ポジショニングvsケイパビリティー|お勧め本2つ

投稿日:2015年7月2日 更新日:


ケイパビリティーポジショニング

マイケルポーターのポジショニング派とJ・Bバーニーのケイパビリティー派のディベートは?まぁ、永遠ですね。

研究や学術的な論理の議論は、米国の教授たちに任せておいて、私たちは両方を学んで、いいところ取りをするのが賢いですね。ここら辺が上手だったのがミンツバーグさんです。・・・。

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はじめに

 

おススメ本を2点

バーニーやポーターの本をマジメニ読まなくてもいいと思います。結局のところ、学者のための本なので。

代わりに、ビジネス書をピックアップして、ポジショニングとケイパビリティーについてお伝えしたいと思います。

  • 「100円のコーラーを1000円で売る方法」ポジショニング派
  • 「毎日のそうじで会社はみるみる強くなる」ケイパビリティ派

2冊とも手に取って読んで、「100円コーラーを1000円で売る方法」の元ネタはポーターで、「毎日のそうじで会社はみるみる強くなる」は、バーニーなのかなと思いました。

 

 

1 「100円のコーラーを1000円で売る方法」はポジショニング派

マイケルポーターのポジショニング

スッと理解できるのでお勧めします。

「中小企業は、コーラを100円で売っても、大企業には勝てないから、あえて高く販売しょう」「ターゲットを絞って、1000円を払っても買いたくなるようなお客さんを見つけなさい」と説いてる本ですね。

1.1 コストリーダーシップではなく、差別化集中

100円でコーラを販売して利益が出せるのは、セブンイレブンやマクドナルドぐらいです。スケールメリットを最大限活かせますからね。低価格戦略(コストリーダーシップ)は、大企業こそができる戦略です。

コーラを1,000円で販売するのはどうしてもイメージがつかないので、コーヒーで考えてみましょう。

  • 缶コーヒー:100円
  • 自動販売機:130円~160円
  • ドトール:200-300円
  • スターバックス:400円

では、個人で経営しているコーヒーショップは、いくらでコーヒーを提供するべきか?というのが1000円コーラ理論です。

無名のコーヒーショップだからといって、低価格で売ったら赤字経営まっしぐらです。だからこそ、

  • 全てのお客様に対して低価格で販売することは考えない
  • 特定の人たちが1000円払いたくなるような仕掛けをしなさい

と1000円コーラ理論の本では説いています。

ポーター的の言葉で説明をするのなら、全方位型コストリーダーシップ戦略をするのではなく、真逆の差別化集中を選びなさい!ということですね。

1.2 1000円でコーヒーを販売して売れるの?

現実的に考えて売れないでしょう。

確かに、100円のコーラを1000円で売りなさい!の本は売れたけれど、あれから今まで100円でコーラを販売していたお店が1000円に価格をチェンジした、なんて話はいまだに聴きません。そもそもそんな理屈が通るのであれば、あの本も10,000円で売れているはずです。(笑)

やっぱりポーター理論の欠点はここにつきます。

論理的に正しい!
しかし、実践的でない
そして、再現性もない

決して間違ってはいないのですが、企業のキャパを考えずに実践困難な方法を提示するのがポーターです。

言ってみれば、差別化戦略をしたければ、Appleやバーバリーのような強固なブランドを作り上げなさい!とアッサリという始末です。

カンタンにこれができたら苦労はしません。マーケット(業界・市場)の観察に走り過ぎるあまり、企業のキャパを完全に無視したような提案しかポーターはできません。

先ほどのコーラ1000円理論ですが、これができる企業はポーターから言われなくても既に実践しています。大前提として、そのような組織力があるからです。

では、その組織力とは何か?について解明していったのがJ・Bバーニーのケイパビリティーでした。

 

2 毎日のそうじで会社はみるみる強くなる!はケイパビリティー派

毎日のそうじで会社は強くなる

知人から紹介されて手に取って、読んでみました。タイトルの通りなのですが、毎日の掃除を通して、強い組織を作ろうぜ!ってノリの本です。

元ネタは、ケイパビリティーでJ・Bバーニーが提唱するVRIO経営を実戦に落とし込んで体現をした内容です。

2.1 強い組織に、足腰がしっかりしている

ケイパビリティーとは、組織が持っている潜在能力を指します。バーニーによると、優れた組織であれば、高度な戦略計画書も実践できるし、高度な戦略計画書がなくても高い成果を上げられるみたいです。要するに、戦略計画書や戦略の教科書は必要がない、ということです。

のび太がジャイアンに勝つためには、奇襲をかけたり、弱点を突いたりするなど、戦略が必要になってきます。その逆は必要ないですよね。そんなものです。

VRIO経営について解説

  • V→Value(経済価値)
  • R→Rarity(希少性)
  • I→Imitability(模倣困難)
  • O→Organization(組織)

企業の持つ「経営資源」4つを分析・評価するフレームワークです。

2.2 強い企業をまねてもダメでしょ!「らしさ」を活かす方がよくない?

さて、質問です。

某自動車メーカーが、トヨタと同じ資金力、工場・設備、人材・情報を揃えたら、トヨタに勝てるでしょうか?

それは外見上のものであって、トヨタ内部から生み出される組織力(トヨタの従業員が共通して持つ価値観、技術力を高めようする企業文化、トップとしての誇り)は、トヨタだけのものであり(希少性)、簡単にはマネできず(模倣困難性)、自社で経営資源を有効に活用することができないのと同じです。

かつての米国の研究者達はトヨタはなぜ強いのか?と研究をしていました。ドラッカーもその一人です。しかし、明確な答えは見つかりませんでした。

トヨタが強い理由は・・・

  • 「トヨタには企業力があり、企業力を高める努力をしてきたからだよ」
  • 「理屈では説明できても、再現性がある理論を構築できない」

という結果に終わりました。

そこから導き出された結論が、企業の本当の強みは、外から仕入れるのではなく、企業内部から時間をかけて形成されるものである、というのがJ・Bバーニーの結論でした。

ケイパビリティ派が導き出した結論とは、市場の分析ではなく、企業の強みの根源を知ろう!というものです。

この後に登場する、ハメルとプラハラードの「コアコンピタンス経営」も同じことを説いています。

2.3 そうじは企業のケイパビリティーの関係性

さて、そろそろ本書の「そうじ」の話に戻りましょう。

同書で説いていたのは、現状の問題として、

  • トップダウンによって戦略を実行するアメリカ的な経営には限界がある
  • 機能や戦略が優れていても、それは表面的であるで、中身がない
  • A社とB社で同じ戦略を実行しても、全く違う結果になる。それは企業「力」だ

という前提を踏まえたうえで、著書ではこのような論理展開がなされていました。予想通り「100円のコーラーを1000円で売る方法」という従来のマーケティングの考え方やポーターの主張を批判していましたね。

どこら辺が?というと「100円のコーラーを1000円で売る方法」は戦略を作る側の人間が読んで、その通りに実行すれば策定できる戦略だからです。しかし、2-1のA社とB社で説明したように、同じ戦略でも実行できる企業とそうでない企業があります。

一部を引用します。

以下の綴りだ。

コンサルタントで会社が悪くなってしまうことがある理由
「模倣困難性を求める米国型経営学には限界がある。」のページで「文化や時代が異なれば、企業や経営の在り方が異なるのではないか」という、ある意味、当然のことが指摘され始めているのです。―p43―

備考:本書の「模倣困難性」とVRIOで紹介されている「模倣困難性」は意味合いが違います。
※本書で紹介されている「模倣困難性」は、差別化要因を意味しています。

2.4 「そうじ」は企業内部を強くするキッカケになる

  • 強い企業は、現場から作り上げることが求められている
  • その手段が、企業が一丸となって「そうじ」に取り組むこと
  • 「そうじ」は、企業力を、従業員を、「内側」から、「底」から強くする

という内容です。

前提として、「そうじ」が企業内部でしっかりと根付いていないといけません。システマチックにそうじと取り入れても、ダメだ!と強調されていました。

全員が、この本を手に取り、そうじの意味を理解して、取り組まないと実現できません。

「いきなりそうじをやれ!」と言われても、はじめは、

  • 「え・・・そうじ?なんでそうじをすると会社が強くなるの?」
  • 「別に、『そうじ』じゃなくてもいいじゃん。」
  • 「会社を強くするなら他にも方法はあるでしょ」

と思うかもしれませんが、これだとダメです。

2.5 「VRIO」で見ていきましょう

  • トップからロワーまで組織全体にそうじに取り組む姿勢を持ち、習慣化されると 【組織:O】
  • 他の企業が簡単にマネできない、企業文化やコミュニケーションのスタイルが組織内部で生まれる 【模倣困難性:I】
  • それは外部からも獲得できないほど希少であり 【R:希少性】
  • やがて、企業の強みに転嫁する 【V:価値】

と、先ほどのVRIO経営を下から逆算した企業の成功モデルが作られるというのが本書の主張です。

100円のコーラやポーターのように、「こうすればいきなり成功する」とカンフル剤のようなアプローチではありません。

「畑を耕して、強い根っこを育てろ」ですから、相当地味です。

ただ、強い根っこからは美味しい果実が育つように、市場(外部)を見渡すのではなく、足元(内部)を見渡せば強い組織ができあがる、というものです。

その手段が「そうじ」という地味な作業の繰り返しなのです。

では、そうじがどのようにして企業力向上に繋がっていくか・・・具体的な事例についても説明したいところですが、全てをネタばらしすると、怒られるのでよかったら手に取って下さい。

 

 

 

 

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