マイケルポーター5つの競争要因-買い手の交渉力


ファイブフォースの4つ目である買い手の交渉力についてみていきましょう。「買い手」とは、法人顧客や一般消費者ですね。ポーターは、製品・サービスを購入してくれる相手のことを「買い手」と定義しました。

ドラッカーにとって、商品・サービスを購入してくれる人は、「顧客」であり、企業は顧客に尽くすことを説きましたが、ポーターにとっての顧客とは交渉をする相手なのでしょうね。

買い手とどのように交渉するか、で業界・企業の収益性は大きく変わってきます。それを踏まえて、買い手との交渉があがる7つのポイントをみていきましょう。

7つのポイントの共通点は、買い手が、

  • 強い立場にある
  • 価格を気にしている

の2つですね。

買い手は、「より安く、よりよい製品・サービス」を求めています。そして、1円でも安くできるのなら、少しでもよい製品・サービスがあるのなら、そっちを選びます。そして、企業が欲しいのは、売上であり、お金である以上、購入の決定権を握っている顧客のほうが立場が強いことになります。(なんだか当たり前すぎるが・・・)

さて、ここからは買い手の交渉力が高まるポイントを7つに分けて紹介していきます。

  • 1.買い手の数が少ない
  • 2.重要な買い物である
  • 3.差別化されていない
  • 4.スイッチングコストが高い
  • 5.買い手の収益化が低い
  • 6.合併・提携を示しているとき
  • 7.買い手が十分な情報を持っている

の7つですね。

では、一つ一つを見ていきましょう。

1.買い手の数が少ない

お客さんの規模全体が少ない状態ですね。デンソーとトヨタ自動車の関係がわかりやすいですね。

※デンソーが他のメーカーに部品を販売しているのかどうかは解りませんが

もしもデンソーが、トヨタ自動車から大幅な値下げを要求されたら、どうでしょうか?おそらく従うしかありません。もしも、ここで取引を断ったら、収入源がゼロになりますからね。

トヨタとデンソーの関係に限らず、完成品メーカーと部品メーカーは常にこの関係にあります。

逆に、部品メーカーであってもインテルのように複数社と取引しているのであれば、大幅な値下げを要求されても断ることができます。もちろん、インテルの製品力があってのことですがね。

インテルが開発しているCPUは、一般消費者の間でも認知されています。テレビCMの影響力なんでしょうね。

このように取引しているお客さんの数が少なければ少ないほど、少ないと買い手の交渉力があがるわけです。

有力な取引先を1社見つけたからと言って油断はできないわけですね。

2.重要な買い物である

重要な買い物であればある程、慎重になりますから、その時点で交渉力が上がってきます。

特に高額の製品を販売していたり、サービスの価格が上がってしまうと、買い手の交渉力は増してくるでしょう。

この後に「買い手が十分な情報を持っている」でもお伝えしますが、重要な買い物であればある程、お客さんは費用対効果や品質、価格をチェックするようになり、「ナントカ値下げができないだろうか?他に乗り換えられないだろうか?」と考えるようになります。

先ほどインテルのレイでもお話をしましたね。

インテルのCPUが投入されているかどうかで、パソコンメーカーは、本当にPCの性能や売り上げに直結するのか?と厳しくチェックするようになります。

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インテルが上手だったのは、「インテル入ってる」のCMですね。世間から支持を得ていることを前面にアピールできるため、製品力そのものよりも市場では他の企業よりもはるかに高い影響力を持つことができます。

すると、メーカーともメーカーで「まぁ、自分たちのお客さんがそういうんじゃ仕方ないな!」と判断をしてしまい、インテルと取引するようになるのです。

3.差別化されていない

ここは解りやすいかと思います。差別化されていなければ、より安いところで購入すればいいので、買い手が強気に出ることができます。

4.スイッチングコストが高い

スイッチングコストとは、商品・サービスをA社からB社に取り換えるときに発生するコストですね。

買い手が、カンタンに取引先を変えられる状態であれば、交渉力がグンと上がってしまいます。

なので、売り手としては、カンタンに他社に乗り換えられないように、あらゆる方法を使って顧客を囲い込むのです。

携帯電話・スマートフォンが一番わかりやすいかと思います。新規加入はほぼ無料である一方、解約料が10000~20000円ぐらいかかりますよね?おまけにはじめから機種は受け取っているので、途中で解約をしたらそのお金も返さなければなりません。

このような状態はスイッチングコストが高い状態であり、乗り換えが容易ではありません。

法人営業でも同じですよね。製品を販売してから、定期的にフォローを行ったり、時には価格以上のサービスをするのは、スイッチングコストを抑えるためです。

5.買い手の収益化が低い

お客さんが儲かっていなければ、「もっと価格を下げてくれ」と要求してきますよね。

儲かっていれば、価格に対してはチェックが甘くなりますが、儲かっていなければコストを削減しようとするインセンティブが働きます。節約第一に考えている人に対して商品を売り込むような状態ですね。

こう考えると、儲かっていて、少しコスト意識が甘くなっている取引先のほうがそうでないビジネスモデルよりも競争力があるといえます。

もしくは設備投資をしようとしている企業ですかね。

6.合併・提携を示しているとき

BtoBにありがちですが、買い手がM&Aを仕掛けるときですね。突然、毎月取引をしていたお客さんが、「お宅のライバルであるB社を買収したから間に合っているよ」と言われたら、その時点で向こうの交渉力がグンと上がります。

こういうのを「内製化」とも言います。

トヨタ自動車が、自社とは全く関係のない不動産事業を保有しているのは、従業員や期間工の福利厚生の一環として、不動産の機能が必要だからです。

トヨタにとってのKDDIの記事もお読みください。

7.買い手が十分な情報を持っている

情報戦ですね。

ひと昔前は、売り手のほうが情報を持っていたのですが、インターネットが普及した今の時代は買い手も売り手に負けないくらい情報を持っていますよね。

なので、商品知識が豊富であっても、それ自体が競争力に結び付くことは少ないでしょう。

まとめ

「顧客は交渉する相手」と聞くと、何だか嫌なイメージに聞こえるかもしれませんね。なので、お客さんとしては、少しでも情報を集めて安くてよいものを手に入れようと努力をします。

ひと昔前に、上手に販売するよりもよい買い物をすることが大事だとある人から教わりましたが、案外と間違っていませんね。

買う側の視点がわかれば商品・サービスの売り方も解ってくるものです。

では、そんなところで次は売り手の交渉力について解説をしていきます。

 

 

 

 

 

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