ディベートの方法|肯定側立論(メリット)・否定側立論(デメリット)の作り方

投稿日:2015年12月19日 更新日:


ディベート立論

立論の作り方について全て解説してみました。立論とは、一言でいうなら、ディベートの試合でいちばん最初に行う議論のことですね。

テーマを実行する理由を説明するパートですかね。プレゼンテーションに近いかもしれません。

そして、プレゼンテーションにも型があるように、立論にもキチンとした型があります。その型についてこれから説明していきます。

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文章は、10,000文字超えとやや長めですが、ガッツリ読まなくて大丈夫です。

まずは、目次を見て下さい。

 

目次

1 立論とは?

これですね。自分達の議論を提示するスピーチです。ディベートの試合では、肯定側・否定側ともに、まずは自分たちの議論を提示します。その提示された議論を戦わせて、最後に決着をつけます。

つまり、立論は最初の議論ということになります。言葉の通り、論を立てること。その論の立て方は、テーマを実行することによるメリット(デメリット)を出すことです。

1-1 メリット・デメリットを出す

肯定側は「メリットがあるからテーマを肯定するべき」と論じて、逆に否定側は「デメリットがあるからテーマを否定するべき」と論じます。

そして、ジャッジは、メリットとデメリットを比べて、より説得力がある!と判断した側に投票をします。

実際に、具体例があったほうがわかりやすいと思うので、今回はテーマを用意しました。

1-2 仮テーマ-消費税引上げ

立論とは何か?主張と根拠から見る

日本が消費税を引き上げることによって、メリットがあると判断したら肯定側に投票します。デメリットのほうが大きいと判断したら否定側に投票します。

ただ、国家という単位で考えたらどうでしょうか?また、別の世界が見えてきます。

2.立論の作り方(プラン、メリット、デメリット)

立論の構成

さて、それでは立論の作り方に行きましょう。先ほど、お伝えしたとおりですね。プラン・メリット・デメリットの3つを作ることです。

はい、プラン、メリット、デメリットの3つです。

「ん・・・?プラン」・・・・・はい、ごめんなさい。言い忘れたわけではありません。あえて、このタイミングで登場させました。

メリット・デメリット方式では、まずはテーマをプランに落とし込んで、その上でメリットとデメリットを出します。そんな、プランについて、解説をしていきます。

2-1 プランとは?

いきなり、「日本は、消費税を引き上げるべきである」といっても、このような疑問が思い浮かびますよね?

  • 「えっ?消費税を何%まで引き上げるの?10%なの?」
  • 「全ての商品・サービスに対して課税するの?」
  • 「いつから消費税を引き上げるの?オリンピック後?」

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ディベートのテーマそのものは「する・しない」は凄く具体的ですが、どのように実行していくかは凄く曖昧です。今回の消費税もそうですよね?

極論をいうなら、2030年に消費税を8.1%に引き上げても、テーマを肯定したことになります。来年の4月に消費税を20%にしても同じことが言えます。

 

このように、消費税を引き上げる!と一言でいってもその方法は何百通りも考えられます。逆に考えるなら、肯定側と否定側の解釈が割れてしまい、議論そのものが噛み合わなくるリスクもあります。

そうならないように、肯定側は、立論のタイミングで、今回はこのようにしてテーマを実行します!と計画のようなものを提示します。計画だから、プランですね。

2-2 テーマをプランに落とし込む-以下その方法

ディベート-プラン

テーマによって様々ですね。例えば、教科書をタブレットにするべきか?ならタブレットの機種やネットワークの設備の是非まで決めなければなりません。結構複雑ですね。

話がそれました。失礼。

「日本は、消費税を引き上げるべきである」というテーマなら、以下のことは決めますね。

2-2-1 いつから、どの程度、補足事項、例外

<いつから?>
いつから消費税を引き上げるのか?来月、来年、翌年度、数年後?

<どの程度>
何パーセントに引き上げるのか?10%?20%

<補足事項>
消費税を引き上げるに伴い、必要な手続きはとるか?
その他、弊害を防ぐための補足的な政策も実施するのか?

<例外>
課税非対象にする商品・サービスを設けるか
(例)現状では、家賃には消費税は課税されていない

このように、プランがしっかりしていればその分、肯定側と否定側の解釈のずれをなくします。

2-2-2 プランを述べる機会は立論のみ

通常は、肯定側立論のタイミングで行います。肯定側第一反駁など、途中からプランを変更するとニューアーギュメントになります。途中で不備があっても、最後までそのプランを通す覚悟で試合をして下さい。

  • 立論-2020年に消費税を10%にします。

と立論で言っておきながら、

  • 反駁-消費税をあげる時期を遅らせれば回避できます。

とちぐはぐな議論をしたら、その時点で肯定側を負けにするジャッジもいます。

プランの作り方ディベート実践編-「テーマ(論題)」と「プラン」の違い・作り方

2-3 プランからメリット・デメリットを出す

プランを作るのは肯定側の仕事

プランができたら、肯定側は、そのプランによって生じるメリットを主張します。対して、否定側は肯定側のプランによってのみ発生するデメリットを述べます。

否定側の立場は、「現状維持」が基本です。つまり、「今回のプランを採用すると新たな問題が生じるから採用するべきではない。現状を維持するべきだ」になります。

なお、否定側もいくつかの条件を満たせば、プランを出すことができますが、それは後半で解説をします。

まずは、プランを提示して、どのようにメリットにつなげていくか?その流れを見ていきましょう。

3.肯定側-メリットを作る

先ほど、プレゼンテーションにも型があるように、立論にも型があるとお伝えしましたね。プランの作り方もその人です。ここからは、メリットの型についてみていきましょう。まずは図で。

肯定側立論の構成

「内因性」「重要性」「解決性」と何だか普段の生活では聞き慣れない言葉が出てきましたね。この3つが肯定側立論で論じるメリットを作るときの3つの方です。ひとつひとつを見ていきましょう。

 

3-1 メリットとは-問題が解決されるシナリオを作る

メリット=「よいこと」ではありません。「問題解決」です。絶対に解決しなければならない問題があるからこそ、テーマを実行(消費税を引きあげ)しようとしているのです。そうでなければ、ただのいやがらせです。

ヤバい問題がある!と認識してはじめて、何らか新しい政策・法案を実施させようと取り組みます。

 

3-2 問題解決のシナリオの作り方

先ほど、メリット=「問題解決」とお伝えしました。「問題の提示・分析」「問題解決の重要性を強調」「提案の効果・実証」の3つを行います。これをメリットの3要素と言います。

  • 1)内因性:問題の提示・分析
    現状何らかの問題があり、その問題は放置していても解決しない
  • 2)重要性:問題解決の重要性を強調
    このままだと大きな問題が起こり、主人公はこの問題を解決するべきである
  • 3)解決性:提案の効果・実証
    プランを採用することで、この問題は解決する。また、プランは実行可能

「内因性」「重要性」「解決性」とはディベートの専門用語です。普段の生活では聞き慣れない言葉かも知れませんが、覚えておいて損はないと思うので、このままお伝えします。

3-2-1 内因性-現状の問題提起をする

現状、どのような問題があるかを指摘します。現状分析に似ているかもしれませんが、違います。(それだったら、「現状分析」という言葉を使えばよいわけで)

  • 「その問題は放置しても解決しない」
  • 「プランを実行しない限りは解決しない」
  • 「テーマを実行していないため問題が起きている」

など、問題とテーマ・プランをリンクさせるところまで考えます。

<「日本政府は、消費税引き上げるべきである?」で考えるとこうなる>

  • ①現在、日本の財政は赤字です。2015年時点で、国債や借入金等で「国の借金」の残高は、1000兆を超えました。(問題提起・現状分析
  • ②本来は、お金の使い方を見直すべきなのですが、日本政府は節約や財政運用が得意ではありません。お金を使うことが大好きです。よって、税収を増やさない限り赤字は増え続けるでしょう。(内因性-問題が解決しない理由-

①だけだと、財政が赤字だから税収を増やして問題を解決しよう、という議論になります。確かにその通りなのですが、この議論は弱いです。なぜなら、事実だけ述べて赤字の原因にはアプローチしていないからです。

<否定側からの反論を予測>
「日本の財政が赤字だということは解りました。ですが、赤字ならお金を増やすのではなく、議員の給与カットや無駄遣いを減らすことが先決です。お金の使い方を見直さない限り、赤字は増え続けます。よって、今は消費税を引き上げるタイミングではありません。」

最もらしい反論を考えてみました。ジャッジも赤字なのはわかったけれど、なぜ消費税を引き上げるべきなのか?と考えるでしょう。なので、内因性では、可能な限り、テーマを実行する/プランを採用する意外では、問題は解決しません、というロジックを組みます。

もちろん、「議員の給与カットや無駄遣いを減らすことが先決」という反論に対しても、「おっしゃる通りだけれど、現実的にできないんだから仕方ないじゃん」「消費税を上げるしか問題を解決する方法はないのです」と切り返せるわけです。

3-2-2 重要性-解決の必要性を主張する

「問題だー、問題だ―」と叫んだところで、本当に解決するべき問題かどうかは別の話です。国家も企業も個人も問題はたくさん抱えています。ひとつひとつを解決していたら、時間がいくらあっても足りません。

大きな問題か小さな問題かも解りません。
そもそも自分たちが解決する問題なのかも解りません

<年金・医療保険等の社会保障の問題で考えてみる>
公務員の人達にとって、年金や社会保険は毎月の給与からしっかりと差し引かれるものであり、自動的にもらえるものです。また、雇用も定年まで保障されます。ですから、率先して解決する問題とは思っていません。

一方で、来年リストラになって収入を失い健康保険料が支払えず、年金がもらえないのではないか?と不安を抱えている人にとっては死活問題です。

このように立場によって、解決されるべき問題は大きく異なります。

<日本の借金は誰にとって不都合か?>
先ほど、日本の借金は1000兆円を超えたという議論がありました。え?日本はそんなに借金しているの?と驚くかもしれませんが、日本は、外国からはなく国民や企業から借金をしています。日本の借金は、国民の資産が成立します。ここがギリシャとの大きな違いです。

ただ、政府にとっては、借金が膨れ上がるのは都合が悪いです。だから、取れそうなところから税金をとって、1日でも早く借金を減らそうと思っているわけです。

改めて、重要性の話に戻ると、「現状のままだと解決しない問題がある」=「その問題は絶対に解決されるべき」という議論は似ているようで全く違います。

ニートの人達に「働かないと将来ヤバいよ!」と言っても、ニートは働きません。親が養ってくれるし、遺産を残してくれると疑っていません。親が亡くなれば、兄弟に頼ればよい。その気になれば生活保護があると信じて疑いません。

<プランの【必要性】と【有効性】について>

プランの必要性と有効性について
説明が複雑になってきたので、一度ここで話をまとめたいと思います。ひとつ前で肯定側はプランを示したら、その【必要性】と【有効性】を示すとお伝えしました。この【必要性】というのが、内因性と重要性を指します。

今回なら、消費税を10%に引き上げる必要性ですね。現状、消費税が10%に引き上げられていないことによって、どのような問題が生じているのだろうか?そして、その問題はどうしても解決されなければならない問題か?の2つについて考えて下さい。

この2つができたら、改めて、なぜ今回のプランでこの問題を解決するのか?【有効性】についての議論を行います。

3-2-3 解決性-プランの効果を実証する

解決性の作り方

解決性はプラン後を採用すれば、内因性や重要性で挙げた問題が解決することを証明していきます。ここで証明することが2つあります。

  • 問題を解決するのか?
  • 現実的に実行可能か?

なぜなら、内因性や重要性は、政策を実行しなかった場合のシナリオについて考えるのに対して、解決性は政策が実行されたと仮定して、その未来の話について論じます。

例えば、今回の場合は、「プランを採用して、消費税をUPすれば、日本の財政は赤字の危機から救うことができます」と言えばよいわけです。もちろん、「理由」や「根拠」を示さないといけません。

では、消費税を8%から10%にすることでいくらの税収が見込まれるのか?ここが論点になると思います。

解決性の論証①-問題を解決するのか?

消費税を8%から10%に引き上げたら税収がいくらになるのか?という計算ですね。

過去に消費税を3%から5%に引き上げたときに、税収が2兆円UPするというデータがありました。でも、やっぱり過去のデータです。同じ2%UPでも現在の状況にそのままあてはまるかまでは言いきれません。

内因性、重要性は現在の事柄にしたいして、この問題解決性はプラン後の世界だあるため、最も証明が難しいと言われています。見ないなんて誰にも解りませんから。

解決性の論証②-現実的に実行可能か?

それでも強引に問題解決性を示したら、次はそのプランを現実的に実行できるのかを証明しなければいけません。あくまでプランですね。補足的にスパイクプランを打った場合は、そのプランが有効であることも証明しないといけません。

なお、その点について、今回の消費税10%は簡単です。税率だけを引き上げればよいのでカンタンです。面倒なプランも必要ありません。

ひょっとすると、「国民が反対するから無理じゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、現実問題はおいておいてディベートでは何の心配も要りません。

あくまで、議論をするのは「消費税を引き上げるべきかどうか」「仮に消費税を引き上げたらどうなるか?」であって、現実的にできるかどうかまでは議論の対象にならないからです。

こういうのをフィアットと呼びます。

参考記事ディベートのルール-その7.フィアットとは?テーマがShould形式である理由

 

-まとめ-肯定側立論の作り方

  • テーマ(論題)をプラン(具体的な実行計画)に落とし込む
  • 問題解決からメリットを出すときは、問題解決を意識する
  • メリットの3要素は「内因性」「重要性」「解決性」

4 否定側-デメリットを作る

続いて、否定側のデメリットの作り方について説明します。

先ほどの肯定側の仕事を思い出して下さい。主に2つでした。

  • テーマをプランに落とし込む
  • そのプランからメリットを作る

逆に、否定側立論は、肯定側のプランからデメリットが発生するシナリオを組み立てます。

今回のプランからはデメリット(新たな問題)が発生する。この問題は深刻である。プランを採用するべきでない、と論じるの事になります。

デメリットの作り方

発生過程、深刻性、固有性・・・相変らず聞き慣れない言葉が出てきたかと思います。そんなに難しく考えず、否定側は、肯定側のメリットと真逆ことをしている、と考えて下さい。

では、ここからは否定側立論を作成するときのポイントについて解説していきましょう。

改めて、否定側の立場を明確にすると、否定側は現状維持を主張することでテーマを否定します。今回のテーマだと、「消費税を引き上げず8%のままにしておくべきだ」というのが基本的なスタンスです。

  • 主張-消費税を8%から10%に引き上げるべきでない
  • 根拠-「新たな問題(デメリット)」が発生する

そこで、否定側は新しいデメリットが発生するシナリオを描かなければなりません。

そのシナリオの書き方が、以下の3つになります。

  • 4-1 発生過程:どのようにしてデメリットが発生するか、そのシナリオ
  • 4-2 深刻性:結果として生じる問題が深刻である(重要性よりも)
  • 4-3 固有性:デメリットはプランによってのみ起きる

4-1 発生過程:どのようにしてデメリットが発生するか、そのシナリオ

発生過程とは、「あーなって、こーなって」とデメリットが発生する一連のシナリオを描く作業です。デメリットの作り方は、「え?そんなこと説明しなくても解るだろ!」と突っ込まれるくらい細かく説明することです。

<よくあるデメリットの失敗例>

  • 「消費税を10%にすると、色々と問題が起きます」と論じる
    「具体的にどんな問題が起きるんですか?」と反論されてアウト
  • 「消費税を10%にすると、国民の生活が苦しくなる」と論じる
    →「本当ですか?どの程度苦しくなるんですか?」、「具体的な説明が全くありません。」と反論されてアウト
  • 「消費税を10%にすると、経済活動が低迷する」と論じる
    →「消費税を5%から8%にしたときに、経済活動は低迷しましたか?」

ビジネスのプレゼンを学んだ人の中がよく犯すミスです。ビジネスプレゼンでは、「要点をコンパクトに伝える」ことを徹底します。ディベートの試合で要点だけをコンパクトに伝えると、

  • 肝心の根拠の積み重ねをしていない
  • 要点だけ伝え他だけで終わっている
  • 専門用語だけで説明しようとする

結果、立論が本の目次のようになります。タイトルだけを箇条書きにして伝えるだけで終わっていて、中身を一切伝えていない立論になっています。

これは即興ディベートワークショップで、某企業の部長さんが行ったミス。管理職がいち言えば、部下は何を言いたいのかを必死に理解しようと心掛けてくれますが、ディベートでは論証(根拠の積み重ね)をしない限り、たとえ何を言いたいのか理解しても評価してはいけないことになっています。

<デメリットの考え方-当たり前のことをバカみたいに伝える>

「誰が何をして結果どうなる?なぜ?」をバカみたいに考えることです。下図は、ホワイトカラーエグゼンプションを採用するべきである」というテーマでモデルディベートをしているときのロジックです。参照してください。

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このロジックは、ホワイトカラーエグゼンプションをすると、ブラック企業が増えて、長時間労働が増える、と論じるだけです。日常の議論であれば、この言い方でも問題はありません。

ところが、ディベートだと、「ホワイトカラーエグゼンプションをすると、ブラック企業が増えて、長時間労働が増える」と一言でと伝えても、「え?なんで?」「どのような論理を積み重ねればブラック企業が増えるの?」と質問を受けます。最悪の場合、「その流れを説明した?」「これだと議論になりません。」と反論されます。

同じように、今回の消費税論題で同じです。

消費税を10%にすることで、

  • 1)「消費者の負担が増えて、モノを購入しなくなる」
  • 2)「消費者がモノを購入しなくなれば、企業の売上が低迷する」
  • 3)「企業の売上が低迷すれば、政府への税収が減る」

という論理を組み立てたければ、1~3の根拠を示さないといけません。

繰り返しになりますが、その場にいる全員はあなたが何を言いたいのかは解ります。ですが、みんなが知りたいのは、どのような根拠を用意したか、です。これが似ているようで違います。

4-2 深刻性:結果として生じる問題が深刻である(重要性よりも)

深刻性(インパクト)の作り方2

発生過程が「何が起きるか?」に対して、深刻性は「何が問題か?」です。肯定側の「重要性」と同じように考えてもらっても構いません。

立論のタイミングで、肯定側の深刻性よりも問題である理由を説明できると、後半が戦いやすくなります。

4-3 固有性:デメリットはプランによって「のみ」起きる

固有性とは聴き慣れないかもしれませんね。デメリットが本当にプランによって「のみ」、引き起こるのか、その証明です。肯定側のプランの出方によっては、固有性が必要がない場合もあれば、本当に立てなければならない場合もあります。

先ほどの「英語公用語」と「消費税10%UP」を例にしてお伝えしたいと思います。

3-3-1  英語公用語|プランで設定するTOEICのスコアによってデメリットが異なる

英語を公用語にすると、英語が得意でない社員にとってはデメリットです。ところが、英語公用語もどの程度行うか?によって、デメリットの度合いが変わってきます。

例えば、TOEIC600点とTOEIC900点を義務付けるのではデメリットを出す切り口がだいぶ異なります。そもそもTOEIC取得を義務付けてこないかもしれません。

他にも、「いつから始めるのか?」が挙げられますね。来月からいきなり実行に移すのか、今から2年後に実行する予定で段階的に行っていくのか?によってデメリットそのものがプランから発生しないかもしれません。

3-3-2 消費税10%|現在が8%だとして、+2%によるデメリットを出す

消費税10%は、私たち消費者にとって、デメリットになります。(正直嫌です。)今まで10,800円で買えていたものが、11,000円になわるわけですから。

だからといって・・・「生活が苦しくなる」、「国民の負担になる」というデメリットは、ややザックリし過ぎです。評価はされません。この場合、消費税UPそのものもよりも、消費税が2%上がる「前」と「今」では、具体的に何が変わるのか?そこを論じなければなりません。

以上が固有性の考え方です。肯定側は、極力デメリットが発生しないようにプランを上手く調整してくる場合もあります。否定側にとって、最も難しいところは、肯定側がどのようなプランを仕掛けてくるか解らず、柔軟かつ予測をしなければなりません。

4.まとめと立論の目的を再確認

メリット・デメリットの流れ
肯定側、否定側、ジャッジの仕事をまとめていくと以下の通りになります。

  • 肯定側の仕事
    テーマの範囲以内でプランを設定する。「今回のプランからはメリットが発生する」と論じる
  • 否定側の仕事
    肯定側のプランを採用すると「デメリットが発生するため、プランを採用するべきでないと論じる
  • ジャッジの仕事
    メリットとデメリットを比較して、プランを採用するか否かを判定する。その基準はメリット・デメリットのどちらの方がより大きい・重いかで決まる

ほとんどのジャッジは、メリットとデメリットの大きさ・重さを比較して、肯定側のプランを採用するか否かを決める、と教育されています。これを「メリット・デメリット方式」と呼び、最もシンプルな方法と考えられています。

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