白雪姫の演技-役者として成功した元小人役のお話-

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白雪姫の台本

さて、先ほどの白雪姫の話をしましょう。ある劇団で白雪姫の演技をすることになりました。監督が1人いて、役者が10人います。白雪姫、王子、魔女を1ずつ、残りの7人は小人です。

あなたの役は、小人役です

小人役

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7人の中の小人の中の1人です。台本を開いて見たら、セリフが全くありませんでした。

『白雪姫を見守るように周りを回って、ウロチョロとしていればいいから・・・』ってだけでした。白雪姫、魔女、王子様にはちゃんとしたセリフが用意されているのに、この差は何なのでしょうか?

ちょっとヒドイ話ですよね?ですが、ここであえて怒らず監督の立場に立って考えてみましょう。監督は、めちゃくちゃ忙しいです。小人7人のセリフをひとつひとつ考えている余裕はありません。

白雪姫、王子、魔女は、物語の中で絶対に外せないキャラクターだから、セリフから演出まで必死に考えるでしょう。見せ所ですからね。

小人はその他大勢の中の1人

「いや!小人だって重要な役割じゃないか!こんなの差別だ!」と思うかもしれません。ごもっともな意見です。

なので、もしもあなたが台本作成を手掛ける映画監督であり、めちゃくちゃ忙しかったら、どうするか?という視点で考えて下さい。今が23:00で、明日の昼までに台本を全部仕上げなければならない!そんな状況です。

恐らく、白雪姫→王子→魔女の順にセリフや演出を決めていくと思います。それが終わって時間に余裕ができたら、小人のセリフや演出を考えるはずです。逆に考えると、余裕がなければ小人の演出はカッチリとは決めません。

小人のセリフや演出については、大枠こそ設定をして、その中でどのように演出をするかは役者の裁量に任せるはずです。細かい指示は全くありませんが、どこかで期待をされているのが小人という役割なのかもしれません。

役者として成功する
小人とそうでない小人の違い

白雪姫の演技をしてから数年後・・・同じ小人役をしていたのにも関わらず役者としてブレイクしたAさんとパットしないBさんがいました。

Aさんは、白雪姫の演技で小人を担当して以来、仕事のオファーがドンドンと入ってきました。ときには、ドラマの準主役から短編なら主役を務めるほどです。そして、バライティー番組のお仕事も最近では入ってきます。

一方、Bさんは、あまりパットせずにいち役者として劇団を転々としながら、活動を続けています。役者一本で活動をしているため、演劇のスキルはドンドンと身に付き、与えられた役はキッチリこなすプロの役者ですが、その先がありません。

後から調べてみて解ったことは、役者としての技術はAさんとBさんとではそこまで大きな違いはありません。むしろ、Bさんの方がAさんよりも高いことが解りました。ところが、メジャーデビューできたのはAさんでした。

さて、AさんとBさんの違いは何だったのでしょうか?

インプロスキル【即興力】

先ほどの白雪姫の演技を思い出して下さい。監督は、白雪姫、王子、魔女にはセリフや演出をキッチリ与えましたが、小人に対してはザックリとした指示しか与えませんでした。

ところが、このザックリとした指示の中で、Aさんは、監督が何を求めているのか?小人としてどのように演出をするのが望ましいのか?を考えられるだけ考えました。そして、他の小人6人が小人の役割を演じて白雪姫の周りをグルグルと回っている中、Aさんだけは違いました。

監督と同じ立場になって、どのように演技をすれば理想の小人を演じられるだろうか?と自問自答をしながら、セリフや演出を自分で考えて、実践していました。

ほんのちょっとの差

では、Aさんは何をしたのか?白雪姫が毒りんごを食べて亡くなったら、『小人は悲しむ』という演出しか用意されていません。

ここでAさんは、周りと同じように泣くだけではなく、『泣くとはどういうことか?』と考えました。過去に恋人の振られたときのことを思い出して、子供のように泣きました。

そして、白雪姫が生き返ったときは、片思いの人をゲットしたときのテンションで喜びました。森で戯れいているときは、合コンで盛り上がっているときのテンションで振る舞いました。

セリフも演出も用意されていなかったからこそ、自らセリフや演出を考えだし、創りだし、ひとつひとつを試すかのように実践したのです。

当然、監督から怒られた

ところが、Aさんの演出やセリフが監督から好評かと言われたら、そうではありませんでした。褒められたところは褒められましたが、あまりにも小人の役割からはみ出て目立ったところは厳しく注意されました。

それでもAさんは、諦めません。与えられた役割をそのままこなすだけでは意味がない、自分に言い聞かせました。ときには、監督に対して演出の相談を持ちかけました。最初は「面倒なヤツ!」と思い相手にしませんでしたが、小人という役割に真摯に取り組んでくれるAさんの姿勢に心打たれたのか、無視できなくなりました。

それでも監督に指示は曖昧!

「もっとここは地味にやってくれ!」「このシーンではグッタリ感を演じてくれ」「最後のシーンは120%ハッピーの表現で演技をしろ」と意味不明なアドバイスばかりです。アドバイスにもなっていません。

普通だったら、「そんな説明じゃわかんねーよ!」と怒りたいところですが、Aさんは違いました。「地味とは?」「グッタリとは?」「120%ハッピーとは?」と監督が求めている意味を考え抜き、最大限自分ができる範囲で表現をしました。

私たちは【脇役】でしかないが・・・

Aさんが、他の小人役と違ったのは、脇役に対しての姿勢です。

普通であれば、「台本もなければ指示もない、おまけに脇役だから」と自分に言い聞かせるだけで、その先がありません。主役が与えられれば、主役にふさわしい演出をしようと努力をしますが、主役になれるのは一握りです。

そして、現実は小人からスタートをするのです。セリフらしいセリフも与えられなければ、演出も用意されていません。言い方は悪いかもしれませんが、エキストラに近いかもしれません。

ところが、そんなエキストラでも、求められている役割を理解して、その中でアピールできるように自ら考えて演出ができるようになれば、エキストラの枠から脱出できる、ということです。

エキストラの役をもらったときに、本当にエキストラのままで終わるか、それともエキストラから脱出をしてステージをあげるかは、あなたが決めることです。

そのスキルが【インプロ】

監督が台本を用意してくれないのであれば、「これはチャンス!」と踏まえて、その場で考えて、とりあえず行動をしてみて、チャレンジを繰り返しました。その積み重ねです。

Aさんは、役者の才能や技術が特別あったわけではありませんが、ダメもとでとりあえずチャレンジをしてみる、という才能は誰よりもあり、それが小人役の中で活かせたわけです。

インプロは才能なのか?

もちろん、天性として【インプロ】の才能を持っている人はいます。ところが、そういう人達を注意深く観察してみると、こんな特徴があります。

  • 好奇心が旺盛で、楽しむことに貪欲
  • とりあえず、チャレンジをするのが好き
  • 自分が大好きでセルフイメージが高い
  • 指示通りに動くよりも、クリエティブを好む
  • 過去に大失敗をした経験があり、立ち直った
  • 計画立てて着実に進めることは得意ではない

本人の性格や才能もありますが、育った環境やこれまでに経験してきたことも大きく影響しています。また、インプロのスキルは、今からでも伸ばせます。今この瞬間を最大限楽しみたい!と思えるかどうかがスタートです。

即興ディベートを実践して、
インプロの技術を身につけよう

 

インプロ部では、ここで紹介をした【即興力】を身につけることを目的で、ディベートを教えています。「ディベート」と聴くと、議論する、討論をする、というイメージするかもしれませんが、その通りです。

あるテーマを用意して、選手を賛成側と反対側に分けて、議論・討論をするゲームを行います。経験者ならなら、ご存知かもしれませんが、試合前にしっかりと準備をして試合に挑みますが、こちらでは準備を一切行わない即興のスタイルでディベートに取り組みます。

ここで紹介をしたAさんのようになりたい、と思ったら是非ともディベートにチャレンジをしてみて下さい。

もちろん、初心者・未経験者大歓迎です。

 

 

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