ディベートの試合-意見の「正しさ」と「説得力」の違いとは?

投稿日:2016年9月18日 更新日:


説得力の差とは?

スティーブジョブズ、キング牧師、オバマ大統領のような歴史に名を残すスピーチの名人のような話し方を身につけたいという理由でディベートに興味を持ってくれる人がいます。

かつての私もそうだったし、きっかけはどうであれ、それがきっかけで一人でも多くの人がディベートに興味を持ってくれることはうれしいことです。

ただ、当サイトでは何度もお伝えしているように、ディベートの試合で競っているのは、スピーチの素晴らしさや意見の正しさではありません。競っているのは、「説得力」です。

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では、この「説得力」とはいったい何者なのか?ここで全部お伝えしましょう。

はじめに

1.説得力とは?

主張そのものではなく、意見を組み立てるまでの「理由」や「根拠」のことを指します。これを論証力と言います。

たくさん主張を出せば勝てるわけではありませんし、その主張がどんなに心に響くような内容でも、理由や根拠を示さない限り、その主張は説得力がないものとみなされ、ジャッジからはカウントしてもらえません。

1-1 説得力がない主張とは?

雑誌や新聞でよく目にする発言をまとめてみました。これはディベートの試合でいうところの「主張」になります。

  • 「i.phoneは世界を変えた商品だ」
  • 「グローバルな視点に立つべきだ」
  • 「弱者の立場にたった法設備が必要だ」
  • 「国民の立場にたった政治を実現する」
  • 「構造改革こそが大事だと考える」
  • 「イノベーション(技術)が必要だ」

私もこのようなメッセージ性の高い言葉は嫌いではありません。コピーライティングも実践している立場なので、どんな言葉を投げれば人の心は動くのかと研究している毎日です。

ところが、ディベートの試合では、どんなに心に響く主張を投げても、理由や根拠が示されていなければ、だれからも納得はしてもらえません。

一人納得しません。タイトル以外何も書かれていない作文と同じなのです。

1-2 主張だけの議論

文章だけだとイメージしにくいと思うので、物語的にして解説してみます。

まずは主張だけで争う典型的な議論を見て下さい。

■主張だけ押し通す人
力也
これからは企業に勤めるよりも、独立・起業を目指すべきだよな。
え?なんで?理由は?そんなの個人の自由じゃない?
起業したい人は起業して、会社で働きたい人は働けばいいじゃん。
力也
理由なんてねーよ!今の時代はそういうもんだろ!
はいはーい、スグにキレないでー!

この場合、力也くんの議論は最悪です。いや、議論になっていない!という方が正しいかもしれません。そもそも、力也くんは議論をする気もなければ、心ちゃんを説得する気もありません。

一方的に自分の主張に同意して欲しいだけです。「なんで?」なんて理由すらも求めていないのです。実際に、私たちの身の回りでもこのような人は沢山いるかもしれません。

まぁ、実際になんで?って聴かれるのも面倒だしね。
真理
納得いかなくても、とりあえず「そうですよねー」と同調しておくのも手よね
世の中、ディベートじゃないからね。

では、この場合、力也くんはどのように説明をすればよかったのでしょうか?理由や根拠を説明した場合についても触れておきましょう。

2 理由や根拠を説明した場合

先ほどは、一方的に主張を押し切るだけでした。さて、ここからは、もしも力也くんが理由や根拠を伝えたうえで自分の主張をしたらどうなるでしょうか?

■理由や根拠をシッカリと説明した場合
力也
仕事は楽しいけれど、会社がブラックだからなー。うん、長く働けないな。やっぱり若いうちにスキルを蓄えて将来は独立するのが今の働き方なのかなー。
へー、そうなんだー。お仕事大変ねー。事情はわかったわ!
でも、長く働けないと思っているのなら、転職を考えてみるのもありじゃない?
真理
その時は、ウチのエージェントに登録してね♪
力也
オイ!

以上です。力也くんは将来独立をするべきか、否か、についてのディベートでした。

2-1 根拠・理由があると説得力があがる

このように、理由や根拠があることで、聴いている人からも納得してもらえます。今回の場合、力也くんは「ウチの会社はブラックだから」という前置きがあります。この前置きが「根拠」になります。

会社がブラックという根拠に対して納得してもらえれば、「長く働けない」という主張は納得してもらえます。このように筋立てて説明をすれば、意見は違えど「このような経緯でこう考えたんだ」と納得はしてもらえます。

2-2 実は主張はもう1つあった

実は、力也くんは2つの主張をしていたのはご存知でしょうか?

  • 主張1-仕事は楽しいけれど、会社がブラック。だから、長く働けない
  • 主張2-若いうちにスキルを蓄えて将来は独立するのが、今の働き方

主張1は先ほどの通りです。長く働けない!という点は誰もが納得します。ここから一歩発展して、「若いうちに独立・起業をするべき」というはじめの主張に戻っています。

ここに対してはしっかりと反論されていますよね?

「長く働けないと思っているのなら、転職を考えてみるのもありじゃない?」と心ちゃんから。そして畳みかけられるように真理ちゃんから、その時はウチのエージェントを宜しくね☆と。

この2つの関係を見てみましょう。

  • 根拠:「仕事は楽しいけれど、会社がブラック。だから、長く働けない。」
  • 主張:「若いうちにスキルを蓄えて将来は独立をするべき

なるわけです。両者の間にあるのが、力也くんが述べている「それが今の働き方」です。

真理
独立起業をしなくても、働きたいところで働くのも今の働き方よね?
その通り。根拠は認めるわ。でも、「独立・起業するべき」は言いすぎじゃない?
力也
ムカ!じゃあ、どういえばいいんだよ?
そこら辺は価値感だからあえていう必要はないかも。さっきよりも説得的だったわけだし。

と、このように、何らかの理由や根拠があったうえでの主張であれば、納得はしてもらえなくてもある程度説得はしてもらえます。

 

 

 

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