ラベリング効果とは?|基本理論とコーチングで必要な2つ


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ラベリング効果

ラベリング効果とは?相手に対して、「あなたって●●だよね」と決めつけるようにラベルを張ると、本人はラベルに貼られた行動を次第にとるようになる、という理論です。ラベリング理論とも呼ばれています。

1960年代にハワード・S・ベッカーによって提唱された社会心理学の理論です。

はじめに

1.ラベリングは本人と周囲に大きな影響を与える

たった一つの出来事でも、ラベリングを貼ることができれば、やがてその人は貼られたラベルの通りの人になっていくという理論です。

1-1 もしものび太くんが100点を取ったら

パパ、ママ、スネ夫、ジャイアン、しずかちゃんは、「もしかしたら、のび太は、頭がいいのかもしれない」「やればできるんだ」と勘違いします。(誰だってやればできる)

「何をやってもダメなのび太」から「やればできる子」にラベルが張り替えられます。

すると、のび太くんは、次第に100点を取るような子に育っていきます。

まるで周囲のラベルを裏付けるかのように。

1-2 のび太が0点を取り続ける理由は

逆に、のび太くんがいつまでたっても0点しか取れないのは、周囲から「のび太=0点」というラベルが貼られているからかもしれないということです。

もしも、あなたの周りにいるのび太くんのような人がいるとしたら、成功させるのも、ダメにするのも、本人が貼られているラベル次第かもしれません。

かつて、私も周りから「ダメ」なラベルを張られたら、ドンドンとダメになりました。

逃げるように転職をしたら、かつてのダメなラベルがなくなり、仕事が上手く行きました。

意外と気付いていないかもしれませんが、ラベルは雰囲気で間接的に本人に伝わっていきます。

ここら辺が怖いところです。

2.ラベリング効果の具体例

のび太くんの例は極端すぎましたね。

少し話を変えてみて、誰もが一度か二度経験する事例についてお話をすると、ラベル理論が最も働いているのが、「ジェンダー」と「血液型(占い)」ですかね。

2.1 ジェンダー(男の子らしさ、女の子らしさ)

私たちは、子供のころから「男の子なら男のらしく」「女の子なら女の子らしく」言われて、親や周囲の人たちからジェンダーの価値観を刷り込まれて育っているのはご存知でしょうか?

やがて思春期になるにつれて、自分が男性であること、女性であることを意識するようになります。本能的な部分もあるかもしれませんが、周囲のラベルによる影響も無視はできません。

必ずしもこれが悪いわけではありませんが、ときに本人を苦しめるケースもあります。

2.2 ジェンダーラベルが本人に合わなかったら?

  • 「男の子なんだから泣いてはいけません」
  • 「男に生まれたからには、強くなれ」
  • 「男なんだから出世してなんぼだろ」
  • 「女の子なんだから上品にしなさい」
  • 「女の子なんだから、結婚しなさい」
  • 「女性は、男性を立てるべきである」

と必要以上に男性であること、女性であることを強要されたらどうなるでしょうか?

着慣れない服を着せられているみたいで苦しむでしょう。

LET IT GO!(しゃらくせぇ!)と叫んで雪山に逃げ込んで帰ってこなくなるかもしれません。

■ラベルの正体は「論拠」

そもそも、性別と求められる行動はイコールではありませんし、論理的なつながりは一切ありません。ある意味、社会やコミュニティー、そして親が勝手に作ったステレオタイプなのです。詳しくは、下の図をご覧ください。

ラベリング理論と三角ロジック

さて、ディベートでよく使っている3角ロジックの図を用意しました。黄色い部分の「論拠/理由付」に対して、納得のいく理由を用意できなければ、この論理は凄く弱くなります。そして、残念なことに、「男の子だから、女の子だから」という親に限って、この論拠や理由を用意できません。思い込みでなんとなくそのように発言しているだけです。

ラベルの正体は、論拠でもあるのです。

参考記事:論拠とは何か?日常会話での「常識」「普通に」の正体

性別だけを強調して、本人の価値観を無視するようなラベルの貼り方が目立ちます。親のラベルが本人が望むラベルではないとしたら、その子を不幸にします。

特に日本では本人の内包的な部分よりも、性別から本人の生き方や価値観が決定づけられます。

正直な話、男の子だって泣いてもいいんです。女の子だって自己主張してもよいです。そんなのは本人の性格でしょう。

なぜジェンダーが先にくるのかが意味解りません。

2.3 血液型

A型、B型、O型、AB型による4つの性格分類が有名ですね。

  • A型:40%・・・マジメで几帳面な性格
  • B型:20%・・・マイペースで自由奔放な性格
  • O型:30%・・・社交的で調和を重視する性格
  • AB型:10%・・A型とB型の2つをもつ不思議ちゃん

A型の人は、自分の血液型がA型なのだからA型のように行動をしなければならない、と思いこむようになります。結果、A型に特徴である「生真面目な行動」を自然ととるようになってしまいます。

血液型と性格が一致するのか?・・・・科学的な裏付けはありません。ところが、一度でもそのようなラベルを貼られると、「あ、やっぱり私ってA型だからなのかな?」と周囲は思い込み、それが本人の性格に影響してきます。

2.4 日本で血液型信仰が根強い理由

日本は、珍しい国で血液型と人口比が驚くくらいバランスが取れています。

日本人血液型
出典元:uranailady.com

  • A型:40%
  • B型:20%
  • O型:30%
  • AB型:10%

血液型で性格が分類できるのは疑っていますが、逆にこの構成比には驚きました。いわゆる、日本人ぽいA型とO型がいて、それに対抗するような真逆のB型が20%います。そして、両者のハーフである不思議なAB型がいるわけです。

話を戻すと、ここでもラベルが働きます。

過去に私も知人から「O型だよね。キミはO型ぽい」と言われるようになり、社交的な性格になれました。

もしも「B型だよね」言われたらB型の行動をとっていたかも知れません。その方が幸せだったかもしれませんが。

ちなみに、私はO型です。父も母も祖父・祖母もO型です。先祖は解りません。

3.コーチングに活かすために必要な2つのこと

さて、ラベリング効果は、コーチングや人の才能を伸ばすときに、その力を発揮します。

別に、講師やコンサルタントになる必要はありません。上司なら部下を育てるときに、友人や恋人に自信を持ってもらうときに相手によいラベルを張ってあげて下さい。

ポイントは、まずは、相手が心の中で望んでいるラベリングをそのまま貼ってあげること。これにつきます。相手を相手のありたいがままにまずは肯定してあげましょう。

3.1 本人が望んでいるラベルを貼る

逆にしてはいけないのが、本人が望んでいないラベルを貼らないことですね。逆に、理想のラベルを貼るのはオーケーです。

例えば、本当は時間を使ってじっくりと物事を考えることを好む人がいるとします。「あなたはコンピューターのように正確な答えをサクサクと出すね」というラベルを張ったら、その人はどうなるでしょうか?

本来はじっくりと物事を考えたいと思っているかもしれません。分析を重ねたい自分でありたいのかもしれません。ところが、そこに気付かず、意図しないラベルに影響されて、その人の本当の力を活かす機会を奪ってしまうかもしれません。

私は、ディベートをしているときに、そのときに相手の長所やいいところを見つけたら、何らかのラベルを張ることが結構あります。それは褒める!という意味で。

一方で、相手が本当にどうありたいのか、今の自分はどう思っているのか?自分が張ったラベルは適切なのか?聴くようにもしています。

ディベートの試合を通じてのコーチング

相手を褒めるときにも以下のような質問をすることがありますね。

今回のディベートの試合を見る限り、あなたのよいところは、スピーチが丁寧なところだった。普段からそういう話し方は心掛けているの?もともとそんなタイプなの?」と。

あくまで、一度のディベートの試合だけ向き不向きのラベルを張らないように心掛けています。

ただし、ディベートの試合で感じたことを率直に伝えてみて、今回の試合は「どうだったか?」と実際に本人が「どうありたいのか?」は、徹底的に分けて考えます。あくまで選ぶのはあなたですよ、というメッセージを与えるようにしています。

すると、本人は、今回のディベートの試合ではこのような傾向がでたけれど、普段はどうなんだろうか?と考えるようになります。

人は誰しも人の言葉に影響されますが、本人がどうありたいのかは、本人が決めるべきですからね。

もちろん、あなたもですよ。

基本は、本人が、「こうありたい」というのを察知して、それに適したラベルを張ってあげるのが一番です。

相手がどうありたいのかを事前に理解していない状態でラベルを張るのは気を付けた方がよいでしょう。相手のためにもなりません。

もしもあなたが誰かをほめたり励ましたのにも関わらず、どういうわけか嫌われてしまった、というお持ちなら、ラベル貼りを間違ったのかもしれませんね。

3.2 一度にたくさんのラベリングを張りすぎない

お友達や恋人が悩んでいるときにを励まそうと思って、「あなた、普段はもっと元気じゃん」「付き合う前は・・・」と必死になってよいラベリングを貼ろうとする人がいます。

ここは注意が必要です。

悩んでいる人は、「本来の自分」「ありたい自分」「今の自分」がバラバラになっています。だから悩んでいるんです。もしも片っぱしからラベルを張ってしまったらどうでしょうか?

もっと混乱するかもしれません。宿題で忙しい子供に更に宿題を与えるようなものです。

タイミングをみてゆっくりと「本当はこうなんだよね?」とその人が自分に張っているラベルを一度受け止めてあげることが、大切です。

その上で、「本当は、こうありたいんでしょ?」「でも今はこうなんだよね?」とたくさんのラベルが貼られていることを受け止めてあげることです。

ポジティブなほめ方なら、たくさん張ってあげましょう。

  • 「スピーチが上手だよね」
  • 「凄くチームワークを大事にするよね!」
  • 「考え方やアイディアが斬新すぎ~」

ただし、気をつけることは、相手の性格や人間性、キャラクターではなく、あくまで行動に対してラベルを張ることです。

ディベートを通じて何が得意か?どういうタイプか?どうありたいか?は、人からではなく自ら決めて行くべきというのが私の考えです。

もちろん、思いついたことを適当に褒めすぎると、「あ、お世辞をいっているんだな」と思われて、調子にいい奴だな~、というラベルを張られかねません。

あなたの言葉のパワーも弱くなります。

4.ラベルを張ってはいけないこともある

カウンセリングをするときには絶対にラベルを張らないようにして下さい。言い方を変えるなら、色眼鏡で見ない、先入観を持って人を判断しないことです。

心理的リアクタンスを発動させるリスクがはらんでいます。

ラベリング効果の欠点を一つ挙げるのなら、相手の言葉を相手の文脈で察することができなくなることです。どうしても自分の思いこみや過去の経験から相手の性格や心情を判断してしまうため、相手の悩みを相手目線で聴いてあげられなくなります

すると相手はどうなるか?今の自分の信条を受け止めてもらえないと思い込み、あなたから逃げていくかもしれません。というより、あなたに相談をしたことで余計辛くなるかもしれません。

だからこそ、相手が本当に悩んであなたに相談をしてきたのなら、まずは相手の言葉を相手の目線で受け止めてあげないといけません。

カウンセリングの世界では、こういうのを「受容的態度」「共感的理解」といいます。

カウンセリングに限らず、どうしようもなく病んでいる人がいたとします。そんな人の悩みを聴いているときは、今まであなたがその人に対して貼っていたラベルを一度全て捨てるようにして下さい。それまでのその人の認識をリセットしてください。

絶対に色眼鏡で人を見てはいけないということです。

 

さいごに

ラベルを張りたい人の行動を注意深く観察する姿勢を持って下さい。

大事なのは、ラベル(褒め言葉、励まし言葉)そものもではなく、他の誰よりもあなたのことを考えていますよ、とメッセージです。これが誠意として相手に伝われば、多少不器用でも相手からは喜んでもらえます。

もちろん、良い形で。

以前の職場で、ある上司から、「人間関係のコツは適当に褒めて相手を転がしておくこと」みたいなセリフを聴いたときは、凄く嫌悪感を抱きましたからね。

適当に転がす態度で上手くいくほど人間関係は甘くありませんよ、と言いたい。(もちろん、言った)

 

 

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