マーケティング・ミックスをご存知でしょうか?色々なマーケティングの要素を混ぜ合わせて、戦略的にマーケティングを仕掛けようぜ!というものです。
提唱したのは、マーケティング学者として有名なジェローム・マッカシーさんです。
はじめに
エドモンド・ジェローム・マッカーシー
出典:http://www.toolshero.com/toolsheroes/jerome-mccarthy/エドモンド・ジェローム・マッカーシー(Edmund Jerome McCarthy、1928年 - )は、アメリカのマーケティング学者である。マーケティング・ミックスの4Pを提唱した学者である。
マーケティングという概念は昔から存在はしていました。ところが困ったことに、マーケティングを教える人によって、教え方が千差万別だったため、教わる私たちとしては本当に困るわけです。
だからこそ、あらゆる教え方をひとつにまとめられないか?とマッカーシーさんは考えたわけですよ。
マーケティング・ミックスは「P」だよ?
理由はよくわかりませんが、マーケティングの教科書を開くとPという言葉をちらほら見かけます。おそらく、マーケッターは、どんなことでもPという言葉に置き換えて表現をしたいのでしょう。
その証拠にほら
- 製品(Product)-何を
- 価格(Price)-いくらで
- 流通(Place)-どうやって
- プロモーション(Promotion)-誰に
これ有名なマーケティングの4Pです。マーケティングのキーワードを全てPで表現できて、マーケティング学者たちは心の底から喜んだみたいです。それ以来、マーケティング学会では、Pという言葉が沢山使われるようになりました。
そんなことはどうでもいいですね。
1、製品(Product)-何を
その名のとおり、商品やサービスです。お宅の事業は何を販売をして稼いでいるんですか?という質問に対しての答えです。
- 顧客はどのようなニーズをもっているのか?
- 製品・サービスを通してそのニーズを満たせるのか?
- 顧客にどのように使ってもらいたいのか?
と、マーケッターが考えることはたくさんあります。
エアコンを売るシーンを創造してみてください。一昔前なら、「高機能」・「低価格」「省エネ」を前に押せば売れました。
ところが今はそうではありません。安くて、高品質、省エネは最低ラインです。それができた上で、お客さんにどんな価値を提供するかが求められてくる時代になりました。
例えば、寒い冬に帰宅をして、がくがくブルブル震えている中スイッチを押せば、身体も心もポカポカになれてハッピーになれるエアコンを造ろうぜ!と訴えます。
「こたつで十分じゃん!」と思うのは私だけでしょうか?
2、価格(Price)-いくらで?
商品・サービスの価格をいくらにするか?ってところですね。ここら辺は、ライバル企業の動向とお客さんの懐具合を見ながら決めるのが王道かと。とりあえず便利なのが3Cです。
この後に紹介するコトラーさん的にいうと、価格を決めるときは業界のトップがいくらでその商品を販売しているかを調べて、それに合わせて価格を調整するのがポイントです。
- トップ企業と真っ向から勝負をする→差別化戦略(チャレンジャー)
- トップ企業と勝負をせずに安めにして売る→追従戦略(フォロワー)
- どこの企業とも勝負をせず虎視眈々とスキマを狙う→隙間戦略(ニッチャー)
お馴染みのユニクロやH&Mがトップのアパレル業界を例に・・・チャレンジャー戦略の代表例は、バーバリー・シャネルの戦略ですね。高い価格を提示して、きらびやかなイメージを演出して、真っ向から勝負を仕掛けます。対して、フォロワーは、トップのマネをして少し安く売ります。シマムラですかね。
ニッチャーは、学生時代にマルイであなたが気にいって購入した商品です。あなたは、何となく欲しくなって、ちょっと無理をして奮発をして買ったのかもしれません。ところが、売る側はそんななたの「なんとなく」を狙っています。
3、プロモーション(Promotion)-誰に
広報や販売促進ですね。
経営戦略では、商品・サービスを用意して、価格を決めるところまでしかタッチしません。ところが、マーケティング戦略では、商品・サービスを開発して価格を決めたら、1つでも多く販売する方法を考えないといけません。
A社とB社で同じような製品・サービスを同じ価格で販売しているのに、売上が違うのであれば、プロモーションの違いなのかもしれません。
4、流通(Place)-どうやって?
商品・サービスをお客さんに届けるまでの手段ですね。当たり前かもしれませんけれど、お客さんは超受け身です。基本、手間暇を使って商品・サービスを探すなんてことはまずしません。
販売者側から、その商品にアクセスしやすいように様々な仕掛けを考えないといけません。
4Pが廃れてしまい、4Cへシフトした
さて、マーケティングミックスの王道とも言える4Pですが、どうしても売り手の一方的な視点になってしまいました。
「顧客が売り手に対して何を求めているのかを考えようぜ!」と訴えたのが同じくマーケティング学者のロバート・ラウダーボーンさん。ロバートは、4Pの代わりに4Cを提唱し始めました。
- 製品(Product)→顧客価値(Customer value)
- 価格(Price)→顧客コスト(Customer cost)
- プロモーション(Promotion)→コミュニケーション(Communication)
- 流通(Place)→利便性(Convenience)
原型は、4Pと全く変わりません。ポイントは、マーケッターの手法よりも、お客さんが何を考えているかを先取りして考えるのが4Cです。
- 顧客価値(Customer value)
顧客は、商品・サービスを通じて人生が豊かになること、ハッピーになることを求めている。 - 顧客コスト(Customer cost)
一時的に支払う料金で購買を決めるのではなく、長期的に考えてお得かどうかが大事 - コミュニケーション(Communication)
一方的に、製品を売りつけられるのではなく、もっと企業と双方向にコミュニケーションを図りたい。最終的には、自分たちのニーズを満たしてくれるものを知り、自分たちで選びたい。 - 利便性(Convenience)
どこで商品を購入するかとか面倒なことはどうでもいい。とにかく手間暇かけずに買ったらスグに手元に届くのが理想。
まとめるとお客さんは、昔と比べて頭がよくなり、自分が欲しいものを事前に調べあげ、価格もトータルでお得かどうかを考えて判断をする。一方的な売り込みはいやよ。買いたいときに買うからいつでも買えるようにしておいて!という本音が潜んでいます。
コトラーが提唱した残り3つのP|物理的根拠、プロセス、人
製品、価格、流通、プロモーションだけだと、ネタに尽きたのか、コトラーさんが新しいPを追加しました。
- 物理的根拠
- プロセス
- 人
コトラーさんは、従来の4Pだけだと足りないよー、と言いたかったのでしょう。ここら辺で、「顧客志向マーケティング」なんて言葉が流行りました。マーケティングって本来そういうものじゃないの?と思うのは、私だけでしょうか?
ひとりひとりマーケティング
お客さんをマス・セグメントとした集団として捉えるのではなく、一人ひとり違うというところからスタートしています。要するに、オーダーメードです。
- 提案
- パッケージ
- 個別化
これが上手にできているのが学習塾や家庭教師ですかね。
「みなさ~んにとっていい製品・サービスがありますよ~」だけでは売れなくなったみたいです。(そんなことはないと思いますが)
さいごに
全てを完璧にしようとしたら、失敗するのがマーケティングだと思って下さい。適切なタイミングで、どの要素をどのようにどれくらい取り上げるのかということは、企業のマーケティング戦略によって異なってきます。
最後に判断をするのはあなたです。