ディベートのテーマネタ!価値論題は高度な知識や思考力が求められる

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ディベートは?
ディベートの基礎知識-4つの特徴-

論 ねぇ、ディベートってよく聞くけれど、実際はどんなものなの? 論 議論や討論をゲームにしたもの!って感じかな。 ディベートとは何か? 目的と効果は? やり方のコツは? この記事では、「ディベート」に ...

の記事の続きです。

以前、学校の授業で死刑の是非について何度かディベートをやったのですが、死刑について調べることが多くて挫折しました。犬と猫どっちがいいですか?程度の簡単なテーマでディベートはできないものなのでしょうか?

 

先日、ディベート甲子園に見学に行ってきたのですが、中学生や高校生がすごく早口で話していて全然ついていけませんでした。あれを自分たちのクラスで行うのは難しいかもしれません。もっと簡単な方法はあるものなのでしょうか?

 

なんて相談をよくされるようになりました。

 

おそらく、政策論題のアカデミックディベートの公式戦を見たことが原因でしょう。ディベート界隈ではスタンダードなのですが、いったい何について議論をしているのか途中でわからなくなると思います。

 

そこで取り組みやすい価値論題をお勧めしたいんですね。

 

即興ディベートワークショップ2019

価値論題とは?

ディベートのジャンル・テーマのひとつです。

ディベートのテーマには、価値論題、推定論題、政策論題と大きく分けて3つほどあります。
各テーマの違いについては表を作ったのでご覧ください。

論題名内容難易度
価値論題ある価値観と別の価値観を対比させる
→猫と犬、どちらのほうが良いか?
推定論題特定の事実について「より正しいかどうか」について議論をする
→AIは人の仕事を奪うか?
政策論題ある政策・法案を可決するべきかを議論する
→日本政府は、法案Aを行うべきか?

価値論題は、ある価値観と別の価値観を対比させる形で進めていくディベートです。

  • 結婚組と独身組どちらが幸せか?
  • 自営業とサラリーマン、どっちのほうが安定しているか?
  • お金を持っていれば、「必ず」幸せか?

など、異なった価値観の是非について議論をするスタイルです。価値論題は、言葉こそシンプルですが、シンプル故に実際にディベートをすると初心者の方はドツボにハマると思います。

価値感の論争がいちばん難しい

libellule789 / Pixabay

価値論題は簡単そうに見えて最も難しいディベートのテーマです。その理由が、私たちの周りである「しょせんは価値観の違いだよね!」についてあえて決着をつける形で議論に挑むからです。

犬よりも猫のほうがいい理由を示せますか?

犬と猫、どっちのほうがよいか?

真理
そんなの好き嫌いでしょ!

いや、それじゃディベートにならないから・・・

この「良いか」に対しても、個人の価値観を超えて、あえて論理を構築しなければなりません。そのためには、まず「よい」の定義を明確に設定して、そのうえで論理を構築しなければならないんですね。非常に高い思考力が求められるわけです。

そのため、価値論題は、いっけん馴染みやすいテーマに見えて、ディベートの中では、最も難易度の高いテーマです。

真理
え?そうなの。簡単そうに見えるけれど・・・

なら、「犬」と「猫」・・・どっちがいい?

真理
え?(どっちもどっちでしょ)

はい、ディベート終了!

どうでもいいことを掘り下げて考える!

これが予想以上に難しいのです。

高い抽象思考とその思考を掘り下げて具体化する言語力が問われます。

即興ディベートワークショップ2019

マイケル・サンデルもできないかも

12019 / Pixabay

マイケルサンデルと言えば、ハーバード大学の哲学の教授。「これからの正義についての話をしよう」が有名ですね。

マイケルサンデルは、教授の立場で壇上から、大学生たちにたくさんの問いかけをしていましたが、学生たちに考える機会を提供しました。そして、あの中で結論のようなものは出てきませんでした。色々な考え方があるよね!が結論でした。

価値論題では、この「色々な考え」を対比させていく形で行っていきます。

これがどんなに難しい事か?

マイケルサンデル自身、壇上から生徒に指をさして質問を投げましたが、自分が舞台から降りてきて、学生たちとはディベートはしませんでした。

つまり、そういうことです。

学校の先生たちの中にも、学生に「価値論題」でディベートをさせたがる方にお会いしますが、まずはご自身で体験することをお勧めします。
上から言うのはカンタン!実際にやってみると難しい!です。

 

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運営者情報

フリーランスのウェブデザイナー。元ディベート好き。30代でニートになる。2015年に本サイト:インプロ部がヒットして、副業ディベート講師として活動。 ホームページをゼロから収益化した実績が認めれ、35歳からウェブデザイナーになる。ウェブ制作会社・デジタルマーケティング会社を渡り歩き、複数社で経験を積み、現在はフリーランスのウェブデザイナーとして活動中。セミナーやオンライン相談の実践者として、現在は個人事業主の方向けにディベートやWordPress制作×集客を教えている。事業者の専門性をカタチにしたいと考えて、屋号は木村専門研究所に変更

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