さて、マズロー議論もいよいよ大詰めです。
マズローによると、人は帰属欲求が満たされると、次はそのグループの中で皆から「認められたい!」「尊敬されたい」と、周囲からの称賛を求めるようになります。
例えば、昇給・出世を目指して仕事に励むのも、人から認められたいからです。逆に考えると、大企業で取締役になっても、誰からも認められなければ、誰も出世しようとは思いません。
はじめに
1 自尊の欲求(承認欲求)
「人から認められたい」という欲求です。お金持ちになりたいのも、異性からちやほやされたいのも、全てはこの承認欲求によるものです。
近頃は、出席に興味を示さない若者が顕著です。管理職になってプレッシャーを感じるのなら、平社員の方が気が楽だ、とという価値感をお持ちの方もいます。若者は昔と比べて承認欲求が弱まったのか、という説もありますが、これも違います。
会社で出世をすることだけが、承認欲求を満たす手段ではないからです。
プレッシャーや面倒な仕事が増えるのなら、他の手段で承認欲求を満たすことを考えてしまうのかもしれませんね。
恋愛にも同じメカニズムがありますよね?好きな人から選んでもらえた!と感じたときはやっぱり飛び上るほど嬉しいです。
シンプルなのですがやっぱり相手を褒めることです。ただ表面的に褒めるのではなく、普段人が見ていない部分をみたり、外見には現れない部分を見つけてそこを褒めることです。「あ、この人は私のことをちゃんと見てくれているんだ」と相手から思ってもらえることが大事になってきます。
2 自己実現
さて、承認欲求が満たされるとどうなるか?他人の評価を気にしなくなります。本当に自分のやりたいことに向かって走り出します。
アインシュタインやエジソンは、大きな成功をして万人から認められるようになりました。お金にも困らなくなりました。さて、2人はそれからどうしたかというと、今迄通りに研究に没頭していました。
なぜなら、2人にとって発明や研究そのものが自己実現だったからです。
ジョブズが、年俸1ドルという条件でアップルのCEOに戻ったことはご存知かと思います。目先のお金よりも「世界を変えたい」という己の自己実現に走りました。
ジョブズやエジソンのように、他の欲求はどうでもよくて最初から自己実現欲求しか見ていない者もいるのです。だから、お腹がペコペコでも借金を抱えてピンチな状態であっても、頭の中では「世界を変える」ことでいっぱいで他のことは考えられないのかもしれませんね。
ただ、それは一部の天才と言われる人達の話であって、私たちは、生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→自尊欲求→自己実現欲求と一つ一つを満たしていきましょう。無理をすることはありません。
今必要なこと、求めていることを精いっぱいやって次のステージに行けばよいのです。少しずつでも前に進んでみて、自己実現を目指す生き方も悪くはないですよ。