碇シンジの人間力:「ひとりの生命は地球よりも重い」の一言

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先日、「人間力とは何か?」という議論をしていました。その時に、迷わず、「碇シンジから学べ!」と言って、そのあとは黙っていました。

碇シンジは、表面だけ見たら頼りないように見えますが、よくよく見ると凄く人間力にあふれた人であり、生まれつき高い人間力を持っている人の代名詞的存在だと思うのは私だけでしょうか?

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はじめに

1.碇シンジは人を救うために命を懸ける

人間力が高いと感じた理由が、保身はもちろん身の安全よりも目の前の人を救うことに必死で、命を投げることができる点。この点、碇シンジはものすごいとジャン名を受けました。

そう思ったシーンを3つ。

1-1 綾波を助けたとき

エヴァ6話:決戦!第三新東京のときです。シンジを助けるために、使徒の攻撃を真っ向から受けた綾波レイ。使徒を倒した後にシンジは真っ先にレイのもとに向かいました。

熱を持ったエントリープラグを開けようとして、何の迷いもなく握りました。

普通だったら、あまりの熱さに、手をどけてしまうかもしれません。

エヴァを見ていた時が、14歳の時だったため、細かいところは考えませんでしたが、高熱を帯びた鉄に触れることがどれほど危険であるか、今ならわかります。

それでも強引にこじ開けてレイを救い出しました。この時点で凄い。

料理は作っていたみたいなので手は無事だったのですね。よかった。

そして、次はもっとすごいです。

1-2 アスカがマグマの底に沈んだとき

エヴァ10話:マグマダイバーのときです。

地底に潜む使途を倒すため、アスカはエヴァもろとも宇宙服のようなものを身にまといマグマの中にもぐりました。使徒は沈黙させたものの、ロープが切れてアスカはマグマの底に沈もうとしています。アスカも覚悟を決めて死を受け入れました。

そんなアスカを助けるために、防護服を身にまとわないまま、マグマの中に飛び込んだエヴァ初号機。マッパのままマグマに飛び込めば、一瞬で溶けるかもしれません。

自分の危険なんてこれっぽちも考えずに、目の前の人を助ける一心で選んだ行動だったのでしょう。

その結果、マグマに飛び込んだ!

鬼塚先生は、相沢雅や神崎うるみが屋上から落ちたときに飛び降りて助けに行きました。上原杏子が崖から落ちたときに、杏子を助けるために飛び込んだ吉川昇は凄くカッコよかった。

マンガでは落ちたヒロインを助けるために飛び降りるヒーローはいますが、水面や地面です。

マグマはロックすぎです。

ちなみに、私も、14歳のころに、ノリで50メートル上から湖に向かって飛び降りたことがありますが、本当に怖かったです。お●っこチビッテいました。(笑)

さて、次!ここは碇シンジの本質を見ることができます。

1-3 エヴァンゲリオン3号機から首を絞められたとき

エヴァンゲリオン3号機から首を絞められ死にかかったときに、碇シンジはこういいました。

「人を殺すくらいなら死んだほうがマシだ」

その時にシンジはエヴァのパイロットがトウジであることを知りません。ですが、人を殺してまで生きたくはないと最後の最後まで言えること。ここにシンジの人間力を感じてしまうのです。

2.碇シンジの行動原理:人の生命は地球よりも重い

福田首相の「人の生命は地球よりも重い」とは、ハイジャック事件のときに福田首相が、人質を救うためにテロリストの要求に応じた理由として述べたときの言葉です。

2-1 エヴァの世界は残酷

ネルフの世界では、使徒の脅威から全人類を守るという大義名分があります。そのためなら、ひとりの生命を犠牲にすることは正義になります。

道徳の授業で行われるトロッコ問題なんですね。以下、WKIPEDIAからそのまま引用します。

まず前提として、以下のようなトラブル (a) が発生したものとする。
(a) 線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。
そしてA氏が以下の状況に置かれているものとする。
(1) この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?
なお、A氏は上述の手段以外では助けることができないものとする。また法的な責任は問われず、道徳的な見解だけが問題にされている。あなたは道徳的に見て「許される」か、「許されない」かで答えるものとする。
つまり単純に「5人を助ける為に他の1人を殺してもよいか」という問題である。功利主義に基づくなら一人を犠牲にして五人を助けるべきである。しかし義務論に従えば、誰かを他の目的のために利用すべきではなく、何もするべきではない。

トロッコ問題

なお、この問題で問われているのは、答えそのものではなく、どれだけ悩むことができるかです。「5人の命を救うために1人を犠牲にするのは普通でしょ!」とあっさり答えると、功利主義のレッテルを張られます。

功利主義とは?

  • 「私が死んでも変わりはいるもの」
  • 「そうだな!それならGO!」

合理的なんですけれど、首をかしげたくなる気持ち悪さ。

碇ゲンドウであれば、迷わず合理主義の立場をとります。一方、碇シンジは、最後まで迷って迷って、5人を犠牲にする道を選んでしまうかもしれません。

ただ、その判断が、数字の世界では間違っているのかもしれませんが、最後まで迷うというのは道徳の世界では正しい態度です。

2-2 碇シンジは最後まで他者の生命を尊重できる

最後のシ者で、カヲル君を手にかける寸前、シンジは1分間迷いました。もしも、シンジ以外ならためらわなかったでしょう。それでも、シンジは苦しんで悩んだ結果、カヲル君の望みに答えるように手にかけました。

 

そんな自分の行動に後悔するのは当然。ところが、ミサトさんの一言は残酷です。

  • 「彼は、自ら死ぬ運命を選んだんだから、仕方ない。生きるべきは生きることを選んだもの」。
  • 「ミサトさん、冷たいね」

本当にデリカシリーがない。。。ウソでもいいから、「シンジ君、本当につらかったね。ごめんね。シンジ君だけにつらい想いをさせて・・・」とシンジの気持ちに寄り添ってあげる態度は魅せれないのか?と思うのですが。

ミサトさんは無理なのでしょう。

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まとめ

どんなときでも相手の身の安全や命の尊さを本能的に知って、それを行動に移せる碇シンジは、理想の主人公だと思うのですが、これは私だけでしょうか?

 

 

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運営者情報

フリーランスのウェブデザイナー。元ディベート好き。30代でニートになる。2015年に本サイト:インプロ部がヒットして、副業ディベート講師として活動。 ホームページをゼロから収益化した実績が認めれ、35歳からウェブデザイナーになる。ウェブ制作会社・デジタルマーケティング会社を渡り歩き、複数社で経験を積み、現在はフリーランスのウェブデザイナーとして活動中。セミナーやオンライン相談の実践者として、現在は個人事業主の方向けにディベートやWordPress制作×集客を教えている。事業者の専門性をカタチにしたいと考えて、屋号は木村専門研究所に変更

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