武士道精神と騎士道精神の違い
日本型雇用と欧米型雇用を知るうえで案外と欠かせないのが、この武士道精神と騎士道精神の違いです。
この記事を通して、あなたが武士道精神の持ち主なのか?騎士道精神の持ち主なのか?簡単な自己分析ができれば、ちょっと嬉しかったりもします。
それではレッツゴー!!!
武士道精神とは?
xxxxxの記事で解説をしましたが、いかなる状況でも主君に尽くすマインドですね。
日本型雇用でいうなら、どんなことがあっても最後まで会社を守るために自己犠牲を厭わないスピリットです。
凄く悪い例かもしれませんが、あなたが所属している会社が不正を働いたことに気付いてしまいました。
本来なら、内部告発をしたり、行政の人に相談をするところかもしれません。
ですが、武士道精神の持ち主は、会社の利益を第一に考えて、
- 見て見ぬふりをする
- 隠ぺい工作に走る
- 水面下でその行動を正す
- 会社の名誉に傷がつくことは絶対にしない
と考えます。
他にも、自己犠牲の精神100%で
会社のために身を粉にして働く!
サービス残業すらも厭わない!
神風特攻隊的な行動をすることも・・・
と、もしもあなたが会社の利益を第一に考えて、自己犠牲を厭わず尽くせるなら、武士道精神が高いといえるでしょう。
ジャパンアズナンバーワンの90年代に、ドラッカーが、モノづくりにおける日本企業の強みを調査するためにトヨタ向上にお邪魔したときのこと。
トヨタ工場の社員たちが、仕事が終わったらみんなで会社をよくするための勉強会を開いたり、朝まで議論を交わす姿を見て、アンビリーバボーと叫んだみたいです。
騎士道とは?
対して、騎士道の在り方は、主君に仕えるのではなく、国家や教会等が発展するために、「強いだけじゃなくて人間的にもエリートになろうぜ!」というムーブメントに近いです。、
中世ヨーロッパの騎士階級の精神的規範。キリスト教および団結精神の影響下に発達、敬神・忠誠・武勇・礼節・名誉、および婦人への奉仕などの徳を理想とした。 「 −精神」−ことバンクより−
元々、騎士たちは、どうしようもないゴロツキばかりだったのですが、貴族や教会サイドの人たちが、「これだとヤバいよね!」ということで、エリートナイトになるために騎士道精神を作り、騎士たちに教育させました。
有名なのが、騎士の十戒ですね。
Wikipediaから引用します。
騎士が守り倣うべき「騎士の十戒」(教会を守る、弱者を守るなど)がある。
PROWESS:優れた戦闘能力(fighting skills)
COURAGE:勇気
HONESTY:正直さ 高潔さ(no weaseling)
LOYALTY:誠実〈忠誠心〉(true to your leaders and your friends)
GENEROSITY:寛大さ(open handedness)
FAITH:信念(commitment to ideals)
COURTESY:礼儀正しさ、親切心(dignified and mannerly behavior)
FRANCHISE:崇高な行い、統率力(noble behavior and leadership)
これらが代表的な美徳とされるが、それ以外にも清貧、気前のよさ、信心、弱者の保護、などがある。
言ってみれば、あんたら強いんだから、いい人になろうぜ!ってことです。
さて、話を本題に戻します。
何が言いたいかというと、騎士道精神の根底にあるのは、戦闘能力が高くて、人間として立派であればよくて、主君に尽くすことは大してプライオリティーが高くありません。
LOYALTY:誠実〈忠誠心〉(true to your leaders and your friends)の項目があるじゃないか!
と思うかもしれませんが、このLOYALTYが指すのは、教会や今のリーダー、そして周りの人です。
武士道のように特定の主君を指しているわけではありません。
例えば、明智光秀は、主君である織田信長を裏切りました。武士道精神からするとやっぱり悪い人になっちゃうんですね。そして、そんな明智光秀を倒した豊臣秀吉はヒーローになりました。
では、もしもこれがヨーロッパやアメリカだったらどうでしょうか?
もしかしたらヒーローになっていたかもしれません。
その根拠として、織田信長らはお寺を焼くような人物です。ヨーロッパに置き換えるなら、教会に火を放つような人物です。信仰心がゼロではなく、アンチゴッドです。
そんな織田信長を倒したのだから、明智光秀はヒーローになっていたかもしれませんね。
段々と話がそれてきました。申し訳ございません。
騎士道精神の根底にあるのは、あんた戦闘力が高いんだから、気高く人間としても立派に生きなよ!神様が悲しむようなことをしないでね!という教育なのです。
マーク・トゥエイン
強くなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格はない!
ゾロは武士道、サンジは騎士道
ちょっとワンピースネタです。
ゾロは、武士道精神の持ち主です。ルフィには、文句こそ言いますが、ルフィを守るためなら、自分の命を投げ出しました。
鷹の目ミホークに敗れたときも、「自分がまけたことよりも、ルフィに対して今度は負けねー!」と自分のことよりも船長であるルフィに気遣いを見せました。武士道精神を持つ人の粋でしょう。
対して、サンジは麦わら海賊団のために戦いはするものの、自分のポリシーに反するような戦い方は絶対にしません。たとえ、自分が不利な状況に陥ってもです。
- 刃物を起用に使えるけれど、包丁は料理を着るもので人を切ってはいけないと考えている
- どんな状況であっても、女性は蹴れない。「死んでも蹴らん」のセリフが印象的
サンジは一見チャラいようですが、騎士道精神に基づいた己に課した規範があります。
己の規範を守るためなら、麦わら海賊団にとって不利益になる行動もとれます。