タダより高いものはない!
逆に考えると、
タダで与えるほど儲かる!
クリスアンダーソン氏著書の「フリー(free)からお金を生み出す新戦略」は、ご存知でしょうか?
インターネットの普及とコンテンツがデジタル化される流れは止まることがありません。今後、音楽、書籍、ゲームなどあらゆるメディアが無料で販売される時代が、もうここにきています。そんなフリー時代のビジネスモデルについて紹介をしていきます。
はじめに
フリーのビジネスモデルは4つ
- 1.直接的内部相互補助モデル
- 2.三者間市場モデル
- 3.フリープレミアムモデル
- 4.非貨幣経済モデル
それぞれを見ていきましょう。
1.直接的内部相互補助モデル
あるものを1つ買えば、2つ目は無料で手に入るビジネスモデルです。「直接的内部相互補助」とクリスアンダーソン氏は定義しました。英語でこれを、「バイワンゲットワンフリー」と言います。要するに、ひとつ買えば、もう一つは無料で手に入ります。
- 在庫が処分できる
- お客さんがお得だと感じる
- キャッチコピーにもなる
販売者側のメリットは在庫の処分です。物販を経験したことがあるのなら、在庫が悪なのは肌感覚で理解できていますよね。ドンキーホーテも在庫の山で悲鳴を上げています。
値下げをして早く売ろうとすると、「あの店は儲かっていない」「安くなったタイミングで買おう」と思われて、お客さんからナメられます。
次からは定価で買ってもらえないでしょう。
たくさん売りたい!
極力値下げはしたくない!
そこで、バイワンゲットワンフリー!です。また何よりも、50%offは、どこのお店でも目にしますが、無料で差し上げます!の方がインパクトがあります。
「無料」という言葉が意識に残るからです。
無料で商品をもらって、「得をしたー」と感じてもらえたら、お客さんはそのお店をする気になります。リピーターになって、また来店してくれるのです。(返報性の原理)
2.三者間市場モデル
顧客が無料で商品・サービスを得るために、広告主を利用するモデルです。数あるフリー戦略の中でもっともイメージしやすいのが、この三者間市場モデルではないでしょうか?
無料でコンテンツを提供して、ユーザーにはタダで価値を提供します。その代わりにを見てもらいます。
代表的なのが以下のビジネスモデルですね。
- テレビ・ラジオ
- ネット配信サービス
- スマフォのアプリ・ゲーム
私たちは、「無料」と聴くと爬虫類のように飛びつきます。一部の層が飛びつけば、彼らが口コミを広げてくれて、拡散します。(社会的証明)
その中で、数パーセントの人が商品を購入してくれれば、販売者は儲かるのです。(実際に儲かっていない場合の方が多いけれど)
ちなみに、破格の値段で商品を購入してもらって、更に広告を見てもらう戦略もあります。お金を払ったお客さんの方が、そうでない広告に興味を持ってもらえるからです。(一貫性の法則-影響力の武器より-)
映画館で映画の宣伝をされてイヤがる人はいません。そもそも映画に興味があるから映画館にきているわけです。別の映画の宣伝をされても「あ、次はこんな映画があるんだー。また来よう!」となるわけです。
もちろん、宣伝ばかりだとイラっとしますが。
3.フリープレミアムモデル
無料でサービスを提供をして、お客さんを一気に集めて、その中の一部の人が有料サービスを利用することで利益を上げるモデルです。mixiプレミアム(月額300円+消費税)やアメブロの広告外し(月額980円)は、フリープレミアムモデルです。
デジタル商品は、複製コストがきわめて安く(ほぼ無料)、大量の無料コンテンツを配布することが可能です。その中で興味を持ってもらった10%程度の人が有料サービスを利用するだけで、利益が上がります。
たとえ90%の人が無料で利用してもです。10%と90%の数字が逆転していると言われています。
4.非貨幣経済モデル
さて、最後の非貨幣経済モデルです。一瞬「なんだ?」と思いましたが、お金を介入せずに製品やサービスすることを指します。
ウィキペディア、SNS、無料ブログに代表されるように、ユーザーにサービスを無料で提供することで、ユーザーは無料でコンテンツを提供することで、最終的にその企業が儲かる算段です。
ユーザーの利益は、人から注目される、特定の目的を果たせる、やりたいことができる、など様々ですが、間接的に企業の営利活動にボランティアとしてコミットしてくれます。
直接的ではありませんが、先ほどのジャンプを立ち読みしてコンビニや出版社が儲かるのも、非貨幣経済のモデルが応用されているのも何となく読めてきますよね?
最後に
フリーのモデルは組み合わせ次第では無数にできますが、何でも無料にすれば売れるわけではありません。
また、本来だったら無料で提供できるものを、あえて有料で提供して話題を呼び、利益になった事例はたくさんあります。
それと同じくらい、競合からスグにマネをされてしまい、競争がさらに激しくなった、なんて事例も耳にします。
そう考えると、フリーは案外と難しいのかもしれませんね。