ホワイトカラーエグゼンプションと残業代ゼロ法案の違い

ホワイトカラーエグゼンプションとは何者か?残業代ゼロ法案との違い

このテーマでは、何度も議論・討論、ディベートをしてきたためか、ちょっと詳しくなりました。

 

ホワイトカラーエグゼンプションの定義

 

ホワイトカラーエグゼンプション(頭脳労働者脱時間給制度、英: white collar exemption)とは、ブルーカラーのような肉体労働者や製造業従事者以外のスーツを着てオフィスで仕事をするホワイトカラー労働者の一部に対する労働法上の規制を緩和・適用免除すること、またはその制度である。各国の労働法制において、労働時間の規制がなされていることを前提として、その規制の適用を免除し、または例外を認めることで、労働時間の規制を緩和することをいう。狭義には、労働時間そのものに関する規制についての緩和を指すものである。

wikipedia

 

ホワイトカラーエグゼンプションのカラーのcollarとは、「襟(えり)」のことであり、「色」のcolorではありません。

 

私も、最初は、色の方だと思っていました。

 

さて、質問です。

 

あなたはホワイトカラーですか?それともブルーカラーですか?

 

ホワイトカラー=頭を使う仕事/ブルーカラー=身体を使う仕事、という表現が差別なのでは?と主張する方もいますが、他によい表現がなかったので、今回は温かい目で見守ってください。

 

ホワイトカラーとブルーカラーの境目

 

どんな職種に就いているかは関係ないんですね。

 

そのお仕事が、専門的or創造的であり、裁量が労働者にあるかないかです。

 

ある和食やを例に考えてみましょう。

 

その和食店は、店長、料理長、料理人、ウェイターの4人が働いていていました。

 

営業時間:夕方17:00〜23:00です。
開店前の準備や閉店後の片づけもあるため、15:00〜24:00までのちょうど9時間。
1時間の休憩はあるため、、実労働時間は8時間です。

 

  • 店長-お店を経営すること。基本、現場には立たない
  • 料理長-お客さんが喜ぶようなレシピを考案すること
  • 料理人-店長の指示に従い大所で料理を作ること
  • ウェイター-お客さんの注文を伺ったり、料理を出すこと

 

さて、問題です。この4人の中で、誰が時間に縛られず自由に働けるでしょうか?そして、誰が働けないでしょうか?

 

店長 現場に足を運ばなくてもよいため、好きな時間に自分の仕事ができる
料理長 レシピを作ればよいため、必ずしも現場に行く必要はない。自由に働ける
料理長 注文がきたら、料理長のレシピ通りに料理を作らければならないため、自由に働けない
ウェイター お店の営業時間は、ずっと店内にいなければならないため、自由に働けない

 

店長も料理長も忙しいときは、時間に拘束されるんじゃないの?と思う方もいるかもしれませんね。
店長や料理長は、「成果はキチンと出すから、仕事の時間とか進め方は指図するな!」と言える立場です。

 

また、店長ですら料理長に対しては、レシピの中身については注文を入れることはできますが、ホワイトカラーエグゼンプションのルールでは、「営業時間中は厨房にいてくれ」「営業開始時間と終了時間だけは店に来てれ」と要求をすることはできません。時間での拘束をすると契約違反になっちゃうんですね。

 

なぜなら、レシピを作っている時間に対して賃金を払っているわけではなく、レシピの中身とその成果について賃金を支払っているからです。

 

但し、あまりにもレシピが悪いようなら、その成果に対してクレームをつけることはできます。最悪の場合、ホワイトカラーエグゼンプションの契約を一度解除して、普通の料理人にすることもできます。(解雇できるかどうかはまた別の問題です。)

 

対して、料理人やウェイターに対しては、お店で仕事をしている時間に対して賃金を支払っているので、営業時間の9時間であれば、拘束をすることはできます。(もちろん、1時間は休憩を与えなければいけませんが)

 

まとめる

 

  • 店長と料理長は、ホワイトカラーエグゼンプションのルールが適応される
  • 料理人とウェイターはホワイトカラーエグゼンプションの対象外になる

 

ところが、そこら辺の仕事の線引きが難しくグダグダになっているのが、現在の日本の問題です。

 

何が言いたいかというと、完全にホワイトカラーとして、時間に関係なく自由に働ける人たちはほとんどいません。
社員ではなく完全に自営業者という立場で、会社に雇われてなくフリーランスで働いている人たちが最もホワイトカラーに近いかもしれません。