日本型雇用3種の神器-終身雇用、年功序列、企業内労働組合
日本型雇用とは、終身雇用、年功序列、企業内労働組合など、長期就労を前提とした雇用慣行を指します。
終身雇用
日本型雇用のひとつの特徴が終身雇用です。新卒のときに採用された会社に定年になるまで働き続けるられる制度になっています。
日本は法律でも、懲戒免職に該当するような理由でない限り、会社が従業員を簡単に解雇できません。
これは解雇4要件にキチンと(?)定められているんですね。
それなので、一度入社してしまえば、定年まで働き続けられるようにはなっています。
一方で、終身雇用を前提にした企業では、特定の分野でプロになるよりも、その会社の構成員としてプロであることが求められます。
面接官:「あなたは、これまでにどんなスキルを積んできましたか?」
求職者:「はい、大企業Sで部長をしておりました。」
面接官:「・・・(そういうこと聞いているんじゃないんだけれど)」
対して、欧米企業では、定年になるまで働き続ける人もいますが、企業側は定年まで雇う義務や責任はありません。
会社側は、「この人は無理だ。もう働けない」と判断したら、解雇されます。成果kには、雇用契約の満了ですね。
会社も本人もそのことを承知済みで働いています。だから、結果として転職がしやすい社会風土になるんですね。
年功序列
日本型雇用では、成果に応じて報酬があるわけではなく、働いている年数や年齢に応じて賃金が増えていくシステムです。
成果ではなく年齢に応じて賃金が決まるのは、アンフェアだという意見もありますね。
ですが、その企業で長く働けば働くほど、また年齢が上がれば上がるほどスキルやノウハウが蓄積されて企業に貢献できる度合いが増えるため、思った以上に合理的だったりします。
もちろん、年齢に応じた貢献ができないと会社側が判断すれば、解雇はされないものの
- 左遷/子会社に出向
- 窓際に追いやられる
- リストラの対象になる
といったリスクもあります。
米国では、その職務が務まるかどうかが雇用契約を結ぶ基準になっており、年齢は関係ありません。
経歴書に年齢を書く欄すら存在しません。(そもそも履歴書が存在しませんが)
企業内労働組合
欧米では業界や業種ごとに労働組合が結成されているのに対して、日本では企業が社内に労働組合を持っています。
結構、あまり知られていませんが、この制度がけっこう珍しかったりします。
誤解している人が多いかもしれませんが、日本型雇用は、一部の大企業が採用している雇用慣行であって、決して法律ではないということです。