メラビアンの法則を学んでもスピーチが下手になるだけ


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メラビアンの法則

2016年の6月ごろですか。トーストマスターズの会員の方、もしくはトーストマスターズの勉強会に参加をした人からの申し込みがありました。

即興ディベートワークショップの参加者でも多いんですよね。スピーチクラブに所属していた方・某スピーチクラブが主催者からの申し込みもありました。

そこで、盛り上がったのが、メラビアンの法則でした。

 

はじめに

1.メラビアンの法則とは

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した話し方の影響力に関する理論。

人に何かを伝えるときに、話している内容ではなく、声の大きさやトーン、見た目や表情の方が聞き手に対して大きな影響を与えるというものです。

その法則についてざっと説明します。

1-1 言葉7%、声38%、見た目55%の法則

メラビアンは、スピーチを「言語」「声」「見た目」の3つに分けて、以下のようなデータをまとめました。

「3Vの法則」「7-38-55ルール」とも呼ばれる法則。

7% が ‘Verbal’ (言語情報:言葉そのものの意味・話の内容等)
38% が ‘Vocal’  (聴覚情報:声のトーン・速さ・大きさ・口調等)
55% が ‘Visual’ (視覚情報:見た目・表情・視線・しぐさ・ジェスチャー等)

http://netacon.net/neta/354613316.html

一時期「人は見た目が9割」という本が有名になりましたね。それの元ネタです。

1-2 メラビアンの実験

メラビアンは、ある語り手に対して「MAYBE(たぶん)」と言わせて、以下の2つの反応を試しました。

  • 自信がない様子でボソボソと話す
  • 自信たっぷりでハキハキ話す

前者よりも後者のほうが聞き手によい反応が良かったというアンケート結果が出ました。

アメリカUCLA大学の心理学者/アルバート・メラビアンが1971年に提唱した概念。人物の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚情報」から得ていると言う概念。メラビアンが提唱する概念において、初対面の人物を認識する割合は、「見た目/表情/しぐさ/視線等」の視覚情報が55% 、「声の質/話す速さ/声の大きさ/口調等」の聴覚情報が38%、「言葉そのものの意味/話の内容等。」の言語情報が7%と言われている。

-コトバンク

2.独り歩きしたメラビアンの法則

このメラビアンの法則が大好きなのは、胡散臭いコンサルタントやセミナー講師、研修の講師たち。安っぽい話し方セミナーに参加をすると、ドヤ顔でこの法則を解説します。

この内容が次第に一人歩きをし、この法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出されると言う解釈が有名になっている。就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでこの解釈がよく用いられる。

wikipedeia:メラビアンの法則

  • 「大きな声で元気よく話せばいいんだよ!」
  • 「笑顔でハキハキと伝えればいいんだよ!」

凄く大事なことだと思うんですけれど、メラビアン法則を引用すると逆効果なような気がするのは私だけでしょうか?

単に、「話し方も大事だけれど、見た目や声のトーンも大事だよ」ということを自分の経験を交えて伝えればよいのでは?

メラビアンの法則を引用して権威付けするあたりにうさん臭さを感じてしまうのです。

3.メラビアンの法則が正しいと仮定して・・・

メラビアンの法則が間違っているとは思っていません。人前でプレゼンをするとき、人に何かを教えるとき、ディベートの試合でジャッジをするとき、やっぱり声のトーンや見た目は意識します。(意識して黒いワイシャツを着ています(笑))

  • スピーチは、内容よりも見た目が与える印象のほうがはるかに大きなウェイトを占める
  • 下を向いてぼそぼそと話すよりも前を見て元気よく話せるほうがスピーチの印象は良い

人のスピーチを聴いていてその通りだと思いますからね。ビジネスでも恋愛でも、見た目の方が大事です。見た目は9割以上ですからね。

これはディベートに限ったことではありませんよね。

それでもあえて言います。メラビアンの法則を信じるのはアホだと。

たった「7%」を軽視したツケ

それでも、メラビアンの法則を信じる人はアホ!だと主張している理由は、「内容より雰囲気(声・見た目)の方が大事なんでしょ!」と勘違いしてしまう人が多いからです。

内容:7%を無視したら、全てがグダグダになる

断言します。逆にこう提案します。

内容:7%に全力投球してください!

更に、こういいます。

他の93%はいったん忘れてください!

人前に立ったときに頭の中が真っ白になってしまったらアウトです。メチャクチャ自信がないように見えてしまいます。もちろん、声や見た目にも影響をしてします。結果として全てダメになってしまいます。

スピーチで失敗する人によく見られる傾向です。

7%の内容=自信

これが真実です。人前に立って話すのは誰だって緊張はするものです。これは誰だって同じです。ディベーターだろうと、話のプロであろうと人前に立って話すと緊張するのが当たり前。

では、緊張しても上手に話せる人とそうでない人は何が違うのか、頭の中で伝えることが整理されていて、次に何をしゃべればよいのかが頭の中で解っているからです。

すると、声の大きさや身振り手振りに気を使う余裕ができるため、結果としてスピーチの精度が高まります。

スピーチの講師も内容第一に考える
たとえ、「内容よりも見た目だよ!」と口では言いますが、講師自身、そんなことを信じていません。
実際に私がそうだからです。過去にスピーチのセミナーで参加者の人にメラビアンの法則を教えていましたが、私が最も力を入れたのは、7%の内容でした。声とか見た目は、その後です。
心の中で、「え・・・声と見た目?アホじゃない!」と思っているでしょう。

 

ディベートのスピーチは完全に7%の世界

ディベートの試合では、選手の渇舌が悪くても、見た目の印象が最悪でも、内容が全てです。内容さえしっかりとしていれば、よいスピーチと見なされます。少なくともジャッジはそう判断するでしょう。

「キミ、スピーチの内容はよかったけれど、印象が悪いからダメだね!」と批判するジャッジはいません。(そんなことをしたらジャッジが批判される)

選手のスピーチを見ていてよく思うこと

3つのスピーチがあります。

  • A 原稿が頭の中に全てインプットされている状態
  • B 手元にスピーチ原稿があっていつでも見れる状態
  • C 原稿が用意されていなくて、思いつきで喋る状態

原稿とは内容のことですよね。さて、3者の中で誰がいちばんよいスピーチができるかというと、やっぱりAの人です。

ディベートの試合でもメラビアンの法則は重要か?
スピーチコンテストではありませんが、自信を持って堂々と大声で発言できる人の方がそうでない人よりも試合に勝ちやすいのは経験上知っています。※もちろん最低限の論理があってのことですが。
ジャッジは論理で判断をしているのか?
ある程度トレーニングされたジャッジであれば声の大きさや見た目の要素は試合には一切持ち込まないのでご安心ください。また、いくらスピーチが上手でも論理が破たんしていたり、それを誤魔化すかのようにスピーチで勝負をしようとしても通用しません。一方で、ジャッジもたくさんいるということです。
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