楽しく学べる経営戦略フレームワーク。ビジュアルと事例あり。
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ここではAハンフリーが提唱したSWOT分析について学んでいきましょう。
経営戦略の教科書を開くと、まず最初に学ぶのがこのSWOT分析です。マーケティング系から手をつけると、「3C+1Cの法則-顧客、ライバル、自社」になりますかね。
SWOT分析とは?
自社が保有する経営資源の中から「強み」「弱み」を洗い出します。強みは、StrengthのS。弱みは、WeaknessのWです。
続いて、自社を取り巻く外部環境をチェックして、機会と脅威を洗い出します。機会は、Opportunityです。脅威は、Threatです。
これらの頭文字を取ったのがSwot分析です。
SOWT分析から導き出される4つの行動
強み、弱み、機会、脅威の4つでマトリックスを作ったら、次はその4つから選ぶべき行動を導き出しましょう。
強み×機会→積極的攻勢
チャンスと強みがマッチしたら一気に攻める戦略です。上手だったのがソフトバンクです。ソフトバンクは、後発組であるため、国内のシェアの低く、それがが弱みとして思われていました。
ところが、ドコモやKDDIのように母体企業の圧力がなく、柔軟な動きが取れることができました。だから、他の二者よりも早くAppleにアプローチができました。結果、i.Phoneの独占契約ができました。
これ以降、ソフトバンクはドコモ、KDDIと肩を並べられるようになりました。
強み×脅威→差別化戦略
業界が沈んでいても圧倒的な強みがあれば一人勝ちできる、ということですね。代表的なのが、ユニクロやAMAZONです。
■事例1 ユニクロ-低価格高品質の実現
2008年のリーマンショック以降、海外の高級アパレル店が日本から撤退する中、ユニクロは低価格高品質を武器に国内で圧倒的なシェアをとりました。市場拡大を狙い海外に出店もしました。次は高級ブランド戦略ですかね。
■事例2 AMAZON-在庫センター保有するネットショップ
AMAZONが他のネットショップと違ったところは、自ら在庫センターを保有したことでした。ネットショップは、在庫を保有しないことで在庫コストを浮かすのが旨みです。
AMAZONは、その考えを逆に利用しました。在庫サービスを代行することで、他のどのネットショップよりも迅速に、確実にお客様に商品を届けるサービスを確立したのです。
弱み×機会→弱点強化
市場の機会を利用して弱点を強化できたのは、ThinkPadを販売している中国のLENOVO社ですかね。
元々どんな事業をしていたか解らない会社でした。2004年にIBMからパソコン部門を買い取ることにより、パソコンを知っている人なら誰もが知るメーカーの仲間入りを果たしました。
レノボの弱み
ThinkPadのように強力なネームバリューを誇る商品を保有していないことでした。12億5000万ドルと聞くと想像もできない金額ですが、強力な製品の商標権をゲットできることを考えれば安かったのでしょう。
市場の機会
- 中国国内の成長に伴うパソコン利用者の増加
- スマートフォンやタブレット市場が今後主流になる
レノボにとって、IBMのパソコン部門の買収はM&Aとして成功だったといえるでしょう。では、それをIBMから見たらどうなのか?
弱み×脅威→防衛撤退
在庫を持たないソフトウェアサービスに完全移行したいIBMにとって、パソコン部門は収益性が低く金食い虫でした。せっかく自分たちが育ててきたブランドでも切るときはバッサリ切るあたりがアメリカ的ですね。
IBMは、レノボにパソコン事業は売却したのですが、完全にThinkPadを手放したわけではありません。レノボの協力会社としてThinkPadのサポートを行う部門を設立してちゃっかり儲けいています。
製造部門だけ切り離して、サポートや運用、販売代行を行うなどして、無在庫企業の旨みをゲットしているわけです。
最後は、レノボとIBMの話になりましたが、両企業とも持ちつつ持たれつつ何ですね。
以上、SWOT分析でした。