。

私が最も得意とするところなのですが、良くも悪くも皆さん、どういうわけか「良い」「悪い」ではなく、第3の道を見つけてしまいます。成功しているのか、失敗しているのか?どっちなんですかね?

 

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運営者情報

フリーランスのウェブデザイナー。元ディベート好き。30代でニートになる。2015年に本サイト:インプロ部がヒットして、副業ディベート講師として活動。 ホームページをゼロから収益化した実績が認めれ、35歳からウェブデザイナーになる。ウェブ制作会社・デジタルマーケティング会社を渡り歩き、複数社で経験を積み、現在はフリーランスのウェブデザイナーとして活動中。セミナーやオンライン相談の実践者として、現在は個人事業主の方向けにディベートやWordPress制作×集客を教えている。事業者の専門性をカタチにしたいと考えて、屋号は木村専門研究所に変更

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