ディベート試合編-根拠を説明ときのNG行為3つと改善方法3つ

投稿日:2016年4月16日 更新日:


ディベートのスピーチは役割
ディベートの試合では、どんな主張をするかではなく、主張に対してどのような根拠をセットするかの方が大事になってきます。

いくら心に響くようなメッセージを投げても、「なんでそうなるの?」と相手から質問されるでしょう。その質問に答えられないとその議論は無効と見なされます。

はじめに

1.主張の理由を主張にしてはいけない

根拠を説明するときの3つのポイント
主張が理由が別の主張になっている人がたくさんいます。

例えば、即興ディベートの試合中、このような議論が飛び交っています。そして、ジャッジによっては、無条件で無効と判定する議論でもあります。とりあえず、見て下さい。

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1-1 主張の理由が主張になっている

  • 【主張】i.phoneは売れる!
    【根拠】なぜならi.phoneは誰もが認める素晴らしい製品だからだ。
  • 【主張】英語を勉強するべきだ
    【根拠】これからはグローバル化が進み英語が話せる人が活躍するからだ。
  • 【主張】大企業が安定なんて嘘だ
    【根拠】リーマンショック以降、大手企業が軒並みに業績不振になった

さて、これらの議論を聴いてどう思いましたか?「ああ、理由を付け加えればいいのね」と思うかもしれませんが、追従する理由があまりにも弱すぎるんです。本来であれば、ここで紹介をした理由の部分について議論をするべきです。

先ほどの3つの例をひとつひとつ検証していきましょう。赤字の太線は、選手・ジャッジをしているときに反論をしていることですね。

【主張】i.phoneは売れる!
【根拠】なぜならi.phoneは誰もが認める素晴らしい製品だからだ

  • 誰もが認めるのは事実か?根拠は?
  • 素晴らしい製品といえる根拠は?

新人の営業が「弊社の商品は素晴らしいです。だから、買って下さい。」と説明しますが、お客さんが知りたいのは、その商品が素晴らしいかどうかではなく、どんなものか?です。商品の中身を全く説明せずに、「素晴らしい、素晴らしい」と連呼しても説得できないでしょう。

【主張】英語を勉強するべきだ
【根拠】これからはグローバル化が進み英語が話せる人が活躍するからだ

  • これから本当にグローバル化が進むのか?そもそもグローバル化はどういう状態だ?
  • グローバル化が進むのは解ったが、英語が話せる人が活躍する根拠はどこにある?

グローバル化の議論については、ニュースやメディアでもよく騒がれていますよね。特に日本人は「海外」という言葉にピンと反応します。黒船来航時代からの遺伝子なのか?

さて、ここで質問です。このような議論は何年間ぐらいされていますかね?1990年に発行された経営学の本でも同じ議論がされています。

海外との取引が増えたり、外国人旅行客が来日するため、グローバル化が促進していることは間違っていません。英語の必要性もますでしょうね。但し、一昔と比べて、どのような形で、「グローバル化」が進展して、英語が必要になるのか?自分の言葉で説明できるようにしましょう。

【主張】大企業が安定なんて嘘だ
【根拠】リーマンショック以降、大手企業が軒並みに業績不振になった

  • 業績不振にはなったのは、事実か?そもそも大企業だけか?他の企業は?
  • 「軒並み」?円高の影響受けやすい一部の企業だけでは?

ネットビジネスや副業コンサルタント、ビジネス講師や転職エージェントが大好きな議論です。

「リーマンショック以降、大手企業が軒並みに業績不振になった」は、その通りかもしれませんが、「大企業」という言葉を使っている時点で説明に具体性が足りません。実際に、倒産した企業の例をひとつでも出せば、説明にリアリティーが増すでしょう。

1~3の根拠では、聴いている人から「確かにそうだよね」「その主張は一理あるよね」と信じてもらえるような具体性です。主張も抽象的だし、理由も抽象的なままで終わってしまいます。

では、どのように根拠を述べれば具体的だと思ってもらえるのか?色々とまとめると以下の3つに集約ができます。

2 具体的だと思ってもらえる根拠の説明の仕方-3つ

根拠から主張をみるときのポイント
専門家の発言を引用するか、ある事例を紹介する、もしくは統計やアンケートなどのデータを提出する、この3つしかありません。もちろん、これはディベートに限った論証方法ではありません。あらゆることに応用が可能です。

2-1 専門家の発言を引用する

「●●大学の教授が、××といったことを発表した」と著書から引用する方法です。アカデミックディベートでは、証拠資料として第三者の発言を引用するのが基本です。原則、アカデミックディベートでは、ディベーターの発言は信頼性がないものと考えられています。

即興ディベートの場合は、証拠資料が使えないため、専門家の発言を引用するような議論展開はあまりされません。誰もが知ってそうな本のネタを引用するくらいですかね。ジャッジがその本について知らなかったらオダブツですが。

2-2 ある事例を紹介する

ニュースや実際に起きた出来事を紹介して論証を展開する方法です。先ほどの、「i.phoneは売れる」を立証したければ、以下の事例を説明すれば聴いている人から「なるほど、そうだね」と思ってもらえるでしょう。

「i.phoneは売れる」
実際にi.phoneの新シリーズが発売されたときを思い出して下さい。発売と同時に販売店の前に長い列ができることがよくニュースで紹介されています。アンドロイドの新シリーズが販売してもこのような事象は耳にしません。よって、i.phoneは、並んでいても欲しい人がたくさんいることが解ります。

さて、どうでしょうか?先ほどの、「i.phoneは素晴らしい製品だからだ」という一言よりも説得力があると感じるのではないでしょうか?根拠は具体的であれば具体的であるほど説得力が強くなるということです。

2-3 統計やアンケートなどのデータを提出する

統計やアンケートを提示することは王道と言えば王道です。数字による裏付けもなされているため、3つの中で最も説得力があるでしょう。ただ気をつけてほしいことは、あなたの主張したいことを見事に立証してくれるような統計資料はなかなか見つかりません。

ある統計資料にあなたの解釈を加えて、主張を導くしかありません。よい統計資料を見つけるよりも、既存の統計資料を使いこなす方法を覚えて下さい。

ここら辺はテクニックとしてワークショップでよく解説をしています。

さいごに

根拠を伝えるときのポイントは、根拠が抽象的でないかをいちど立ち止まって考えてみることです。主張は抽象的である方がよいのですが、根拠は具体的でなければなりません。

冒頭でお伝えした「主張の理由が主張」になる3つの事例について振り返りましょう。

  • 【主張】i.phoneは売れる!
    【根拠】なぜならi.phoneは誰もが認める素晴らしい製品だからだ。
  • 【主張】英語を勉強するべきだ
    【根拠】これからはグローバル化が進み英語が話せる人が活躍するからだ。
  • 【主張】大企業が安定なんて嘘だ
    【根拠】リーマンショック以降、大手企業が軒並みに業績不振になった

主張の理由が主張になってしまう原因は、根拠が抽象的だからです。具体的にするには、「第三者の引用」「実際に起きたこと事例」「アンケート・データ」を用いた説明ができれば、それだけで具体的な説明だと思ってもらえます。これを使わない手はないでしょう。

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